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ゴスペル・ミュージック

「ゴスペル・ミュージック」とは、さまざまなスタイルを包括するキリスト教文化を表す クリスチャンミュージック全般を指します。

トラディショナル・ミュージック(Traditional music)と呼ばれるものには讃美歌や聖歌があり、 古典的なヨーロッパスタイルで表現されます。 このタイプの音楽は、多くのプロテスタントとカトリック教会で用いられています (ルーテル教会、メソジスト教会、イギリス国教会、ローマカトリック教会など)。 プロテスタントの白人牧師らがキリストの教えをアメリカ植民地にいたアフリカ人奴隷たちへ 伝えたのは19世紀のことです。 アフリカ人奴隷たちは、イエスキリストの教えに強い共感を抱き、聖書のテーマである自由、 苦難や悲しみからの解放、そして現在黒人霊歌(Negro Spiritual)で知られるような、 救いの希望を取り入れ始めました。

スピリチュアル(黒人霊歌)は、プロテスタントの宗教音楽と伝統的なアフリカン・ソングを 要素として融合させた音楽形態です。この音楽はイエスキリストの教えを伝えるためだけではなく、 アフリカ系アメリカ人の奴隷身分から自由な身分への移り変わりの歴史を伝えるのにも貢献しています。
スピリチュアルは、19世紀後半から20世紀前半にかけて、アメリカ南部全体の アフリカ系アメリカ人のプロテスタント教会で神聖な音楽として用いられていました。 19世紀の終わり頃、アフリカ系アメリカ人たちは北へと移住し始めました。 彼らは、自分たちの伝統と独特なスタイルの音楽と共に移動しました。 ところが、田舎から都会へという環境の変化は彼らの生活スタイルだけでなく 音楽の表現方法にも影響を及ぼしました。 新しいスタイルのアフリカ系アメリカ人の宗教音楽「ゴスペル・ミュージック」が生まれたのは、 北部の都市地域でのことでした。

ブラック・ゴスペル・ミュージック(Black gospel)とはブルースピアニストの トーマス・ドーセイ(Thomas A. Dorsey)によって形作られた音楽表現に対し、 1920年代以降用いられてきた言葉です。ブラック・ゴスペル・ミュージックは、 プロテスタントの讃美歌、西アフリカの音楽、黒人霊歌、そしてブルースのそれぞれの 要素が結びついたものです。皮肉なことに、この種類の音楽は20世紀の始めには 礼拝にふさわしくないとされていたのですが、今ではアフリカ系アメリカ人の礼拝において 非常に定着した音楽の一つとなっているのです。
大勢の聖歌隊から四重奏、独唱に至るまで、ブラック・ゴスペル・ミュージックを十分に 堪能するには、実際に見て聞くのが一番でしょう。

サザン(Southern)(もしくはホワイト)・ゴスペル・ミュージックとは、 南部の白人キリスト教徒たちの体験と言い伝えから生まれたもので、 ブルーグラスとカントリー・ミュージックの要素を組み合わせたものです。 これは、白人と黒人のゴズペルを人種差別的に区別した時に、 南部のヨーロッパ系アメリカ人の宗教音楽のために用いられた言葉です。

このほかにも、さまざまなリスナーの興味を引くゴスペル・ミュージックスタイルがあります。 コンテンポラリー(Contemporary)とアーバン・コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージック(Urban Contemporary )は、 若い世代だけでなく、クリスチャンでない人々の間でも、とても人気の高いゴスペルミュージックのスタイルです。 コンテンポラリー・クリスチャン・ミュージックはソフトロックスタイルのゴスペルソングであり、 ヘブンズ・メタル(Heaven's metal)はゴスペルの歌詞を持ったヘビーメタルといえば分かりやすいでしょう。 インスピレィショナル・ミュージック(Inspirational music)はポピュラー音楽もしくはイージーリスニングスタイル。 ジーザス・ロック(Jesus Rock)とは、普通の讃美歌がよりフォークまたはロックンロールサウンドを 持つ歌に変わった60年代後半と70年代に、ジーザスムーブメントによって大衆化された、 当時の『白人』サウンドのことです。アーバン・コンテンポラリー・クリスチャンミュージック(Urban Contemporary)は、 R&Bヒップホップ、またはラップ(ストリート・ポエトリーと呼ばれる)と 似たサウンドを有することがあります。これらの音楽が生まれた文化的な伝統に関わらず、 全てのスタイルのゴスペル・ミュージックはイエスキリストの教え(福音)、 喜ばしい知らせを世界に広め、そして世界はゴスペルに耳を傾け始めています。

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文:Antoinette Jones

ニューヨーク市に生まれ育つ。
彼女の信仰が養われ育ったのは、セントラル・ハーレムにあるカルバリ・ユナイテッド・メソジスト教会。 彼女は大学生の頃、初めてバプテスト教会に出席する。 1990年、セントラル・ハーレムにある、カナン・バプテスト・チャーチ オブ クライスト ( Wyatt T. Walker, Senior Pastor. )に加わる。 カナンバプテストチャーチの9つある聖歌隊のうち2つの聖歌隊で歌うことを楽しむ中で ゴスペル音楽に対する彼女の思いは深まる。

ゴスペル・ミュージックは彼女の財産であり、彼女の人生にとって大切なパートである。