書名 政治意識図説 「政党支持世代」の退場
著者 松本正生
種別 政治
出版 中公新書
著作年 2001年
頁数 205ページ
定価 880円+税
購入日 2001.3.25
読始日 2001.3.25
読了日 2001.3.25

希望の本か

 実をいうとなかなかホームページを書くことさえ支障が出るほどやる気がしなかった。現実の作業は進めている。でもホームページというのはすごくメンタルなものなのだと思う。つまりは日本の世の中に失望していたのだ。
 ことは、2000年の自自公による盗聴法と国旗国歌法の強行、そして国民背番号制法のあっさりとした成立。これではいやになる。これは公明党の背信によるものだが、それでも少しも創価学会内に批判の動きが起きない。だから何も逆転の動きが出てこない。つまりは国民の意識とは離れたところで政治が反動へと大きく進んでいったのに何もできない。今は街頭への大規模な大衆行動はなかなかできにくい世の中である。だからこういう反動への暴走はなかなか止められない。私の意識も深くふかく沈み込んでいったのだ。恐るべきことだがなかなか戻らない。

 しかし、この本は希望の本だと思う。今は自民党は、KSD問題で大きく傷ついた。それ以前は総選挙で都市部から大きく退潮した。これがどういうことかということだ。この本はこれらが地域的なものやあるいは事件による一時的なものではなく構造的に自民党が崩壊しようとしていることを論証した本なのだ。

 かつての日本国民に広く存在した自民党支持とはどんなものだったのか。年齢を経るにつれ、自然に自民党支持が増えていく。
 自民党とはそういう国民政党だった。
 しかし、そのメカニズムが、93年の政権交代以来の無党派層の増加により働かなくなってきたのだ。それをあらゆる世論調査のデータにより論証する。つまりは自民党支持層の加齢効果とは長年の政権党であった自民党に対するものであり、年齢を経るにつれ社会への責任意識により自民党支持に傾くというもので、別に政党としての指示では実はなかったのだ。

 今まで国民の間に層として支持政党があるというのも、実は当たり前でなく歴史的な一つの要素であったことを確認したい。
 それに対し政治的な流れが変化して無党派層の増加が起きた。支持政党があるという国民ブロックは、今はすでに少数派となっている。その現実をただいまは見つめるべきなのだ。それは政治に対する人々の重大な変化が起きたのだ。
 無党派が第一といえども投票になれば人々はどれかの政党を選ぶ。しかし自民党加齢指示効果のメカニズムは決して働かない。そういう時代になったのだ。だからそれは結果として自民党支持層を減らし、脱自民からついに反自民に至る道であったのだ。

 それに対し公明党との連立政権の道を自民党は選んだ。公明党は中道政党のベールを突然かなぐり捨ててその右翼的な体質の正体を表した。

 もちろん今までの国民の層としての自民党は崩壊するが、それで国民のための政治がただちにできあがるものではない。民主党を中心とした政権が当面できあがる。それに対して働きかけが必要なのだ。幸い民主党は答える耳を持っている。やはりダメだとか頼りないとかの今までの観客民主主義としての評論家的な政党劇を見ている態度は止めようではないか。私たちは希望の政策を実現するため働きかけなくてはならない。その上で大いに批判すればいいのだ。そして私たちの政治を実現するのだ。
 私たちは意見を述べる政治をほしがっている。都市部ではそれが顕著なのだ。2001年の参院選を新たな出発点としたい。


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