和紙

蛇足
■語源、字源
★耳
(みみ)の語源は調べてみたんですがわかりませんでした。^^;
漢字の方は、
象形文字、つまり耳の形から来ています。

★声
声と言う漢字があります。この部首は何でしょう?
最近の辞書では土・士の部としているものが多いようですが、本来は耳の部に分類されていました。これはもとの字
「聲」の部首が耳だからです。
略字が常用漢字化されたためこのようなことが起こっているのです。他に幾つか例を挙げておきます。
与(與):臼の部 当(當):田の部 医(醫):酉の部 来(來):人の部

■耳の生理学等
★人間の耳はなぜ横にある?

多くの動物の耳は頭の上についています。
ところが、猿や人間は脳が大きくなり頭が上のほうに膨らんできた結果、耳が顔の横に移ってきたのだそうです。

★フクロウの耳
フクロウの耳は顔の側面のほとんどを占めるほど大きい耳です。
しかも、左右の耳で穴の位置が上下にずれています。
ですから、獲物の位置が正確に把握できるのです。

★ミミズクの耳
ミミズク
フクロウとは分類学的には違いがありません。フクロウ類の中で耳のような「羽角(うかく)」があるものを通称ミミズクと呼んでいます。
これは、単に毛の房なのです。
理由は良くわかっていないようですが、卵を狙うヘビなどを脅すために、ヤマネコに擬態しているのではと言う説もあります。

なお、多くのミミズクには、名前の後に、"ズク"がつきますが、シマフクロウには、羽角がありますし、アオバズクには羽角がありません。

■雑
★耳袋

町奉行のところで書いた
根岸肥前守鎮衛(やすもり1737-1815)が町の古老や知り合いらから聞いた面白い話を集めた随筆集です。
彼は30俵2人扶持から勘定奉行、南町奉行(17年間勤めます)にまでなりました。
勝海舟は氷川清話で南総里見八犬伝を書いた曲亭馬琴(滝沢馬琴1767-1848)は耳袋の内容を小説のネタにしたと語っています。

★梵天(ぼんてん)
インドの古代宗教で、世界の創造主として尊崇された神様のことです。
また、祭礼などの祈祷のときに振りながら持ち歩く御幣(ごへい)の一種のことも言いました。これは、ほて(占有標)の意が梵天の語と結びついたものではないかと言われます。(小学館国語大辞典)
で、本題ですが、耳掻きの後についている"ふさふさ"、あれも梵天と言います。形が似ていることからきたのでしょう。しかし、他にも諸説あるようです。
なお、凡天と書くこともあるようです。

★谷川岳
群馬と新潟県の県境で、清水峠と三国峠との間にある冬山の遭難で有名な山ですが、この山の名前には面白い話があります。

昔は、遠くから見ると猫の耳が鋭く二つ並んでいるように見えることから、「
耳ふたつ」と呼ばれ、南峰トマの耳(1963m)が薬師岳、北峰オキの耳(1977m)が谷川富士、と呼ばれていたと言います。
トマの耳とは、とば=入口の意味で、オキの耳とは、おく=奥の意味です。
ところが明治期に、陸地測量部が薬師岳を谷川岳とあやまってしまい、その後遭難の度にマスコミが谷川岳と報じたため、その名前が定着したのだそうです。

■言葉
★王様の耳はロバの耳

これはギリシャ神話にあるお話です。主人公は
ミダス王は、「Vol.076 アレクサンドロス大王」ゴルディオンの紐に出てきた王です。
彼は牧神パンの崇拝者でした。あるとき
パンアポロンが楽器の演奏で競うことになります。パンは葦笛、アポロンは竪琴です。
その場に居合わせた全員がアポロンの勝としたのですが、ミダス王だけが異議を唱えたのです。アポロンはこの優劣もわからないような耳を人間の耳にしておくのは問題だとして、ミダス王の耳をロバの耳のようにしてしまったのです。

王はそれからはターバンを巻いたりして耳をかくしていましたが、どうしても髪を切る召使にだけは見せざるをえません。しかし、秘密を漏らさぬよう言われた召使はどうしても話したくなってしまいます。そこで、草原に穴を掘ってその中にそっと秘密をささやき、土で埋めたのでした。
しかし、やがてそこから生えた葦が風に吹かれると王の秘密をささやくようになったと言います。

実はミダス王には、もう一つの不幸がありました。その話は耳と関係ないので蛇足にまわします。(^_-)

★耳をそろえて返す
この耳は
大判や小判の縁のことです。同じような耳の使い方に、パンの耳がありますね。耳は顔の端にあることから、逆に端のことを耳と例えるようになったようです。
本来の意味は大判や小判の縁をきれいに揃えて返すことですが、それが転じて金額や員数に不足のないことを言うようになりました。

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