和紙

蛇足
■象
象は象形文字です。
ゾウは呉音、ショウは漢音から来ています。

韓非子の解老編に「人希見生象也。而得死象之骨、案其図以想其生象也」
人が生きている象を見ることは希である。だから、死んだ象の骨を見て、その姿を考え、その生きていた姿を想像した。」とあります。
この「想象」が「想像」と言う言葉になったと言います。韓非子の造語です。

ただ、象の字は象形文字で、明らかに実物を見て考えられたようなので、韓非子の話を疑問視する説もあるようです。
羅振玉(らしんぎょく1866-1940)は「為」の字の解説で「手で象を牽く形」とし、牛馬を使う以前に、象を使っていたのであろうとしています。(「殷墟書契考釈」)黄河流域では象の化石が発見されています。

■象の仲間
★インドゾウ、アフリカゾウ、マルミミゾウ

象は大きく分けて、アジアゾウの仲間とアフリカゾウの仲間に分類されます。

アジアゾウではインドゾウが有名ですが、セイロンゾウ、スマトラゾウ、マレーゾウなどの亜種がいます。また、絶滅したナウマンゾウもこの仲間です。
マンモスもアジアゾウに近い仲間です。

アフリカゾウは、よく知られているサバンナに棲むサバンナゾウの他に、亜種として、森に棲む小型のマルミミゾウがいます。

マルミミゾウはあまり聞きませんが、歴史的には、あのハンニバルがアルプス越えに連れて行った40頭の象は、多くがマルミミゾウで数頭のインドゾウが混じっていたといいます。

★ジュゴンと象
伝説上の人魚のモデルと言われる熱帯から亜熱帯に棲む哺乳類です。
日本では沖縄本島北部周辺のみで見られます。
分類上は海牛(かいぎゅう)目で、クジラとは全く違う種類です。
アフリカやアメリカに棲む
マナティとは近い仲間です。

解剖学的には、象に近く、象と共通の祖先から分かれたのではないかと言われています。

なお、人魚と言う言葉は、平安時代に中国から伝来した言葉だそうです。

■雑
★お釈迦様

お釈迦様の母マーヤーは
白象が胎内に入り込む夢を見て妊娠し、王宮の庭園で沙羅双樹の花を手折ろうとした時に、右脇腹からお釈迦様を産み落としたと言います。
生まれたばかりのお釈迦様が、天地を指差して「
天上天下唯我独尊」と叫んだとされるのは有名なお話ですね。

★ジュリアス・シーザー
ガイウス・ユリウス・カエサル(Gaius Julius CaesarB.C.100〜B.C.44)、英語読みではガイアス・ジュリアス・シーザーです。(参照Vol.039 シーザー)
この名前の構成は、個人名・家門名・家族名つまり、ユリウス一門のカエサル家のガイアスというようになっています。
このカエサルはカルタゴの言葉で象を意味します。ローマが
カルタゴのハンニバルとの戦っていた時代に戦功のあったユリウス一門の一人がカエサルとあだ名されたことに由来するとのだそうです。
ローマでは、このようにあだ名が家の名前になる例が多いと言います。
シーザーを暗殺したMarcus Junius Brutus(マルクス・ユーニウス・ブルータス)のブルータスはなんと「阿呆(あほう)」と言うあだ名から来ているのだとか。

★ぞうさん 童謡 作詞:まど みちお 作曲:團 伊玖磨
ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね
そうよ かあさんも ながいのよ

この歌は昭和24年、インドから贈られた
象のインディラの来日記念で作られた歌です。
インディラは、当時のネール首相が、日本の子供が書いた鼻の短い象の絵を見て、本物を見せたいと贈ってくれた象です。
名前は首相の娘、後に首相になるインディラ・ガンジーからつけられたと言います。

なお、インディラは昭和58年、49歳で死にました。

言葉
★ジャンボ
スワヒリ語
で「こんにちは」の意味です。

さて、英語で
jumbo は大きいと言う意味ですが、この意味の由来は次のようなものです。
19世紀後半にロンドン動物園にいた象で、その後、アメリカのサーカス団に売られたた愛称「ジャンボ(Jumbo)」という象がいました。
この象、肩までの高さが3mもある巨大な象だったので、やがて、とても大きなものを「ジャンボ」と言うようになったそうです。

ディズニーで有名な
ダンボのお母さんはジャンボです。サーカスで働いています。
境遇は似ていますが、ロンドン動物園にいたジャンボとの関係は良くわからないのだとか。大きさから言うとロンドン動物園のジャンボはオスのような・・・。^^;

★象牙の塔
サント・ブーブ
(Charles Augustin de Sainte-Beuve 仏、文芸評論家・詩人・小説
家1804-1869)が詩人ビニー(Comte Alfred Victor de Vigny 1797-1863)の態度を批判した言葉とされています。
学者などが研究熱心なあまり現実社会と没交渉になることへの批判に使われます。

★牙城 
昔、中国では軍が発進するときに牙(ばが)と言う軍旗を祭る行事を行いました。(ば)は詩経や周礼にも見える古法です。
その時、軍が先頭に立てる大旗を牙旗(がき)と言います。この旗の先は巧緻な細工をほどこされた象牙で飾られていたと言います。
この牙旗が翻るのが大将の居城または、城の本丸で、それを牙城と呼びました。

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