今、ここにあるラヴ。   〜学生短歌の現在〜 
恋愛至上主義者に未来はあるのか?と思う今日この頃  天道なお(早稲田短歌会)

20代の「いま」を切り取る26首

   「要するに若いということは可能性があってまだ不定形でいられる。っていうことに対する執着がすごくあったから。」
                                         By.穂村弘 at早稲田短歌32号 ロングインタビュー
     はじまりの恋

制服の恋は自転車坂道をふたり声あげ走る夕焼け   (天野慶『あこがれ/Longing』)

     告白


意味もなくあたしがあたしであるようにきみがすきだといえる気がする   (河野麻沙希 BISON 8月号)

告白にOKならばすぐ僕と8番線まで走ってください   (秋元裕一 紹介作品より)

さっきから会話の中につやつやの椎の実混ぜてることに気付けよ   (木村瑞穂 早稲田短歌32号)

     会いたい

一番に会いたい 髪を切った日の冷たい首 一番に会いたい   (江國凛 かばん4月号)

     見つめる

連鎖する動き それのみ意をそそぐ ただ獰猛な君のバタフライ   (齋藤岳深 紹介作品より)

沈黙は台風の目のごとく冴ゆわれら怒りて見つめ合ふとき   (小林友紀子 短歌研究4月号 01)

氷魚のむかほそきのみど氷魚のゆくくらきからだをねぶるscene1   (橋元優歩 紹介作品より)

艶々と果物の種テーブルにおまえが吐き出したこの夏の   (澤村斉美 紹介作品より)

暗がりを段を確かめ降りる君の感覚器なる紅のさんだる   (松澤俊二 punch-man vol.2)

     身体

あ、朝のひかりさしてきて水たまりのようだね横たわる僕らは   (西之原一貴 京大短歌vol.11)

右耳が左耳より大きいと気付いたと時はもう好きでした   (横内友博 早稲田短歌32号)

むき出しの蜜柑はこわい 素っ裸になったわたしも愛してくれる?   (三原由起子 早稲田短歌32号)

わたくしの足の小指ゆ薬指ぽつてり舐めて男が笑まふ   (松島綾子 京大短歌vol.12)

太陽にかつて触れたる手とみればコロナビールをうまさうに飲む   (清水寿子 早稲田短歌32号)

頭ごと抱かれながらまっすぐに金色をしたノブを見ている   (永井祐 早稲田短歌32号)

肌はまだあつくある夜きみをわれもアイスクリームが食べたき二十歳   (二又千文 早稲田短歌32号)

手枕の熱を感じる首もとでヒトのオトコの優しさごっこ   (福永昭子 紹介作品より)

「ねえ、今日も?」拒まれた僕 うつむいて体で言葉を減らそうとした   (永井崇教 紹介作品より)

     関係性

工場のありかはきっとわからない二人で座るテトラポットの   (五島諭 紹介作品より)

台風は私にここにいてもいいって言ってくれてるみたいでたすかる   (脇川飛鳥 『うたう』短歌研究社)

動物も夢を見るんだということを教えてくれた人の夢を見た   (加藤千恵 ハッピーマウンテン0号)

感覚は枯れてゆくから 明日君にシマトネリコの木をおしえよう   (永田紅 『日輪』)

空ばかり見ている君を見てばかりいる私を見ていた恋人   (井上真樹 紹介作品より)

ゆでたまご交互にかじる塩かけて我ら双子と知ったからには   (熊谷直子GRAMINE ERE GAMINS#02
                        注:早稲田大学第二文学部表現芸術系発行機関紙)

 omake * ありありと愛のコリーダ見しゆうべ君萎えちゃってもう、ぱっさんと   (天道なおでした。)

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本人より注:
 上記の文書は当日会場で配布されたものですが、上にあげた作品群は天道による選という意図ではなく、
シンポジウムで話す際、本人の短歌に対するスタンスを示したものである。

当日のシンポジウムに関して
 「文語短歌ってなんでわざわざ歌うのかわからないんですが。」と参加者の松澤くんに迫ったり、
 『ネオ文語』などのなおてん造語でゲストを動揺させ、
 「考える時間ください」と司会の西村さんを困らせるなど暴言の嵐を吹かし、
 人前で、説得性を持たせて喋るという基本的な作法が身についていないことを実感し、反省いたしました。
 会場のみなさん天道のたわごとをご拝聴頂き感謝いたします。
 
 あああ、要修行です。人間として。 



シンポジウム当日配布された資料です。なおこの文書の著作権は天道なおに帰属し、
学生短歌大会HPの公開資料として編集し掲載いたしました。

2001 09 15 gakusei-tankna-taikai2001(C)