
ユーロ・ロックを国別にご紹介していくシリーズとして第一弾は北欧のプログレッシブ王国”SWEEDEN”。80年代に入り各国から登場したプログレッシブ・ロック・ムーブメントの中でも飛び抜けた感のあるのが南米諸国と北欧勢であり、SWEEDENは素晴らしいグループ等を数多く輩出している、その中でもトビッキリのグループを紹介致しましょう。
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| 1.TRIBUTE / NEW VIEWS (1984) |
トリビュート。英国を中心に発展していったポンプ・ロックの勢力は、まだ北欧へは侵略できずにいた84年に「トリビュート」はデビュー・アルバムであるこの”ニュー・ヴューズ”を発表している。そのファンタジックな作品の内容はジャケットに表されている様にキラメキがあり「ハッ」とするような新鮮な輝きがあった。一言で言うと、マイク・オールドフィールドやキャメル等の叙情派と呼べるタイプのグループである。しかし、曲調はライト感覚&乾いた感触があり、我々日本人が日頃抱いている北欧のイメージとは逆の暖かみが感じられるのは気のせいだろうか?どこか素朴で牧歌的なイメージもあり、女性コーラス等を巧みに曲にとけ込ませているし、ヴィブラホーンやザイロホーン、チューブラー・ベルズ、ティンパニなどの楽器は、オールドフィールド・ファンにはおなじみのものである。曲のスピードだけは幾分早めであり、オールドフィールドの曲を1.5倍早くした感じである。(ギターの音色にいたっては、そのまんまと言った所ではあるが・・・)このグループとしてのオリジナリティは少ないが、2nd以降は「ゴング」のピエール・モエルランと接近しており、一緒にアルバムを制作したりしている。まず1曲目の”ICEBREAKER”でこのグループの目指している所が判断出来よう、キーボードとパーカッシブなイントロに乗り女性コーラスが華やかな香りを付けている。87年に発表されたライブでも演奏されており、おもわず踊りだしてしまいそうである。現在はどの様な活動をしているか不明だが、80年代において、もっとも高得点を獲得していたグループである事は、卓越したメロディ・センスが物語っているので、もし、このアルバムを手にする事があれば他のアルバムもきっと入手せずにはいられないだろう! |
| 2.ANGLAGARD / Hybris (1993) | アングラガルド。こちらは、大英帝国の代表的なプログレの権化、キング・クリムゾンのフォロワーとして注目されたグループでありまして・・。メロトロン、ハモンド、ソリーナ、クラヴィネット、チャーチ・オルガン、等を大々的にフューチャーしている。裏ジャケは森にポツンとメロトロンが置かれていたりする。(ヒョエーッ)そして、曲調は暗めであり、ジャケットのイラストはなにやらどっかの古い紋章か何かの様なものであり、内ジャケには北欧の森のフォトが写しだされていたりするっ。(この手が好きな方にはもうーっ、ヨダレもんですぜ、ダンナっ!)重厚で硬質な演奏は重量感もあり、そのテクニカルな演奏部分を引き締める様にときおり、アコースティックな展開もみせ、フルートが良いところで使用されていたりして、「このーっ、憎い演出だなぁ」と思わせたりする。母国語と思われる女性ヴォーカル入りの曲もあるが、全く気にならず曲にとけ込み、幽玄な感じをUPさせていたりもするのだっ。90年代にこのような音をマジメに出す姿勢がまずは恐れ入るが、高度なテクニックに裏付けされたメンバーがどの様な音楽の教育を受けて来たのか、興味が尽きない気もするが・・?少し遅れてデビューし、もっとヘビィに展開してモロに「クリムゾン」を意識させる、「アネクドテン」と双璧をなした時期があるが、残念ながらこの「アングラガルド」は解散してしまった。北欧プログレ・ファンの何人が悲しんだ事であろうか?2ndアルバムは幾分ヘビィさと攻撃性が薄れた感じではあるが、独特のジワーっとくる幽玄性はそのまま生かされており、「そこがたまらないのヨ」と言うファンは多いが兄さんとしてはこちらの衝撃度があまりにもすごかったので、これ以上の作品はもう考えられないのである。最高水準とも言えるこの作品が北欧の地で作られ、極東の最果てである日本のリスナーによって大絶賛を受けている事実を、メンバー達はどの様な思いでいたのであろうか?是非とも再結成して、日本でライブをしてほしいと願うのは兄さんだけではあるまい!まずは、1曲目の重く沈む分厚いキーボード群と、それに呼応するかの様に凶暴に鳴くギターでの曲展開に圧倒されてくださいナ! |
| 3.ISILDURS BANE / CHEVAL (1989) |
イシリダース・バーネたぶんこれでよいハズ!(読み方がムズカシイのよ!)現在のシーンをリードしている北欧はスゥエーデンからの、シリアス・ロックの騎手として注目されたのがこのアルバムあたりからである。デビューは80年代の初頭と言われており、最初は自主制作でレコード盤で作品を出していたが、CDの普及に伴い旧作品をCD化して発表したのが80年代後半からであり、日本でも作品が流通しだしたのもその時期からである。それまでは、全くと言っていいほどこのグループのインフォメーションは皆無と言っていい状態であった。初期の作品の印象は「キャメル」に代表されるファンタジー性を強調した作風だったのだが、89年のこのアルバムからガラリと様子が変化してきている。大々的に導入されているオーケストラ風の曲構成とメンバーの演奏するテクニカルな部分とが上手くミックスされており、”シェヴァル”と言う人物にスポットを当てた一大コンセプト・アルバムを作り上げている。その室内楽をも凌駕する曲の内容は、すでにプログレッシブ・ロックの枠組みを抜き出ており、高い次元での融合に成功している。4人の基本的なメンバーの他にフルート、チェロ、ヴァイオリン、バスーン、クラリネット等々のアンサンブルの元、他のグループでは成し得ない高みにまでこのグループはイッてしまったのである。コンセプトは日本では全く知られていない芸術家の半生にインスパイアされたものであり、フランスの郵便局員がある時から石で建造物をつくり始め、それに生涯を捧げた実話に基づいている。(ファンタジックなおとぎ話に題材を求めているグループとは違うのである・・・)次作の「THE VOYAGE」も長大なコンセプトによるアルバムであり、2枚組の超大作となっていて、今度は精神病に悩まされほとんどの生涯を病院で過ごしながらも、様々な芸術作品を作り続けた人物の半生を題材にしている。正にシリアス・ロックなのである。聴くべし、新世代のシリアス・シンフォニック・ロックの愛好家達ヨ! |