和紙

蛇足
■字源
「白」は親指の爪が長く伸びた形の象形文字です。(他の説もあるようです。)
この字が「しろ」の意味に使われるのは借用と言います。「しろ」を表す字がなかったので、音が同じ「白」の字を使い、「白」が専ら「しろ」の意味に使われるようになったので、親指の方は新しい字「擘(はく)」を作ったのだそうです。

ついでに「
」は昔、親指で百を表したので「一」+「白」で「百」なのだとか。
とすると、白寿は単なる字謎ではないんですね。^^;

一方、日本語の「
しろ」は明瞭で紛れのない意味の「顕し(しるし)」が関係しているのではないかと言う説があります。

■雑
★カサブランカ
(Casablanca)
北アフリカにあるモロッコの都市です。(首都はラバト)
カサブランカはスペイン語でcasaが家、blancaが白い、つまり「白い家」と言う意味です。

ハンフリー・ボガード、イングリッド・バークマン主演の映画「
カサブランカ(1943)」は大好きです。
「夕べはどこにいたの?」  「そんな過去のことは忘れたよ」
「今晩会える?」      「そんな先のことは分からない」
キザな言葉ですね。^^; そうそう、「君の瞳に乾杯」もこの映画でしたね。

このモデルになったのは、「Vol.147 香 その2」で触れた、クーデンホーフ・ミツコ(青山ミツ)の息子、
リヒャルト・クーデンホーフ伯爵です。彼は、欧州統合の源流的な思想「パン・ヨーロッパ」運動の生みの親で、ヨーロッパ統合の父と云われます。

☆ブランク(blank)
空白などの意味ですが、語源は、中世のフランス語blanc(白い、色のない)と言われます。

☆ブランケット(blanket)
毛布のことですが、この語源も、中世のフランス語のblanc(白い)に-et がついて、小さな白いものの意味です。

★白書
英語の white paper の訳語です。
イギリス政府の公表する公式外交文書の表紙が白いことに由来します。
日本では、昭和22年の「経済実相報告書」(片山内閣)が最初です。

また、イギリスの議会や枢密院が出す報告書は blue book で
青書と訳されています。

★白亜紀(1億3500万年前〜6500万年前:以下年代は平成16年版理科年表によります)
恐竜が闊歩した時代として有名ですね。
白亜とは泥質の石灰岩で、英語では
チョーク(chalk)といいます。
白亜紀は、ヨーロッパのこの時代の地層が白亜から出来ているのに由来します。
イギリスの南岸、ドーバーやフランスのノルマンジー地方の崖は有名ですね。

日本語でチョークと言えば白墨(はくぼく)のことですが、かつて、天然の白亜が白墨として使われたことによります。
白亜は本来「
白堊」と書かれ、白い土、漆喰のことを意味します。ですから、白い漆喰で塗られた館は白亜の殿堂なのです。

ついでに、恐竜のいた時代、
三畳紀(2億4500万年前〜2億500万年前))は三つの異なる地層が重なっていることに、ジュラ紀(2億500万年前〜1億3500万年前)はフランスとスイス国境のジュラ山脈が語源です。

★動物の地肌
白と黒の動物はいろいろいますが、地肌の色はそれぞれ違うんだそうです。
シマウマの地肌は黒。
一方、
パンダの地肌は白だとか。
また、
は白の部分は白、黒の部分は黒だそうです。

★白化
最近、よく耳にしますね。
サンゴが白くなって死んでしまう現象です。
サンゴには
褐虫藻(かっちゅうそう)と言う単細胞の藻が共生しています。水温が30度を越えると、この褐虫藻はサンゴの体内から逃げ出してしまいます。
そのため、サンゴが白くなるのです。
この白化が長く続くと、褐虫藻から光合成による栄養をもらっているサンゴは死んでしまいます。
この白化は昔からあったのですが、最近は地球の温暖化の影響か、規模が大きくなり重大な問題となっています。

■言葉
★アルバム
(album)
語源はラテン語の白いを意味する albus で「白いもの」「白い閉じたもの」を意味します。

★スイス(スイス連邦)
現在のスイスの根幹になる3州(ウリ、シュビーツ、ウンターバルデン)が、オーストリアの支配から1315年に自治特権を獲得して建国されたと言います。
このシュビーツ(Schwyz)が、英語の Switzerland などの元になっています。
この Schwyz は白の意味で、旗の白十字に由来すると言われます。

ところで、
赤十字の旗とスイスの国旗似てますね。
スイス人だった赤十字の創始者の
アンリ・デュナンが、スイスの国旗の配色を逆にしたのだそうです。

★エーデルワイス(edelweiss)
アルプス産のキク科の高山植物で、スイスの国花になっています。
語源はドイツ語で、「崇高な白いもの(edel崇高な+weiss白)」です。

★白兵戦
この白は白刃(しらは)の白で、抜き身の刀や槍で戦う接近戦のことです。

★腕白(わんぱく)
語源にはいくつか説があります。
1.「
嬉遊笑覧(きゆうしょうらん:江戸時代後期の随筆集1830年)」には。「小児の頑要(わるさ)するをわんぱくというは"わやく"の転(うつ)りたることと聞こゆ」とあります。"わやく"とは聞き分けがない、いたずらをすると言う意味です。
2.「
俚言集攬(りげんしゅうらん:江戸中期の国語辞書)」には、「関白の訛音と云えり」とあり、"くぁんぱく"が"わんばく"になったとしています。
なお、ヘボンの「和英語林集成」にも、"わんばく"となっています。
3.「
大言海」では、不正・無道の意味の「枉惑(わうわく)」が転じたものとしています。

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