尚美学園大学教員労働組合へのいざない(結成趣意書)

 尚美学園に勤務する多くの者は、決して正常とは言い難い職場環境のなかにあって、いまや窒息状態に陥らんばかりになっています。事務運営上の朝令暮改は日常茶飯事で、組織としての手続きはあってなきが如しであり、また経営側は無思慮にも教学上の仔細事項にまで介入し、ごり押しして恬として恥じるところがありません。ことに大学運営協議会は、規程上は経営側と教学側との連絡調整機関にすぎないにもかかわらず、あたかも教学面の最高意思決定機関であるかのように振る舞って、結果として教授会・代議員会は単なる追認機関と化しつつあります。こうした窮屈な環境のなかで、ときに罵詈雑言と恫喝が加わり、教職員のあいだでは勤労意欲が著しく減退し無力感が蔓延しています。

 いうまでもなく、労働条件と教育・研究条件、また教学実践の方向づけは、理事長や一握りの理事が一方的に決めてよい性格のものではありません。勤務条件や勤務形態に関しては理事会と教職員との労働協約に基づいて決定され、また教学実践の方向づけに関しては基本的には教授会・代議員会の専権事項として審議され決定されていくことが、正常な学園運営の基本だと考えられます。ところが、尚美学園には、教職員の要求や意見を反映させる正当な手段・手続きは、目下、ほとんど制度化されておりません。たとえ制度化されている場合でも、運用上、実質的にはほとんど無力に等しい有様です。この状態が改善されず、今後も続いていくならば、教職員のみならず、在学する学生や受験生にとっても極めて不幸な状態に結びつくこと必定です。

 こうした状況認識のもと、わたしたちは尚美学園大学教員労働組合の結成を決意しました。もとより組合の結成は、理事長や理事会といたずらに敵対し学園運営の混乱を意図するものではありません。理事会と対等の立場に立って交渉する公的な権限を獲得しなければ、現状を打開して、手続きに則った事務運営や教学と経営との分離と協調は、およそ困難だと判断したからにほかなりません。わたしたちは、組合と理事会が相互に立場を尊重し、健全な適度の緊張関係を保持していってこそ、尚美学園の円滑な発展が成し遂げられていくと考えます。

 この組合は、われわれの労働条件、教育・研究条件を改善し、あるべき学園の姿を求めて果敢に問題提起をしていきます。尚美学園の現状を憂いつつ今後の発展を期待しているみなさんに、当組合に参加して当面する課題に積極的に取り組まれるよう、ここに訴える次第です。


 平成13年10月吉日

                      尚美学園大学教員労働組合 設立発起人一同