==> 国立大学独立行政法人化の諸問題
現代の高等教育 IDE 2001年2-3月号 p78

経済産業省と教育改革

横山晋一郎「取材ノート」から

「当面の最大の関心事は大学改革」と言い切る経済産業省(旧通産省)の官僚 がいる。

「大学から国の研究所に就職してくる研究者の質が悪い。大学は産業界をはじ めとしたエンドユーザーの二一ズに応えていない」「文部省と大学あもたれあ いの構造は看過しがたい」・・・。さすが日本のエリート官僚,大学の現状を よく勉強している。その分,大学や文部行政に対する批判は厳しい。批判だけ ではない政策立案にも関わっている。例えば,咋秋に首相の諮問機関「産業新 生会議」が打ち出した当面の重点施策の中には,国立大学が弾力的に講座の新 設・再編ができるように国立学校設置法の改正が盛り込まれたが,背景には大 学改革に意欲を燃やす同省の意向があった。教育改革国民会議の報告の中にも, 彼らの主張を感じさせる提言がある。

私が加わっている某研究会にも,大学関係者に混じって経済産業省の官僚が何 人か,常連メンバーとして顔を見せる。一見畑違いに思える彼らだが,教育の 現状を深く憂い,討論の場面では鋭い問題提起を投げかけている。どうも,教 育問題に関心をもつ同省官僚は一人や二人ではないようだ。経済界・産業界に, 今の教育に対する危機感や不信感,閉塞感が根強いことが,彼らの目を教育問 題に向けさせているのは間違いない。

社会が複雑化・高度化してくると,ある問題を1省庁だけで仕切ることは不可 能になってくる。開ざされた世界の中で,文部省と各教育機関だけで運命共同 体を構成できた時代は終わっている。国の基本である教育には,今後も多くの 官庁が独自の問題意識からさまざまな関わりをしてくるだろうし,社会のあら ゆる分野からの注文も相次ぐだろう。文部科学省を見ているだけでは,教育行 政は理解できない時代が来ている。

IDE は、昨年11月に「国立大学の独立行政法人化のゆくえ」を特集したが、 編集後記に「独立行政法人化が決まる前に特集すべきであったが...」とあっ たので、どういう会か気になったが、裏表紙に以下の「ご入会のすすめ」がある。
IDE(民主教育協会)は,民主教育の塞本理念に立脚してその確立と普及をは かり,とくに高等教育の充実と発展に資することを目的としています。教育関 係者,社会人をとわず,協会のしごとに賛成のかたは,会員になることができ ます。

会員は,会員1名以上の推薦により,理事の承認をへて入会することになって おります。会費は,年額,通常会員7,000円,維持会員10,000円以上,機関 会員35,000円以上です。...

協会の役員(第24期)

会長:天城勲 副会長:大崎仁

支部長兼理事:丹保憲仁(北海道)阿部博之(東北)   松尾稔(東海)
       長尾真(近畿)  原田康夫(中国・四国)杉岡洋一(九州)

理事:麻生誠   阿部美哉  天野郁夫 井門宮二夫 石川忠雄
   喜多村和之 絹川正吉  黒羽亮一 慶伊冨長  小林陽太郎
   佐藤禎一  佐野文一郎 清水 司 末松安晴  戸田修三
   宮本美沙子 山本嚢治

監事:木田宏 藤田幸男
参与:青木生子  井上 茂  加藤一郎  木下是雄
   宮島龍輿  向坊 隆  村井資長
                        (50音順)
なお、民主教育協会の改名が決まっており、名称を募集中:
p80 本会の名称変更について

民主教育協会(略称「IDE」)は,独立回復後間もない1954年(昭和29年), 「民主教育の基本理念に立脚して,その確立と充実を図る」ことを目的として 創設されました。「民主教育協会」の名称はここに由来します。1972年(昭和 47年)に規約を改正して,協会の目的を「高等教育の充実と発展への貢献」に 重点化し,以降,大学人はもちろん,ジャーナリスト,行政官,産業人など広 く大学問題に関心をもつ人びとの共通のフォーラムとして, 大学をめぐる諸問 題の理解の深化と改革の方向の探求に大きな役割を果たしてきたと自負してお ります。

昨年10月28日開催の役員会において,21世紀を迎えて本会の一層の発展を図る ために,本会の名称を,このような本会の活動をより適切に表現するものに変 更することが提案され,各支部ならびに広く会員各位のご意見を伺ったうえで, 次回役員会〈今秋開催予定)で決定することが了承されました。

つきましては,会員各位におかれましては,望ましいと思われる本会の新名称 等,名称変更についてのご意見を,4月末日までに,事務局までお寄せくださ るようお願いいたします。あわせて本会のあり方についてのご意見等もお聞か せいただければ幸いです。

なお,皆さまに広く親しまれてきたIDEの名称については,新名称の如何にか かわらず,英訳を「Institute for Development of…」などとすることにより, 存続させたいと考えております。

役員会においては,新名称の候補として,大学問題懇話会,高等教育協会,ア イ・ディー・イーなどが話題に上りましたが,現時点ではとくに明確な腹案は ありません。よいご提案をお待ちいたしております。一一事務局