==> 国立大学独立行政法人化の諸問題

問題は大学と社会の関係のあり方にある


Date: Sun, 17 Sep 00 07:58:56 +0100
From: 栗岡 幹英
Subject: [reform:03134] Re: 大学改革に関する私見のご紹介

栗岡@在英です。

 太田 実さんのホームページを一部だけ拝見しました。どなたからも
まだ議論がないようですが、私としてもあまり多くの時間を割きたい
とは思いません。

 読んだのは「大学の常識は世間の非常識」なる一文だけですが、もう
充分だと感じました。

 太田さんの議論は、肝心な点をさも了解済みであるかのように
棚上げにして、それに賛成しないからと大学の教員を非難しています。

 たとえば、次のようなご発言は、教育に関する社会思想の流れを
全く考慮されていないように思います。

>そもそも個人教育に任せていたのでは社会が必要とする人材を「効率的に」
>育てられず、「効率的な」研究成果が得られないということで、社会の側が
>教育施設を作り、教員を集めて学校を運営してきたのではないのですか。

 教育には社会が必要とする人材を養成するという側面もありますが、
社会思想の歴史では個人の成長を保証する、という面からも議論されて
きました。
 太田さんの考えでは、個人は社会に奉仕すべき、あるいは大学は社会に
奉仕すべき、ということにしかなりませんし、その際「社会」とは何を
さすのかという問題がまったく欠落しています。

 大学は「社会」と無関係に存在できるわけではありませんが、
問題はその関係のあり方なのです。ここの議論を避けてなにか
「社会」なる単一の実体がある、大学はそれに奉仕すべきである、
との前提から議論を組み立てられてもあまり生産的とは思われません。

 また、太田さんは、大学の実態やそのなかで行われている議論を
実際にはご存じなく、あるいは意図的に、ご自分の作り上げた
イメージで議論されておられるように感じます。

 ご自分である否定的イメージを作られて、「不勉強」だの「こけおどし
」だのといった言葉をちりばめて非難される態度では、建設的な議論は
できないように思います。

 もし本当に大学の教員との議論を望まれるなら、まずその妨げになる
不必要な「非難」や「誹謗・中傷」を取り除いた文章を提示して
いただきたいと思います。何を書いても次の「誹謗・中傷」の材料に
されかねないので、このままではどなたもなにも書かれないかも
しれません。
 (静岡大学教員)