
ワールド・プログレを国別にご紹介していくシリーズの第T弾は南米はブラジルです。80年代から少しづつ発展してきたブラジルにサグラドが出現し、世界中の多くのプログレ・ファンから注目されるようになりました。90年代に入りますます活況を示すブラジルの重要グループをご紹介致しましょう。
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| 1.DOGMA
/ TWIN SUNRISE (1995) |
ドグマ。ブラジルのテクニカル・ファンタジック・グループである。ギター、キーボード、ベース、ドラムスを基本メンバーで数名のゲスト・ミュージャンも参加している。この作品は、セカンド・アルバムであり、女性ヴォーカルとストリングスが入り1stアルバムよりプロダクション的に進化している。ヴォーカル曲は2曲ありどちらも歌詞が英語なのは世界進出を狙ってのためか?(1枚目の”ALBUM”には「サグラド」のマルカス・ヴィアナがゲストでヴァイオリンを弾いている。)しかし、あくまでも4人のメンバーの演奏が主体であり、そのイマジネーション溢れるファンタジックな曲調は、南米の広大な大平原をイメージしたかの様であり、ダイナミックで壮大な曲の流れは自然と生まれてくるものであろう。中心となるメンバーは、サグラドのギターリストでもあったフェルナンド・カンポスと、5弦ベースを操るバランと言う人物である。アルバム・タイトル曲”TWIN SUNRISE”は12分の大作でありギターとキーボードを中心に組み立てられて、時折みせるリリカルな曲調、そして泣きのギター等は、欧州の先人達の仕事を研究し、独自のものとして吸収した結果うまれて来るものと思われる。ゲスト参加のフルートもなかなかの好演を見せている曲もある。メロディを大切にしたロマンティシズム溢れるやわらかな感触から一転して、テクニカルに登り詰める場面展開もあったりしてプログレの醍醐味を味わう事ができる。ここぞっ、とばかりにギターで盛り上げる所もまたオツなものであるし、全体をヴェールの様に包み込むシンセの音色も素晴らしいし、ギターとリズムセクションが上手く絡み合うシーンもいくつか見られ、ぜひライブで体験してみたいグループである。6曲目の”THE LANDING”はアコースティック・ギターとやさしいキーボードが活躍して、キメのエレキ・ギターで泣かせます。(グレゴリアン・チャント風のコーラス部もGoo!)叙情派プログレの良質な部分の継承者であると確認する事ができる。 |
| 2.BACAMARTE / DEPOIS DO FIM (1983) |
バカマルテ。”バカ丸だし”ではない。こちらは、80年代に1作のみで消滅してしまった幻のグループと言われている。(しかし・・・思わぬ所で・・である。)PFM等に影響を受けたと思われる所は多数見受けられるが、ヨーロッパに一番近い感覚の南米の中でも音楽はトップクラスのプラジルの作品らしく、ラテンの香りがプンプンである。本家PFMにはアレンジ、テクニック的に及ばないものの、フルートやギターの音色は十分にヨーロッパのグループの音に近いテイストが味わう事ができる。基本的には、インスト勝負のサウンドなのだが女性ヴォーカルが叙情的に歌い上げており、アコースティック・ギターと共に南米の素朴な感じが良くでていると言った感じである。80年代はどこの国でもプログレ周辺はさみしい状態であり、プラジルでも作品そのものは少なく代表的なグループはサグラドと、このバカマルテ位いしか日本では知られていない。(90年代になりやっと紹介され始めたのが本当の所では・・・)シンセサイザーの中をアコ・ギとエレキ・ギターで泣く所などは、この手の音をこよなく愛するファンにはたまらない所と思われ長い間再発、もしくはCD化が望まれていた 作品でもある。95年にめでたくCD化され、世界中のブラジル・シンフォニック・ロックの熱心なファンの手に入る事となった。そして、なんと驚く事に、99年になりこのバカマルテの中心人物であったギターリストの「マリオ・ネト」がソロ・プロジェクト・アルバムを発表した、そして副題にはBACAMARTEの文字が刻まれ、Webまで存在する。(http://www.bacamarte.com.br)アルバム・タイトルは何と読むか判らないが「CIDADES SETE」。ほとんど一人で作られており、ギター、ベース、ドラムス、フルートと、全ての楽器を駆使して録音されているが、キーボードの”ロベリオ・モリナリ”なる人物がサポートしている様である。インナーのフォトにはライブの模様らしき姿もあり、本国ブラジルでは本気で活動しいる様である。(今時珍しい12弦と6弦のダブル・ネックを持っている・・)今後がまた楽しみではある、ソロ・プロジェクトではなくグループとして本格的に復活してほしいものであります。! |
| 3.O TERCO / TEME TRAVELLERS (1992) |
オ・テルソ。こちらは、70年代に南米屈指の作品「CRIATURAS DA NOITE」を発表しいるブラジル・プログレ界の重鎮的存在のグループである。80年代は全く活動していなかった様な感じだが、突如90年代の初等に復活して、依然とは全く別のスタイルである北米型プログレ・ハード路線で登場してきた。古き良き時代の音は捨て去り、新感覚の世界的に隆盛してきたこのタイプの音作りに変化したのは、時代の流れに合わせているのであろう。ジャケットも新しい感覚であり、インナーにはメンバーが楽器を操りそのバックはどこかの惑星の様なアートであしらっている。タイム・トラベルを題材にしたSFチックな内容であり、正にヴァーチャル的な雰囲気である。曲調は、アップテンポのキャッチーなメロディを生かしたものや、米国のグループが手がけた様な感触のメロディアス・ハード調のものまでやっており、欧米でのシェアを考えた作りになっている。1曲のみ、70年代の中心的存在であった”フラヴィオ・ベントリーニ”の曲「SUITE」が含まれている。このアルバム発表のツアーではオーケストラとの共演もあり、ライブ盤としても残されているので、もし興味が有りましたら聴いてみるのも一考ではあります。泣きのギター、シンセサイザーとの掛け合いと往年の曲に近いニュアンスも多少感じる事ができるかもしれない!デビューが1969年であるからもう30年選手である彼らだが、メンバーも何度か交代しながらもブラジルを代表するグループとして、これからも新しい刺激を求めてプログレスしていく事を願って聴いて戴きたいアルバムであります。先頃2in1で、70年代の名作「CRIATURAS DA NOITE」と「CASA ENCANTADA」もオリジナル・マスターから再発されたらしいので、そちらと90年代の作品を聴き比べるのもまた楽しいかもしれないですネ! |