和紙

螺旋(らせん)
蛇足
■螺旋って?
日本語の螺旋と言う言葉は少し曖昧です。
平面状のものが渦(巻)線[螺旋とも言います]でspiral(スパイラル)。
立体状のものが螺旋helix(ヘリックス)です。

★スパイラル
有名な渦巻線が二つあります。
・アルキメデスの渦(巻)線(Archimedes Spiral) アルキメデスの螺旋とも言います。チョット難しくなりますが数学で表すとr=aθで、幅が一定の渦巻きです。
渦巻き型の蚊取り線香のような形です。

・対数螺旋(Logarithmic Spiral) 数式だとr=exp(aθ)
ベルヌイの螺旋、等角螺旋などと呼ばれることもあります。
オーム貝のように次第に幅が広くなる渦巻きです。(巻き貝は立体ですが平面で考えてください。)

★ヘリックス
螺旋階段などをイメージしてもらうといいですね。
・アルキメデスの螺旋器(Archimedes pump)と言うポンプがあります。
円筒の内部に螺旋状に仕切りが取り付けられていて、回転することによって水が上がってくると言うものです。
アルキメデスの時代から使われており、現在でもエジプトで見られます。日本でも佐渡金山で排水のために用いられた記録が残っています。日本名は
龍尾車
アルキメデスの時代から存在しますが、彼の発明かどうかは不明です。

■螺子(ねじ screw)
★ネジの伝来
日本にネジが伝わったのは、1543年に種子島に漂着したポルトガル人の持ち込んだ鉄砲です。
鉄砲には銃底を塞ぐためのネジ(
尾栓ねじ)が使われていました。
鉄砲の国産化に向けてこのネジの製作が問題でした。雄ネジの方はまだ良かったのですが雌ネジの方は随分苦労したようです。

ところで英語の
screwですが、語源はラテン語scrofa(繁殖用の雌豚)です。豚のしっぽが螺旋状にまいているところから来ているのでしょう。

★小栗上野介(おぐりこうづけのすけ)
小栗上野介が隠したとされる
徳川埋蔵金は時々話題に上りますが、まず彼は隠していないでしょうね。^^;
彼の先見性は驚くべきもので明治新政府の施策の多くが彼の発案によると言われます。郡県制などが有名です。
また、現在の技術立国日本の礎を築いた人でもあります。
横須賀造船所がそれです。
彼はポーハタン号での訪米の時(咸臨丸が同行)、一本のネジを持ち帰りました。当時日本にもネジはありましたが、一本一本手作りでした。機械で作られたネジ、それに将来の日本の技術の目指すところを見つけたのでした。

★形状記憶ネジ
リサイクルが叫ばれるなか、なかなか進まない原因の一つに解体時の人手があります。
そこで開発されたのが形状記憶ネジです。プラスチック製で普通のネジと同様ですが、解体時に熱を加えるとネジ山が無くなり、スルリと抜けます。
解体の時間が大幅に軽減されると期待されています。

■雑
★くもの巣

くもの巣は縦糸(中央から直線で外に伸びる糸)は粘々がありません。一方、横糸はアルキメデスの螺旋状に張って行くのですが、これには粘り気があります。
蜘蛛は3種類の糸いぼ(計6個)があり、多い種類では6種類の糸を使い分けていると言います。
餌を引っ掛ける以外に、卵を包む、餌に巻きつける、脱皮の際の支えなどです。
また、子ぐもの時に糸をつかって空を飛ぶくもも知られています。

★ヘリコプター
ヘリコプターの語源はギリシャ語の helix(らせん)+pteron(つばさ)から来ています。
ヘリコプターの原型は
ダビンチの残したスケッチだと言われます。
この絵、以前全日空の飛行機の尾翼に描かれていたので記憶している方もいるかも知れませんね。
ヘリコプターの日と言うのがダビンチの誕生日にちなんで4月15日になっています。

実際のヘリコプターの発明は1907年、
ポール・コルニュによります。

★ヘリコバクターピロリ(Helicobacter pylory)
胃潰瘍や胃がんの原因菌として近年注目されていますね。
このヘリコはこの細菌が螺旋状をしていることからつけられました。バクターは細菌を意味します。
また、ピロリの方は、最初に発見された場所、
幽門部 pylorus から来ています。
胃のような強酸性の場所でも生きているのですからすごいですね。

★DNAの二重螺旋(a double helix)
これが発見されたのは1953年で
ワトソン(James D. Watson)とクリック(Francis H.C. Crick)によります。彼らは1962年ノーベル生理学・医学賞を受賞します。
実はこの発見には
ロザリンド・フランクリン(1920-1958)のX線回折が無ければありえませんでした。ワトソンたちが回折写真を盗み見たとも言われます。

彼女は38歳でガンで死亡していましたので、ノーベル賞の対象外となりましたが、彼女の同僚ウィルキンスの受賞には多くの不満が出されます。
また、DNAの化学的特徴を発見したシャルガフも、4番目の受賞者として選にもれました。(一部門3人が限度)

ワトソンは「二重らせん」の中で、彼女のことを「出しゃばりでセンス悪い醜い女ロージー」とさんざん悪口を書いています。
しかし、
アン・セイヤー著「ロザリンド・フランクリンとDNA=盗まれた栄光」で彼女の名誉は守られました。

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