
DAVID CROSS
元キング・クリムゾンのVIOLIN&キーボード奏者であるデビッド・クロス。70年代クリムゾンのもっともアグレッシブかつインプロヴィゼーションを強調した時代の生き証人でもある。その、クロスの90年代におけるソロ・アルバム3作品をご紹介します。 nov.2000
BIG PICTURE (1992)
70年代後期キング・クリムゾンの重要な位置をになっていたVIOLIN奏者のデビッド・クロスはキング・キリムゾンを離れて以来、消息不明の一人であった。クリムゾンを離れてからは10年以上シーンには浮上していなかったクロスが、復活してみせたのは87年の”MEMOS FROM PURGATORY”と即興的ジャズ・ロック・グループ「RADIUS」での活動であったが・・・。90年代に入りとんでもない作品を送り出してきたのだっ。90年発表のアルバムであるこの作品は「RADIUS」のメンバーでもある、キーボードのシーラ・マロニーと87年の”MEMOS FROM PURGATORY”からの付き合いであるドラムスのダン・マウラーである。そして、このアルバムから参加のベースとヴォーカルのジョン・ディロンがパワフルな歌声と重く力強いベースを聴かせてくれている。まず、1曲目の”nurse insane”を聴いてぶっ飛んでいただきたい!この疾走感ときたら尋常ではないのだから・・・。90年代クリムゾンがスタートする2年前の事である。本人も74年までのクリムゾンにおける2年間の活動に影響されていると答えているが・・・。逆にフリップ側もこれらの曲にインスパイアされたのではないかと思ってしまうほどだっ・・。なかには暗い感触のキーボードとVIOLINが印象的に泣く静かなたたずまいの曲もあるが、私としてはハードにグイグイと迫る曲調のほうにクロスのロック・ミュージックに対する反撃を感じるのだっ。”
TESTING TO DESTRUCTION (1994)
第三作目にしてグループとして音のまとまりを顕著に感じさせる傑作であり、インスト部分の強化と言う事でギターリストとして、ポール・クラークの加入はバンド・アンサンブルが前作より向上している。それは、クロス自信プロデュースに専念する、もしくはVIOLIN演奏に集中できるという事でアルバム全体に余裕をもたらしている。(当人は必死にアルバム作りをしたと言っているのだが・・・)緊張感溢れる演奏は1曲目の”LEARNING CURVE”からハード・ドライビィングが感じられる。アルバムのトーンは暗めなのだがどこか吹っ切れた感触がするのは、70年代ではないからか?アルバム・ジャケットはなにやらクマのヌイグルミが箱に押し込まれている様なもので、これが何を表しているのやら?でありますが、邦盤のタイトルがこれまたスンゴイ・・・。『破滅への試行』である。直訳なのか意訳なのかは別として、70年代に流行したプログレ作品の邦題化でございましょう!(成功か失敗かは皆さんが判断してネ!)ライブでの演奏もこの作品の発表時期に同メンバーで行われたらしいのだが、日本にはさっぱり情報が入って来なかったのでどの様なものかは不明である。だが、素晴らしいものだったに違いない。このメンツでのライブ・パフォーマンスの実況録音がそんさ正するのなら是非聴いて観たいものだっ。最後にクロス自信の事ばを紹介しよう・・。「コンセブトは、ロック・ミュージックの限界を打ち破って 、ロックのバワーを維持しつつもインプロヴィゼーションによってライブ感を出す!」それが狙いだった様である。
EXILES (1997)
このアルバムにおいて、ロバート・フリップとピーター・ハミル、ジョン・ウェットン、ピート・シンフィールドというクリムゾン仲間とヴァンダー・グラーフの合体が見られた。ハミルについてはフリップ爺が何度もヴァンダー・グラーフやハミルのソロにゲストとして参加している。基本的なメンバーは前作と幾分チェンジしており、キーボードとベースが変わっている。フリップ爺が4曲ではっきりとフリップとわかる様なギターでクロスのアルバムを盛り上げている。(クロスはクリムゾンに戻りたかったのか?)ウェットンはクリムゾンの名曲でもあるアルバム・タイトル曲で歌っているが、ハイライトとなるのはハミルの絶叫型ヴォーカルと、フリップのギターがクロスのVIOLINと泣きじゃくる”TONK”や”TROPPO”である。前2作にはあまり見られなかった幽玄性 や叙情性がこのアルバムでは素晴らしいゲスト陣によって生み出されており、このアルバム発表時はクリムゾン・ファンからもちょっとだけ注目されたのだが・・・。そして、いつもながらに想うのだが国によってジャケットが違うのはどういう事か?私の所有は米盤で東洋人女性の顔がアップのものなのだが、邦盤はイラストにチェンジされている。(日本人のセンスだけで決めたのか?クロスに対する担当者のイメージの具現化なのか?オリジナルはどっち?)90年代のメタル・クリムゾンが持っていない何かを感じるのは私だけではあるまい!!
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