
==> 国立大学独立行政法人化の諸問題
参議院文教・科学委員会
平成十二年三月二十一日(火曜日)
午後一時開会
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 佐藤 泰三君
理 事
岩瀬 良三君
橋本 聖子君
石田 美栄君
松 あきら君
日下部禧代子君
委 員
阿南 一成君
有馬 朗人君
井上 裕君
亀井 郁夫君
仲道 俊哉君
長谷川道郎君
江本 孟紀君
小宮山洋子君
本岡 昭次君
福本 潤一君
畑野 君枝君
林 紀子君
扇 千景君
田名部匡省君
国務大臣
文部大臣 中曽根弘文君
政務次官
文部政務次官 河村 建夫君
事務局側
常任委員会専門
員 巻端 俊兒君
政府参考人
文部省高等教育
局長 佐々木正峰君
─────────────
本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
─────────────
○委員長(佐藤泰三君) ただいまから文教・科学委員会を開会いたしま
す。
政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
国立学校設置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に文
部省高等教育局長佐々木正峰君を政府参考人として出席を求め、その説明を
聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────
○委員長(佐藤泰三君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいた
します。
国立学校設置法の一部を改正する法律案の審査のため、来る二十三日、参
考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認めます。
なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じ
ますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤泰三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
─────────────
○委員長(佐藤泰三君) 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題と
いたします。
本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
○亀井郁夫君 自由民主党の亀井でございます。
本日の法案に関する質問に先立ちまして、中曽根大臣にお伺いしたいと思
います。
大臣は、十八日から二十日までの三連休の間に、休みを犠牲にして韓国の
方に御訪問されたと聞いております。特に韓国では先方の要人と精力的な会
合を重ねられまして、文化、教育、科学、スポーツ等につきましての交流に
ついていろいろと突っ込んだお話もなさったということが報道されておるわ
けであります。
日本の文部大臣が初めて韓国を訪問されたということを聞きまして私自身
驚いたわけでございますけれども、本当に近くて遠い国になってしまった、
しまったと言っては表現が悪いんですけれども、そうした韓国との関係、
我々ももっともっと努力しなければならないという思いもしておるわけでご
ざいます。
大臣は韓国に行かれまして、留学生や教員の交流促進等、いろいろな課題
について成果を上げてこられたということも報道されておりますので、大臣
のいろいろな考え方、感想、所感等についてお話を伺いたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 去る三月十八日から昨日の二十日までの三日
間、韓国教育部のお招きによりまして韓国のソウルを訪問してまいりまし
た。これまで戦後、文部大臣が公式に韓国を訪問する機会がなかったわけ
で、私がいわば大臣としての訪問第一号となったわけでございます。
私自身は、大臣就任直後から、一番隣にある韓国とのいろいろな分野での
交流が当然大切だと思っておりまして、その中でも、教育や文化、スポーツ
等の交流についてはできるだけ早い機会に先方の首脳と会談をして意見交換
をしたいと思っておりました。
そういう中で今回訪韓が実現をしたわけでありますけれども、御案内のと
おり二〇〇二年には日本と韓国の共催でワールドカップのサッカー大会もご
ざいますし、また、おととしの秋には金大中大統領が訪日されまして小渕総
理との間で日韓共同宣言も発表され、未来志向でこれからの両国の友好関係
を築いていこうと、そういう新たな第一歩を踏み出したというような背景も
ございまして今回の訪韓が実現をしたわけでございます。
このたびの訪問では、前韓国国務総理の金鍾泌氏、また現在の韓国国務総
理の朴泰俊氏、それから文竜鱗韓国教育部長官、さらに徐廷旭韓国科学技術
部長官とそれぞれ会談をいたしました。また、慶熙大学あるいは校洞の小学
校等も視察をしたわけでございます。
これらの韓国政府要人の方々との会談におきましては、私の担当いたして
おります教育や文化や学術、スポーツ等の分野における今後の日韓間の交流
について非常に友好的に、また建設的な意見交換ができた、そういうふうに
思っております。
特に、文教育部長官との意見交換を通じての具体的な成果といたしまして
は、二点ほどありますけれども、一つは、一昨年の両首脳間で合意されまし
た日韓共同宣言に基づきまして、韓国の理工系の学生さんに日本の理工系の
大学で勉強してもらう、そういうプログラムがあるわけであります。理工系
学部韓国留学生受け入れプログラムでございますけれども、これは初年度百
人、十年間で千人の学生を日本の国立大学の理工系学部で受け入れるという
ことでございますが、これについての細部の合意に達しまして両者が署名を
したところでございます。私、学生さんたちにも会ってまいりましたけれど
も、大変に明るくてはつらつとしたすばらしい学生さんたち、これから日本
に来て勉強していただくことになりました。
それからもう一点は、韓国の教員の方々を日本にお招きしようというもの
でありまして、学生交流ももちろん重要でありますけれども、学生を指導教
育する先生方も同時に大事なわけでありまして、先生方五十人ほどを日本に
招待申し上げたところ、先方も感謝をされ、快諾をされました。まだ時期等
詳細はこれから事務同士で詰めますけれども、そういうようなことが合意さ
れたわけでございます。
また、韓国の教育部長官の訪日につきましても、こちらから招待をいたし
ました。先方はできるだけ早い時期に伺いたいということでございまして、
今後ともいろいろな側面で両国の交流が進展していきますように、また、G
8の教育大臣会合もありますし、そういう意味でいろいろあちらの教育事情
も伺ってまいりましたら、大変日本と似たような問題も抱えておるわけでご
ざいまして、これらの伺った意見をまたG8の教育大臣会合等で反映させ、
両国の教育が一層よくなるように引き続いて努力をしていきたい、そういう
ふうに思っているところでございます。
○亀井郁夫君 大臣、どうもありがとうございました。
韓国との間には、相互の歴史認識の問題等、いろいろと超えなきゃならな
い問題がありますけれども、こういう問題を克服して文字どおり近くて近い
国にすべく努力しなきゃならないと思いますので、大臣におかれましても引
き続き御尽力いただくようお願いしたいと思います。
それでは、法案の問題に絡みまして質問させていただきたいと思うわけで
ございます。
私が申すまでもなく、二十一世紀を控えまして日本の大学は大変厳しい状
況にあり、大きな転機を迎えておるように思うわけでございます。大学はこ
れまで象牙の塔と言われておりまして、伝統的また閉鎖的な環境の中で推移
してきたように思います。しかし、今は国際化の波に洗われておるわけでご
ざいまして、そういう意味では日本の全分野において、グローバルスタンダ
ードという形でいろいろなものを全面的に見直さなきゃならない状況に置か
れておるわけであります。そういう意味では大学だけが一つらち外というわ
けじゃないわけでございまして、大学のあり方についてもここで見直してお
かなきゃならないというふうに思うわけでもございます。
特に、大学につきましてはいろいろと国際比較がなされておりますけれど
も、そのバロメーターについてはいろいろな尺度がありますので、どれが正
しいか間違いかということはあろうかと思います。しかし、なべて日本の大
学が欧米の大学に大きなおくれをとっているというふうに指摘されている調
査結果が多いわけでございます。特に、少子化の進行に従いまして、生徒の
獲得をめぐりまして大学間の競争が大変厳しくなってくるということから、
学生たちに対する妥協というものも随分行われてくるのではないかという懸
念もございます。そうしますと、ますます大学の水準も下がってくるのでは
ないかというふうな懸念もされておるわけでございまして、そういう意味で
は、ここで大学のあり方というものをしっかり考えていかなきゃならないと
思うわけであります。
そういう意味で、二十一世紀の大学のあり方というものを中心にしまし
て、大臣の二十一世紀の大学像とそれに対する基本的な考え方というものに
ついてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 国際競争とかそれから少子化が一層進む中で
日本がさらに発展をしていく、そういうためには、やはり国際的な教育水準
を確保して、そして学生に高い付加価値というものを身につけさせた上で卒
業生として社会に送り出していくということが大変重要である、そういうふ
うに思っております。
日本の大学がこのような期待される役割を十分に果たして国際的にも評価
されるようになるためには、これまでの改革の成果を踏まえながらさらなる
改革に進んでいかなければならない、そういうふうに思っております。
このため、二十一世紀に向けて、課題探求能力を持った質の高い学生をき
ちんと教育する、そういう視点に立ちまして、各大学におきましては、教養
教育の重視や、それからもちろん専門教育、これの基礎基本をしっかりと勉
強する、あるいは成績評価にいたしましてもやはり厳格に行うということが
大切であろうと思います。大学に入ったのはいいけれども後で中で遊んでい
るという状況では非常に困るわけで、やはりきちっとした単位の修得も必
要、成績評価が必要である、そういうふうに思っております。そういうよう
な観点の教育の充実に取り組んでいるところでございます。
また、学術研究分野につきましても、世界の研究者の方々を引きつけるよ
うな日本の大学の研究状況になる必要がありまして、そういう意味で、今後
も設備とか施設等を初めとして、環境の整備にも努力をしていかなければな
らないと思っています。
こうした取り組みを可能とするために、各大学の教育研究につきまして
は、大切なことは自主性、自律性を高めていくことだというふうに思います
し、また第三者による評価も含めました多元的な評価システムを確立してい
くということが大切であろう、そういうふうに思っております。
また、さらに大学で大切なことは、それぞれの大学が個性を持っていると
いうこと、また多様化を図りながら競争的な環境を醸成して、国際的競争力
を持った非常に創造性豊かな人材の育成、また世界水準の学術研究、そうい
う体制を構築していくことである、そういうふうに思っております。
○亀井郁夫君 今、大臣からお話しございましたような大学像というものを
実現していくためには、どうしても今回の法律の改正にあります評価という
問題を避けてはいけないということでございます。この評価という問題でご
ざいますけれども、いろいろなことについてはすべてプラン・ドゥー・シー
をどのように回していくかということが非常に大事であり、このシーの分野
を十分考えていかなきゃならない問題だと私は思うわけであります。
ただ、民族性といいますか、欧米の場合は狩猟民族でその都度シーの形で
すから、評価は非常に厳しくその都度行われておりますけれども、日本の場
合は農耕民族ですから、みんなで仲よくということで、和をもってとうとし
とするということでございますので、評価という面では非常に苦手な分野が
多いわけです。
例えば会社でも、監査役という制度がずっとありましたけれども、ほとん
ど役をなしてこなかったのが実態であり、最近になって見直されております
けれども、そのようにお互いに結果を厳しく見詰め合うということにはなれ
ていないというところがあるわけであります。特に大学の場合は、先ほど申
し上げましたように象牙の塔ということで、アンタッチャブルな世界だとい
うふうにこれまでは受けとめられてきた面が多分にございますし、そういう
意味では、大学の自治だとか研究の自由というふうなことを理由にしてなか
なかやりにくい面がたくさんあるんじゃないかと思います。しかし、これを
乗り越えてぜひともやっていかなきゃならないと思うわけであります。
そういう中で、従来の経緯を見ますと、平成三年に大学の設置基準におい
て自己点検と自己評価が制度化されて、そして平成十年十月には大学審議会
の答申の中に、多元的な評価システムを確立するために、どうしてもこうし
た評価をやりなさいということが書いてありましたし、そしてまた十一年六
月の学術審議会の答申にも、「科学技術創造立国を目指す我が国の学術研究
の総合的推進について」ということで、その具体的な一つとして「研究評価
の充実」と「第三者評価の必要性」が指摘されているということでございま
す。
そういうことから、十一年の九月には、大学設置基準の第二条で自己点
検、自己評価、公表を、従来は努力目標だったんですけれども、今度は義務
づけられるということになって、大学にも本格的に評価制度が取り入れられ
ることになったわけであります。国立大学にこうした評価制度を制度として
機関を設けてやろうということになったことについての意義について、大臣
のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 大学というところは、自由な教育研究活動を
行うと同時に、公共的な機関として大学の果たすべき社会的な使命、こうい
うものがあるわけでございまして、こういうものに照らしまして教育研究水
準の不断の向上に努める必要があります。
大学につきましては、そういうことからいろいろな面で改善を行っていか
なければならないわけでありますけれども、大学につきましては第三者によ
る評価を行って、そしてそれに基づいてみずから大学が、みずからの目標あ
るいは目的にちゃんと沿った研究教育活動ができているかどうか、そういう
ことを常に検証し、そしてまた社会にもそういうものを公表していくという
ことが大切であろう、そういうふうに思っているところでございます。
また、そのためには大学評価の機関というものが必要であると考えており
まして、私ども今回、法案の審議でお願いをしておりますけれども、大学評
価・学位授与機構というものを創設し、そしてこの機構によりまして、各大
学の自己点検、また評価の結果などの資料を活用しながら、各大学の評価を
行っていくことが適切ではないか、今、そういうふうに思っているところで
ございます。
○亀井郁夫君 大学の評価の問題でございますけれども、今回の法案では、国
立学校設置法の第九条の四に、一項一号ですけれども、「教育研究活動等の状
況について評価を行い、その結果について、当該大学等及びその設置者に提供
し、並びに公表すること。」ということと、二項には、詳細については、「必
要な事項は、文部省令で定める。」、ということで書いてありまして、詳しい
ことが法律には一切書いてございませんので、これだけ読んだのでは何のこと
かよくわからないわけでございまして、そういう意味ではいろいろな不安もご
ざいますので、具体的な点についてこれから何点かお聞きしたいと思いますの
で、よろしくお願いしたいと思います。
最初に、大学の評価の問題でございますけれども、これまで大学では、一つ
は大学基準協会というのがございまして、これは六百二十二校のうち二百三十
七校が維持会員校になっておりまして、そして総合評価をやっておりますが、
ここではまだ五十九校しかやっておりませんから、そういう意味では一〇%程
度しかまだ行われておりませんが、それなりの総合評価をやっている。
さらに、自己点検、自己評価でございますけれども、これはかなり実施され
ておるようでございまして、実施校が国立大学の場合には九十八校で約九
八%、一校だけやっていないみたいです。それから私立大学の場合でも三百九
十一校で八六%が既に実施している。公表している学校も、国立大学では九
八%、私立では六〇%の大学が一応公表しておるわけであります。
また、外部評価につきましても、それぞれの大学が努力して、国立大学でも
六十一校、六二%、私立大学ではこれはわずかですが、六十二校で一四%とい
うことです。いずれもやはり大学が自己点検、自己評価することに努力してい
る姿がよくわかるわけであります。
そういう意味では、主体的なこうした自己評価を進めている今の段階で、特
に国立大学について新たに第三者による評価機関を設けなきゃいけないという
ことについては、いかがなものかという疑問もあるわけでありますけれども、
これはどういう理由で第三者の評価機関をここで設けようとされるのか、この
辺についてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 大学改革におきましては、大学の自律性の確
保、それから責任ある運営体制を整備することが大切でございます。
また、多元的な評価システムを確立し、そして大学の個性化と教育研究の不
断の改善を図っていくということも重要でございます。
大学の評価は、御指摘のようにこれまでもさまざまな形で行われております
けれども、各大学の自己点検それから評価につきましては、それだけでは評価
の客観性とか社会の多様な視点を踏まえるという点で限界がありまして、ま
た、お話にありました大学基準協会につきましては、この会員校の関係者によ
る総合評価を行うものでございます。
このたび、大学評価・学位授与機構を創設いたしまして第三者評価を実施す
ることといたしましたのは、この評価の実施の組織体制と財政的な基盤をしっ
かりと確保して、そして社会の多様な視点を踏まえつつ、より客観的で信頼性
の高い評価を行うことによりまして、大学の教育研究体制の改善につなげよう
とするものでございます。
○亀井郁夫君 今のお話で、財政的基盤を確立し、客観的な形で評価をしてい
きたいというお話でございますけれども、その趣旨はよくわかりました。
それに絡みまして、今度大学が、独立行政法人化が決まってはおりませんが
予定されておって、その方向で今いろいろと準備が進められておるわけであり
ますけれども、これが実施されますと、文部省に大学に対する評価機関として
評価委員会が設けられるということが予定されておるわけでございます。そう
いたしますと、大学は、今回できます評価機構による評価と、さらにはまた、
今度新しくできます文部省による評価委員会によって評価されるという形にな
りますから、二重の評価を受けることになるわけでもございます。さらには、
先ほど申し上げましたように自己点検、自己評価も義務づけられておるわけで
ありますから、そういう意味では、大学は今度は、これまでと違って評価に追
いまくられるという形になるのではないかという懸念もしないではないわけで
あります。
そういう意味では、今申し上げました文部省に予定されている評価委員会と
この評価機構との関係につきましては、ちょっと考えますと、屋上屋を架され
るんじゃないかというふうな考え方もできないわけではないのであります。こ
の辺についての両者の関係の整理、あるいは統合されるのかどうなのか、その
あたりについての考え方、まだ片方は実施されておりませんけれども、これか
らの問題ではございますが、あわせて御意見をちょうだいしたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) この大学評価・学位授与機構におきます評価と
いうものは、委員御承知のとおり、平成十年十月の大学審議会の答申に基づい
て、大学改革の一環としてこの検討が進められてきたものでございます。これ
は各大学の教育研究活動の改善に役立てるためであり、また活性化のためであ
りまして、客観的な立場から専門的な評価を行おうとするものでありまして、
国立大学の独立行政法人化の問題とは直接関係のない事柄として構想されたも
のでございます。
他方、この独立行政法人制度につきましては、各省に一に限って置かれます
評価委員会が、各法人の業務実績の全体について行政改革の観点から総合的な
評定を行うこととされておるわけでございます。
国立大学の独立行政法人化の検討に当たりましては、教育研究の自主性、自
律性に十分な配慮が必要であります。ほかの行政機関と違いまして、教育の機
関であるという点を十分に配慮しなければならないわけでありまして、そこで
の教育研究の評価につきましても、専門的な観点から客観性の高い評価が求め
られるところでございます。
文部省といたしましては、この独立行政法人制度における評価の意義にも配
慮をしつつ、大学評価・学位授与機構における評価との関連性につきまして、
そうした観点から検討を進めることが適当であると、そういうふうに考えてお
ります。
○亀井郁夫君 今、大臣からお話ありましたように、それは十分考えてあるん
だという話でございますけれども、これからできる独立行政法人でございます
ので、これについての評価委員会の評価というのはおくれて決められることに
なるわけでありますけれども、研究と教育の評価ということになりますと、基
本的には同じようなところに返ってくるんじゃないかというように思いますの
で、観点は違うかもしれませんけれども、内容的には同じようなことになりか
ねないと思いますので、その点については十分今後配慮していただくようにお
願いしたいと思うわけであります。
次に、私立大学の評価の問題に絡んでお尋ねしたいんですけれども、先ほど
ちょっとお話ししましたように、私立大学も自己点検、自己評価が義務づけら
れておりますので、今それについて鋭意努力しておられるのも実態でございま
して、私立大学という特殊性から、そういう意味では独自性というものを出し
ながら主体的にやっていただくということがいいのではないかと思います。し
かし一方で、少子化によって私立大学の競争が大変厳しくなってくる。そうし
ますと、先ほど申し上げましたように、大学そのものが、学生を募集するため
にいろんな形で、あいまいな形で妥協が許されてくる形になりはしないかとい
うことになります。そういたしますと、日本の七〇%を占めているのが私立大
学でありますから、この水準が下がってまいりますと日本全体の水準が下がる
わけでありまして、国際的にも非常に大きな問題になろうかと思います。
そういう意味では、私立大学にも私学助成のために多額の国費が投入されて
おるわけでございますので、私立大学についても第三者機関による客観的な評
価というものも必要になってくるのではないかと。数が多くてあいまいな部分
が多いだけに、特にそういう意味では第三者機関による評価というものを求め
られる動きが出てくるんじゃないかと思うんですけれども、私立大学に対する
評価機関を設置する意向があるかどうなのか、あるいは可能性があるかどうな
のか、それについてお尋ねしたいと思います。
(3/18) 次の分割内容へ
○国務大臣(中曽根弘文君) 各大学がこの大学評価・学位授与機構の評価
を受けるかどうか、そういう判断はその設置者が行うものでございますけれ
ども、この機構の発足後、当分の間は国立大学について対象分野また対象機
関を絞って評価を実施しつつ、この機構の評価内容、また評価体制を整える
こととしております。したがいまして、当分の間、私立大学については評価
を行わない予定でございます。
将来的に私立大学について評価を行うかどうかということにつきまして
は、今後の評価体制等の確立の状況や、また私学関係者の意向等も十分踏ま
えながら適切に判断をしていきたい、そういうふうに思っております。
○亀井郁夫君 次にお尋ねしたいのは、今度は総括政務次官の河村次官にお
尋ねしたいと思いますけれども、大学の評価機構を独立の第三者評価機関と
しないで、今度、学位授与機構と一緒にされたわけでありますけれども、学
位授与機構というのは、考えますと個人を対象にした評価になるわけでござ
いますけれども、それに対して、今度のは大学の評価でございますから、か
なり異質であり、量的にも、また見る、審査する観点も全く違うと思うんで
すね。そういう意味では全く異質の業務だと思うんですけれども、率直に言
って、行革を進めている中ですから、軒を借りようかということかもしれま
せんけれども、むしろこれについては独立した格好の形にした方がいいんじ
ゃないかという意見も、考え方もあるわけでありますけれども、その辺の経
緯と、それから学位授与機構と大学評価機構の定員はどのようなことを予定
されておられるのか、ひとつよろしくお願いします。
○政務次官(河村建夫君) 学位授与機構、今御指摘のように、高等教育段
階で学ばれたことに対して、その成果を評価して学位をささげると。
一般の大学、四年制の大学をお出になっている方は各大学が学位を出して
いるわけでありますが、短大であるとか、あるいは一般の大学校と言われる
ところがございます。そういうところで学ばれた方が学位を要請された、こ
ういうことを評価するのでありますが、その際に、今委員御指摘のように確
かに個人には出すのでありますが、出てきたときに、短大あるいは一般の大
学校がきちっとした学位を与えるにふさわしい教育をやっているかとか、そ
ういう大学の一部評価も機関は持っておるわけでございまして、そういう観
点から類似性があるということから、機構を改革することで一緒にやれる
と。もちろん行革の精神もその中に含まれていないと言ったらうそになりま
すが、全く異質なものだと若干問題がありますが、そういう類似機構があり
ますので一緒にした、こういうことでございます。
それから、この大学評価・学位授与機構の定員の問題でございますが、教
官が今十名おるわけでございますが、これを十四名ふやしまして二十四名に
し、さらに、事務官が今二十五名でございますが四十四名ふやす。これは国
立大学から振りかえになりますから定数増という形ではございませんが、こ
の機関を設けることによる純増は教官に値する方々十四名ということで、機
構長が一人おりますから、トータルでは、機構長一、教官二十四、事務官六
十九、計九十四名の定数ということになるわけであります。
○亀井郁夫君 定員の問題ですけれども、トータルで三倍近くにもふえるわ
けであります。これはやむを得ないと思いますけれども、この評価という仕
事はやっていけばやっていくほどある意味では際限ないところもございます
から、どんどん定員がふえてくる可能性があります。その辺は十分配慮して
やっていただく必要があるのではないかと思いますので、よろしくお願いし
たいと思います。
それから、評価をする場合にいつも問題になりますのは、だれが評価する
か、評価委員会の委員の選任が非常に問題になるわけであります。単に大学
関係者だけから選ぶということは多分予定されておられないと思いますけれ
ども、できるだけ広い分野から選んでいただく必要があろうかと思います。
その点、どのように考えておられるのかということ。もう一つ、評価委員の
育成といいますか、やはり専門家も必要でございますから、そういった人の
育成というものをどのように考えておられるのか、この二点についてお尋ね
したいと思います。
○政務次官(河村建夫君) その前に、今の定数の問題でございますが、私
の説明が悪かったかもしれませんが、<四十四名事務官がふえるのではなく、
これは国立大学から振りかえますので実質の定員はふえたことになっており
ません。おっしゃるとおり行革の時代でございます。どんどん定数がふえて
いくということは非常に問題でありますからそこの点は十分配慮をしなきゃ
ならぬ問題だと思いますが、また、この評価機関がきちっとした成果を上げ
るために必要な人員は確保していく、こういうことであろうと思います。
そこで、評価委員をどういうふうに選んでいくかという問題でございます
が、この評価委員会は大体三十名の委員で構成をする、こういうことになっ
ておりまして、この委員会が、基本方針やあるいは評価結果の取りまとめを
行いますから極めて重要な役割を果たすわけでございます。
そういう観点から、学問分野の専門的な見地に加えまして、さらに社会、
経済、あらゆる多様な視点が必要になってまいりますので、そういうことを
配慮して委員を構成していかなきゃいかぬということでございます。したが
いまして、もちろん国公私立大学の関係者も入りますが、さらに経済界であ
るとかあるいは社会、経済、文化等、広い範囲にわたって委員に入っていた
だくということを想定いたしておるわけでございます。
さらに、この評価というのはかなり専門的な技術を要する面もございます
ので、これまで各大学においても自己評価等々もやっておられましていろん
な経験を持っておられる方がございますが、さらにこの機関においてそうい
うことを研究しながら、あるいは世界各国でやっておりますから、そういう
研究をして人材をさらに豊かにしていくということは当然必要になってくる
ことで、配慮しなきゃいかぬことだ、進めていかなきゃならぬと、こういう
ふうに思っております。
○亀井郁夫君 評価の問題では、だれが評価するかということと、次いで今
度はどういう基準で評価されるのかということがまた関心の的になるわけで
あります。そういう意味では、評価が学部単位なのか学科単位なのか、ある
いは教授個人が中心なのかといろいろな疑問があるわけであります。あるい
はまた評価項目につきましても、自然科学系と人文科学系では違ってくるだ
ろうと思いますし、教育と研究という面でもまた違ってくるというような、
いろんな分野にわたっての評価項目になろうかと思いますけれども、画一的
な評価でなく、もっと弾力的な項目について評価をしていただきたいと思う
わけであります。
特に、先ほど大臣からもお話がありましたけれども、今は、大学には簡単
に入れないけれども、入ったらのんびりできるということで、入るところで
精力を使い果たして、そして大学に入ってからのんびりやれるというのが日
本の大学の実態ではないかと思います。そういう意味では、どういう形で選
抜し、どういう形で進級を認めていくか。単位制の問題等についても、大学
がちゃんとしないと高等学校以下の教育にも全部影響してくるわけでござい
ますので、こうした大学のそういった内容についても評価項目にぜひ加えて
いただきたいと思います。
そういう意味では、入学試験の制度のあり方だとか、あるいは内部の進級
の実態等についても評価項目に入れてほしいと私は思いますけれども、こう
した評価基準、評価項目についてどのようなことを考えておられるのか、御
説明願えればと思います。
○政務次官(河村建夫君) この大学評価・学位授与機構は、個人の評価は
予定をいたしておりませんで各大学を評価の対象としておりますが、その中
で、学部ごと、あるいは研究科、それを中心に評価をしていこうということ
を今考えておるわけでございます。いわゆる教育効果、それから研究効果、
それから総合評価的なもの、それぞれテーマがあるわけでございます。
まず教育評価については、教育目的・目標というものをきちっと達成して
いるかどうかということを見なきゃなりませんし、教育の質の向上とかある
いは改善のための研修システムがちゃんと行われている、整備されているか
どうかということが中心になろうと思います。
それから、研究評価の基準は、研究内容というものが、国内はもとよりで
ありますが、国際的に見てもどの程度の水準に行っているだろうかとか、あ
るいは研究成果というものが社会、経済、文化に貢献をされているかとか、
そういう観点が評価項目になっていくわけでございます。
さらに、各分野ごとの具体的な評価基準の細目については、これから専門
委員会で検討していただくことになろうかと思いますし、また新たに、人文
科学とか自然科学的な見方、そういう分け方も必要になってくるのではない
かというふうに思われます。
ただ、その評価は、画一的にしゃくしをつくってそれを当てるのではなく
て、各大学の方はこういう教育、研究目的に沿ってやっているという、各大
学でみんな違うわけでございますから、各大学の特質がございますので、そ
ういうものを評価していかなきゃならない。画一的に統一して見るというの
じゃなくて、各大学の特質が出たものを評価するという多元的な尺度が必要
になってくるのではないか、このようにも思っておるわけでございます。そ
のためには、大学に出かけていってヒアリングをやるとか、場合によっては
学生の意見も聞くとか、こういうことも必要になってくるのではないか、こ
ういうふうに思っております。
さらに、委員御指摘いただきましたし、今よく大学に言われております
が、大学は入ってしまえばおしまいで、後は何をしていても卒業できるとい
う状況、ややもするとそういうことを言われております。そこで、国民の皆
さんからも、入るのは少し易しくてもいいから出るときに厳しくという、い
わゆる厳格な成績評価を求める声が高まっておりますので、このようなきち
っとした成績評価をやっているかどうかということも、ひとつこれからの教
育評価の対象にすべきであろうというふうに考えておるところでございま
す。
○亀井郁夫君 わかりました。
その次は、評価の結果の使い方でございますけれども、もちろんこれは大
学の方に返されて、大学自身がこれを参考にしながら自己改革に努めていく
ということになると思うんですけれども、そうした自己改革がどのように実
現していっているかということについても、その次の大学評価のときに多分
評価項目になるんだろうと思うんです。そういう形でくるくる回していきな
がら、ぜひとも大学の改革に役立てていただきたいと思うわけであります
が、同時に、文部省の予算配分等にもこうした評価結果が利用されるのかど
うなのか。
そういう形で、あめとむちじゃありませんけれども、厳しい面も持ちなが
らこの結果を利用していただいたらいいと思いますけれども、評価の結果の
利用についてはどういうふうにお考えになっているか、お尋ねしたいと思い
ます。
○政務次官(河村建夫君) この評価結果については、これはまず大学にき
ちっとフィードバックしなきゃなりません、こういうふうなことを評価した
と。それを受けて大学側も自己の研究活動の改善に役に立てていただく。と
同時に、これは広く社会にも公表いたします、オープンにいたします。当
然、例えば受験生が大学を選ぶときの評価の基準になるかもしれませんし、
また企業等が人材を採用する場合にもこれを参考にしていただくということ
が起きるであろうと思っておるわけでございます。
さらに、この評価結果を今後文部省の予算等の配分の際にというお話もご
ざいました。実はこれについては、大学審の答申が平成十年十月に「二十一
世紀の大学像と今後の改革方策について」というところで出ているので、そ
れによりましても、「第三者機関による評価と資源配分との関係では、国立
大学の予算配分に際して第三者機関による評価が参考資料の一部として活用
されることが考えられる。」、こうも指摘をされておるわけでございまし
て、今後、国立大学の予算配分につきましても評価結果が参考資料の一部と
して活用されることは考えられるわけでありますが、これを具体的にどうす
るかという問題になりますと、この機構が行います評価活動の状況等を勘案
しながら今後検討していかなきゃいけない課題である、このように思ってお
ります。
○亀井郁夫君 国立大学の問題については今よくわかったんですが、私学の
関係でございます。
私学につきましても、先ほど申し上げましたように自己評価、自己点検が
積極的に行われておるわけでありますし、それが公表されておるわけであり
ますから、これにつきましても、その結果をどのように文部行政の中に生か
していくかということの中で、やはり一つは私学助成の問題だろうと私は思
うわけであります。
今、私学助成の金額も相対的に非常に低くなっているということで、もっ
ともっとふやしていくべきだという考え方もあるし、要求も出ておるわけで
あります。そうしたときに、現在は私立学校振興・共済事業団を通じて配分
されておりますけれども、文部省から丸投げして一括枠をこの日本私立学校
振興・共済事業団に渡して、そこでフリーハンドで各大学の助成金を決めて
いるのか。そうじゃなしに、やはり文部省としてはそれなりの基準を明示し
て、その基準に従って細かい判断は私立学校振興・共済事業団でやるという
ことになっているんではないかと、私のこれは推測ですけれども、思うんで
すけれども、どのような形で行われているのかどうかということ。同時に、
この自己評価ないしは自己点検というのが決められてきたわけでありますか
ら、そういう意味では各大学ともまじめにやるわけでありますから、今後、
まじめにやっている大学といいかげんにやっている大学の間は当然差がつい
ていいのではないかと思います。
そういう意味では、各大学がやる自己点検、自己評価についても十分目配
りしながら、これが実際の私学の助成金に反映するように指導していくべき
だと私は思うんですけれども、文部省としてはどのようにお考えか、お尋ね
したいと思います。
○政務次官(河村建夫君) 亀井委員御存じと思いますけれども、私学助成
はいわゆる一般の補助というものと特別補助と二つに分けて配分をしておる
わけでございます。
一般補助については、一通りの定員数、収容定員に対する学生の定員がど
うであるとか、あるいは教員一人当たりの学生数はどういう状況になってい
るか、教員の整備の問題とか、あるいは納付金がきちっと教育研究経費へ還
元されているかとか、そんなことを基準にしながら一般助成金を出しておる
わけであります。
もう一つ、大学が今おっしゃったようにきちっと大学としての機能を果た
しておると言えるかどうか、大学院の充実度合いがどうとか、教育研究プロ
ジェクトはどういうふうなものをやっているかということを配慮した特別補
助についても、今ウエートを少しそっちの方へ高めるようにしておるわけで
ございまして、特に学術研究の高度化を図るための研究施設整備等に対する
補助については専門家による委員会を設けておりまして、その中で、これは
文部省直轄でございまして、丸投げじゃなくて、ここでかなり詰めた研究実
績とかなんとかを勘案した上で採択を行って出すということをやっておるわ
けでございます。
各大学、特に私学も今、自己評価・点検をやっておりますから、そういう
ものも当然よくしんしゃくをしながら、各私立大学等が教育研究活動を十分
にやっているかどうかという状況も踏まえた上で助成を行ってまいっており
ます。また、それを進めていかなきゃいかぬと、このように思います。
○亀井郁夫君 よくわかりました。
大学の評価につきましていろいろとお尋ねしたわけでございますけれど
も、次に、今度は大学院の組織変更の問題についてお尋ねしたいと思いま
す。
大学院を今度、研究部と教育部に分けるというふうに書いてあるわけであ
りますけれども、何か読んだだけではよくわからぬことがたくさんあるわけ
でございまして、私なりにお聞きしましたら、研究部の方には先生だけで、
教育部の方が生徒なんだということでございました。
従来は大学院は研究科で先生と学生が一体になって非常に閉鎖的な社会を
つくっておったのを、今度は研究部と教育部に分けて、生徒はみんな教育部
に属して、先生だけが研究部に属して、そして教育部におる学生たちを指導
していくんだということで、弾力的にそういうことで指導できるような体制
にするんだというふうなお話をお聞きしたのでございますけれども、なかな
かわかりにくい点がたくさんございますので、この点もひとつわかりやすく
説明していただけませんでしょうか。
○政務次官(河村建夫君) 教育部、研究部構想というのが出てまいったわ
けでございますが、確かにこの文章を読んだだけで即なかなかイメージとし
てわいてこない面がございます。ただ、大学院といえども学部からのずっと
延長線上にあるわけでございますので、それは研究の部門が深まっていくと
いうことでございましょう。しかし、教育的機能もやっぱり発揮をしてもら
わなきゃいかぬということがあると思うんですね。したがいまして、教育部
というのを教育上の目的を重視した編制にし、そして研究部を研究上の目的
を重視した編制にしようということになっていったと思うんです。
ややもすると、大学院ということになると研究だけになってしまうんでは
ないかと。しかし、大学院で学ぶ学生をさらに教育し、また研究者としての
後継者をつくっていく教育機能も果たしてもらわなきゃなりません。そうい
う観点から私は、いわゆる教育部門と、そしてさらに深める研究部門とをあ
る程度区別することによってその成果がさらに上がるようにということで今
回このような形ができるようにしたわけでございまして、全部どこの大学も
こうしろ、こう言っているわけじゃございませんが、そういうことが各大学
の独自性において、必要な大学においてはそういう形でお進めいただきたい
ということで、今回編制ができるような法律改正をとったところでございま
す。
○亀井郁夫君 大学院の場合、そういう意味では柔構造にするんだという考
え方でございますけれども、特に講座制等、これまでの大学院というのは何
か徒弟制度そのものという感じがしておりまして、教授、助教授、助手とい
う形で、一度助手になれば助教授になり教授になるということで、一回教授
になったら、若くて教授になったらずっと定年までおれるという形で、そう
いう意味では非常にハッピーな世界なのかもしれませんけれども、競争原理
の余り働かない世界になってしまっている。やはり日本の大学の問題がこの
辺から発生してきているように思うわけであります。そういう意味では、任
期制だとか講座制がいろいろ批判されておりますけれども、こういう問題に
ついてぜひとも基本的に見直してもらって大学の改革に取り組んでいただき
たいと思うんですが、こうした基本的な問題について大臣はどのようにお考
えか。大臣の率直なお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほども申し上げましたように、大学の果た
す役割というのは大変大きいものがあります。そういう中におきましても、
大学みずからがその自主性やあるいは個性を発揮して、そして国際的にも社
会において大きく貢献できる学生を教育、養成していかなければならないわ
けであります。
そういう中におきまして、果たして大学がそういう社会の使命にこたえら
れるような教育研究体制をとっているかどうかということを検証することは
大変大事であると思っておりまして、今回、このような機構を創設して大学
の教育研究体制を検証し、またそれを大学にフィードバックして大学がみず
から足りないところは改善をしていく、また社会にそれを公表することによ
って多くの方々に大学を理解してもらうということは大変重要なことだと、
そういうふうに思っておりまして、この制度を導入し、またこれが大きく本
来の機能を発揮するように育てていくことが大切だと、そういうふうに思っ
ているところでございます。
○亀井郁夫君 いろいろとお尋ねしてまいったわけですが、最後にお尋ねし
たいのは、日本は技術立国を標榜しておるわけでありますけれども、その中
心は何といっても大学のあり方ということになるわけでありまして、そうい
う意味では国立大学に限らず私立大学についても同じような形での育成を図
っていかなきゃいけないということで、そういう意味では予算の面において
ももっともっと配慮していかなきゃいかぬ点が多々あろうかと思うわけであ
ります。
そういう意味では、日本の大学関係の予算が欧米の大学の予算に比べて非
常に低いということがいつも言われておるわけでありまして、文教予算を欧
米並みに、GDPの今日本は〇・六%ですか、それを欧米並みに一%以上に
すべきだという声があるわけでありますが、私は全くそのとおり、同感だと
思いますけれども、そういう意味ではこの文教関係、教育関係の予算をもっ
ともっとふやすべく努力していかなきゃいかぬと思います。文部省としても
しっかり頑張っていただきたいと思うわけでありますけれども、こうした問
題について大臣の御所見をお願いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 今、委員が御指摘のように、我が国の大学教
育へのGDPに対する公財政支出、この割合は他の先進諸国に比べて低い水
準にございます。日本が〇・五%、アメリカが一・一%、イギリス〇・
七%、フランス、ドイツがそれぞれ〇・九%ということでございまして、ア
メリカの約半分、フランス、ドイツ等の約半分強ということになっておるわ
けでございます。
大学というのは、先ほど申し上げましたけれども、社会の各分野で活躍で
きる人材の養成、それから世界的水準の学術研究、これの推進等を通じて社
会の発展を支えていくという大変重要な役割が期待されているわけでござい
ます。
大学審の答申におきまして、平成十年十月でございますけれども、この公
財政支出の割合が少ないということから、これを先進国並みに近づけていく
よう最大限の努力が払われる必要があると提言もされているところでござい
まして、今後とも、厳しい財政事情の中ではありますけれども、我が国の大
学が期待がされる役割を十分に果たすことができますよう、引き続き教育研
究条件の改善など必要な予算の充実確保等に努めていきたい、そういうふう
に思っております。
○亀井郁夫君 これをもって終わります。ありがとうございました。
○石田美栄君 民主党・新緑風会の石田美栄でございます。
ただいまも亀井委員の方から大学評価のことを中心に御質問がありました
が、このたびの設置法の改正、まずは医学部保健学科に編制がえ、そういっ
た課題も入っていますので、私はこのところ、毎年これが出てまいります
が、そんな中で、こういった分野への男性の関心、参入、そういったことに
関心を持ってまいりましたし、また、こういう医学とか医療の進歩、高度化
に対応するために、国立大学で平成五年度以降、順次こうした医療短大が四
年制に転換されていく。このたびは弘前、岐阜、山口大学の医療短大が四年
制への転換。多分、あと十医療短大を残して、さらに四年間くらいで全部を
四年制にしていく。そういった中で、こういった看護の重要な部分の高度
化、大学院もできてまいります。
そういった教育研究体制が充実していくことをということで質問してまい
りましたが、本日は一問だけこれに関して。この春から介護保険制度が開始
になりますと、こういう保健とか医療とか福祉関係への男性の関心、そして
高度化すれば余計参入してくるのではないかということを予測しているんで
すけれども、特に国立大学医学部保健学科への男性の志願者あるいは入学者
数、あるいは割合がわかりましたらお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(佐々木正峰君) 看護職員を養成する国立大学医学部保健学
科等への男子学生の状況でございますが、平成十一年四月の状況を申し上げ
ますと、全志願者数が六千四百三十五人でございますが、そのうち男子学生
は三百二十八人で、その割合は五・一%でございます。また、全入学者数は
千七百四十二人でございますが、そのうち男子学生は七十一人で、その割合
は四・一%でございます。
○石田美栄君 やっぱり前回お尋ねしたときよりももう〇・一%上がってき
ている。だんだん上がっていくのかなというふうに思います。そのことは、
私はいいことなんだなというふうに考えております。
それでは、次に移らせていただきます。
先ほども亀井委員がお尋ねになりましたので重なることにもなりますが、
同じように、大学院の組織編制の弾力化、研究科にかわる教育部、研究部を
設置するということについて、やっぱりちょっとわかりにくいんですが、次
年度から、ですからこの四月からですか、東京大学と九州大学が設置予定だ
そうですけれども、このことによって具体的にどういう変化があり、どうい
う効果があるのか、もう少しお話しいただきまして、さらにそのほかの大学
の動きはどうなのでしょうか。あわせてお伺いいたします。
○国務大臣(中曽根弘文君) 今回の改正は、昨年五月の学校教育法の一部
改正によりまして、当該大学の教育研究上の目的を達成するため有益かつ適
切である場合には研究科以外の基本組織を設けることができる、そういうふ
うにされたことを受けまして、政令で定める国立大学の大学院に研究科にか
えて教育部と研究部を設置するものでございます。
それで、研究科が特定分野の教育活動と研究活動とを一体的に行う組織で
あるのに対しまして、教育部は学生の所属組織として教育上の観点から編制
される教育組織であり、また研究部は教官の所属組織として研究上の観点か
ら編制される研究組織でございます。このように、大学院の内部の組織編制
として研究組織と教育組織を分離することにより、研究面では、日進月歩の
学術研究の進展に即応した組織編制を、また教育面では、学生の教育ニーズ
に適切に対応した組織編制をそれぞれとることが可能となる、そういうふう
に考えております。
また、各大学がそれぞれの理念に即しまして最もふさわしい組織編制を大
学院段階で取り入れていくことによりまして、近年の急速な学術研究の進展
による研究の高度化への対応と、それから大学院における教育の質的向上が
それぞれ適切に推進できることを期待しているものでございます。
○石田美栄君 その他の大学の動向を。
○国務大臣(中曽根弘文君) その他の大学についてのお尋ねでございます
けれども、現時点におきましては、東京大学、九州大学以外の大学におきま
してこういう計画が検討されているとは承知しておりませんけれども、各国
立大学におきまして、教育研究上のいろいろな要請に応じて新たな組織形態
が提案されるということも考えられるわけでございます。
今後、各大学から具体の相談がありました場合には適切に対応していきた
い、そういうふうに思っております。
○石田美栄君 今のお話を伺っていると、皆さんもそうだったかなと思いま
すが、多分、より高度な研究に専念しやすい先生、それから、より大学院の
学生の指導に専念、そういう型に分けることができるということなのかなと
いうふうに伺いました。指導と研究と両方というのは非常に大変だからとい
うことなのかなというふうに伺いました。
さてそれでは、このたびの大学評価機構のことについてお尋ねいたしま
す。
これが創設されるまでには、既に平成三年の設置基準の改正で努力義務と
なった大学の自己点検・評価また外部評価について、先ほど亀井委員もおっ
しゃっていましたようにほとんどの大学が実施してきているわけですが、で
も、外部評価というのはなかなかやっていないようでございますね。九年度
以降では一回以上実施したのが一五・一%で、二回目以降実施した大学がほ
とんどないというふうな記事も見ました。
私自身、これが始まった当時、短期大学そして大学に多少関係していまし
たので、このあたりは本当に実体験をしたところでございますけれども、ま
だ十年弱くらいでしょうか、それぞれの学校が点検・評価を行うようになっ
たことにつきまして、ここは河村政務次官にお尋ねしようと思っていたとこ
ろでございますが、それをどう評価され、どういう御所見をお持ちでしょう
か。
○政務次官(河村建夫君) 石田委員今御指摘のとおり、この自己点検・評
価は平成三年に大学設置基準によって努力義務とされました。その結果、各
大学がこれを取り入れていただきまして、平成十年度においては大学全体の
八八%が実施をされる、この結果を見まして、平成十一年九月から省令を改
正いたしまして、これは義務にしていただく、全部やっていただくというこ
とにしたわけでございまして、各大学ともこれが必要である、こう思ってや
っていただいておるわけでございます。
その結果、今までやらないときよりも、教育のやり方、授業の持ち方等に
対して変化が出てきた。これをやることによって各大学が非常に意識改革を
なさっておるわけでございますが、例えば、授業計画が事前にシラバスによ
って出てくるとか、こういうことが取り入れられるようになりましたし、ま
た研究のあり方についても変化が出てきたし、また大学全体の管理運営のあ
り方についても見直しがされたというようなことで、私は今回、平成三年か
ら自己評価されることによって、大学みずからが改革に着手された大きな意
義があったと評価いたしております。
しかし一方では、内々の評価でございますから、どうしても評価が甘くな
る面もございます。評価の客観性ということにはどうしても限界がある。そ
のために、必ずしも社会や産業界の要請に合ったような評価になっているか
という疑問が生まれてくる点もございますので、今回いよいよこの評価につ
いては客観的な第三者機関が要るということで、客観性の高い評価機関を設
けようということを今法律としてお願いしているようなわけでございます。
そういうことで、各大学も第三者評価を受けることによって、さらにこの
自己点検、自己評価も内容が高まってくるのではないか、そういうことも期
待をいたしておるようなわけでございます。
○石田美栄君 ただいま政務次官がおっしゃったシラバス、授業細目、この
ことは、その当時教える立場にあった者として実感いたしました。ついつい
忙しさに追われて、一年間の授業計画をきちっと立てて授業に入るなんて難
しかったのが、やらざるを得ませんし、私はちょうど学内でそのときモデル
をつくれという学科の責任者でありましたから、みずから随分詳しい年度計
画を立てました。そうしました結果、確かに授業はいいものができました
し、学生も予想ができますから、例えばどうしても出られない授業があって
も、その間何をやるかというのがわかって、大変その点は効果があったこと
を本当に実感いたしました。
これは質問とは直接関係ないんですけれども、それから四年くらいたちま
して私もちょっとまた一年別の大学に出まして、結構学校によって違うし、
緩くなっているんだなと思った。詳しいのを出さなくちゃいけない、授業を
引き受けたときに、これは大変だと思って必死で国会の合間を縫っていいも
のをつくって出しましたら、そんな詳しいのは載せられない、要らないとい
う感じがありまして、実際には簡素化されているところもあるのかなという
のを実感いたしました。それは私の感想であります。
そういう中に、例えば学生による授業評価。これは特に私、もう本当には
るか昔、一九七一年から二年にアメリカの大学院にいたときに、ちょうどそ
の大学が総合評価、アクレディテーションの年というんでしょうか、あらゆ
る評価、膨大なものの授業評価をさせられる立場で、とっていました授業一
つ一つを、ちょっとした小冊子くらいのものを評価する学生の立場に立ちま
した。もちろんシラバスはそうでありますけれども、先生が学生たちを、創
意工夫というか、その思想に導いていくような、積極的に学生が学習、研究
していくような誘導をしているかという内容まで入っていたように思いま
す。
学生による授業評価の実情というのはどうでしょうか。また、その結果が
おわかりになれば少しお話しいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 大学の行う自己評価、自己点検、これの一環
として今委員お話しの学生による授業評価、これを実施する大学が年々増加
しているところでございます。平成四年度で三十八大学でございましたけれ
ども、平成十年度現在、国立八十四大学、公立二十三大学、私立二百二十七
大学、合計三百三十四大学で学生による授業評価が実施されているところで
ございます。さらにこの内訳としては、大学全体の評価をやっているのがそ
のうちの五五%で、あとは学部内で学生による評価をやっているのが四
七%、そういう数値になっております。
学生による授業評価は大学や学部によってさまざまでございますけれど
も、各学校で評価の項目として取り上げておるもので多いものをちょっとピ
ックアップしてみますと、教員の話し方の聞き取りやすさとか授業のわかり
やすさ、それから黒板とかビデオ、OHP等の使い方などについての評価が
かなりの大学で行われております。そのほかまだ十数項目についての評価項
目がございますけれども、このような評価を通じまして、一般的に学生はか
なり的確に授業内容とかそれから方法の長所短所を評価しておりまして、そ
の結果が授業の改善に役立てられている、そういうふうに考えております。
その意味で、学生による授業評価は、教員の教育方法の問題点の把握と
か、またその効果的な改善に成果を上げていると認識しております。文部省
といたしましても、今後とも各大学の積極的な取り組みを促していきたい、
そういうふうに思っているところでございます。
○石田美栄君 私も一時言われていたし、そういう私も教員仲間で感じてい
たことですが、大学教員の中には教育よりも研究の方を重視して、教える方
は余り情熱を使わないというふうな先生もよく見かけておりましたので、多
分、こういった学生による授業評価というふうなことは、そういった教育面
でいい効果があるのだろうなと思っております。
さて、この第三者評価ですが、何といってもこの二十一世紀、大学が水準
の向上を進め、世界のトップレベルの大学に伍して発展していくためには、
これまでやってきた自己点検・評価だけでは、点検あって評価なしと指摘さ
れるように、評価の結果を改革に結びつけることには必ずしもならなかっ
た。このたび、第三者評価機関が検証する仕組みをつくってそれをフィード
バックするということで、より積極的に大学の水準を上げていくということ
であります。
これから国内を考えてもますます大学間の競争が激しくなりますし、少子
化で大学への全入も可能ということになれば、入れる大学に入るということ
よりも、子供たちが自分の行きたい学校を選ぶ時代になります。また、世界
の大学とも競争しなきゃならない、入学者をとるということでも競争しなき
ゃいけない時代が徐々に来ていると思います。
さらには、特にこの点、産業技術力の国際競争の中で、日本の産業界、民
間企業が海外の大学を重視する割合が大幅に増加している反面、国内大学及
び国内の国立試験研究所等の公的研究機関を重視する割合が減っているとい
う記事を見ました。また、我が国企業が海外研究機関・大学との連携を強め
る動きがあって、我が国の大学等の空洞化が懸念されるという報告も見まし
た。
このようなさまざまな差し迫った状況を考えるときに、大学の教育研究活
動を第三者によって客観的に評価して、その結果を公表し、またその評価そ
のものに関する調査研究、情報の収集や提供を行っていくということは、時
宜を得た非常に重要なことであるというふうに私も考えます。
ですから、国際的な比較にも十分たえられる評価の機構、仕組み、内容が
つくり上げられていかなきゃならないという重要な任務があると思います。
したがって、このたびの評価機構の責任、その成否は重大です。
そこでお尋ねするのですが、まずこの評価機構の教官を十四人、そして事
務官を四十四人増員して発足するということでありますけれども、その中軸
となる教官十四人について、既にある程度見通しはお立てのことだとは思い
ますけれども、どういう構成でどういう人を想定されているのか、可能な範
囲でお答えいただければと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 大学評価・学位授与機構におきましては、
今、委員お話しございましたように、平成十二年度で評価研究部に教員十四
人を配置する予定でございます。
この教員は、大学評価に関する調査研究や具体の評価の実施の調整に携わ
るものでございまして、その業務を行うにふさわしい人材を、大学関係者は
もとより幅広い分野から、専門分野のバランスに配慮もしつつ確保したい、
そういうふうに考えております。
この具体の選考は、今後、大学評価・学位授与機構が創設された後に同機
構において行われるものでございますけれども、今申し上げた幅広く適当な
人材を得ることができるよう、その選考方法についても、公募も含めまして
適切な工夫が行われるように指導をしていきたい、そういうふうに考えてお
ります。
○石田美栄君 ぜひ文部大臣もしっかりと御指導いただいて、いい機構をつ
くっていただきたいし、その後の運営につきましても、したがってこの評価
委員会三十人についても同じことが言えると思いますが、それも同じような
お答えになりますでしょうか。
○政務次官(河村建夫君) 実質の評価はこの評価委員会がやっていただく
わけでございますから、非常に重要な役割を果たす。そういう面では、評価
の教官は常勤でやっていただくわけですね。これからの評価をする上のまさ
にコーディネーター役をやっていただく。評価委員は約三十名考えておりま
すが、これは非常勤でございまして、いろんな方を選ばなきゃいかぬという
ことで、ただ大学の関係者だけでなくて、社会、経済、文化、いろんな面の
視点を持った委員を、これは三十人のうち何名をどのぐらいということはま
だ実は決めていないのでありますが、そういう視点で広い分野の有識者を想
定して選ばせていただく、こういう方向づけを決めておるようなわけでござ
います。
○石田美栄君 繰り返しになりますけれども、先ほども申し上げました産業
界、民間企業の将来の技術研究の立場でも、国内のこうした大学の研究機関
との連携ということが、国を挙げて進むための、日本の将来が大きくかかっ
た評価機構でありますので、ぜひいい人選で成功するように進めていただき
たいと重ねて申し上げます。
そして、この評価の目的でありますが、そういうことのために大学等のい
ろんな活動状況を多面的に明らかにして、先ほども申し上げました、社会、
会社、社会一般が大学を支援する、そういうときにも評価の基準になるし、
また学生たちが学校を選ぶときにも目安になる資料が得られるような部分も
なければなりません。
ですから、多面的に明らかにするという意味で、そしてそれを社会にわか
りやすく示すという、このわかりやすくというのは非常に難しいだろうと思
います。もう膨大なものをぼんと出されたって、あるいは文章表現だったら
どういうふうにでもなりますので、評価結果のある程度点数化できる部分と
いうのがあるんじゃないかと。私も、先ほども申し上げました学生としての
体験上、多分いろんなものを点数化していたと思うんですね。膨大なものを
全部点数化することである程度この評価が決まっていくと。
ある項目なんかについては点数化することが可能でしょうか。あるいはそ
ういうおつもりがこの全体の中にあるんでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 今、委員がお話しになられましたように、こ
の評価結果というのは、それぞれの大学がみずからの教育研究の改善の充実
に活用されるということが一つ、それからやはり教育研究活動の状況を国民
にわかりやすく示すものであるということが必要でございます。
このため、評価結果は、各大学がそれぞれ設定した目的、目標に沿った教
育研究活動の状況、つまり学校によって学校の方針もある、大学によって方
針もあるわけでございますから、全国一律の機械的な評価をするということ
ではなくて、そういう各大学の状況や、またすぐれた取り組みとか、あるい
は改善を要する点を点数化ではなくて記述によって明らかにすることを考え
ておりまして、御指摘のような点数化の評定を行うことは考えておりませ
ん。
今後、この評価委員会において、各大学の状況等を踏まえて、また教育評
価、研究評価などのそれぞれの特性とか、あるいは各専門分野の特性にも配
慮をしながら、広く国民の方々にわかりやすい、どういうのがわかりやすい
か確かに難しいとは思いますけれども、具体的な評価、記述の方法も工夫、
検討していくことが必要であろう、そういうふうに思っております。
○石田美栄君 今回のこの評価、国立大学、大学共同利用機関全体に実施す
ることから始まるわけですが、こういうところというのは、研究施設設備、
全部国からやっている状況で、特に国立大学、そういう研究所の施設設備、
老朽化とか狭隘化というのはよく言われていますし、文教委員会でも視察に
行ってびっくりしたような状況がございます。これも評価に入れるんだろう
と思いますけれども、はっきり出ますよね。そして全部国立だと。医学部な
ら医学部で、分野別に細かく点数で、百点満点で新設のところを百点とすれ
ば、古いところは三十点とかと出ると思います。こういうのを点数化すると
改善にはっきりつながるのかなと思いますけれども、こういう施設設備も評
価の対象にされますか。
○国務大臣(中曽根弘文君) この機構の行います評価というのは、それぞ
れの大学が置かれた環境とか条件とか、そういうものをまず踏まえまして、
そして教育研究活動の状況をこの評価によって明らかにして、さらに大学の
教育研究活動の改善充実に資するものになるように、そういうことで行うわ
けでございます。
したがいまして、大学が研究をやっていく上で基盤となる研究施設とか、
お話しありましたような設備につきましては、その大学の研究活動の改善と
か充実に資するためにいかに効果的に効率的にうまく使っているか、活用し
ているか、そういう観点から評価を行うことが考えられるわけでございま
す。
○石田美栄君 でも、施設設備の充実というのは理工系、技術系なんか非常
に大事で、これはもう大いに今のお答えが窮しているように受けとめられま
した。
そして、次にこの評価の利用でありますけれども、大学審議会の答申で
も、「二十一世紀の大学像と今後の改革方策について」、平成十年十月に出
たものの中で、「資源の効果的配分と評価」というところを見ますと、「各
資源配分機関は、大学の教育研究の個性を伸ばし、質を高める適切な競争を
促進し、効果的な資源配分を行うため、きめ細かな評価情報に基づき、より
客観的で透明な方法によって適切な資源配分を行う必要がある。」と書いて
ありますね。そして、特にその中、もっと記述してある中に、「国際標準を
確保するためには、教育研究上の優れた取組や教育研究活動の水準向上の努
力が正当に評価され、より多くの資源が配分されることが必要である。」と
書かれており、さらに「第三者機関による評価と資源配分との関係では、国
立大学の予算配分に際して第三者機関による評価が参考資料の一部として活
用されることが考えられる。」というふうに答申の中に書いてあります。
さて、これから始まる大学評価機構、第三者評価が行われてまいります
が、この結果を具体的にどう活用なさるつもりでしょうか。今読みました予
算配分にも活用することが考えられるとありますけれども、さらには大学学
部の再編だとか淘汰とか、あるいはさらに独立行政法人化に向けて等々、ど
ういう活用を考えておられますでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) この機構が行いました評価の結果というの
は、その大学にフィードバックされるわけでございまして、またその大学が
この評価を自己の教育研究活動の改善のために役立てていくということが最
も重要なわけでございます。
またさらに、この評価結果というのは社会に広く公表されますから、国民
一般の方々や企業等が大学を選択したり判断したりする上での判断材料の一
部として活用することが考えられますし、またさらに、お話しありましたよ
うな資源配分機関、それから助成団体あるいは大学へ寄附をされる方々がこ
の評価結果を参考資料の一つとして活用することが期待されているわけであ
ります。
国立大学の予算配分につきましては、この大学審の答申の最後に書いてあ
りまして、委員から御紹介いただきましたように、この評価結果を参考資料
の一部として活用することは考えられますけれども、その具体的内容につき
ましては、この機構の行う評価活動の状況等を当面は勘案しつつ今後検討し
ていきたい、そういうふうに思っております。
○石田美栄君 大変当たりさわりのないような御答弁でありましたが、私個
人は、先ほど亀井委員もおっしゃいました、日本は和をもってとうとしとす
る国で農耕民族、そういうお話をされましたけれども、これからの国際競争
にたえられる研究機関をつくっていくという意味では、もっとこういう評価
を、いいものが出てくればそれを使って、当然そういういろいろな支援にも
生かしていくべきだというふうに私は考えております。
そのことを申し上げまして、もう時間ですので終わらせていただいた方が
いいかと思います。ありがとうございました。
○福本潤一君 公明党・改革クラブの福本でございます。
大学設置法の改正ということで、ある意味では、毎年のように改正されて
いる法律の中でも、今回は一つの組織再編を含めて大きな弾力化ができるよ
うな法案改正が行われることになったわけでございます。
先ほど文部大臣は、二十一世紀の大学像ということで、教育に関して、ま
た学術研究に関して望ましい方向を述べられました。さまざまな点で日本の
大学教育の問題点が指摘されておるわけでございますが、大学が、現在いろ
いろな方面から、海外の学術研究に比べても劣っているではないかというふ
うに言われている面、IMDの調査やなんかが出ていますけれども、どこが
根本の原因だというふうに認識されておられるか。文部省の見解を聞いてお
きたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 日本の大学が欧米の大学に比べて劣っている
のではないかという御質問でございましたけれども、大学を評価するにはさ
まざまな観点があろうかと思います。そういうことから、単純な比較は難し
いわけでございますけれども、確かに委員おっしゃいますとおり、日本の大
学には改善しなければならない点が数多くあろうかと思っております。
まず、学生の課題探求能力を育成することなど、教育研究の質の向上を図
るということが第一点。それから、社会も急激に変化しておりますから、こ
ういう社会の急激な変化に対応できるような大学の自主性とか自律性を確保
するということも大切であろうと思っております。それから、学長のリーダ
ーシップの発揮とか、あるいは教授会等におきます意思の決定というものを
適正化するということ。さらには、こうした取り組みについて透明性の高い
第三者による評価の実施など、そういう仕組みを組み立てるということが今
後大切なのではないか、そういうふうに思っております。
先ほど申し上げました課題探求能力を持った質の高い学生を育成するとい
う観点において、今後さらに教養の教育と専門の教育を通じまして、さきの
委員の御質問にもお答えしましたけれども、成績の評価などを厳格にやる、
そういうことによって学生がしっかりと在学中に勉強できるような環境をつ
くっていくことが大切ではないか、そういうふうに思っております。
○福本潤一君 現在の教育面では、レジャーランド化したり大衆化してい
る中で大きな問題が起こっております。もちろん小中高と大学との連携、入
試の問題も含めてさまざまな問題を抱えておるわけでございます。
私自身も、問題点をお答えいただきましたけれども、ここにおられる有馬
前文部大臣も東大の学長をやっておられたわけでございますので、学長のリ
ーダーシップというようなお話もありました。また、教官の問題もあるかと
思います。私は、昭和四十三年、一九六八年に紛争中の大学に入りまして、
大学院まで行って大学の教官で、三十年近く大学にずっとおって、それで一
九九五年に大学をやめまして選挙に出たのでございます。
最近よく言われることに、独立行政法人化というものを目指していると
いうお話が出ます。法案の中身に入る前に、国家公務員の定員二五%削減と
か、いろいろ話の中で具体的に出てきておりましたので、本来言われた大学
のあり方、二十一世紀の大学像という意味では方向が違う形でぽっと出てき
ておりましたので、この現状、どういう方向性で独立行政法人化という話
が出てきたのかを最初にお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) お話しのとおり、国立大学の独立行政法
人化につきましては今議論も行われ、また検討もされているところでござい
ます。これにつきましては、昨年四月の閣議決定におきまして「大学の自主
性を尊重しつつ、大学改革の一環として検討し、平成十五年までに結論を得
る。」、そういうふうにされているところでございます。これを受けまして
文部省では、現在、有識者の方々からいろいろな御意見をいただきながら検
討を進めているところでございますし、昨年九月には、国立大学の独立行政
法人化の検討を行う際の基本的な方向というものを明らかにしたところでご
ざいます。
現在そういう状況でございますが、国立大学の学長さん方の中でも検討し
ていただいておりまして、これは教育機関でございますから、私どもとして
は慎重にこの問題に対応していきたい、そういうふうに思っているところで
ございます。
○福本潤一君 慎重に対応しておられるということでございますが、この
話が、高邁な目標等々を述べるのは簡単にできても現実に大学改革とか教育
改革というのは難しいところで、人数の二五%削減ということで出てきてい
るところに私は大変な危惧を抱くわけでございます。
先ごろ、現東大学長、国大協会長として蓮實さんが副会長と一緒に行かれ
たということは、東大学長という立場よりも国大協会会長として行かれたん
だと思いますけれども、人材を育て、研究を発展させないといけないといい
ながら、こういう形でリストラという大義名分が本当に違うところから起こ
っているじゃないかという問題を提起されておりました。
具体的な話で聞かないとなかなかわかりにくいので、若干方向性を模索さ
れているということで、お伺いさせていただきます。
私学というのと国立というのがございます。国立大学の教官がこの前、中
谷巌さんですが、ソニーの社外重役をやらなければいけないというときに、
最終的に一橋大学を辞職したわけでございます。私自身も、一九九五年に選
挙に出るときに国立大学の教官でしたので、体験したことがちょうどありま
して、立候補する前の段階で大学に辞表を出した、選挙運動は当然のように
国家公務員、国立大学の教官はできないですから。ただ、私立大学の教官
は、今、武見さんもおられますけれども、以前関西大学で、一緒に立候補し
ていた人が逆に選挙をやめて大学に戻った方までおられますけれども、当然
のように国家公務員としての制約を受けないでいる。
独立行政法人になったときに、中谷さんの問題も含めて、どういう形の
立場で、国立大学、私立大学のはざまのどこら辺の位置づけになるのか、国
家公務員の制約はどうなるのかということを最初にお伺いさせていただこう
と思います。
○政府参考人(佐々木正峰君) 独立行政法人制度は、御案内のように、従
来国が直接実施していた事業等を、国から独立した法人格を有する組織に移
管した上で諸規制を緩和し、運営面での裁量を認めつつ、国が法人の業績を
厳正に評価し、結果責任を明確にするという制度でございます。
このような制度を国立大学に適用し、国立大学を独立行政法人化するとい
うことを考えた場合には、やはり大学は教育研究を行う機関でございますの
で、大学がそれにふさわしいような自主性、自律性というものをきちんと確
保していく必要がある。したがいまして、独立行政法人制度、さらにいえば
独立行政法人通則法に大学の自主性、自律性というものを踏まえてどのよう
な特例を考えていくかということについては、十分慎重な検討が必要である
と考えておるところでございます。
現在、独立行政法人化するかどうかということについての検討を進めてい
る段階でございまして、具体的な制度設計については今後の課題であるとい
う段階でございます。したがいまして、現時点におきまして、独立行政法人
化した国立大学というものを具体的に申し上げることがちょっとできない段
階にございますので、御了解を賜りたいと思います。
○福本潤一君 特殊法人が独立行政法人化するのとは若干違いがあるけれど
も、まだ先の見通しは言えないということだろうと思います。これから具体
的なこういう大きな大学の問題、また教育の問題にかかわってくる話になっ
てくると思いますので、特に大学、理科系、文科系、教育問題、先ほど亀井
委員からございました私学助成金が憲法違反になるかならないか等々の問題
も含めて、具体的に国立学校設置法を審議する前に、今後の大学の方向性と
いうものを伺わさせていただいたということで、具体的に法案の中身に入ら
させていただこうと思います。
先ほども二人の委員からさまざまな御質問がございましたので、私の方か
らは若干そのときにまだ整理し切れていなかった問題を含めてお伺いさせて
いただこうと思います。
最初に、教育部と研究部というものを新設できるようになるということで
ございました。わかりにくいという言葉とともに、亀井委員の方から、学生
が所属する教育部と教員が所属する研究部というようなイメージで言ってお
られました。私は、学生だけが所属しておる教育部というのは現実に何を教
育するのかなというふうに思います。
恐らく、わかりやすく言うと、学生に合わせた教育組織として教官はそこ
に所属しているということだと思います。ここのところ、教官も教育部には
当然おられるという確認をさせていただければと思います。
○政務次官(河村建夫君) 福本委員御指摘のとおりでありまして、学生だ
けの組織ということではないわけであります。
○福本潤一君 したがって、教育部に所属している教官、研究部に所属して
いる教官ということで、今回の第七条の七には教育部にも教授会、評議会が
置けるという形で法律改正の中に入っておると思いますけれども、その点
も、教育部にも評議会があるということの確認をお願いします。
○政府参考人(佐々木正峰君) 教育部と研究部の関係でございますが、教
育部は、学生が所属をし、かつ社会の要請等に応じて学生にどのような教育
を授けるのかということのカリキュラム編成等がそこにおいて行われるわけ
でございます。
例えば、医学系教育部ということで申しますと、幅広く医学教育を行う必
要があるわけでございます。例えば、最先端の分子生物学であるとか、医学
工学や生命倫理に関する授業科目というものが開設をされることが必要でご
ざいます。そういった教育を行うためには、幅広い分野の教員が教育に参画
する必要がございます。そういった意味合いから、各研究部に所属する教
員、したがいまして、例えば医学研究部に所属する教員のほか、理学研究部
や工学研究部あるいは人文科学研究部等に所属する教員が医学系教育部の教
育に参画をする、それを通して新教育体制の構築がより柔軟かつ総合的に行
われるようにしていくという観点に立ちまして、教育部と研究部を考えてお
るわけでございます。
したがいまして、その必要性に応じて、研究部あるいは教育部の意思決定
というものにかかわる教授会というものが置かれることになるわけでござい
ます。
○福本潤一君 丁寧な説明いただいたので、逆にわかりにくくなったような
ところがありますけれども、要するに、研究部に所属している教官と教育部
に所属している教官、同一人物が同じところにおられる組織なのか、それと
も別個の組織になっておるのか、この関係をお願いします。
○政府参考人(佐々木正峰君) 教員は研究部に所属をいたしまして、教育
上の必要性に応じて教育部にいわば出張っていくというふうな感じでござい
ます。したがいまして、教育部には教官は所属しておりません。
○福本潤一君 私がちょうど教官のときにも大学改革が何回もありました。
似たような改革が学部であったときに、要するに、学部を専門教育課程とい
うところと大講座制、講座制の弊害で大講座制と。大講座制に教官は所属し
ているんだけれども、教育分野のところへもちろん出向いていく。出向いて
いくけれども、同時に、大講座制のどの分野に所属する教官かというのがわ
かっているということで、二重に所属していたというのが学部でございまし
た。
そうすると今回、今の御答弁ですと、研究部に所属している教官が教育部
に出て指導すると。そうすると、教育部の方の教授会、評議会というのはど
ういう組織になるんですか。
○政府参考人(佐々木正峰君) 教育部につきましては、やはりカリキュラ
ム編成を行い、適切な教育指導というものが行われなければならないわけで
ございます。したがいまして、教育部に出向いて教育を担当する教員によっ
て教授会が編制をされるということでございます。
○福本潤一君 そういう意味では、むしろ教育部にも教官がおって、それが
編制されたところへ教えに行くと。だから、二重の編制の中に同一人物がお
るというふうに考えた方がわかりやすいなと思いますけれども、それは後
で、これだけで時間が終わってしまいますので、また詳しく聞かせていただ
きます。
こういう新しい改革のときに、編制表の中で評価システムというのが今回
出てきておりますので、評価システムは具体的に個々人の研究能力とか教育
能力というのを評価する形になっていくんでしょうけれども、そうなってい
ったときに、編制のはざまで、人事とか具体的なところに影響を与えること
をねらって今回第三者機関の評価というのを考えておられるかどうか、これ
をお伺いさせていただこうと思います。
というのは、平成三年に自己点検・評価、私もかなりさせていただきまし
たけれども、自己評価というのは言葉に矛盾するぞというのがあの当時あり
ました。評価というのは他人がするもので、自分が評価したら百点満点だと
かいって何でもできるような評価になるわけですけれども、今回、そういう
意味では第三者機関の評価ということになりました。その第三者機関の評価
が、具体的に影響効果はどういうことをねらってこの第三者機関の評価され
ていかれるのか、これをお願いいたします。
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほどからも申し上げておりますけれども、
特に大学の改革におきましては、大学の自主性を確保するとか、あるいは責
任ある運営体制を整備するとか、また多元的な評価システムを確立して、そ
して大学の個性化それから教育の研究の改善を行っていくことが必要である
わけでございます。教育研究の改善を促して、そして社会的責務の履行を確
保していくためには、多面的な視点を踏まえながら客観的で信頼性の高い評
価を行うことが必要でございます。こういう観点から、今回の大学評価・学
位授与機構を創設して第三者評価を実施することとしたところでございま
す。
この結果につきましては、御案内のとおり、各大学にフィードバックをい
たしますし、また社会にも公表することによって、大学が社会の要請にこた
えているかどうか、そういうものをまたみずから反省し、また社会や国民が
評価をするということによって大学の社会的使命の向上に役立てようという
ものでございます。
○福本潤一君 そういう形での評価システム、それが今回、先ほど言われた
二十一世紀の大学像に適合した改正かどうかというのを総体的に聞きたいわ
けでございます。
先ほど石田委員からありました学生による授業評価システムと同時にもう
一つ、大きなアメリカのようなアカデミックな世界を構築するためには、数
年前に助手の任期制というのも若手教官にありましたけれども、教授の任期
制というものを入れるという考え方というのは、ある意味では、先ほどの教
育における授業評価を学生にやらせるというのと同時に、教授は一つの研究
業績を一生ずっと貫くというのじゃなくて、安泰というのじゃなくて、任期
制というのはどうかという声もちらほらこれは聞きますけれども、文部省の
考え方、これに関してどうお考えか、最後にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐々木正峰君) 御指摘の大学教員等の任期法に基づきまし
て、各大学の判断により任期制がとれることとなったわけでございますが、
その対象となる教員につきましては、教授から助手まですべての職が対象と
なるわけでございますが、具体的にどの職にこれを導入するかにつきまして
は各大学が判断することとなってございます。
それで、現在の状況でございますが、年々増加してはおりますが、十二年
三月現在で四十四大学が導入をしておりまして、そのうち二十七大学におい
て教授、助教授を対象として任期制が導入されているところでございます。
文部省といたしましては、任期制が導入されることにより教員の流動性が
高まるわけでございます。異なる経験や発想を持つ多様な人材を受け入れた
り、あるいは学問的な刺激を与え合ったりするということは教員の教育研究
能力を高める上で有効であるというふうに考えておりまして、今後とも御指
摘の法律の趣旨の周知及び適正な実施の確保に努めてまいりたいと考えてお
るところでございます。
○林紀子君 日本共産党の林紀子でございます。
今回提案されている大学評価機関が行おうとしている大学評価というもの
が、真に大学の自主的改革の努力を励ますものになり得るのか。大学評価機
関創設準備委員会の報告書、これを読みますと大変大きな問題があると思い
ます。
それは、大学評価と予算配分の関係です。衆議院でも論議されておりまし
たが、予算配分機関というものには文部省を初め国の機関が入る、つまり評
価に基づいて国の予算配分が行われる、こういうことではないかと思いま
す。その上、大学の教育研究の基礎になっている基盤的研究経費、積算校費
などについて、ここまで佐々木局長は衆議院の段階でこう答弁していらっし
ゃいますね、機構の評価結果、評価の活動の実情なども見ながら今後検討す
る。しかし、これは大変な問題だというふうに思うわけですね。
京都大学の丸山正樹教授が「科学」という雑誌に書いていらっしゃる論文
を読みますと、少ない投資の割に国立大学の多くが世界的な学問的業績を上
げ、有能な人材を育て、社会、文化に貢献してきたのは日本のシステム、当
たり校費制度による基盤的経費の保障がうまく機能してきたと、こういうこ
とを指摘しているわけです。そして、研究を殺さないぐらいの資金が保障さ
れており、何とか生き延びてその研究が実り出すと、今度は科学研究費など
が受けられるような状況になってその研究は花開いていく。
しかし、これを評価による配分ということにしてしまいますと、このシス
テムそのものをつぶしてしまうことになるんじゃないかと思うんですね。で
すから私は、基盤的経費というのは拡充すべきではあっても絶対にこれを削
るという形で評価を反映させてはならない、この保障を絶対になくすべきだ
と思いますが、政府参考人にお聞きしたいんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐々木正峰君) 基本的な考え方でございますけれども、教
育研究の質的向上のためには、各大学の個性を生かしながら、すぐれた文献
や教育研究活動の水準向上のための努力、あるいは課題の解決に向けた工
夫、改善などを適切に評価し、適切な評価情報に基づいて客観的、透明な方
法によって資源配分を行うことが必要でございます。これを通して初めて大
学に対する資源の効果的で妥当な活用についての社会や国民の理解と支援が
得られるものと考えているところでございます。
文部省といたしましては、したがいまして国立大学の予算配分について今
回の大学評価・学位授与機構における評価結果を参考資料の一部として活用
していくことは当然考えられるわけでございますが、それにつきましては、
評価機関の活動実態なども踏まえながら今後具体的な内容を研究していくこ
とといたしておるわけでございますが、大学の教育研究に必要な基盤的経費
につきましては、所要の額を確保していくことは当然必要であるというふう
に考えているところでございます。
○林紀子君 基盤的経費は当然確保していくというお答えですので、本当に
検討中などと言わないでそのことをきちんと実行していただきたいというふ
うに思うわけです。
学術審議会の答申が昨年六月に出されましたけれども、教官当たりの積算
校費の単価は、消費者物価指数の上昇を考慮すると過去十年間で五%も減っ
てしまった、特に人文・社会科学の諸分野において日常的な研究の継続に支
障が生じるようなケースも生まれている、今後対応策を検討する必要があ
る、そして学術研究の振興のためには基盤的研究資金を確保すると、こうい
うふうに言っているわけです。
ですから、これはきちんと保障する、そして予算もふやす、そういう必要
もあると思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐々木正峰君) 教官当積算校費などの基盤的な経費につき
ましては、大学における教育研究を実施するに当たって必要な実験材料、備
品等の購入費、これらの光熱水料等を包括的に措置するという性格を持って
ございます。したがいまして、こういった基盤的経費につきましては、文部
省としてもその必要性、重要性にかんがみてその充実に努力をしてまいりた
いと思っております。
○林紀子君 今お話がありましたけれども、積算校費の配分方法というのが
来年度から変わるわけです。これも大変なんですけれども、理科系の研究室
の中には電気代を払うと研究費がなくなってしまうというような悲鳴も上が
っているわけですから、ぜひそういうことのないようにしていただきたい。
大臣、一言このことを確認してよろしいですね。
○国務大臣(中曽根弘文君) 学術研究が後退することがないように、この
ような機構の評価を導入した後も、私どもとしては、環境の整備またよりよ
い研究体制を目指して、そういう意味での努力も引き続いて行っていきたい
と思っております。
○林紀子君 最後に一点、政府参考人に確認をいたしますけれども、そうし
ますと今のお話はリンクはしないということですね。評価とそれから積算校
費、一番基本的なこの部分とはリンクをしないということですね。
○政府参考人(佐々木正峰君) 教育研究の基盤的経費というものが極めて
大切であるということについては、それを踏まえて文部省として引き続き適
切な対応をしてまいりたいと思っておりますが、それを含めて国立大学の予
算の配分については、本機構の行う評価結果を参考資料の一つとして活用す
ることはあり得ると考えておるわけでございます。いずれにいたしまして
も、その具体的内容をどうするかということにつきましては、評価活動の状
況等を勘案しながら今後検討すべき課題であると考えているところでござい
ます。
○林紀子君 何だかもとに戻ってしまったような気がするんですけれども、
きちんとそれは保障しなければいけないということはお話しありましたけれ
ども、しかしそれがリンクをするということになりましたら、決まったパイ
の中でいいところには上積みをする、そうすると、どこかからそれを持って
こなくちゃいけないというところでリンクをするということになったら、少
ないところからまた持っていってしまう、そういうこともあり得るわけです
から、これはリンクをしないと、きちんと必要なものは保障すると、そうい
う方向で検討をしなければいけない問題だということを申し上げておきたい
と思います。
私は、評価の問題ということで研究評価、それからお話を聞きたいと思い
ます。
研究評価は五年周期ということになっているわけです。しかし、大学が行
っている長期的視野に立った研究、五年では到底結果の出ない研究、これは
どう評価されるのかお聞きしたいと思います。
○政府参考人(佐々木正峰君) 研究評価におきましては、御指摘のように
五年の周期で実施状況について評価を行うわけでございます。
この評価は、学問の動向を踏まえながら国際的な視点や他大学等との比較
なども考慮して行われるものでございまして、その評価の結果は研究の計画
や実施の改善に反映させていくことといたしております。それを通して研究
のさらなる発展を図ってまいりたいと考えておるわけでございます。
大学の研究活動は、これは申し上げるまでもないわけでございますが、計
画をし、それを実行し、そしてそれを評価する、そういうサイクルを繰り返
しながら不断に改善充実が図られていく、そういうものであるということを
踏まえまして五年という周期を設定したものでございまして、このことによ
って長期的な視野に立った研究活動が阻害されるというようなことは考えて
おらないわけでございます。すなわち、五年周期ということ自体によって長
期的な視野に立つ研究活動がぐあいが悪くなるというふうなことはないと考
えているところでございます。
○林紀子君 それは、実態は違うんじゃないですか。私が本当に身近なとこ
ろで見聞きした例ということだけ挙げても、五年ということでは到底はかり
切れないというところがたくさんあると思います。
例えば、光ファイバーで有名な東北大学元学長の西澤潤一さん、完全結晶
の研究に取りかかったときに、この「技術大国・日本」という本に自分の体
験を書いていらっしゃるわけですけれども、周囲からは、あいつは頭が変に
なったと言われた。最初のときはそういうようなものなんですね。それか
ら、衆議院の参考人で来られた名古屋大学大学院の池内了教授は、宇宙物理
学の専門家ということですけれども、この方は泡宇宙という新しいモデルの
予想を立てた。ところが、全く証拠はなかったから、おまえさん何て変なモ
デルをつくったんだと言われた。この仮説は後で、丸五年間銀河を三千個観
測したアメリカの女性研究者によって裏づけられたということなんですけれ
ども、五年間この女性研究者は論文は一つも書かなかった。書けなかったん
ですね、銀河を三千個も観測を続けていたわけですから。それから、湯川秀
樹博士が五年間論文を書かなかった話も有名です。
ですから、池内先生によりますと、五年間というのは最小の単位だ。五年
周期の研究評価はどうしてもこういうふうに、初めは頭が変だなんて言われ
るような、こういうような研究をなさっている方たちにはどうしても不利に
ならざるを得ないというふうに思いますけれども、独創的な研究であればあ
るほど評価されない側面があるんじゃないかと思いますが、どうでしょう
か。
○政務次官(河村建夫君) 御指摘のような観点というものは一つの大事な
視点だと私も思いますし、単なる画一的な、短期的な視点だけから性急にす
べての成果が期待できるということではないと思います。当然、長期的にす
ぐれた研究をはぐくむという視点は必要でございますから、今御指摘のよう
な、いろんな例が今まで日本の科学技術の進歩の中にあるわけです。
そうした学問の特性というものを評価委員はしっかりとらえて評価をしな
きゃいけませんし、そうかといって五年で評価をしなきゃいけない課題もた
くさんあるわけでございますから、当然、今おっしゃった長期的視点に立つ
ことの重要性というものは、これは十分考えていくわけでございますから、
それによってそうした学問の特性が阻害を受けるということはないというふ
うに考えております。
○林紀子君 学術審議会の答申では、「長期的に優れた学術研究を育むとい
う観点を重視する」というふうに指摘しておりますけれども、そうします
と、今の御答弁では、この大学評価機関の創設についての報告書に書いてあ
ります「学問分野の特性上成果が出てくるのに時間がかかる分野であるなど
の事情を、的確に加味する必要がある。」、確かにそういうふうに書いてあ
るんですけれども、では、この学術審議会の言う「長期的に優れた学術研究
を育むという観点を重視する」ということと、この報告書に書かれている今
の文章とは同じ意味を持っていることなんですか。
○政務次官(河村建夫君) 今御指摘の点を踏まえた上での答弁を申し上げ
たわけであります。
○林紀子君 先ほど御紹介しました京大の丸山先生は、大学における研究
は、短期的な集中投資が有効な先端技術開発、こういうものが一つある。ま
た、中期的目標に沿ったプロジェクト研究、こういうものが二つ目にある。
そして、中期的な目標は立てられず漠然とした目標、こういうものが三つ目
にある。そしてさらにその上に、理念を持った長期的研究、およそ目標とい
うものは立てられない文化としての学問、基礎科学分野についての研究、こ
ういうものもあるんだと。こういうふうに、研究に対する考え方、理念など
が一律にはとらえられない多様性を持っているというふうに指摘しているわ
けです。
長期的研究というのは五年間では無理だという、それは十分に配慮しなく
ちゃいけないというお話がありましたけれども、それでは、そこで評価をし
て、そしてまたそれが予算配分に連動する、リンクする、そういうことにな
りましたら、腰を落ちつけて研究というものがなかなかできない。一番大事
な基礎分野というのがどんどん疲弊をしていってしまうのではないか、そう
いう心配が非常にありますので、予算配分とのリンクというのを、それはい
ろんな観点で評価をするのは結構ですけれども、予算配分とのリンクという
ところをどうしても鎖を断ち切るべきじゃないかと思いますが、いかがでし
ょうか。
○政務次官(河村建夫君) リンクの問題でありますが、当然、各大学から
自己点検、自己評価されたものを受けまして、評価委員会の方でこれを評価
していくわけでございます。そうした中で、今御指摘のように、基盤的な経
費というものは、これは当然確保されていかなきゃいかぬ。しかし、その中
でどのような評価を受けるかによって、予算配分が期待されているという大
学審からの上がってきているものを受けて、その中で考えていくということ
でございますから、最初に評価するときに、これは当然長期の研究を要する
ものであるとか、これは短期間で結果が出なきゃいけないものであるとか、
ある程度の仕分けというものは当然、評価する段階で基礎資料をもとにして
評価をしていくわけでございます。これはさらに重要な学問で、さらに時間
が当然かかる、学問の体系から見ればわかるわけですから、そういうものは
引き続いてやってもらう。そういう評価というのは当然全体の中であり得る
と思っておりますから、それによって配分がそのままリンクしてぱっと切ら
れるということには私はならないというふうに思っております。
○林紀子君 それでは、その問題、大臣にもお聞きしたいと思うんですけれ
ども、国大協が、「大学評価機関の基本的な目的はまず、長期的な視点から
大学における教育研究の高度化・活性化をもたらすことにある。評価を、短
期的な視点からみた「非効率」の切り捨ての道具とすれば、結局は日本の教
育研究活動の水準を低下させることになる。」、昨年六月、こういう要望が
文部省に出されているわけですけれども、こういう視点というのはどうして
も貫かなくちゃいけないと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) まず、この機構の大きな評価のやり方につい
ての原則でありますけれども、基本的な考え方でございますけれども、大学
みずからの自己評価といいますか、自己点検の結果、こういうものを参考に
しながらということですから、まず学校の状況をよく把握するということが
大前提で、そして各大学の設定した教育研究の目的、目標に即して行うとい
うこと、それから各大学の個性や特色に十分配慮するということでございま
すし、同時に、各研究についても十分、その研究の重要性とかあるいは時間
がどれぐらいかかるものかとか、そういうものについても配慮しながら評価
をするのが私は大切なことではないかと思っております。
また、研究環境なども配慮しなければなりませんし、独創的な研究あるい
は萌芽的研究へのそういう配慮、また、研究体制の整備の途中であったり、
あるいは将来計画に向けた転換の途中のものであるということもあるでしょ
うし、いろいろな状況があるわけでありまして、そういう点を十分に考えな
がら、そして最終的には大学のさらなる改善に役立てようというものでござ
います。
長期的な研究とか、研究段階ではなかなか当初のスピードどおり進んでい
ないというものがあるかもしれませんけれども、だれが見ても明らかにおか
しいとか、これは全然その目標のようなことをやっていないとか、そういう
明らかにおかしいことがあればそれは是正をするということが、学校にとっ
てのですけれども、大きな評価の意義でありますので、そういう点は当然い
ろんな面で配慮されることになるのではないかと思います。
○林紀子君 確かにこれはおかしいというところは是正されるのは当然です
し、おっしゃったように、大学にフィードバックして、そしてそれを教育研
究活動の改善に役立てる、それは当然だと思うんですね。だけれども、そこ
にお金がついてくるということになりましたら、いいからお金を上積みする
よというところは確かにそれでいいでしょう。だけれども、ここはお金を削
るということになったときに、改善しようと思ってもお金が削られてしまっ
たら改善の余地なんというのもないじゃないですか。
ですから私は、評価とそれから国の予算というのはきっちり分けるべき
だ、そのことを強く主張いたしまして、また質問させていただきます。
○日下部禧代子君 社会民主党の日下部禧代子でございます。どうぞよろし
くお願いいたします。
まず最初に、医療技術短期大学の改組についてお伺いいたします。
看護教育の大学化ということにつきましては、私は当選いたしましたとき
厚生委員会に所属しておりまして、それから十年間この問題については毎年
お伺いをさせていただいてまいりましたが、推進されていきつつあるという
点につきましては評価いたしたいと存じます。
しかしながら、毎年二校あるいは三校ずつという形で改組、改編がされて
おりますけれども、そのときそのときの行き当たりばったり的な感じがして
ならないわけでございます。全体の計画を立てて、全体像を立てた中でそれ
を明らかにした上で毎年の整備をする必要があると思うわけでございます
が、この点について御見解を大臣に伺いたいと存じます。
○国務大臣(中曽根弘文君) まず、急速な高齢化が進んでおりますし、そ
れから保健、医療を取り巻く環境も大きく変化をしておりまして、そういう
中にあって看護婦等の医療技術者の方々の質的な向上を図るということは大
変重要なことでございます。
看護婦の育成についてでございますが、平成四年に制定されました看護婦
等の人材確保の促進に関する法律、これに基づきまして、文部省、厚生省、
また労働省の共同で策定された基本指針があるわけでございます。これで
は、看護学教育の充実、それから教員等指導者の育成を図る、そういうこと
に重点を置いておるわけでございますけれども、この基本指針に基づいて看
護婦の養成というものが今行われているということでございます。
○日下部禧代子君 もう少し御質問したいのでございますが、来年がござい
ますから、また来年にやりたいと思います。
次に、これも毎年質問をさせていただいていることでございますけれど
も、人の命と健康を預かる、その教育を受け持つという観点では医学と看護
学というのは同じだと思うんです。しかしながら、学生一人当たりの国費の
配分というのには非常に大きな格差がございます。現在どの程度の開きがあ
るのか、その格差というのはどのように縮小されつつあるのか、もし縮小さ
れないとしたら、それはどういう理由によって格差がなかなか縮まらないの
か、その点につきまして御説明をいただきたいと存じます。
○政府参考人(佐々木正峰君) 学部運営に要する経費を学生数で割った額
を各学部における学生一人当たりの経費とする、そういう考え方に立った場
合、学校基本調査から推計いたしますと、平成八年度は、医学部については
約四百二十万円、看護学部については約百十七万円で、約二百四十三万円の
差異がございましたが、平成九年度には、医学部が約四百七万円、看護学部
が約百九十三万円となって、約二百十四万円の差異が生じているところでご
ざいますので、格差が縮小してきているということが言えようかと思いま
す。
このような学部による差異が生じておりますのは、それぞれの学部教育に
要する人件費、教育研究費、施設費、設備・備品費等の経費にはやはり学部
によって差がある、このことが学生一人当たりの養成に要する経費の違いと
なっているというふうに考えられるわけでございますが、文部省といたしま
しては、引き続き看護学教育の充実と教育研究の質の向上に積極的に努めて
まいりたいと考えているところでございます。
済みません、ちょっと数字を間違えまして、平成八年度の看護学部の経費
は約百七十七万円でございます。失礼いたしました。
○日下部禧代子君 私、今訂正していただこうかと思っておりました、こち
らに資料がございますので。
その二百万の差というのが少ないか大きいか、またこれも一つの価値観か
と思いますが、一人当たりの経費で二百万の違いというのは、私は大きいと
思いますよ。端の方がちょっと格差がなくなったというと、それは本当に格
差がなくなったというふうな表現をなさるというのは、やはり価値観の問題
と、それから言葉の用い方について私と大分価値観が違うように思います。
これにつきましてはまた質問いたします。
次に、四月から介護保険制度がスタートいたします。それから、少子化あ
るいは高齢化という中で、我が国の社会保障、社会福祉という課題あるいは
研究というのは、これは国民的あるいは国家的課題だと思うのです。しかし
ながら、国立大学におきましては福祉系の学部も学科というのもたしか大分
大学に一つあるだけでございます。これだけ少子化、高齢化、そして社会的
セーフティーネットが今国民的課題とされている中で、国がその責任を持つ
という意味では、国立大学に社会福祉学科あるいは社会保障を研究する学
部・学科が一つしかないということは、これはどのように大臣としてお受け
とめになっていらっしゃるのか、そしてこれから将来どのようにその点を見
通していらっしゃるのか、ぜひ御見解を承りたいと存じます。
○国務大臣(中曽根弘文君) 介護福祉関係の人材を養成するということは
大変重要なことでございますし、また社会的な要請も今高まっているわけで
ございますが、これらの社会福祉士を養成する国立大学は、今、六大学にお
いて社会福祉士の国家試験を受けられるような指定科目を開講しておりまし
て、養成を行っているところでございます。
文部省といたしましては、国公私立大学を通じまして、社会福祉関係人材
の育成の充実を図ることは大変重要なことと当然のことながら認識をしてお
ります。これの育成体制の充実に努めておるところでございますけれども、
公私立大学における社会福祉関係学部等の設置状況、それから国立大学にお
ける検討状況、また行財政事情等を総合的に勘案しつつ検討してまいりたい
と思います。
委員御存じかと思いますが、六大学は、大分大学、埼玉大学、東京学芸大
学、佐賀大学、熊本大学、琉球大学等におきまして、名前は違いますけれど
も社会福祉関係の課程が今あるところでございます。
なお、この科目の履修が可能な大学といたしましては、私立におきまして
は八十三大学ございまして、入学定員も一万五千二百五名ということになっ
ておりますが、引き続いてこれらが充実するように努力をしていきたいと思
っております。
○日下部禧代子君 私が申し上げた観点とちょっと違う観点であります。私
は、社会福祉のところで働く人々だけを言っているわけではございません。
社会保障、社会福祉というものを学問として、サイエンスとして研究すると
いう、そのことであります。
そのことからいきますと、学部・学科というのは、これはたしか大分大学
だろうと思うんですね。ほかに福祉課程というのはございます。それはいわ
ゆる福祉施設で働く人材、そういった方々の養成。大臣は今、人材養成とい
うふうにおっしゃいました。私は研究ということを申し上げた。
確かに、研究するための人材養成ということにはもちろんなるかもわかり
ません。しかしながら、これだけ社会保障あるいは社会福祉というものが必
要とされながら、きちっとした科学的な、学問的な体系というものを築くと
いうことは、これは極めて私は国としてやらなければならないことだという
ふうに思うわけでございます。
御質問いたしましてもこれ以上お答えが出ないかもわかりません。来年ま
た質問をさせていただきます。課題を差し上げておきます。そのときはどう
ぞ大臣でいてくださいますように。
次に、大学の評価の問題に移りたいと存じます。
先ほどから同僚議員がさまざまな観点からさまざまな御質問をなさってお
りまして、非常に問題点が明らかになってまいったというふうに思います。
私はやはり、その点をさらに念押しするという形になってしまうのかもわか
りません。
まず第一に、今九割近く、全体の八八%、これは国立だけではなく公私立
も入れまして各大学が自己点検・評価をしております。その自己評価、自己
点検の目的というのは、言うまでもなく、各大学の改革、水準を上げるとい
うことにつながらなきゃならないわけでございますけれども、教育研究の改
善、改革の効果というのは、これは時間を要するわけであります。ようやく
各大学が評価、点検ということを意欲的に始めた、そこで第三者機関として
国の大学評価機構がスタートするわけでございます。
そこで、各大学の自己評価・点検の意欲をそがないように、むしろそれに
インセンティブを与えるためにどのような配慮が考えられているのでしょう
か。どのようにそれにインセンティブを与えるのか、そしてまた有機的ある
いは相互補完的な連携が保たれるための配慮というのはどのようなことが考
えられているのでございましょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 各大学が行います自己点検、それから自己評
価、これは各大学がそれぞれの大学みずからの教育研究水準の向上を図るた
めに必要不可欠なものであるわけですが、同時にこれは大学評価の基本とな
るものであると思っております。
それで、大学評価・学位授与機構が行います評価、これは先ほどから申し
上げておりますように、各大学の目的とかあるいは目標、こういうものに即
して、そして大学の個性とか特徴、そういうものの伸長を図るために、自己
点検・評価の結果を活用しながら評価を行うということでございまして、今
のところ考えておりますのは、ヒアリングとか訪問調査も行い、個性を生か
した適切な評価ができるようにやっていきたい、そういうふうに考えており
ます。
○日下部禧代子君 今、大臣がお答えいただきましたように、各大学の個性
あるいは特徴を生かしていく、その目的のための評価だというふうにお答え
いただいたわけでございますが、国が第三者機関として第三者評価を行う、
そのことの結果が各大学の自主性あるいは個性化を促すということではござ
いますけれども、その際、やはりどうしても一つの危惧がございます。やは
り主務省の、いわゆる国の監督権限というものが強化されるのではないか。
大学の自主性、個性化とおっしゃいましたけれども、個性化を促進するとお
っしゃいましたけれども、むしろそういったものを制限する、あるいはまた
弱めるというふうな危惧というのもどうしても出てくるわけでございます。
訪問調査というものがございます。これが、立入調査ではございませんけ
れども、立入調査とならないような、あるいは本当に大臣の今おっしゃった
ような各大学の自主性、個性化ということにつながる、そのためにはさまざ
まなそれこそ工夫が必要だ、あるいはまた配慮が必要だというふうに思うわ
けでございます。
今私が申し上げましたような、監督権限が強化されるのではないか、ある
いはまた行政的あるいは管理的な力が強くなるのではないか、大臣のおっし
ゃったお答えとは反対の方に行くんじゃないかという心配もございますが、
この点に関しましてどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 先ほども申し上げましたけれども、この評価
というのは、各大学がみずから行います自己点検・評価結果などの資料をま
ず活用しながら、その大学の設定した教育研究の目的とか目標に即して行う
ということ、これが非常に大切なことだと思っております。
そして、これも申し上げましたけれども、個性とか特色に十分配慮して、
またその評価結果を当該大学にフィードバックするわけでありますから、大
学からすれば自分たちの自己評価とまた第三者機関による評価との違い等も
認識することもできるでしょうし、また新たな大学の運営等あるいは教育研
究体制等についてのいろいろな、みずから従来わからなかった点も出てくる
んではないかと思います。
これは、教育研究活動の改善に向けて、そして主体的な取り組みをしても
らおうということが大きな目標、目的の一つでありますから、私自身は大学
のためにも非常になると思っておりますし、そのためにやるわけであります
が、特に大学の自由を侵したり国の力が強化されて影響を大きく与える、そ
ういうようなものになるとは思っておりません。
○日下部禧代子君 今の大臣のお言葉を信じたいというふうに思います。そ
してまた、新たなランキング、序列化というものを生み出すことにならない
ように、この新たな第三者評価機関というものが、大臣のおっしゃるよう
な、そしてまた我々が願うような形になってほしいというふうに思うわけで
ございます。そのためには、これからさまざまな工夫が重ねられていかねば
ならないというふうに思っております。
最後になりますが、今、大学の進学率というのは、平成十一年度、短大を
含めますと四九・一%にまでなっております。大学審議会の予想ですと平成
十一年度の進学率が四八・四%ということでございますので、大学審の予想
をはるかに上回ったペースで動いているというふうに言えると思うんです
ね。
そういう中で、大学全入の時代というのがもう間近でございます。大学の
全入ということになりますと、大学のいわゆる大衆化、マス化ということ
も、これは質の低下ということとつながってやはり大きな課題の一つでござ
います。
少子化時代における大学というのはさまざまな新たな改革を必要とする、
そのためにこの評価システムというのも導入されるのだというふうに思うわ
けでございますが、新たな少子化時代、大学が全入時代を迎える、そういう
時代における高等教育というものをどうあるべきと思っていらっしゃるの
か。これは非常に大きな問題ではございますけれども、ぜひこの際、大臣の
お考えを承っておきたいと思います。
それとあわせまして、教育改革国民会議というものが今月じゅうにも発足
するわけでございます。担当課、担当室が十五日に発足いたしまして、文部
省から出向なさった方たちがいらっしゃいますね。
いわゆる有識者による教育問題については、中教審、大学審を初めさまざ
まな審議会が文部省にございます。そういった審議会があるにもかかわらず
教育改革国民会議というのが持たれるわけでございますが、その文部省のさ
まざまな審議会と今回の教育改革国民会議との位置づけをどのように考えて
いらっしゃるのか、そのことも踏まえまして大臣の御見解をいただきまし
て、私の質問を終わることにいたします。
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員のお話にありましたように、これからは
非常に社会が変化して、そして国際的な競争も増していくものと思われます
し、また流動性というようなものも高まることと思います。また、グローバ
ル化の時代にも入っていくわけでありまして、そういうような時代にあっ
て、日本の高等教育機関というものは、国際的な通用性を有する教育研究機
関として世界の他の諸国の高等教育機関に伍してやっていけるように、また
みずからの努力を行っていかなければならない、そういうふうに思っており
ます。
また加えて、そういうような状況の中におきましては、そこで学ぶ学生に
ついてでございますけれども、非常に広い視野を持つ、あるいは日本の歴史
とか文化とか伝統とか、そういうものも理解、尊重する、あるいは道徳観と
か正義感とか倫理観とか、そういうものも備えた、人間としてバランスのと
れた、幅の広い、そういう学生を養成していかなければならない。これが今
後の高等教育において大変大切なことだと私は思っております。
それから、教育改革国民会議のお話がございました。
この教育改革国民会議については、座長が江崎玲於奈氏に決定し、メンバ
ーが決定し、近々これが発足するわけでございますけれども、こちらでの審
議の内容等につきましては、大きなテーマあるいは方向性についてはまだ決
まっておりません。今後、大学改革を進めるに当たりましては、従来からの
教育改革の一環としての大学改革ももちろんありますし、それに沿って進め
ていくわけでありますけれども、教育改革国民会議の議論の方向性も勘案し
ながら適切に対応をしていきたい、そういうふうに思っております。
○扇千景君 かなり時間がたちまして、各委員から御質問がございました。
ダブらないようにとは思っておりますけれども、前置きを省略させていただ
きまして、本来は大臣に、訪韓された報告も冒頭にありましたけれども、細
部を伺いたかったんですけれども、時間の節約のために一般質疑があるとき
に回したいと思います。
今回の設置法の一部改正ということについて、評価制度というものが大変
話題になり、今までも御論議が行われましたけれども、この評価制度という
もののよしあし、果たして評価ができるのかできないのか、大学というもの
に対して評価をだれがするのかと。そして、今ここに書いてございますけれ
ども、いろんなものを文部省からいただきました。産官学等々の有識者な
ど、いろんなことが書いてあります。産業界や地域社会などの多様な視点を
踏まえた客観性の高い大学評価が必要、こんなものをできる人が日本にいる
でしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 日本の大学がよりよい大学になるようにと。
そのために、評価を行うことによって大学がみずから反省すべき点は反省し
改善をしてもらう、あるいはこれによって高く評価された点等についてはさ
らにまたそれを伸ばしてもらう、いろいろな効果があろうと思います。
ただ、評価のやり方等につきましては、お話がありましたように、客観的
にやる、透明性を持つということが大切でありますし、果たして評価ができ
るのかと、そういう御質問でございますけれども、先ほどから御答弁申し上
げておりますように、幅広い各界の有識者の方に参加していただいて、でき
るだけ公平に客観的にやっていただくということによってある程度の評価は
できる、私はそういうふうに思っています。
○扇千景君 もう一つ大事なことは、文部省が全国の国公私立大学五百八十
六校に対して質問状をお出しになりました。その結果等々は時間がありませ
んから省略いたしますけれども、「評価の対象」というところにいろんなこ
とを言っております。それは、「国立の大学等は、公費で運営されている機
関としての社会的責任を果たしていくことが求められていることから、全機
関について評価すべきもの」というふうにおっしゃっています。
これによりますと、公費で運営されている機関だけなんですか、それなれ
ば私立は入らないと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 各大学がこの大学評価・学位授与機構の評価
を受けるか受けないかというのは、その設置者が判断するものでございます
けれども、国立大学につきましては、国費で運営されているということにか
んがみましてこの評価を行っていく、そしてその結果を国民に対して明らか
にしていくということでございます。
私立大学についての御質問でございますけれども、当分の間、私立大学に
つきましては評価を行わない予定であります。
○扇千景君 これを出しているんです、ことしの二月でございます、評価機
関創設準備委員会が。この中にきちんと「国立の大学等は、」と書いてある
んです。「公費で運営されている機関としての社会的責任を果たしていくこ
とが求められていること」にかんがみと書いてあるんです。
ですから、公費で運営されていない私学が入るわけがないんですけれど
も、今、大臣がおっしゃいました当分の間というのは政治的発言だと思いま
すけれども、当分の間というのはどういう期間でしょうか。
○国務大臣(中曽根弘文君) いつまでかという具体的な年限については現
時点ではお答えできませんけれども、今後この機構が発足をいたしまして各
大学の評価等の実績が上がってくると思うのですけれども、そういう評価体
制等の確立の状況とか、あるいは私学関係者の方々の意向等もおありと思い
ますので、そういうものを十分に踏まえながら適切に判断していきたいと思
っております。
○扇千景君 それでは一たんそれまして、先ほど同僚議員の質問に評価基準
という話がありましたけれども、基準はこれから委員を選定してそれからと
おっしゃいました。今、一定の基準がなくて、全国の国公私立大学五百八十
六校の中で評価をするときに、この基準よりいいとか下とかの評価なんて私
はできっこないと思うんです。ですから、少なくとも私は、私立大学の建校
の精神からいっても私立大学は外すべきであって、それぞれ特異性を持つの
が私立大学の建校の精神ですから、少なくとも私はそういうものを外すべき
だというのが第一点です。
それから、先ほどから基準というのはこれから評価委員を選んでというの
ですけれども、評価するというのは基準がなければできないんであって、私
はこの評価制度というものをこの委員会で議論するときに、委員を選んで、
それからどんな基準でどんな方法でするかということもこれからですという
のであれば、全く雲をつかむような話で、基準の一端というものをまずお示
しいただきたいと思います。一つでもいいですから。
○国務大臣(中曽根弘文君) 具体の評価を行う場合の基準についての御質
問でございますけれども、教育の評価とそれから研究の評価、二つに分けら
れると思いますが、教育の評価につきましては、教育の目的、目標を効果的
に達成するために適切な教育の内容、方法となっているかどうか。それか
ら、この教育の質の向上や改善のための研修システムが整備されているかな
どでございます。それから研究評価につきましては、研究の内容が国内的及
び国際的に見てどの程度の水準にあるか、またこの研究の成果が社会、経
済、文化にどの程度貢献しているかなどが考えられるわけでございます。
そして、この評価基準につきましては、この機関が創設後、大学評価委員
会におきまして各学問分野に共通な一般的な基準を作成いたしまして、これ
を受けて専門委員会において専門分野ごとの基準を作成することとしており
まして、これらの基準は評価を行う前に十分時間的余裕を持って各大学に公
表をすることとしたいと思っております。こういう対応を通じて、各大学が
混乱をしたり支障を来すことがないような評価を行っていきたいと思ってお
ります。
○扇千景君 それではちなみに、教育と研究と分けられましたけれども、ど
れぐらいの人数を想定していらっしゃいますか。局長で結構です。
○政府参考人(佐々木正峰君) 一つの大学を評価するに当たりましては大
体三名ぐらい、例えば分野別の教育・研究評価につきましては、一チーム当
たり三人程度を予定いたしております。また、その分野といたしましては、
法学とか工学とか、九分野を考えております。さらに、その一分野当たりの
平均対象機関といたしましては四十機関を考えております。
そんなわけで、分野別教育評価につきましての評価人員としては二百七十
名、それから研究評価につきましても約二百七十名程度を想定しておるとこ
ろでございます。
○扇千景君 私は、それくらいの人数でできるわけないと思うんです。
それから、それであれば、この評価制度の中で、評価事業の内容、方法等
の中で全学テーマ別評価と書いてあるんですね。全学テーマ別評価となった
ら大変なことなんで、全学というのはどの程度の数になりますか。
○政府参考人(佐々木正峰君) 全学テーマ別評価でございますが、これに
つきましては、学部や研究科の枠を超えて全学的に取り組むべき課題を評価
対象といたしてございます。
したがいまして、例えば教養教育であるとか、あるいは産学連携等の地域
貢献、こういったテーマを年度ごとに設定いたしまして、予定では年間三テ
ーマほど考えておりますが、三テーマにつきまして評価を行うということで
ございます。したがいまして、これに必要な人数といたしましては約百七十
名程度を想定しておるところでございます。
○扇千景君 今おっしゃいましたけれども、そうすると、最初に三テーマに
絞って、そしてその三テーマの評価に各専門委員を任命すると。評価委員を
選んでテーマを選ぶのか、テーマを選んで評価委員を選ぶのか、どっちが先
なんですか。
○政府参考人(佐々木正峰君) まず第一にテーマを設定いたしまして、そ
れに応じて評価を行う人をお願いするということになろうかと思います。
○扇千景君 それでは、テーマを選ぶというのはきっと私は文部省が選ぶん
だろうと思うんです。ですから、文部省が選んでもいいんですけれども、そ
うすると、文部省が三つのテーマを選んでその評価委員を選ぶとなったら、
その評価委員は任期は何年ですか。
○政府参考人(佐々木正峰君) 全学テーマ別評価のテーマ設定につきまし
ては、大学評価・学位授与機構の中に置かれる大学評価委員会においてテー
マの選定をしていただきたいと考えておるところでございます。これら評価
にかかわる人員につきましては、任期は二年を考えておるところでございま
す。
○扇千景君 私がなぜこれをしつこく聞くかといいますと、評価を公表する
ということをさっきおっしゃいましたけれども、私も必ずこれは公表すべき
だと思います。
例えば、Aという大学の評価がとても高かった、そしてBという大学の評
価がとても低かった、そうした場合に評価をした委員というのは公表されま
すから、公表するんでしょう、全部。そうすると、評価する先生方は、産業
界も経済界もあるいは第三者が評価をするんですけれども、名前が出て、A
という大学はいいですよ、Bという大学はだめですよという評価をしたらや
っぱり責任重大なんですね。そして、やっぱり受ける生徒にしても評価の高
い学校へ行こうという、これは当たり前の話なんです。評価の悪い学校に行
くわけがないんですね。ですから、余計大学を差別化することになるし、私
は国公立大学というものを廃止しちゃった方がいいんじゃないかと、これは
極端ですけれども。
例えば、必ずしも評価がいい大学ばかりじゃない、悪い評価が出た大学は
どうするんですか。これは、この部分が悪いからよくしなさいよといって大
学を指導するための評価だと言うけれども、一たん悪い評価が出てしまった
らこれはなかなか取り返しがつかないんです。
例えば、先ほど同僚議員から介護の話が出ましたけれども、これは私が、
同僚議員のところへ介護認定調査票というのを、千葉県の人ですけれども、
来ているのをもらってきたんです。そうしますと、これは介護保険もそうな
んですけれども、認定者が大変なんですよ、みんな今苦労しています、もう
間もなく実施されますから。それで、認定者の中でどういう人が介護保険の
申請ができるかと見ましたら、四十歳から六十四歳までの者で、申請できる
十五の疾病と書いてあるんですよ。その十五の疾病の中に、例えば初老期の
痴呆、第二が脳血管疾患、三が筋萎縮性側索硬化症、四がパーキンソン病、
五が脊髄小脳変性症、こういうとにかくすごい名前が十五あるんですね。こ
れを全部認定者が認定して、要支援と要介護の一から五段階、これを認定す
る認定者が大変な苦労をするんです。
それと同じで、私は一緒だとは言いたくありませんけれども、大学を評価
する評価委員というのが、評価するときに公表されて自分も委員になってい
たら、二年の任期とおっしゃいましたけれども、再任を妨げないということ
になると、この人が専門家で評価委員にずっといたら、今度は大学の中に評
価委員科なんというのができて、評価する専門の人を教えようなんというの
ができないとも限らない。それくらいこの評価制度というのは、選ばれる評
価委員も大変だし、評価結果を公表するということに対する一般のまた評
価、これも私は大変なことになると。
私は、研究に関しては当然評価すべきだという意識を持っていますけれど
も、一般の教育に関する評価というのがいかに難しいかということだけを、
きょうは時間がありませんから、ぜひそういうことに対して、委員を任命す
る場合の任期というものは、それぞれ産業界から仕事を持ちながら来るわけ
ですから、各大学に行って調べてくださいというんですから、大変な労力を
課すわけですから、少なくともこの評価委員の人たちは長い間同じ人を使わ
ないということを考えておりますけれども、いかがですか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員の選任につきましては、同一の委員が長
期にわたって評価に携わることによりまして、評価が画一的なものになった
り、あるいは結果として教育研究向上のためにならないとか弊害が心配もさ
れるようでありますが、そういうことにならないように客観性、透明性、妥
当性を確保する観点から、原則として再任をしない取り扱いをしたい、そう
いうふうに考えております。
○扇千景君 終わります。
○田名部匡省君 今まで議論を伺っておって、なかなか難しいなと。人が
人を評価するというんですから、今、扇先生言ったように、介護でも人によ
って評価が違うし、人が人を評価するというのは本当に難しいんだというこ
とを感じます。しかし、やらなくていいかというと、一方では、やっぱり何
かそれによって励みになる、努力しなきゃいかぬ、そんなこともありますの
で、スタートをしたときにはいろいろ考えて、今言われているような委員の
皆さん方の意見というものをよく参酌して、一遍に最初からポーンポーンと
いくのか、いろいろ考えながらやってみなきゃいかぬものだというふうに思
います。
ところで、私はもっと基本的なことを先にお伺いしたいんですが、一つ
は、この独立行政法人と学校法人の違いというものは一体何だろうかな、
こう思いますので、最初にちょっとこのことをお伺いしておきたいと思いま
す。
○国務大臣(中曽根弘文君) 独立行政法人というのは、この制度は、
従来国が直接実施をしておりました事業などを、国から独立した法人格を有
する組織に移管をした上でいろいろな規制を緩和し、そして運営面での裁量
を認めながら国が法人の業績を厳正に評価をし、そして結果責任を明確にし
よう、そういう制度でございます。
この独立行政法人制度の基本的な性格につきましては、もう委員も十分
御承知のものでありますけれども、民間では必ずしも実施されないようなお
それのある事業、おそれと申しますのは、公共上の見地から確実に実施され
ることが必要であって、民間ではなかなかやってもらえない、やれない、や
らない、そういうような事業が対象となりますし、また目標の指示あるいは
計画の認可、また業績の評価あるいは法人の長の任命など、国による相当程
度の関与を前提としております。
したがいまして、基本的には独立採算性を前提とせずに、毎年度国が必要
な予算を確実に措置することとされている法人制度でございます。
一方、学校法人制度は、民間の私人の発意に基づいて設置する学校の目的
にのっとりまして、建学の精神を持ってこれが創設される。そして、法人設
立や学校設置の際の認可等を除きまして、基本的には所轄庁の関与を避けま
して、各学校法人の主体的な判断と責任において運営をされる。また、運営
に必要な費用というものは、私学の助成部分を除きましては創設者からの寄
附、財産を基礎にいたしまして、授業料収入、寄附金収入など法人独自の収
入によることを基本とする法人制度でございます。
このように、独立行政法人と学校法人制度はともに公共的な性格を有す
る法人の制度ではありますけれども、その設立の目的とか対象とか、あるい
は運営の自主性の度合い、また国による関与の仕方、支援の程度等々におき
ましてその性格を異にする法人制度でございます。
○田名部匡省君 これ議論していると時間がなくなる。十五分ですから。時
間があったらまた最後の方にやりたいと思うんです。
基本的に二十一世紀の大学というものはどうあるべきかということを伺っ
ておきたいと思うんです。それは、同僚の委員からもいろいろお話ありまし
た。大変な高齢化、少子化を迎えて、やがて学校が過剰時代になって運営が
大変な時代が来るだろう、そう思うのが一つ。
それから、最近、厚生省でも何でも、介護だ医療だ年金だと、それぞれの
局が個別に説明に来て、私はよく言うんです、一体日本の経済の見通しをど
う立てているのか、日本の財政が一体どうなっているのかということと無縁
ではありませんよ。こんなに何でもかんでも金のかかる話ばかり持ってき
て、一体どうするんですかと。
大蔵省の二〇〇三年までの財政中期展望によれば、もう皆さん御案内のと
おりでありますが、経済成長率一・七五%で推移すると仮定して、今年度末
に国債残高が三百六十四兆円、二〇〇三年度には四百四十四兆円だと。やが
て六百兆円を超えるという試算を出しているんです。一方、厚生省では、三
十年とか四十年後には人口が八千万人だ、こういうことを言っていながら、
やることは別のことをやっているんです。
ですから、大学も、本当にこれからどういうふうにしなきゃいかぬ、こう
思っているのかによっていろんなことが出てきますので、冒頭、その考え方
をお聞かせいただければありがたいと思っているんです。
○国務大臣(中曽根弘文君) 委員からお話ありましたように、たしか二〇
〇九年でございますか、現在は大学進学率が五〇%弱、四九・八でございま
したか、二〇〇九年にはいわゆる全入時代になると予測をされておるわけで
ありまして、大学自身におきましても、また私ども行政といたしましても、
こういうような時代のことを見据えながら大学改革を行っていかなければな
らない、そういうふうに思っております。
情報化も急速に進展をしておりますし、また国際化それから多様化の時代
でありまして、そういうような大きな変化の時代に、またグローバルの時代
に、それらに的確に対応できるような大学運営をすることが大事でありま
す。同時に、学生の養成という意味におきましても、国際化時代に活躍でき
る、また日本人としてのアイデンティティーを持った、また特に大切なこと
は、学問の探求ももちろんでありますけれども、やはり道徳性を持った人材
を養成していくことが大切である、そういうふうに思っているところでござ
いまして、大学改革の一層の促進に努めていきたいと思っております。
○田名部匡省君 国立大学の大学院に、研究科にかわる教育部、研究部を置
くことにしておる。さっきも話を聞いておって、こっちの教授がそっちへ行
って教えるとかなんとか、何でこんな難しいことをやるのかなと。いずれに
しても、優秀な教授というのはやっぱり生徒に教えていく、そういうことを
やればいいのであって、何で大学院の中に教育部と研究部をわざわざ分けな
きゃならないのか、私はかえってやりにくくなるんだろうなという気がして
ならぬのですが、どうでしょう。
○政務次官(河村建夫君) 高度専門職業人を育てるという意味で大学院が
置かれておるわけでございまして、大学院は当然基礎研究の上にさらに学術
研究を推進していかなきゃならぬ、そういう要請を果たしていくということ
であります。
もちろん、おっしゃるように、大学院といえども教育機関でありますか
ら、この法案について私自身考えたのでありますが、大学院が単なる研究だ
けに専念して、大学院というのはそういうところなんだ、研究機関だけの役
目を果たしていけということじゃなくて、やはり専門的な人材を養成する教
育機関としての役割を果たしてもらわなきゃならぬわけでありますから、私
は、そういう視点が大学の中にもちゃんと入ってきて、ある面では非常に専
門的な研究をする部分と、そしてそれを追っかける人材、また人間的な素養
も含めた人材をつくる部分も大学にも当然あっていい、そういうものをある
程度きちっと仕切って大学院としても今後の運営をしていくというあり方
が、今回のこの法案の形で一つあらわれてきているというふうに理解をして
おるところでございます。どうしてそういうことを仕切らにゃいかぬのか、
こう御指摘でございますが、私は、そういう面でそういうことを明確にしな
がら、大学院が専門高等教育機関としての役割を果たしていく必要がある、
こういうふうに考えております。
○田名部匡省君 何で一つにして、教育も受けられるし研究もできると。じ
ゃ、教育を受けないで研究ばかりやる人がおって、あるいは研究はやらぬが
教育だけ受ける人がいるというならわかるけれども、どうもと思うんです
よ。これをやっていると、私は十五分であと二、三分しかないから、また後
でゆっくりやりますよ。大体、十何分というのはもう本当に、やらない方が
いいようなぐらいです。
そこで私は、学術の追求、研究、そういうものは大学院で専門に、国の費
用を全部かけてもいいからやっぱり育てるべきだと。だから、前に有馬さん
が文部大臣のときに私は言ったんですよ。もう国立大学は全部廃止したらど
うかと。そうやって憲法違反の私学助成なんか明確にして、出すものはちゃ
んと出すという方がすっきりする。このぐらいの改革をやっぱりこれからや
っていかなきゃいかぬだろうと思うんです。
なぜかというと、そのときも言ったんですが、この予算を見ても人件費が
一兆幾らと、こういうものは全部国民が負担しているわけです。自分の子供
が成績が悪くて私学へ入ると丸々出す。私たちは両方に出しているんです
よ。それは公平じゃないと僕は言うんです。
だから、奨学金制度を拡充して、どうせ偉くなったら払うんですから、返
せばいいから、そういうことをやった方がいいんじゃないかということを前
の文部大臣に質問したんです。なかなかなくされませんと、こう言っており
ましたが、いろんな研究機関、農林省でも運輸省でも随分広大なところに持
っていますよ。ああいうものは、むしろその専門の大学に渡して研究させた
方が教授のためにもなるし生徒のためにもなる。
ですから、これから先のいろんなことを考えると、本当にどうあるべきか
ということを念頭に置きながらやっていかないと、その都度その都度やって
おってはだめですよ。さっきも、中教審とか教育改革国民会議、いろんな会
議。議院内閣制ですから、それぞれが責任を持って、それぞれの役所が一番
わかるわけですから、そういう中でやっぱりやっていくので、何かそっちの
方にお願いすると、何のための議院内閣制であるのか、私は不思議に思うん
です。
今度は中坊さんにもお願いしてやるというんでしょう。警察が一番わかっ
ているんですよ、何が悪かったかを。だから、自分たちの手で改革すればい
い。教育だってそうですよ。いじめだ何だって起きているから、地方にもみ
んな教育委員会があるんですから、親を集めて、どうするかというのを全部
やってみてごらんなさい。いい案が出てきますよ。年とった人ばかり任命し
たって、孫のことをわかるわけがないと私は思うんです。だから、もう少し
責任をきちっとやるということと、今みたいなことをやる。
また、国立大学九十九ですか、これを見ると本当にこれでいいのかなと。
もっと合併したり見直しをしたり、そしてかけるところに重点的にかかるよ
うにしてやらないと、ばらまきをやっていたのでは日本の教育のためにはな
らぬ、私は本当にそう思う。
だから、これからの少子化時代に本気で、教育というのは大事ですから、
これに取り組んでいくにはどうなさるかということは、もうきょうは答弁要
りませんけれども、やっぱり先の課題として政治家は責任を持たなきゃなら
ぬことですから、いよいよ検討されて、後世に負担のかからないことも考え
ながらやっていく必要があると思うんです。
総論的に、大臣どう思いますか。
○国務大臣(中曽根弘文君) 今、委員からお話しありましたように、この
教育の改革につきましてはさまざまな問題があるわけであります。今、教育
改革国民会議のお話がありましたけれども、今まで行ってまいりました教育
改革、そういうものも、成果をもう一回振り返り、またさらにこれらを検証
する、そういうようなことが大切でありますし、日々反省しながら、どうし
たらよりよい教育制度ができていくか、よりよい人材の育成ができていくか
ということを、総合的な、また高いところから常に見直していかなければな
らない、そういうふうに思っているところでございます。
大学につきましても、今回このような制度の導入をお願いするために御審
議いただいているわけでありますが、こういう制度を導入することによりま
して、大学の研究、また教育体制が公正に公平に評価をされて、そしてそれ
によって大学がよりよい改善ができる、大学の質の向上につながればと、そ
ういうふうに願っておるわけでございまして、この制度が創設されまして、
そして適切に運用され、この日本の大学改革に役に立てばと、そういう気持
ちでございます。
今後とも、また御指導をよろしくお願いいたします。
○田名部匡省君 全く質問の答えになっていなかったんですが、時間ですか
ら終わります。ありがとうございました。
○委員長(佐藤泰三君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたし
ます。
午後四時八分散会