JOHN ELEFANTE

(ジョン・エレファンテ)



熱心なカンサスのファンやCCMのファンにはお馴染みのヴォーカリストの彼だが、個人のアーティストとしての評価は我が日本に置いては無名に近い印象がある。それは、現在の主流とされている洋楽の形態や、ヒット曲中心の音楽業界によって作りだされているマーケットが影響している事は否定出来ない。後世まで残る良質な楽曲を作り出す才能を持ったアーティストが、正統な評価がされないまま埋もれて行く現状に我慢出来ないファンはけっこい存在するハズである。そんな声を聞いたかどうか知らないが、日本クラウンさんがなんとジョン・エレファンテの3枚目のソロ・アルバムを邦盤発売してくれましたっ!(いいぞっクラウン!!)この機会にもっとジョンのことを世間の皆様に知って戴くためにここに掲載いたします。(←おおげさナぁ・・)

彼の活動が表だって注目されたのは、82年に米国のプログレ・ハード・ロックの名門グループKANSASに参加してからの事であります。メイン・ヴォーカルのスティーブ・ウォルッシュのグループ脱退で、グループ存続の危機を救ったのが彼ジョン・エレファンテでした。その、よく伸びる高音部となめらかな語り口調のヴォーカル・スタイルはKANSASに新しい息吹きを注入する事に成功した。(事実アルバム、ビニール・コンフェッションは好セールスを記録しているし、ヒット曲もうまれている。)しかし、音楽業界における時代の流れに逆らう事はできずにKANSASは自然消滅していく・・・。(噂によるとKANSASのメンバーをボーン・アゲインさせてしまい、軟弱化させたと言う話もあるが・・・)そして、彼ジョンは兄ディーノと共に独自の道を歩み始める。日本ではあまり馴染みのない音楽のジャンルとしてCCMと言うものがあり、その中心的なナッシュビルは聖地として有名である。東のTOTOと言われた”ホワイト・ハート”もこの地域のグループである。(CCMとはクリスチャン・コンテンポラリー・ミュージックを指す!)神に対しての曲や、ヒューマニズムに訴える内容の歌詞等で構成されているのが特徴である。CCMと言っても、カントリーからメタルまであり、一口に「こりだっ!」と言うものがないのも現状である。要するに扱うテーマが重要なのである。私個人的意見からするとメタルは反対勢力の様な気もするのだが?そんなCCM界においてジョンはディーノと共にわが日本で言うところの”AOR/メロディアス・ハード”路線に近い位置にいるのがホントウの所・・・。KANSASのグループ・イメージからくるプログレっぽい面はほんのチョットしか感じられない!したがって、3枚発表されているソロ・アルバムはどれも良質なAORアルバムとして聴く事ができるし、どれも音楽的に高クォリティのものばかりである。昨今の70、80年代のAORアルバムの復刻ブームであるが、ジョンの様な現在進行形のアーティストも素晴らしい作品を作り続けている現状を見逃さないでいただきたい。
aug.2000



「Windows Of Heaven」 (1995)


まず1995年に発表の1stソロである”Windows Of Heaven”であるが、今の所、私ロック兄さんの一番のお気に入りであります。長いキャリアにして初のソロ・アルバムと言う事でジョンも気合いが入りヴァラエティに富んだ内容となっており、全AORファンにオススメできるものとなっています。(是非日本のレコード会社さんに邦盤発売していただきたいと思います。)1曲目の”Hello My Good Friend”でまずはノック・アウトされて下さい。根底にあるゴスペル色もチョッピリと含まれた良質なポップ・ロック・チューンであります。シングル・ヒット間違いなしと言ってしまいましょう。(実際カットされたか不明!)ノリの良いフレーズでグイグイと進行していき、七色のヴォーカル・アレンジも引き立ちます。後半のストリングス・アレンジも実にツボを得た感じです。(このアルバム中一番のオススメ曲であります!)そして、アルバム・タイトル曲の”Windows Of Heaven”は、縦揺れのミディアム調の曲であり、ジョンが素晴らしいメロディ・メイカーである事が実感できまし、序助に盛り上がりを見せる所は、数々のアーティストへ曲を提供しプロデュースしてきている実績がモノを言わせています。ホーン・セクションを大胆に導入したポップ・チューンの”Hold Me In Your Arms”はラジオ・ステーションでヘビィー・ローテーションしそうなくらいアメリカンな感触を打ち出しています。アルバム中で一番ヘビィな感触の”Take Me To The River”はジョンの曲の中でも異色の感じがするハードでガッツのある曲調。そして、ストリングス(violin等)やSAXをフューチャーした曲”That's Why God Made The Moon”はドラマテックな演出の曲で、涼しげなviolinとピアノの調べがしっとりと歌うジョンの声を盛り上げて行きSAXでのサビの部分は圧巻です。アルバム・ラストを締めくくる”We Will Find Our Way”は切々と歌うジョンの魂のサケビが聴く事のできる名バラッド曲です。残念ながらこのアルバム、現在の所大変入手困難な様でありWebのオンラインでも扱っている所は最近見かけた事がない!発売元はWORDと言うエピック傘下のレーベルなのだが現在プレスされていないのか、はたまた廃盤になってしまったのか?ジャケットに写しだされたジョンの顔とイエス・キリストをダブらせるのは、私だけではあるまい!買ってソンなしの家宝にすべき、10年に1枚の名盤であると断言いたしましょう!


「Corridors」 (1997)

2作目のソロ・アルバム”Corridors”は97年に発表されており、タイトルの「コリドー」とは日本語で言う所の回廊と言う意味であり、中ジャケにもそのフォトが写しだされています。1枚目の”Windows Of Heaven”が様々なタイプの曲で構成されているのに対し、このアルバムではミディアム&スロー・テンポの曲調のものが多い様な感じがする。テーマ的には相変わらず普遍的な神への感謝や家族愛、博愛主義に根ざしたものがある。そして、ジョンの愛娘が一緒にフォトに収まっており、特にファミリーにたいする愛を表現したかった様である。1曲目がアルバム・タイトル曲の”Corridors”であり、ラストが”Reprise”となっているのは、このアルバムがトータル的にひとつのテーマを持ったものである事が判る。最終的に目指している所が神に近づく事である宗教的な意味合いで「コリドー」とタイトルしたと思われるし、1曲ずつ聴いても幸福な時間を持てるような曲が続いていく。3枚のアルバム中では一番クリスチャン・コンテンポラリー色が強いと感じられる。そして、どのアルバムにも共通なのだが曲のタイトルや歌詞の中に頻繁に出てくるフレーズや言葉がある。そりは、Jesus、Heaven、Heart、Love、God、Hello、そしてLifeである。このいくつかの言葉でなんとなくCCMの事が身近に感じらるのではないだろうか?キリスト教だからどうと言う事ではなく、どの人種でも、どの宗教でも願いは一つと言う事ではないだろうか?メロディアスなすばらしい曲にこめられたメッセージは欧米圏の人々だけに伝えようとしているのではないと思うのだが・・・。それにしても、ディーノ&ジョンのエレファンテ兄弟の書く曲は美しい旋律の多いこと、心が洗われる様な気持ちになるには音楽が一番効果的かもしれない。私のお気に入りの曲は、タイトル曲の”Corridors”、そしてヴァイオリン入りの哀愁漂う”Treasures of Heaven”そして、サビのメロディがとても印象的でつい一緒に口ずさみたくなる”I'll Love You Forever”などオススメ曲が多数含まれている。こちらは、Web等のオンラインで購入できるはずだし、大手のCDショップで並んでいるかもしれないので是非CDラックのお仲間入りさせてやって下さい!


「DEFYING GRAVITY」 (1999)

そして、DEFYING GRAVITY
ソロ・アルバム3作目にして本邦初登場となるアルバムであります。参加しているメンバーは前2作に参加しているメンバーがほとんどであり、気心のしれた仲間とこりまた高クォリティな楽曲を詰め込んでおります。(日本クラウンさん、ホントウにありがとう!!) まず1曲目の”If You Just Believe”から生のストリングスとキーボード・オーケストレーションを巧みに使い分けており、ポップ・フィーリングとメロディア・ハードのおいしい部分を上手く料理している。いままで培ってきたプロデュース&アレンジや曲作りが生かされている感じだっ!全ての曲がエレファンテ兄弟のものと参加しているメンバーたちとの共作ナンバーとなっている。前作”Corridors”に比べると幾分ハード&メロディアス路線が復活してきている様であり、ロックっぽい曲調のものが多くなっている。アコースティック・ギターとストリングスを効果的に導入している”Pass the Flame”あたりは牧歌的な雰囲気のカントリー色も少しばかり感じられる。(このあたりが他のアーティストと違い音楽的幅の広さを感じるのであります。)前2作にも通じる様な感触の”Give It All Away”はお得意のミディアム・テンポの曲で、コーラス部分でのリフレインがたまらなく良いのであります。(ギブイッオル、ウェー!)そしてこのアルバムのハイライトとも言える”Don't Leave the Band”はプログレッシブな雰囲気が少しばかり感じられる良曲であります。KANSASあたりがやっても良さそうな所もあったりする。(YES風だと言う声もあるが・・・)アルバム発表後ツアーも行われた様なのだが、全くと言っていいほど日本には伝わってこないので詳細は不明だが・・。、まちがっても来日なんかしないだろうから・・せめてライブ映像だけでも見たいものである。クリスチャン系ロックと言う事を除いても、これだけのクォリティの作品はめったに登場しないはずであり、もっと日本のレコード会社の皆さんにがんばって欲しいものであります。(セカンドの「Corridors」もぜひ発売して下さいクラウンさん!!)


ソロ・アルバム以外のジョンの活動は、カンサス脱退から何をしてきたかあまり知られていない。しかし、音楽の活動はずーっと続いてきている。 まず、映画「セント・エルモズ・ファイヤー」のサントラに参加している。この映画は日本でも話題になったもので、 サントラもジェイ・グレイドン&デビッド・フォスターの「エア・プレイ」が曲を提供したり、ジョン・パーの主題歌が ヒットしたりもしている。そして、クリスチャン系のロック・グループ「Petra」や「The Brave」、「Halo」のプロデュース等で活動している。日本では全く知られていないが、ディーノ・エレファンテとのプロジェクト・グループ「MASTEDON」だが、これまた凄い内容のアルバムでありまするが、入手は非常に困難きわまりない。2000年中には新作発表との事なので、是非日本クラウンさんにがんばって欲しいものでありまーす!!


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