ささいなこと


 櫻井翔。もうすぐ21歳。

 今日、1月21日。

 撮影予定が変更され、オフだったはずの予備日が急遽撮影に回されることになっ た。
その、変更された予定と言うのが、24日22時からのオールナイトロケの追加。終わる のは25日の23時。

 25日が丸々潰れる・・・?

 25日は俺の誕生日。
この日は土曜日だし、彼女のと遊ぶ約束をしていたのだ。
「マジ!? オフじゃないの!?」
 そのことをマネージャーに聞いて、俺は正直慌てた。
「悪いな、櫻井。でもこの日にロケしないと、OAに間に合わないんだよ」
 そう言われたら断れるわけもない。

 俺はの携帯に電話をして、恐る恐るオフが潰れたことを切り出した。
「・・・え? 潰れたの?」
 はそれだけ言って、電話の向こうで黙り込んだ。
「・・・25日は・・・オフだって・・・言ってたよね・・・?」
「ゴメン! 撮影遅れてるらしくてさ」
 の沈んだ様子に、俺は慌てて言い訳をした。
「・・・翔なんか、もう知らない!!」
 はそう言い捨て、電話を切ってしまった。
「おいちょっ・・・!」
 こんなに怒るなんて珍しい。

 確かに最近、25日のオフを潰さない為にずっと仕事をしていたから、にも全然会っていない。

 怒りたいのは、こっちだよ・・・。

 心の中ではそう思いながら、でも笑顔を浮かべながら、俺は撮影を行った。

 は携帯の電源を切ったままらしく、俺が電話しても絶対出ない。


 そして、とは連絡がつかないまま、1月25日―――俺の誕生日を迎えた。

 俺は前日のロケから引き続いて撮影をしていた。
 だから、24時ジャストに俺は撮影をしていた。
「櫻井くん! Happy Birthday」
 キャストやスタッフのみなさんに祝ってもらっても、そんなに嬉しくはない…。
 俺が一番祝ってもらいたいのはなのに。

 午後10時。予定より1時間早く撮影が終わった。俺はダッシュで家に帰った。
「お帰り〜」
 母親がのん気な声で言った。
「夕方、ちゃんが来たわよ。プレゼントにケーキ作って来たから、渡してほしいっ て」
 うちの母は、を気に入っているのだ。
「・・・、来たの!?」
「来たわよ。ほら、冷蔵庫に箱、入ってるでしょう?」
 俺は冷蔵庫から白い箱を出して、開けた。
「うさぎ・・・?」
 綺麗なうさぎの形をした、小さなケーキだった。
カードが添えられていて、の字で『Happy 21th Birthday』と小さく書かれていた。
・・・」
 俺は冷蔵庫にケーキをしまった。
「母さん、出かけてくる」
 母さんは何にもかもわかっているようにうなずいた。
「仕事に遅れることはないようにね」
 こう言う時はわが家が放任主義でいいなと思う。

 今なら出てくれるような気がして、俺はの携帯に電話してみた。
『もしもし? ・・・翔?』
 微かなの声が聞こえて来た。後ろで何となく聞き覚えのある声がする。
「あ、? 今どこ?」
『松本くん家』
「へ?」
 素っ頓狂な声を上げた俺に対して、は楽しそうに言った。
「松潤の家・・・? どして?」
『え? せっかく翔の誕生日なのに、お祝いできないから、みんなでパーティーして るの。翔も来る?』
 優しい口調で言われて、俺は松潤の家へと向かった。

「誕生日おめでと〜翔くん」
 玄関先で4人が出迎えてくれた。
 今日の仕事の後、メンバー全員が松潤の家に集まったらしい。
「ほら、ちゃんいるよ?」
 4人の陰からが顔を覗かせた。

「久しぶり、翔」
 4人はニコッと笑い、を俺の前に出した。
はしっかりコートを着て、小さな鞄を手にしている。
「はい、翔くん」
 松潤が紙とキーを俺に渡した。
「2人でいられる方がいいでしょ?」
 相葉ちゃんがにっこり笑って言った。
「池袋駅の近くの○×ホテル、もう予約済だから。みんなからのプレゼント」
 ニノも言う。『ホテル』と言う言葉に、は顔を赤くした。

 俺達は歩いてホテルに向かい、綺麗な夜景が広がる20階の部屋に到着した。
「へぇ・・・綺麗〜」
 窓から外を見て、は嬉しそうに声を上げた。
 俺の誕生日が終わるまで、後30分。
「私ね、翔に謝りたかったんだ。仕事でお休みがなくなるなんてそんなに珍しいこと じゃないのに」
 俺は窓の外を見ているを、後ろからそっと抱きしめた。
「俺こそゴメン。全然会えなくて。それにもう、11時半だし」
「ホントだ。もう翔の誕生日、終わっちゃう」
 は手元の時計に目をやりながら苦笑いを浮かべた。
「21歳の誕生日おめでとう」
「ありがとう」
 俺はそっとの唇にキスをした。


 星の綺麗な夜空を背景に。


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 Happy Birthday♪
今日は翔くんのBD。
この小説、かなりムリヤリ終わらせました・・・。
超消化不良な感じで、微妙・・・。
でも翔くんファンとしては何もしないと言うわけにも行かず。
こういうのって今日しか出来ないし・・・。
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