==> 国立大学独立行政法人化の諸問題
2001.4.7
Since 2000.7.10

国大協への署名運動


  • 要望書
  • 集約先
  • 賛同者数...69国立大学818名(2001.2.21 現在)
  • 国立大学OB・アカデミズム界からの支持表明者98名の名簿(2001.4.7 現在)
  • 長尾試案批判
  • 学長への手紙
  • 継続の趣旨(2000.12)
  • 署名運動の経緯
  • 第4次集約結果と今後の予定(2001.2.6)

  • 国立大学協会長 蓮實重彦殿

     国立大学協会会則第28条に基づき、国立大学教職員   名共同で 以下の要望書を提出いたしますので、会員に回付されますとともに、関係 委員会においてご検討くださいますようお願いいたします。

    要 望 書

     国立大学協会は、さる6月14日開催された総会において、文部省が設置を予定している「国立大学の独立行政法人化に関する調査検討会議」に参加することを決定しました。
     各大学内に、独立行政法人化に対する根強い反対意見があるなか、十分な審議を尽くさないまま、文部省、自民党の圧力に屈する形で、独法化を前提とした「調査検討会議」への参加に踏み切ったことは、きわめて遺憾なことと言わねばなりません。
     私たちが何よりも危惧することは、「調査検討会議」に正式に参加すれば、そこにおいて決定されることを拒否することは事実上不可能であり、結局は独立行政法人通則法を骨格とする法人化の受け入れに繋がらざるを得ないであろうということです。
     蓮實国大協会長は14日開かれた総会後の記者会見において、「調査検討会議」への参加が独法化受け入れを意味するものでないことを強調し、さらに「最終的に全く理想的な形態がそこに成立しなければ、その後新たな問題が起こるだろう」とまで述べておられますが、これらは、何の担保・保障もない以上、中味のない空証文に終わる恐れが強いのではないでしょうか。
     そもそも、文部省が独法化に向けて一方的に設置する「調査検討会議」への参加の是非さえ余裕をもって判断できないようで、どうして今後、国大協の主体性を期待できるのでしょうか。
     国大協が、6月14日の会長発表第一項にあるように、「国立大学の設置形態に関して、これまで表明してきた態度を変更する必要があるとは認識していない」というのであれば、「調査検討会議」への正式参加を取りやめる以外にありません。
     いま国大協にとって大切なことは,文部省の中の一組織に性急に加わることではなく,広く国民にこの問題の本質を理解してもらうための組織的努力を開始することではないでしょうか。
     その一つは「独立行政法人」に代わる案を国民の前に提示することであると考えます。ぜひ会長発表第二項にある「設置形態検討特別委員会」において、全大学関係者の英知を集めて、真に大学の独立を確保する国大協独自の案づくりを進めてください。そして本格的な選択肢を広く国民に提示し,その判断を仰ぐべきです。私たちもそのための協力を惜しみません。
     以上、要望いたします。
     上記の要望書に賛同いたします。
      所属大学・学部
      お名前
       要望書を公表する予定ですが、その際お名前を出してよろしいですか
                           (可  不可)
    
    
    (国立大学教職員以外の方の)支持表明
     
       上記の要望書とこの署名運動を支持します。
         肩書き              
         お名前
    
    
    集約先  岡山大学環境理工学部 野田 隆三郎
         TEL・FAX 086-251-8820
              e-mail noda@math.ems.okayama-u.ac.jp
    
    
     

    「国立大学法人の枠組についての試案*」への応急的な批判

                        2001年2月20日
                「国大協への署名」世話人
                   北海道大学  辻下 徹
                   佐賀大学   豊島 耕一
                   岡山大学   野田隆三郎
    
    1. 国大協の「独法化反対」に反する,事実上の独法化容認案である.

    (イ)「独立行政法人の基本的枠組を参考にして」国立大学法人法を作るとあり,これへの批判,「対案」を作ろうという意欲、姿勢が見られない.
    (ロ)しかも「中期的な活動の目標」と「その目標達成のための具体的な計画」として「基本法**」と「通則法」の中期目標と中期計画の概念・制度を容認している.「大学が決定する」とはしているものの,「主務省と協議」を認め「行政指導」の受け入れを表明しているのである.
    (ハ)「大学の評価は、計画期間の終了時に設定した目標に対する計画の達成度を中心に行う」として,いわゆる中期目標と中期計画を前提にした評価を容認しており,これも「基本法」と「通則法」の通りである.しかも多元的評価と言いながら,「第三者機関」であるどころか,正真正銘の政府機関である「大学評価・学位授与機構」による評価を認めている.つまり国家による評価制度を許容している.

    2. 名前が「独立行政法人」でなければよい,あるいは通則法と違う法律であればよい,というものではない.「基本法」と「通則法」の基本的枠組み,つまり内容無限定の国家による指揮・監督・評価が含まれる限り名前を変えた「独立行政法人」である.

    3. 法人化を論じる文脈において,現行国立大学制度のどこがどう悪いのかについての国大協による分析を見たことがない.現状分析を踏まえない方針はおよそ方針の名に値しないと言わねばならない。  

    * 国立大学協会,設置形態特別委員会 委員長 長尾 真氏の2001年2月7日付けの文書
    ** 中央省庁等改革基本法

    国立大学 学長各位

    貴職におかれましては、大学における教育・研究発展のためにご尽力なさっておら れますことに敬意を表します。

    さて、国立大学の法人化問題が重大な局面を迎えるなか、設置形態検討特別委員会 委員長 長尾 真氏による「国立大学法人の枠組についての試案」と題する文書が、 過日、貴職にも届けられたことと拝察申し上げます。  

    「長尾試案」は、同封の別紙において詳しく批判していますように、名称こそ異な れ、実質は「独立行政法人」容認案であり、国大協の従来からの独法化反対の方針に も反するものです。 これで、はたして次世代への責任を果たし、歴史の評価にも堪 えうる案と言えるでしょうか。

    私たちは昨年6月、国大協が文部省の「調査検討会議」への参加を表明して以来、 かかる形での決着を危惧し、国大協が「調査検討会議」から離脱すること、そして真 に大学の独立を確保する国大協独自案を作成の上、国民の判断を仰ぐことを求めて署 名運動を続けて参りましたが、このたび賛同者が69大学818名(他に名誉教授等 46名)に達しましたので、賛同者名簿を添えてお届け致します。

     なにとぞ、要望書(別紙)の趣旨をご理解の上、「長尾試案」にとらわれることな く、大学の本質に立ち戻ってご議論くださいますようお願い申し上げます。  2001年2月20日

                  「国大協への署名」世話人
                   北海道大学  辻下 徹
                   佐賀大学   豊島 耕一
                   岡山大学   野田隆三郎 
    

    継続の趣旨

    「国大協への署名」を引き続きお願いします
                  北海道大学  辻下 徹
                  岡山大学   野田 隆三郎
                  佐賀大学   豊島 耕一
    
     今年の6月に国大協が,「独法化」を前提とした文部省の「調査検討会議」に参加を表明したことに対し,これは事実上の独法化容認であるとして,その撤回を求めて署名運動を行ってきました.そして去る11月15日国大協総会開催日に,681名共同で要望書を国大協会長と出席学長に提出致しました(注).しかし未だ国大協の態度は変わっていません.そこで改めてさらに多くの皆さんに,この署名への賛同をお願いします.

     この会議への参加は,マスコミによって「事実上の独法化受け入れ」と報じられています.国大協は「独法化反対の姿勢は変わらない」と言っているにもかかわらずこの報道に対して何の抗議もしていません.このような姿勢は国民に理解してもらおうという努力を放棄するものです.その後の新聞などの「国立大の独立法人化が事実上決定」というような,すでに動かし難いものであるかのような報道がくり返されることに対しても国大協はこれを放置しています.

     調査検討会議もこれまでの自由討議,いわばガスぬきの前置き部分が終わり,今後は実務的な議論に移って行くものと思われます.国立大学の「独立行政法人化」を前提にしたこの会議に留まり続けることは,否応なしに国大協をこの政策への本格的な協力者に変えていくでしょう.会議の中で本質的な変更をさせうると考えているとすればそれは自己過信ですし,他方今の段階で「条件闘争」しかないと判断するのは逆に運動の自主規制ないし自主撤退に他なりません.

     このままでは憲法や教育基本法ににかかわるこの問題の本質が国民の前の「テーブル」にのせられることなく,制度論の狭い枠内の議論に終わってしまいます.それを避けるには国大協は「調査検討会議」から離脱することで国民に対して「独法化」拒否の鮮明なメッセージを送らなければなりません.そして会則4条の「国立大学相互の緊密な連絡と協力をはかることにより、その振興に寄与する」という会の目的に沿って,国立大学の振興策を練り上げる努力をこそするべきです.

     さらに多くの方の賛同で国大協に再考をせまり,「調査検討会議」参加を軸とした国大協の変節にブレーキをかけ,独法化阻止の展望を切り開きましょう.

    (注)11月15日の国大協総会開催日の際の要請行動についてはすでにhe-forum 1420において報告いたしました.要望書、賛同者名簿については下記のURLをごらんください.
    http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/kdk-shomei/records.html