和紙

蛇足
虎の関係する故事は沢山あります。故事とその出典などをざっと調べてみました。

★虎穴に入らずんば虎子を得ず  「後漢書・班超伝」
虎の住む穴に入らなければ、虎の子どもを奪いとることはできない。転じて、大変な危険を冒さなければ功名を得ることはできないの意味に使われます。

★虎を養いて患(うれ)いを遺(のこ)す 「史記・項羽本紀」
かわいがって育てた虎の子が猛虎になって災いとなると言う意味です。
情愛にひかれて災いの種を断たないで、後日に禍根を残すことのたとえです。

劉邦の部下、張良、陳平が、「項羽軍は疲れており、今、討たなければ、まるで虎を養って憂いを後々まで残すことになる」と進言します。
翌年、四面楚歌の中、項羽の楚は滅びます。

★虎口を脱する 「荘子・盗跖編」
危険な場所、状態からのがれることを言います。

★暴虎馮河(ぼうこひょうが) 「論語・述而篇」
暴虎とは素手で虎に立ち向かうこと、馮河とは黄河を歩いてわたること。つまり無謀なことを言います。
「暴虎馮河して死して悔いなき者は、吾れ与(とも)にせざるなり。必ずや事に臨みて懼(おそ)れ、謀(ぼう)を好みて成さん者なり」

★苛政(かせい)は虎よりも猛し 「礼記」
孔子が泰山の麓を通ったとき、女が泣いています。
わけを聞くと「昔、舅が虎に食われ、次に夫も食われ、そして今息子まで虎に食われました」と答えました。「では、なぜこんな土地を逃げ出さないのか」と訊くと、「ここに住んでいる限り、厳しい税金の取立てがありませんから」と答えたと言います。

★騎虎の勢い 「隋書・独孤皇后伝」
虎に乗った者が、途中でおりることができないように、物事の勢いがさかんになって、行きがかり上、中止したり後へ引けなくなったりすることを言います。

★前門に虎を防ぎ後門に狼を進む 「評史」
前門の虎、後門の狼とも言います。
一つの災いをのがれても、さらにまた別の災いにあうことを言います。

★雲は竜に従い、風は虎に従う 「易経・幹卦」です。
竜は雲を従えることによって勢いを増し、虎は風を従えることによって速さと威を増します。
つまり、物事はそれぞれ相似たものが一緒になったり、一緒になろうとして、うまくいく言うたとえです。

★虎視眈々   「易経・頤卦」
油断なく機会を狙うことを言います。

★鴟目虎吻(しもくこふん) 「漢書・王莽伝」
ふくろうの目つきと虎の口もとで、残忍な相とされます。

★三人市虎を成す  「戦国策・魏巻」
事実でなくとも多くの人が言うと信用するようになること。
「市に虎あり」と同じような意味です。

★虎になる 参照「Vol.070 酒」参照
★虎の巻  参照「Vol.022 太公望」参照
★虎頭蛇尾 参照「Vol.053 蛇」参照
★白虎   参照「Vol.079 四神」参照
★虎が雨  参照「Vol.179 雨」参照

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