和紙

木・樹
蛇足
■字源など
★木

「木」は、立ち木の形から来た象形文字です。
「樹」の方は、木を植えると言う意味から、立ち木の意味を表すようになったようです。

★木と草の違い
木と草の一番の違いは、幹(茎)が太くなるかどうかで区別するそうです。
木の方は多年性で次第に幹が太くなります。

で、難しいのが竹、椰子(ヤシ)などです。学者の間でも意見が分かれているようで、中間的存在と考えた方がよさそうですね。

■身近な樹
★楓

・語源は「Vol.111 蛙」を参照してください。

アルプスの少女
1925年(大正14)、山本憲美(のりよし)によって初めて和訳されています。
その時の題名は「楓物語」でした。ハイジを楓と訳したのです。

メープルシロップ
北米に生えるサトウカエデの樹液でアメリカ先住民が食材・薬として使っていたといいます。
ミネラルが豊富でカロリーも低めということで、お菓子に広く利用されています。
北海道では白樺の樹液を利用した商品の開発が進んでいるそうです。

★杉
学名をCryptomeria japonica(クリプトメリア・ヤポニカ) と言い、学名からもわかるように日本固有の木です。
近年は花粉症で嫌われ者ですが、日本の歴史を支えてきた木でもあるんです。
やわらかくて加工しやすいことから、古くから利用されており、その加工品は弥生時代の遺跡からも出土しています。
保温効果、調湿効果があり、日本の気候にぴったりの木材なのです。
現在、その栽培面積は九州の面積に相当すると言われます。

近年は花粉を余り出さない杉などの研究も進んでいるようです。はやく、汚名返上をしてもらいたいものです。

■雑
★柴

昔話でお爺さんが山にとりに行きますね。山野に生える小さな雑木のことで、柴という木があるわけではありません。

★樹冠
木の上部の枝や葉が茂っている部分のことを言います。
近年、この樹幹における生物が非常に多様で、豊富な事がわかりいろいろ研究されてきています。場所が高いのでなかなか研究するのも大変なようです。

■言葉
★紀伊の国

「木の国」の"き"が長音のように発音され「紀伊」の字が当てられたと言います。
熊野歩道が世界遺産に指定されたことで、最近注目されていますね。

備長炭のふるさともこの熊野地方です。元禄時代に田辺(紀伊国)の備中屋長左衛門が姥目樫(うばめがし)を使って作り出したものです。

★蒲柳(ほりゅう)の質
蒲柳とは川辺に生える川柳のことです。
なんとなく弱々しいし、秋に葉を真っ先に落としてしまうので、弱いと見られたようです。
そこで、生まれつき弱い体質を蒲柳の質といいます。

★上梓(じょうし)
昔の印は版木によるものでした。梓(あずさ)の木は材質が良く、版木によく使われました。そのため、版木に文字を刻み、本になることを上梓と言うようになったといいます。

同じ梓を使った言葉に「
玉梓(たまあずさ)」があります。古くは便りのことをこう呼びました。これは、便りを運ぶ使者が梓の杖をもっていたことから来たといいます。

★コンピューター(computer)
計算すると言う意味の compute がもとになっています。この言葉の語源は、ラテン語の computare(com が共に、putare が判断する)です。この putare は更に樹を剪定(せんてい)するという意味にたどり着きます。

★木で鼻をこくる(=くくる)
"こくる"は、こするの意味です。そして、現在一般的な"くくる"は"こくる"の誤用が慣用化したと考えられています。

木で鼻なんか括(くく)れないと思っていたんですが、擦(こす)るなら納得ですね。

★木っ端微塵
粉々に砕けることを言いますね。
「木っ端」とは、木のけずりくずや切れ端をいいます。
そこから、つまらないことのたとえにも使われます。木っ端役人、木っ端喧嘩、木っ端仕事など。

★木賃宿
江戸時代、食料持込の客を泊めた宿をいい、薪代(木賃、木銭)だけを取りました。
食事がついている宿は旅籠(はたご)といいます。
明治以降も、粗末な安宿のことを木賃宿と言いました。

★枯れ木も山の賑(にぎ)わい 
最近の学生が間違って使うと言うことで、話題になることがしばしばあるようですね。(教授を会に誘う時に、こう言う学生がいるのだとか)
枯れた木でも山に趣を添えると言うのが原義で、つまらないものでも無いよりはましであると言う意味です。
英語で言うと、Anything is better than nothing.

■難読
今回は難しいですよ。(答は下の枠をドラッグしてください。)
木天蓼 無患子 接骨木 馬酔木 百日紅
またたび むくろじ にわとこ あせび(あしび) さるすべり


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