和紙

イカ(烏賊)
蛇足
今日はイカのお話です。
日本人が最も多く食べている海産物だそうです。
世界に450種、日本近海に30種が棲息しています。
ホタルイカ、アオリイカ、スルメイカ、ケンサキイカ、ヤリイカ、コウイカなどおなじみですね。

■語源
「いか」は「
和訓の栞(しおり):江戸後期の国語辞書」によると、「形がいかめしく、骨も異様なれば名づくるなるべし」とあります。
しかし、これは信憑性に乏しく、語源不明とするのが妥当でしょう。

漢字の烏賊は「Vol.081 カラス」を参照してください。

なお、イカを数えるのに、
(盃)を使うのは胴体が盃に似ているからとか。他に、タコや河豚、舟も杯ですね。そうそう、カニやスッポンも杯ですね。
イカの胴が水をすくうのにいい形なので、杯という説もあるようです。

■進化
★オームガイ

イカは
頭足類に分類され、遠い祖先は巻貝です。
ですから、イカには「甲(こう)」と呼ばれる貝の痕跡が残っているものがあります。
コウイカの甲(石灰質が残っています)や、スルメイカの軟甲(石灰質はなく、有機質だけになっています)です。

オームガイのうち、浅い海に適応したのがイカと言われます。
そして、イカの進化の中で
タコが生まれました。
深い海に適応していたオームガイは今でも生きていますね。

有名な
アンモナイトもオームガイから枝分かれしたんだそうですよ。

★イカとタコ
イカとタコの違い知っていますか? 
足の数ではないんです。なぜって、タコイカと言うような8本足のイカもいるんです。
正しくは、吸盤に柄がついていてワイングラスのようなのがイカで、直接臼(うす)のような吸盤がついているのがタコです。

ところで、イカの足は正確には
(わん)と呼びます。
第1腕〜第4腕と長い
触腕が各々2本ずつです。
タコはこの内、触腕がなくなってしまって8本足なのです。

ここで、疑問が。イカは分類では頭足類と言う分類です。なぜか、足??

■イカの色
イカは海のカメレオンと言われるように体色を変化させます。(もっともヒラメもそう呼ばれるようですが^^;)これは色素の詰まった色素胞を大きくしたり小さくしたりして変化させます。
この色素胞は色別に三層(赤、黄、茶)に分かれていてその組み合わせで、いろいろなパターンが作られます。
なお、色を変化させるのは目からの情報によるそうです。

★イカの鮮度と色
・釣られた直後は半透明、ただ、釣られた緊張で赤や茶に色付くこともあります。
・死んですぐはまだら模様です。
・鮮度のいい状態は全身に色がついています。
・鮮度が落ちると真っ白になります。

■イカ墨
★セピア
 (「Vol.020 色 その1」を参照してください。)
セピアとはコウイカなどのセピア属のイカや、そのイカ墨から作られた有機顔料のことです。本来のセピア色はイカ墨スパゲッティのような黒色から黒褐色をしています。
古くは、西洋で筆記用インクとしても使われたといいます。

★イカ墨とタコ墨
イカは、墨を体型にそっくりな形で吐き出します。イカ墨はコロイド状なので、拡散せず塊のまま漂い、そちらに敵の注意をそらします。
一方、タコ墨は拡散するので、煙幕のような使われ方をします。
タコ墨はさらさらですので、スパゲッティーには不向きなようです。^^;

★液晶
イカ墨は天然の液晶物質です。
液晶とはある方向には規則的で、別な方向には不規則な分子配列をもつ物質のことです。結晶と液体の中間状態の物質という意味から液晶となづけられました。
イカ墨の液晶は、液晶画面などに使われる液晶とは構造が異なりますが、イカ墨のようなタイプの液晶は、温度によって色が変わる温度計やアクセサリーなどに利用されています。

★薬
イカ墨は、昔から薬効があるとされ、漢方では心臓の動悸や痛みを和らげる効果があるとされてきました。日本でも防腐効果があるとされ、一部地域で塩辛に入れられてきた経緯があります。
1990年にイカ墨にガンに効く成分ムコ多糖が含まれていることが発表され、動物実験によって効果が確かめられているそうです。

■雑
★猫とイカ

猫がイカを食べ過ぎると、チアミナーゼという物質が猫のビタミンB1を破壊してしまい、ひどい場合は、歩行失調をおこしてしまうのだそうです。
俗に、猫が腰を抜かす状態になるのです。
あまりやり過ぎないように、そして、あげる場合も加熱してからがいいようです。

★ダイオウイカとマッコウクジラ
ダイオウイカは最大の無脊椎動物です。深海に棲むイカで生態がよくわかっていません。大きなものは全長15m以上もあったという記録があります。
マッコウクジラが好んで食べるようで、マッコウクジラにはダイオウイカと戦った時の吸盤の痕が残っていることがあります。
なお、ダイオウイカの目は生物の中で最も大きく直径40cm以上にもなるのだとか、深海に適応した結果のようです。

一般的に、イカの眼は、脊椎動物以外では、最も発達しているといいます。

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