アメリカの看護について思うこと

私が今まで抱いていたイメージ、実際に受けたアメリカの看護教育の実態、アメリカの病院看護の実際などについて、感じたことを書きました。アメリカで看護婦を目指す方も多いと思うし、興味のある方はもっと多いでしょう。あくまで「私が」個人的に感じたことながら、参考になるといいなぁー、と思います。

雑感

アメリカの看護教育

アメリカの病院看護

日本と比べて

つけたし


雑感

今まではアメリカの看護って日本より30年(?)進んでいるらしい、などと聞いて、看護先進国!というのがアメリカのイメージだった。そして留学。アメリカの看護の知識はもちろん、ましてや日本で働いた経験もなくきたので大変だったけど、看護を勉強中に日本・アメリカ両方で学ぶ事ができたのはかなりよい経験だったと思う。こんな経験、ちょっとできないでしょ?しかも、最後の大ばくちで来たから(シカゴにきたわけ参照)4年の前期まで終わってから最後のチャンスでアメリカに来た。日本でほとんど終えてきたおかげで、ここでは自由に授業を取らせてもらえた。これがまたまたかなりよいチャンスであった。ここUICでは各授業にRequirementというそれまでに取るべき授業が設定されているので、私はそれに相当するものをほとんど日本で終わらせてきていたが、2、3年生で来ていたらこっちでも基礎的なものしか履修できなかっただろう。自分の取りたい授業を主張して、自由に組ませてもらえたことには感謝している。おかげで各論も履修できたし、実習にも行けた。そんなわけでアメリカの看護を垣間見ることができたのである。

でも、アメリカはそんなにすんごい進んでいる!!とも思わない。もちろん日本にはない部分が充実し、進んでいるといえる多い。特に看護教育の面では、やはりフィジカルアセスメントは日本のナースにも身につけてほしい技術であるし、システム面でも、CNS(Clinical Nurse Specialist:専門看護婦)の細分化は日本の比にならないし、ナースプラクティショナーもかなり根付いてきた。でも、アメリカに来て、そういった日本との制度の差は「進んでいる」ことになるのだろうか?という疑問がわいた。

で、それなりにアメリカの現場をいろいろ見学したり、話を聞いたり、日本の現状と比較したり、いろいろやってみたわけです。そこでだんだん意見がまとまりつつあるので、ここで公開しちゃうことにたってわけ。

アメリカで看護婦さんしたい人はなぜなのでしょう?アメリカの看護が進んでいるから?アメリカで看護婦さん、ってかっこいいから?将来海外(発展途上国とか)で働きたいから?英語で看護を勉強したいから?日本の現場に嫌気が差したから?アメリカだったらわずらわしい人間関係はなさそうだから?

結論を先に言ってしまうと、「看護留学」はそれなりに意味があると思うけど、「アメリカで看護婦」はそれほど魅力があると思えません。日本よりもそんなにいいかな?私は断然日本の看護が好きです。まぁ、そう私に言わしめる理由をこれから説明しますよーん。 

アメリカの看護教育

アメリカの教育は進んでいます。これは言える。看護に限らず、教育面が充実しています。よく言われるように、高校までは楽だけど大学は入るの簡単、ついていくのが難しい、卒業率が低い。これはホント。日本の大学でも他の学部より忙しいところから来ているっちゅーのに、アメリカはもっと忙しい。その理由は、日本は「大学」という場所を出ていればいいってかんじの制度的な教育だけど、アメリカの大学は将来に活きるスキルを身に付け、プロフェッショナルになるための場であるから。ここが決定的な違いでしょう。そして、教育を受けるためのサポートが整っている。例えばBSN−RN(学士取得コース)であればUICの病院でフルタイムで看護婦(士)すると学費全額免除(+お給料)とかね。学生がローンを組んで学費を自分で払うのも一般的だし、奨学金、免除、など経済的サポートが充実しているので、勉強したい人にはチャンスがある。そういった意味でアメリカの教育システムは、これはかなりよい。

看護教育に関しても、これはアメリカ進んでいます。日本でもちょっとずつ取り入れ始めているのがフィジカルアセスメント。この授業は私の留学の目的の1つでもあったんだけど、アメリカではどの学校でも必ず2年次くらいの早い時期にこの授業が組まれています。(授業内容についてはHealth Assessment参照) これによって患者の全身のアセスメントが系統的にできるようになる。全身の状態を正確にアセスメントできれば、そこから看護上の問題点、ケアプランをより的確に導き出すことができるし、緊急の場合など患者の状態を自分で判断することができる。日本ではまだまだで、先生方もしっかり習ったことがないから教える人が少ない。ここのように厳しく正確な技術を身に付けられるように教えてほしいもんです。フィジカルアセスメントの授業は、大学院に来る留学生も必ず受けてなければいけないらしい。

専門基礎も厳しい。私は取ってないけど。(笑)病理や薬理なんてアメリカ人ですら死にそうになっている。私が千葉大で受けた授業はなんだったんだ?別に千葉大の先生が悪いと言っているのではなく、日本ではそれほど勉強しなくても、まあまあわかっていれば単位もらえるのがいけないのだと思う。試験も過去問が出回ってたりね。もちろん厳しい試験もあるし、私だって日本にいたって勉強したこともありました。それでも追試になった試験もある。でも、やっぱり甘いな〜、と思う。こっちじゃ正確な知識で全部を把握していなければ合格できない。そしてそれは各論の授業内容に通づるものもある。

こっちの各論は非常に密度が濃い。私には手におえないほど・・・。(苦笑)どの授業もそうだけど、予習がまず大事なのね。もう独学じゃん、これ!ってくらいまず自分でやる。毎日授業以外に5〜10時間勉強して、それでもついていけるか?ってくらいやって、でもまだ予習、って段階。そして、予習していることが前提なので、全部を授業ではカバーしないけど、それが試験に出る!だから範囲が広いし、憶えることは膨大。疾患ごとにその疾患の病態生理(私はこの部分の知識がないため人よりよけいに勉強しなきゃいけない・・・)、検査法、治療法、治療薬の名前・働き・用量・用法・副作用、アセスメント内容、看護上の問題点、ケア内容、などなどを覚える。ここでまた専門基礎の知識もしっかり問われるでしょ。各論の内容はこんなふうに専門知識、看護理論、実践方法(実習も同時進行なのもあるだろう)の全部を加味した内容になっているので、おそろしく大変だけど密度が濃く、いざ現場に出たときにすぐ役立つことはうけあい。

でも、よくよーく記憶を掘り起こしてみると、うーん、これって千葉大でも習った・・・かな?ってことも多い。ただ単に私が忘れているので、新鮮に感じて「アメリカは!」って思ってることも多いと思う。(苦笑)だから、授業面で日本よりすごいと思うのは、やっぱり教授陣の教える姿勢が大きいと思う。内容的にはそんなに変わりがなくても、これだけ私に勉強させるアメリカの教え方って・・・、とびっくりだよ私は。特に特徴的なのはケーススタディの多さ!!授業はどれも(成人、小児など)ケーススタディがメイン。大まかな概要は予習してきている、というのが前提なので、いろいろな詳しいケースについて(ラボデータなどまでとにかく詳しい)主観的・客観的データ、看護上の問題点、治療法、ケア内容などをディスカッションしたり、発表していく方式が多い。やっぱり人はやったらやっただけ身につくもんじゃない?日本も大学の勉強は予習中心にして授業では実践的なことをすればいいのになぁー。

あとは実習ですね。日本では事故を恐れて実習生は注射などできないことがほとんどですよね。(いくつかの学校ではできるらしいがそのうち全面禁止になるだろうとのこと) でも、実習で練習しないからあんなバカみたいな事故が起こるんじゃん??とも思ってしまう。アメリカではバンバン注射してよいのだ。まあ、それしか仕事がないともいえるのだけど(下記病院看護を参照)、純粋なIV以外のほとんど(IM:筋注、SQ:皮下、ID:皮内、IVプッシュ:IVラインに注射)はインストラクターまたは現場看護婦の監督のもと可能。日本よりも技術的に実践向きな実習と言える。

大学院について少し私の知ってることを書くと、大学院もRA(リサーチアシスタント)やTA(ティーチングアシスタント)などのアルバイトをすれば学費免除、などというおいしい制度もある。ゆきこさんもただにしてあげるからこのまま居着いちゃいなさいよ〜、などと言ってくれる教授もいる。(笑)だから、経済的に留学が心配な人も来ちゃえば何とかなるのだと思う。100万だけで来ちゃってる人もいるわけだし。(彼女はRAで免除をもらっている) アメリカに大学院留学する意義としては、日本では学べないテーマの充実、これでしょう。例えば、私がやってみたいと思っていることはAIDSに関すること。コミュニティにおけるAIDS医療の実態、とかそんなかんじのこととかね、こういうのはまだ日本では研究できないでしょう。あと、幼児虐待に関すること、民族間の医療におけるギャップ(健康の概念、医療行為の拒否など)などなどアメリカにはいろんな人がいるのでSubjectsが豊富という意味では日本ではできない研究がいっぱいある。日本ではできないなぁ、というテーマに興味のある人は来る意味があるでしょう。

アメリカの病院看護

最もがっかりしたのは現場の看護である。がっかり、というと適切ではないかもしれない。なにしろそもそも現場に対するイメージがそんなにできていなかったので・・・。だけど、とにかく、アメリカの病院看護に憧れるほどの価値が果たしてあるのだろうか?そう思った。

アメリカの看護学生の友達が言ったことには、アメリカの看護婦の仕事って passing medication がメインだよ、ということ。要するに、薬渡し。これは実習に行って実感することになる。

まず知るべきことは社会の制度が違うこと、これだ。日本では国民皆保険で入院期間も長い。だいたい1週間〜10日は入院する。よね?(笑)国民性としても、病気になった時はおとなしく医者の言うこと聞いて早く治しちゃおう、ってかんじではないだろうか。アメリカとは全く正反対である。入院期間は平均2日くらい。1週間もいたら長い!と言われる。腎移植を受けた人(兄弟間で移植)お見舞いに行ったのだが、術後2日目に行ったらドナーはもう退院しておりレシピエントも翌日退院だった。ご存知のように保険は個人で買うものだ。もちろんMedicare(高齢者用)やMedicaid(低所得者用)といった公的保険もあるが、たいていは個人で保険会社の保険を買っているし、カバー額もそれほど高くないので金銭的負担が大きい。ゆっくし養生して完治させる、というよりは、とりあえず今の症状を落ち着かせる、そんな感じで入院している。

だから、もちろん看護内容も違ってくるのは当たり前だ。入院期間が短い=急性度が高い、ということだ。アメリカの看護のメインが、観察や与薬になるのも当たり前といえば当たり前。

実習に行ってホントに薬渡しで1日終わっていくなぁと実感した。日本では入院患者にも、一般の外来でもらうように袋で1週間分とかあげちゃって飲ませてるところが多いと思う。管理の必要な薬だけナースステーションにおいてあって毎食後寄ってもらったりしてね。でも、アメリカではぜーったい薬を渡しっぱなしになんてしません。これはたぶん信用ないんでしょう、アメリカ人は。(苦笑) 飲まない人が多いからだといっている人がいました。錠剤もナースが渡したその場で飲むところまで目撃しなければいけません。ひどい時は飲ませたあと舌の裏に隠していないか、口を開けさせてチェックしたりもするらしい。日本人は医者の出したものはけっこうまじめに飲んでくれるけどね。それに、急性期なのでたいていIVラインやNG・Gチューブをつけてそこから投薬することも多いので時間がかかる。しかも、混ぜる薬(〜○%とか)はいまだにナースステーションでナースがアンプルから作る、NG・Gチューブからは錠剤をつぶしたものを水で流し込む、などなぜか原始的なものも多い。(これはUICだけじゃなくいくつかの病院の話を聞いてもそうだったので、けっこう一般的に言えると思う) ナースステーションに錠剤をつぶすすり鉢みたいのがあったりするんだから、液体の薬はないのぉ〜???と思ってしまう。さらに、アメリカはほぼ全個室。間違いのないように一部屋薬を配ってはナースステーションに戻り次の部屋の薬を取る。こんなことを受け持ち患者の与薬時間(2,3時間おき)にやってたら1日終わっちゃうのも当然な気がします。

もちろん進んでいるところもありますよ。アメリカの名誉のため念のために言っておくけど。1病棟にパソコン10台くらいあって、患者の情報はほとんどそれで検索できるし、ケアプランやオーダー、予約の確認、退院指導のパンフレット、などもそれで見ることができる。まだ物品もドアを開ける時に患者のIDを入力し、物品を取ると自動的にチャージされていく仕組み。これを見た時はハイテク!!と思ってしまった。(笑) 看護内容としては、やっぱり学校でフィジカルアセスメント叩き込まれただけあって、観察とそれによる判断が看護婦自らできるのは強み。急性度が高いので必然的に観察事項も多くなるしね。

あと自由な雰囲気はやはりアメリカならではでしょうか?ナースステーションでおかし食べたり、ジュース飲んだり。これは文化なので比較してもしょうがないけど。しかし、看護婦どうしで医者の文句も言うし、医者が偉そうなのはアメリカも一緒。看護婦どうしだってアメリカにも準看(LPN)はいるし、アメリカだから人間関係うまくいくそう〜、問題なさそう〜、医者からこきつかされなさそう〜、ってこともないと思いますよ。

日本と比べて

別にアメリカに恨みがあるわけでも、アメリカの看護に興味のある人を来させないようにしようとしているわけでもありません。ただ私の感じたことがそんなことだったのです。そして、これらのことは私がアメリカに来たから感じることができたわけで、そんなこと言ったって自分で行って見なきゃわかんないじゃん、って人はそのとおり、ごもっとも。

私の言いたいことは、みんながアメリカに過度の期待を寄せて来ることが心配なことや、日本の看護が劣っているわけではない、ってことです。

上でちょっと話したように、アメリカと日本では医療を支える社会制度から、健康・医療に対する国民の概念、文化、と何をとっても違います。そんなに違っている場所で同じような看護が必要であるとも思えません。もちろん私も認めてきたように、アメリカにはやっぱり進んでいることもあるし、日本に取り入れたらいいだろうな、ってこともいっぱいあります。でも、アメリカが絶対的に進んでいる、というわけでも、日本の看護が遅れている、というわけでもないし、アメリカの真似をしていけば日本の看護も発展する、というわけでもないんです。

私はアメリカに来てアメリカの看護を見て、ますます日本の看護が好きになりました。日本の看護のほうが面白く感じるようになりました。日本の方が看護の醍醐味いっぱいだと思いませんか?数日入院している中で、患者さんとコミュニケーション取りながら看護を展開する。この患者さんとのコミュニケーションという一番楽しいところがアメリカの看護には欠けていると思います。急性期でまずは観察、与薬。それはそれで必要なことだけど、患者さんはいろいろ話したいことがあるかもしれないし、話すことで得られる大事な情報もあります。アメリカは医療業種も細分化され、検査に連れて行くだけの人や清拭など身の回りの世話らしきことをするCNS(看護助手)がいたりして、看護婦の負担は確かに小さい。日本じゃ検査室まで看護婦がわざわざ車椅子押して行ったり、お迎えに行ったりしていたもんね。でも、私はあえてそういうところも看護だと思うのです。急性期だから洗髪やおフロ介助もない。(各個室にシャワーもあるし) 私はお湯使うケア大好きなのに〜。(笑) まあ、それはともかく、とにかくそんなふうに患者さんとのコミュニケーション、関わりそのものが少ないことが、私にはとても物足りなく感じたのです。

だから、アメリカに来て看護婦すればもっと看護らしいことができるかも!と私も昔は思っていたけれど、私にとって「看護っぽい」こととはもちろん、患者さんの状態を正確に観察・判断してケアを提供する、ということではあるけど、同時にお手伝いさん的と言われようと清拭や洗髪やおしゃべりや・・・、そういうことも含めて「看護らしい」んです。やっぱり日本のほうが楽しそうだなぁ〜。

そして、何度も言うけれど、だからといってアメリカで勉強するのをよせと言っているわけではない。私としてはアメリカで勉強して日本に帰ってきてほしい。私自身今回アメリカで勉強して日本へ帰って働く。そのことをとても嬉しいと思う。こっちで勉強したことで日本の足りない部分も見え、フィジカルアセスメントや看護研究法など実際自分で学んだものも多い。そこで日本の足りない部分が見えたからこそ、自分の学んだことを日本の看護にフィードバックしていければ_と思う。もちろん働いたこともない私がそんなことを言うのもおこがましいのだが、アメリカの方がいいんだわ〜、とこっちに飛び込んだところで日本の看護は発展しないし、まぁ、日本の看護界に貢献する義理もないのだけど、とにかくアメリカで学んだことを日本の看護に活かしていければ・・・、それが当面の私の目標なのです。そして、アメリカで勉強したいと思っている他の看護婦(士)の人もそう思ってくれたら嬉しいなー、と思うのです。アメリカで学んだことを、日本の文化・社会にあった方法で取り入れていく。それができるようになるといいな。

長い文、読んでいただいてありがとうございました♪

つけたし

ちょっと書き忘れたことなどを付け足します。

アメリカの看護より日本の看護のほうが好き、とのたまった私だけど、アメリカの看護にも好きな部分はいっぱいありますよ。何度も言うように。例えば、見学に行ったホスピスなんかはその性質上どちらかというと日本の看護に近いような、精神的ケアや生活に根付いたケアが中心だったので、かなり感銘(?)を受けました。もともと地域看護にも興味があったので、在宅という領域で看護の力を発揮しているのが、とても面白く感じました。でも、基本的にアメリカ人は気遣いのない人たちだからね。(苦笑) 日本のようなきめ細かいケア、ってのはなかなかお目にかかれないでしょう。病気の時こそはやっぱりいろいろ気を使ってほしいもんだと思うけどね〜。

あと、やはりアメリカでは看護婦のできる医療範囲が広いです。フィジカルアセスメントや、基礎医学教育がちゃんとしているせいか、患者の状態をアセスメントして、何をすればよいか自分で判断できる場合が多く、医療行為の決断はほとんど医者まかせとなっている(?)日本よりも急変時などにかなり強いといえるでしょう。精神的ケア、コミュニケーションなどの面でちょっと欠けているとはいえ、患者さんの命をあずかる身としては、知識・技術はあるに越したことはないし、急変に自分で対処できる判断力はとても大切だと思うので、そのへんを日本でもうちょっと取り入れてほしいところです。

例えば、各論の授業ではケーススタディが主といったけれど、医者を呼びに行くのは何番目にすることか?という問題が多々あります。ショック状態や呼吸窮迫状態にある患者を発見した時に、まず何をするか?という優先順位を考えた時に、エピネフリンIVや酸素吸入などが先で、対処し終わってから、または改善がみられなそうなときに医者を呼びに行くことが多い。そこまで自分の力で判断・対処できるナースが日本に何人いるでしょうか?もちろん、教育内容やナースの法的業務内容が違うのだからしょうがないのですが、ナースとしてそこまで責任を持って、看護にあたることができたらな、と思うのです。

そういう面で、やはりアメリカで「看護の勉強」をすることはかなり有益な気がします。そして、アメリカで働かないで(笑)、日本に帰ってその知識・技術を広めてほしいですねぇ〜。上で散々述べたような理由から、日本でせっかく培った看護観を、アメリカで活かしきれるとは思えないんですよね、私には。

あと、NP(ナースプラクティショナー)やCNS(専門看護師)といったシステムの問題。私も以前は、上記のような医療行為の広さ+診断できる!+処方箋が書ける!!というNPの特性に魅力を感じ、負けず嫌いで自分でできる範囲が広いほうがいい、と思う私は(笑)NPに憧れたもんでした。いつか日本にもできればいいなぁ〜、なんて思ったりして。でも、それもアメリカだからできた制度なのだと、今は理解しています。なぜかというと、アメリカに来て判明したのですが、NPは医者にかかれない人がかかる、医療費軽減の策なのでした。医者にかかれば費用も高い。でも、ちょっとした病気であれば、NPからも同じように処方箋が出る。医者よりずっと安く・・・。国民皆保険がない(そのうち作る、という方向らしいのですが実現できるのかな?)アメリカならではの制度だったわけです。だから、日本ではそういった職を作り出す必要性が薄いため、NPはできないでしょう・・・。

また、その保険制度のためにケア内容も変わってくるのです。医者が1回病室に立ち寄るたびにチャージされたり、1回ドレッシングチェンジするたび、1回体位交換するたびにチャージされていく・・・。自分で医療費を負担しなければならない患者としても必要最低限のケアでいい、と思うだろうし、そういった患者に応えるように、医療者側もよけいなケアはしないようになる。だから、アメリカの看護もああいったちょっぴり味気ないものになっているのかもしれないなー、と思います。ある人はペースメーカーの調子が悪く、夜ERに飛び込み、1泊しました。かわるがわる医者やナースが出入りし、25万!(病院もノースウエスタン大学病院でかなりよいところだったのですが) それが自己負担だと考えると、病気になっても我慢したくなっちゃいますよね。

こうした社会制度、特に医療保険の問題も、看護の内容に大きく関わってくることをアメリカに来て初めて考えました。だからなおさら、日本の現場とアメリカの現場は、通用する看護観からして違うのだと思います。日本も高齢化で医療費の問題も山積みですが、でもやっぱり国民皆保険、って、健康という生きていく上で一番大切な部分で、貧富に関係なく、ケアを受けるチャンスを与える、いい制度だよなぁ〜、と改めて思ったりして。じゃなかったらできなかったケアもいっぱいあるんだろうな、と思います。

つけたし、というわりには長くなってしまった・・・。しかも、何を言いたいのかわからなくなってきちゃった・・・。(^^; でも、日本の看護のよいところを見直して、アメリカのいい部分を取り入れて、日本の看護がもっとよくなったらいいですね!!みんなでがんばりましょ〜♪

 

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