和紙

オリーブ
蛇足
あのホメロスが「液体の黄金」と称えたと言うオリーブのお話です。

■オリーブ
モクセイ科オリーブ属の常緑樹です。原産は地中海沿岸地方、又は小アジアと言われ、日本には文久年間(1861-1864)に伝わったとされます。

★食用オイル
人類史上最古の食用オイルと言われ、6,000年前から使われていたと言います。
スペイン(約80万トン)やイタリア(約50万トン)、ギリシャ(約20万トン)が主産地で、日本では小豆島(約40トン)が有名ですね。

★オイル(oil)
オリーブの実は冬の時期に実をつけます。この時期は他に食べるものがないので、油分を多く含んだ実で動物を誘うのだそうです。味の方はあまりおいしくないとか。

で、英語の油を意味するoilですが、ギリシャ語のオリーブの樹を意味する elaia olive が語源だそうです。

★橄欖岩(かんらんがん)
難しい字を書きますが、石に興味のある人には有名な石ですね。
オリーブを漢字で書くと
橄欖となります。
この橄欖岩に10%ほど含まれる石に、
橄欖石(Olivine)があります。この石、オリーブ色の結晶をしており、それが名前の由来です。
で、この橄欖石、宝石名は
ぺリドット(Peridot:フランス語)といいます。8月の誕生石ですね。サードオニキスを8月の誕生石とする場合もあります。

★スタッフドオリーブ(stuffed olive 詰め物をしたオリーブ)
カクテルの王様と言うとマティーニ(Martini)ですね。
名前の由来は、1910年に、マティーニ・ディ・アロナ・ディ・タッジアというバーテンダーが作ったことにちなむんだそうです。
で、このマティーニにつきものが、スタッフドオリーブです。オリーブの風味がマティーニの鋭さを和らげるんだそうです。

マティーニについてくるオリーブは赤い詰め物がしてありますね。
あの赤いのは、赤ピーマンなのだそうです。

ついでに、
カクテルの女王マンハッタンだそうです。


★オリビア

オリビアを聞きながら」、杏里のデビュー曲(作詞作曲:尾崎亜美)ですが、ここにでてくるオリビアはオリビア・ニュートン-ジョン(Olivia Newton-Jhon 1948−)なんですね。
このオリビアという女性の名前なんですが、Oliveの別称です。
つまり、オリーブと言うのは女性の名前にも使われるんです。
で、年配の方は、ピンとくるでしょう? そう、
ポパイの恋人のオリーブ・オイル。ところで、この二人、1999年に実に70年越しの恋を実らせて結婚したそうです。

★ギリシャ神話とオリーブ
ゼウスの頭から完全武装で飛び出してきたとされる、知恵の神ア
テーナーが寵愛した鳥が梟(ふくろう)で、彼女にささげられた植物がオリーブでした。
アテーナーは、都市
アテーナイ(アテネ)の受け持ちをめぐって、ポセイドンと争った時、アクロポリスの上のオリーブの樹を生じさせます。それにより、アテーナーが勝ち都市の名前もアテーナイと名づけられます。

ちなみに、ギリシャの国花はオリーブです。

★旧約聖書とオリーブ
旧約聖書ではあの有名な
ノアの方舟の話の中で出てきます。ノアは一向に引かない洪水の中で鳩を飛ばします。やがて鳩はオリーブの小枝を加えて戻ってきます。ノアは喜び陸地を目指して進み、現在のトルコとアルメニアの国境にそびえるアララト山の中腹にたどり着いたと言うお話です。

このオリーブをくわえた鳩は、タバコのピースの図柄に採用されていますね。1946年第二次大戦の終結を記念して名づけられたと言います。(ただし、ピースと言う名のタバコは大正9年に第一次大戦終結記念として出されたものがあるそうです。)

そうそう、星座に「
はと座」と言うのがあります。オリオン座の足の下に「うさぎ座」と並んでいます。この鳩は旧約聖書のノアの鳩です。1627年に作られた新しい星座です。

平和と言う意味では、
国際連合の旗にも、オリーブは採用されていますね。

★オリンピックの勝者の冠
古代オリンピックは最高神ゼウスに捧げられたものでした。そしてその勝者には
オリーブの冠が与えられました。

月桂冠と思っていた人が多いのでは?
月桂冠は
アポロン(ローマ神話ではアポロ)の聖木です。そして、アポロンは太陽神で、美術、音楽、詩歌の神で、竪琴と弓の名手でもあります。
古代ギリシャでは、オリンピックのように
デルファイ(Delphi)で「ピュティア祭」と言う詩、演劇、演説、音楽などの競技会が4年に1回開催されていました。
月桂冠を与えられていたのは、この競技会の勝者達でした。

将来起こりうる事象に関する予測を行う手法の「
デルファイ法」は、このデルファイの神託に言葉の起源があります。

★金木犀(きんもくせい)
英語で木犀のことは a fragrant olive (香りのあるオリーブの意味です)と言います。ちなみに
金木犀a fragrant orange-colored olive です。
この香り、樹が虫を寄せ付けないための匂いだそうです。

ところで、金木犀の実を見たことがありますか?
実は、金木犀は雌雄異株で日本に入ってきたのは花が多く香りの多い雄の木ばかりなのだそうです。
ですから、日本では金木犀の実を見ることはないのだとか。

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