和紙

宇宙
蛇足
■宇宙と言う言葉 
」は空間的広がりを、「」は時間をあらわします。
いわゆる四次元の世界(縦・横・高さ・時間)を表しているのです。
出典は淮南子(えなんじ)で、これは
淮南王(わいなん)の劉安(〜B.C.122)が編著した哲学書で、正式には「淮南鴻烈解」といいます。

★space と universe とcosmos
英語では宇宙と言う単語が三つあります。
space は人間の活動する大気圏外とか地球の近傍を指すことが多いようです。スペースシャトルとかスペーストラベルとか。
universe はラテン語が起源で統一とか普遍と言う意味が込められています。
cosmos はギリシャ語が起源で秩序とか美と言う意味を含み、ピタゴラスが最初に使ったとされます。
花のコスモスも同じ語源です。(参照「Vol.071 カオス」)

★宇宙の定義
国際航空連盟では、
地表から100km以上の場所を宇宙と定義しています。

■宇宙の誕生のシナリオ
最近の研究結果では
宇宙の年齢は137億年でほぼ決まりだとか。
宇宙は「無」から始まったとされます。何もないところからこの大きな宇宙が生まれたと言うのですから、とても信じられませんね。^^;

★インフレーション
宇宙が生まれて10のマイナス44秒後から10の33乗分の1秒間に、その大きさが10の50乗倍に膨張したとされます。(ただ、本によって 10の34乗〜10の100乗まで諸説あるようです。)  これをインフレーションといいます。

数字があまりに現実離れしているので理解しにくいですね。つまり、
宇宙が生まれて0.00000000000000000000000000000000000000000001秒後から
1/1000000000000000000000000000000000秒間のお話です。
想像すら難しいお話ですが、近年、この裏づけとなる観測結果がいろいろ出てきています。

★ビッグバン
インフレーションで作られたエネルギーが熱エネルギーに変換され、さらに物質(クォークと言う陽子や中性子を形作るものや電子など)が作られました。
このことをビッグバンといいます。

1922年
フリードマン(気象学者&数学者 ソ連 1888〜1925)がアインシュタインの方程式を解くと、膨張するか収縮すると言う解しか出ないことを示します。
1927年
ルメートル(神父&数学者 ベルギー1894〜1966)も独立に同じ結論を得ます。宇宙の膨張を遡って宇宙の始まりを真剣に考えたと言うことで、彼は現在「ビッグバンの父」と呼ばれます。
宇宙の膨張が確認されるのは1929年ハッブルの発見によります。

★宇宙の晴れ上がり
宇宙の誕生の38万年後、電子が陽子と一緒になって水素原子ができ、それまで電子にぶつかっていた電磁波(光も含みます)がまっすぐ進めるようになります。
私たちが現在観測できる限界はこの時点です。
宇宙マイクロ波背景放射と言うマイクロ波が観測できるのです。

★その後の宇宙
星は2億年後には輝きだし、9億年後には、もう銀河が存在し12億年後には現在の宇宙の骨格が形成されていたようです。
そして71億年後から宇宙は再び加速的な膨張を始めているといいます。
91億年後、私たちの太陽系ができました。

このまま加速膨張が続くと、やがて私たちの天の川銀河からみえる他の銀河は無くなり、孤独な存在になるかもしれません。もっとも、天の川銀河の隣人であるアンドロメダ銀河とは、そのうちにぶつかって一つの銀河になるのでしょうが・・・。

蛇足ですが、
銀河と言うと一般用語です。英語では galaxy と言います。
銀河はその数が1000億とも、それ以上とも言いわれます。
特に、私たちの住む銀河は
天の川銀河と言います。英語では the Galaxy です。

ビッグバンの名前の由来については Vol.183 「相対性理論」を参照してください。

■宇宙の中身
★この宇宙の構成
はどうなっているのでしょう。
まず、私たちが見ることができる星などの
普通の物質は5%にすぎません。
そして正体不明のもの(「
ダークマター」と呼ばれていますが)が25%、そして残りの75%が現在宇宙を膨張させていると言う「ダークエネルギー」だそうです。

ダークマターやダークエネルギーの正体は未だに不明です。
一時期、ニュートリノでダークマターが説明できるのではないかと言われましたが、ニュートリノの質量があまりに小さく、現在では説明できないとわかりました。

ダークエネルギーの候補としては、
真空のエネルギーが有力なようです。

★宇宙の果ては?
宇宙の果てはどうなっているのかと言う質問をよくされます。
難しい問題です。一般には、三次元空間を表すのは難しいので一次元減らして考えます。そうすると、宇宙は膨らんだ風船の表面のようだとたとえられます。
つまり、大きさはあるのですが、果てはないのです。風船の表面に張り付いた仮想的な平面生物は風船の表面が彼らの世界のすべてです。
宇宙の膨張は風船が膨らむことに相当します。

実際の私達の宇宙を考えると、このような宇宙が私達の宇宙以外にもあるでしょう。それは私達の宇宙の外にあるのでしょうが、私達には永久にその存在がわからないと思います。

そうそう、よくテレビなどでビッグバンを外から眺めたようなCGが使われますが、そのようなことは不可能です。私達が仮に観測できるとしても、ビッグバンの只中からだけです。

★ブラックホール
最近、ブラックホールの存在は確実視されてきました。でも、不思議な天体ですね。
中に入ると何ものも出てくることが出来ない、光でさえも。
では、どうして存在しているのがわかるのかと言うと、ブラックホールに落ち込む物質が出す光が観測できる場合や、目に見える星と互いにお互いの周りを回転している場合です。
さらに、回転しているブラックホールは
ホワイトホールとつながっているかもしれないと言う説があります。ただし、現時点では、ホワイトホールの方は、まったく観測されていませんから、理論上の産物でしかありません。

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