生化学U(再試験対策)

T.遺伝子工学語句説明

プロモーター

DNA上にあって、転写のさいにRNAポリメラーゼが認識する特定の配列領域

 プラスミド

染色体とは独立して存在する小型環状のDNA

 PCR

酵素を使用して2本鎖DNAを連続的に合成し、特定のDNA断片を増幅する反応

 組換DNA

DNA鎖を酵素的または化学的方法により、DNA分子に挿入して作成した新しいDNA分子

逆転写

酵素により触媒されるmRNA依存性のDNA合成酵素

シグナルペプチド

メチオニンをN末端として形成され、2030個の疎水性アミノ酸残基で構成されていて膜透過に有利となっているペプチド

 イントロン

遺伝子内にあり、転写されるが翻訳の前に除去される配列

 エクソン

遺伝子上のmRNAとして発現される配列

 スプライシング

RNAからイントロンを除去し、エクソンをつなぎ合わすこと

 制限酵素

2本鎖DNAの特定塩基配列を認識して、特異的に切断するエンドヌクレアーゼ

 逆転写酵素

 異化代謝産物抑制

  大腸菌をグルコースと高濃度のラクトース存在下に培養すると、グルコースを消費するまではラクトース分解酵素であるβ‐ガラクトシダーゼを産生せず、グルコースの消費後に産生を開始する。

 縮重

一つのアミノ酸に対し1種類の三連子(コドン)があるのではなく何種類かの記号が存在すること

 

U.アミノ酸代謝(語句)

 セロトニン

トリプトファンの水酸化、ついで脱炭酸反応によって生成し、強い血管収縮作用を示す物質

 フェニルケトン尿症

遺伝的にフェニルアラニン水酸化酵素活性に障害があって、フェニルアラニンがチロシンに転換されないことに起因する精神障害を伴った疾患

 メラニン尿素

チロシンの水酸化体であるDOPAを経て生合成される皮膚色素

 クレアチニン

活性化メチオニン(S-アデノシルメチオニン)からグリコシアミンへのメチル基転移反応により生じる筋肉収縮エネルギー源である物質

 Fe2+アスコルビン酸

コラーゲン中のヒドロキシプロリンはプロリン水酸化酵素の作用により翻訳後に生じるが、この酵素に対して共同因子(活性化因子)として作用を示す物質

 α‐ケトグルタール酸

  尿素回路で処理される化合物の名称

尿酸

  ヒトをはじめとする霊長類では尿素が最終産物であるが、鳥や爬虫類では尿酸が排泄される

 システインメチオニン

  含硫アミノ酸(2種)

 ロイシン

  ケト原性アミノ酸

 ヒスタミンセロトニン

  生理活性アミン

 

V.アミノ酸代謝(〇×)

 (×)セロトニンはフェニルアラニンの水酸化、ついで脱炭酸反応によって生成し強い血管収縮作用を示す。

    →トリプトファン

 (×イソロイシンは唯一のケト原性アミノ酸である。

    →ロイシン

×)フェニルアラニンおよびチロシンは芳香族アミノ酸で、紫外部260nm付近に吸収スペクトルの極大値を示す。

   280nm

×)フェニルケトン尿症は遺伝的にフェニルアラニン脱炭酸酵素活性に障害がありチロシンに転換されないことに起因する精神障害を伴った疾患である。

   →水酸化酵素

)チロシンによりDOPAを経てノルエピネフリンさらにエピネフリンが生成する。

 

W.DNA関係

 @DNAG(グアニン)とC(シトシン)含量の高いほど、Tm値(熱安定性)が高い。この理由を説明しなさい。

  ・水素結合の数が多くなるために、結合を切断するために多くのエネルギーを要するから

 Aラギング鎖におけるDNAの複製機構を解説しなさい。

  ・プライマーRNAからDNAがつくられるが、DNAの合成は5→3にしか進まないため、岡崎断片というものをつくり、つなぎ合わせてDNAをつくる。

 B真核細胞DNAに存在するテロメアとはなにか。簡単に説明しなさい。

  ・線状DNAの末端の繰り返し塩基配列

 CDNAの複製は5-フルオロdUMPにより阻害されるが、その作用機構を説明しなさい。

  ・チミジル酸シンターゼによるdUMPのチミジンの生合成を5-フルオロdUMPが競合的に阻害する。

 D核塩基合成におけるサルベージ経路とはなにか、その意義を含めて説明しなさい。

  ・細胞内消化で生じた塩基の再利用

 

 a.DNA構成塩基のデオキシリボヌクレオチドは対応するリボヌクレオチドより還元されてそれぞれ生成される。ただ、dTMPデオキシチミジンモノリン酸)はチミジル酸合成酵素の作用によりdUMPデオキシウリジンモノリン酸)がN5,-N10-メチレンテトラヒドロ葉酸の存在下にメチル化されて生じる。この反応によりN5,-N10-メチレンテトラヒドロ葉酸はジヒドロ葉酸(FH2)にかわる。このFH2ジヒドロ葉酸レダクターゼにより還元され、さらに変化をうけて再びN5,-N10-メチレンテトラヒドロ葉酸となり再利用される。チミジル酸合成酵素の阻害薬には抗腫瘍薬である5FdUMPが、ジヒドロ葉酸レダクターゼの阻害薬には抗白血病薬であるアミノプテリンが知られている。

 b.細胞分裂に際して1対のDNAから全く相同なDNAがつくられる過程を複製という。この場合、ラギング鎖上では、まず短い複製プライマーができ、これを起点としてDNAポリメラーゼVが短いDNAヌクレオチド鎖を延長する。この短鎖DNA岡崎断片という。岡崎断片はさらにDNAポリメラーゼTDNAリガーゼの作用により結合され長鎖DNAが複製される。ラギング鎖上でこのような複雑なDNA合成が行われる理由は→3にしかDNA鎖を合成できないからである。

 c.DNAが紫外部(260nm付近)に吸収を示すのはDNA中の(塩基の)共役二重結合に基づくが、時として紫外線によりDNA鎖中にチミンニ量体が形成され、これがDNA複製の妨げとなって、皮膚癌の原因にもなる。

 d.DNAの複製は短時間で終了させるため、DNA鎖上の複数箇所で同時に開始される。この開始点を複製の泡という。また、複製は半保存的に2本鎖で同時に進行する。

 

 核酸生合成に対して阻害活性を示す化合物

  アクチノマイシンD

   細菌および真核細胞の鋳型DNAの塩基対間に非共有的に結合しDNAの転写を阻害する。

  リファンピシン

   細菌RNAポリメラーゼのβサブユニットのみに結合し転写の開始を阻害する。

  α‐アマニチン

   主に真核細胞のRNAポリメラーゼUと結合してRNA合成を阻害する。細菌には作用しない。

  ピューロマイシン

   細菌および真核細胞のアミノアシルtRNAと類似構造を有し、翻訳を阻害する。

  5‐フルオロデオキシウリジン

   チミジル酸シンターゼの阻害によるDNA合成の抑制作用に基づいた抗腫瘍薬。

 

X.酵素誘導

 大腸菌をグルコースと高濃度のラクトース存在下に培養すると、グルコースを消費するまではラクトース分解酵素であるβ‐ガラクトシダーゼを産生せず、グルコースの消費後に産生を開始する。この抑制現象を異化代謝産物抑制という。これは、大腸菌はグルコースが存在すると細胞内cAMP濃度が著しく低下するためβ‐ガラクトシダーゼの誘導が起こらない。しかし培養液にcAMPを添加すると異化代謝産物抑制の現象が解除される。これはcAMPCAPとの複合体が形成され、これがDNA上のCAPの結合部位に結合することでRNAポリメラーゼがプロモーター結合部位に結合しやすくなりβ‐ガラクトシダーゼの転写活性を促進することによる。

 また、大腸菌におけるβ‐ガラクトシダーゼの酵素誘導は調節遺伝子をもとに産生されたレプッレサーによるオペレーター遺伝子に対する機能抑制をガラクトースが解除するといういわゆるオペロン説によっても調節をうけるが、この調節は異化代謝産物抑制の支配下にある。

 

Y.タンパク質合成関係

 @RNAポリメラーゼとDNAポリメラーゼの作用の大きな違い?

  RNAポリメラーゼはプライマーを必要としない。

 Aヒドロキシプロリンやヒドロキシリジンには対応するtRNAが存在しない理由

  アミノ酸により合成されるため

 Bタンパク質合成では開始コドンは常にメチオニンであるが、実在するタンパク質のN末端アミノ酸は種々である理由

  プロセッシングが起きるため