AOR 推薦盤 Vol.2

(TOTO〜AIRPLAY風味)



AORといっても様々なスタイルがあり、ジャージーなものからソウルフルなものまでジャンルがあってない様な所がありますが、ここではTOTO〜AIRPLAY風味の感触を持った作品をご紹介していきましょう。   aug.2000


「BECKETT / SAME」  (1991)
ピーター・ベケット。「ベイビー・カムバック」の全米大ヒットによって世界を制覇したグループ”プレイヤーズ”の中心人物が本アルバムの主人公である。プレイヤー解散後はオリビア・ニュートン・ジョンの曲作りに参加したり他のアーティストへのソング・ライティング等の裏方に徹していた様である。そんにベケットさんがスティーブ・キプナーと組んで「シンク・アウト・ラウド」を結成したのが88年であるから、このアルバムは3年後の作品となるが、はたしてその内容は・・・。極太のアメリカン・ロックを演っているのである。まずは1曲目の”I TOLD YOU SO”を聴いていただければプレイヤーズでもシンク・アウト・ラウドの音世界でもない事が判る!どちらかと言うとポップ・ロック的な感触であった前述のグループとは違い実に男臭いものになっている。(拳を握りしめてキッと見つめているジャケットからもその意気込みは察する人ができよう!)ロックの持つエネルギッシュな面を前面に打ち出している点が見事にアルバムに反映されている。91年当時はあまり大きく取り上げ等れなかったこのアルバムだが、現在聴いてもプロダクションのしっかりとしたサウンド・メイキングは一流のミュージシャン・シップが脈打っている。そしてなによりも私を喜ばせてくれたのはギターでダン・ハフが参加している事だっ!数々のセッションをこなしているハフだがこのアルバムでもすばらしい働きを見せている。ベケットとツインでギターを収録している曲はとても豪快なハード・ドライビィングをしており、自己のグループ「ジャイアント」にも通じる感触が味わう事ができる。ウーム良いです。正にAORテイストがちょっびり味付けされたアメリカン・ハード・ロックの傑作でございましょう!


「THINK OUT LOUD / SAME」 (1988)


スティーブ・キプナーとピーター・ベケットのプロジェクト・グループであり、このアルバムの他にもう1枚位作品は存在する様である。傾向からするとペイジズやエアプレイに近い感触の音作りであり、発表年代がもう少し早ければ日本でも名盤扱いされていたかもしれない。それほどこのアルバムのォリティは高いのである。ふたりが意気投合したのは、デビッド・フォスタープロデュースの「セント・エルモス・ファイヤー」のサントラ盤で共作した事がはじまりとか・・。何といっても数々のヒット曲をソングライティングしてきた二人であるから、楽曲の出来は言うに及ばず、参加メンバーも超一流のメンツで固めている。ギターはスティーブ・ルカサー、マイケル・ランドーのLA屈指の二人と、ファンキーなセッションマンであるポール・ジャクソンJrも参加している。SAXでブランダン・フィールズ、ベースにジミー・ジョンソン、キーボードでランディ・グッドラムと言うヨダレもんのメンバーがこのアルバム作りに参加しているのである。ドラムスは残念ながら打ち込みが中心の様だがLA産AORのマニアであればメンバーだけで即買いのブツである。そして、その素晴らしい内容はとてもヴァラエティなものとなっており、聴く者を飽きさせない。二人ともリードをとれる歌い手なだけにハーモニーもバッチリと決まっているし。一人でもNo1ヒットを書けるのに二人の共作と言う事で音の厚みはもちろんのこと、レーベルであるA&Mも相当このグループに期待をしていた事であろう。どの曲も親しみ易いメロディが下地にあるので、一度聴くと耳になじんでくるから凄いっ。デビッド・フォスターやジェイ・グレイドンだけがLAロックの中心人物ではないことが、これで判ると言うものでありましょう!(ちなみにボビー・コールドウェルもチョコット参加しています。)


「JOSEPH WILLIAMS / 3」  (1997)


ジョセフ・ウィリアムス。3代目のヴォイス・オブ・TOTOである。80年代のTOTOのヴォーカリストとして活躍し、日本でも人気のあった彼がTOTOを脱退してソロ・アルバムを発表するまでかなりの時間があったのだが・・・。96年の「I AM ALIVE」を発表し健在ぶりをアピールした、そしてこの「3」である。こちらの作品の方がTOTOよりの作風と呼べるものなのでこちらを支持するファンが多いのもうなずける。82年に1枚目のソロ・アルバムを素晴らしいメンバーのバック・アップのもとリリースしているが若々しい感覚に満ちた感触が強く、ロック・ヴォーカリストとしてはTOTO加入以降の方が磨きがかかってきている様である。そして、このアルバムにも素晴らしい彼の仲間達が多数参加している。TOTOのメンバーの他ビル・チャンプリン、ネッド・ドヒニー、ジェイ・グレイドン、とマニアなら目がクラクラするほどAORフリーク御用達のメンツである。私などはメンバーを見ただけで手が出てしまったくらいだ。なかにはTOTO加入時点に録音されていたがお蔵いりしていた曲まで収録されている。そしてその曲”GOIN' HOME”にはボビー・キンボール、ファーギー・フレデリクセンというTOTO歴代のヴォーカリストがコーラスで参加している。夢の共演と言うのはこの事を言うのであろう。曲はジョセフみずからのものと、共同プロデュースのジョーイ・カルボーンとの共作そしてゲスト人の曲と、ヴァラエティに富んだものでジョセフの交流の広さと、音楽的幅の広さを物語っている。私のオススメするベスト・トラックは1曲目のスタートにふさわしいアップ・テンポな”I'M GIVING UP ON YOU”とTOTO加入時に収録されていた”GOIN' HOME”の2曲であり、ジョセフのソング・ライティング能力の高さを実証している。80年代TOTOのテイストを味わうには最適のアルバムでありんす!



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