日本語教育を学ぶ


  日本語教師を志したとき一番最初に向き合う問題は、どこで日本語教育を学ぶか、
ということです。が、日本語教師を今から目指そうという方が養成機関の優劣を判断するのは至難の技です。少しでも参考になればと思い、このページを設置します。
いろいろな方から意見をいただき、参考にしていますが、多くは私の意見です。
客観性に問題がある場合もございますので、その点に留意してご覧下さい。
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大学での専攻、副専攻

  中学、高校生の段階で日本語教師を志した方には、まず大学をお勧めします。
専攻科目として学科を設置しているところはカリキュラムもしっかりしているようで、通った方から不満を聞くことも少ないです。また、卒業しても日本語教育にかかわる人が比較的多いので、人間関係でも得るものが多いでしょう。大学で専攻しました、というのは職を探す上でも強いです。
日本及び海外の大学で日本語を教える場合は、修士以上の資格が必要な場合が多いのですが、ここを経ずに大学院に入るのは難しいのではないでしょうか。
  大学を選ぶデメリットとしては、入学試験があること、卒業までに四年間という時間がかかることでしょう。副専攻の場合は、「課目の寄せ集めで、体系だってまなべない」という声もあるようです。
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大学を選ぶにあたって

 大学で日本語教育を学んだことがないので、あまり助けにはなれません。
 カリキュラムにも違いがあるのでしょうが、複数の大学で学ぶ人も少なく、比較が
困難です。
 外から見て分かるのは、留学生などをはじめとする、異文化と接する機会でしょうか。
留学生の数や、接する機会、個人的に教える機会が用意されているのか、日本語教育の実習に参加してもらえるのかなど、また、近所のボランティア教室と結びつきが強い
ところ、海外へ行って日本語を教えるプログラムが用意されているところもあるようです。
 就職に関しては、教授や先輩の紹介がほとんどのようです。そういう意味では、歴史の長いところ、「えらい先生」のいるところのほうが有利なのかもしれません。また、
「いい大学」の方が就職に有利なのは日本語教育界でもおそらく変わらないの
ではないでしょうか
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大学で学ばれた方の声

大学に通われての感想を頂きました。大学選びの参考になさってください。

*専攻
・受けた授業の中で無駄だと思ったものはひとつもありません。
・日本語分野の授業と、日本文化の分野の授業があります。一応どちらもとらなくては
 いけないことにはなっていますが、実際にはそれぞれの好みによって、偏ってきます。
・1年間の実習が日本人相手でしたが、ありました。担当時間は40時間ぐらいだったと
 おもいます。
・(実習は)4年の前期に週に1時間、実習がありました。
・(実習は)半年間、週1コマの授業がありました。
・言語学が専門的に学べるのに比べて、専門過程での日本語教育の授業が少ないです。 様々な分野の勉強ができるので、日本語学を総合的に学べました
・留学生に1人または2人のチューターがつくことが義務付けられています。 私生活を
 サポートしたり、レポートを助けたり、日本語を教えたりするのがチューターの仕事です。 チューターはおもに学科生の中でまかなわれているので、多くの外国人と知り合う
 チャンスです。
・大学の内外でいろいろと日本語教師のボランティアを募集しています。
 毎年伝統的に○○大生が担当し、後輩に引き継いでいくものもあります。
・春休みの2、3月に、アメリカの小学校でホームステイをしながらTAをするという授業も
 あります。また、イギリス、台湾、タイ(提携校)に留学するとそこでTAをさせてもらえる
 ことがあるようです。
・就職の情報は、教授や卒業生からの紹介がほとんどです。
・(就職に関しては)先輩が海外で1,2年日本語教師をやってきて日本に戻り、その後釜 を紹介してくれるのも多々あります。中にはかつて××大で教鞭をとっていた先生が
 国に帰ってひらいている日本語学校もあるようです。
・( 検定に合格したのは)あまり覚えていませんが、80%は合格していたと思います。
・早急に日本語教員になりたい方や社会人の方にはお勧めできません。でも、
 そうでない方は絶対に大学に入ったほうがいいと思います。これからの時代、修士号が あっても職がないと言われていますし、日本語教育能力試験用の勉強だけでは
 (半年や一年間ぐらいの勉強では)日本語教師として重要な、日本語を様々な角度から 学び、考えることが難しいからです。

*副専攻
・教授陣も経験豊かですばらしい方々ばかりです。(多分)
・日本語教員養成課程の科目に指定されている授業でも、それを考えて講義をしている
 教授は少ないと思います。(もちろん「日本語教授法」などの教授は別ですが)
・実習は4年次に1年間週1コマあるようです。
・(留学生は)私の学年にはいませんが、他の学年には1〜3人ほどいるようです。
 普通に過ごしていたらそのような(留学生と交流する)機会にはほとんど出会いません
・留学生は、通年を通して350人位 留学生と一緒に受講できる特別クラスや、留学生の
 日本語チューターになれる制度、留学生の寮に一緒に住める制度など色々あります。
・留学生が多くいるので、普段の授業でも外国人に多く接する事ができるのは、非常に
 実践的で良いと思います。
・日本語教員養成課程を履修して成績が優秀だった人は、留学提携校である大学に
 日本語のアシスタントとして約2年間派遣されます。
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民間の養成講座

 大学入試を乗り越えてから日本語教師を志した方の多くは、この道を選ばれる事と
思います。雑誌などで目に付くのは、多くが420時間学ぶ、ウン十万円必要な講座ですが、420時間を終えた人のための実践講座、大学などの公開講座、420時間に満たない
安めの講座やボランティアの(ただの)養成講座まで、ピンからキリまであります。
 420時間の講座を選ぶ場合のメリットとしては、都合のよい時間帯を使って勉強できること、入試がなく入り易いこと、同じ志を持った友人が出来ること、通信に比して続けやすく、質問のしやすいこと等があげられるでしょう。考えられるデメリットとしては、まずお金と
コストパフォーマンス。お金にならない商売なだけにウン十万円の学費を迷わず出すひとは少ないのでは?
 しかも、入った後で 「値段の割には…。」 と不満を漏らす人が(少なくとも私の周り
では)多い、という実態。最近はだんだん改善されているようですが、よく吟味して受講し、受講中に不満を感じた場合は改善してもらえるよう交渉しましょう。
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民間の養成講座を選ぶにあたって

 参考までに、養成講座を選ぶ上でのポイントを、私が重要だと思う順に上げていくと、
1.先生
2.実習(カリキュラム)
3.ネットワーク
4.値段
5.距離

  順番はあなたのやる気と性格によって変わるでしょうが、だいたいこんなものだと
思います。
  まず、先生。私はとても重要だと思うんですが、話を聞いてみると、内情はどこも一緒かも。いい先生もいれば悪い先生もいるようです。どんな先生がいい先生かも、
ひとによって異なるでしょうし。ですから、どの先生の授業を受けるか、選べるシステムのある所に通いましょう。その際、自分のスケジュール(学校、会社)と照らし合わせて、
本当に選ぶことができるか確認しましょう。
  カリキュラムの中では、実習が重要です。学校が実習に割く時間だけでなく、実際に
自分が教えられる時間がどれだけあるか、必ずチェックしましょう。実際にやってはじめてわかること、多いです。ただ、ボランティアをすることで教壇経験を補うことも出来ます。カリキュラムに関してもう一点、構成についてです。順序良く、体系だって学ばないと、無駄に時間を過ごすことになります。「いつでも入校できます」というのは、コースの途中から
入ることができる、ということです。
  ネットワーク、ずばり仕事を探すのに影響してきます。が、就職の面倒を見てくれる
ところは、どうやらあまりないようですね。せいぜい学校の掲示板に張り出されるくらい、
のようです。コネは在学中に、自分で作り上げてください。ただ、民間の養成講座の場合、大学と違い日本語教師への定着率はかなり低いと思います。
  第四点、値段。安いほうがいいです。間違える人はいないでしょうが。
  五番目、距離。自宅からの距離です。あなどれません。
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民間の養成講座で学ばれた方の声


*先生
・やっぱり先生とどれだけ密になれるか、にかかっている気がする。学校選びは教師選び なんじゃないかな?と思っているくらいです。
・先生に恵まれており、授業はとてもわかりやすかったと思います。
・とにかく先生のレベルが高くて、やる気になりました。  
・でもほとんどの先生は熱心でわたしは満足しています。
・○○校の先生は、はっきり言ってわかりにくく、同期生などの間でも評判が悪かった
ので、最後の方はほとんど○○には行きませんでした。でも、私はお気に入りの先生を
見つけて、その先生を追っかけたので、授業として満足しています。しかし、私は大学生で時間もあったのでいろいろなところに行けましたが、働きながらで○○校しか行けなかった人もいるのではないかと思います。
・すばらしい先生もいた反面、いい加減な人もいたし。
・受講中はなんとも思わなかったが、今ノートを見返してみるととてもわかりやすく、
 役に立っている。
・検定合格率は高い方だと思います。検定科というコースがありますが、ここの合格率は, 50%だとか..  

*カリキュラム
・入学時期を4月にしないと、カリキュラムはめちゃくちゃになります。でも四月に
 受け始めると、検定に間に合わない…。  
・科目間の連携は・・・・あまり。
・週2回通っていましたが、働きながらでしたので、ちょっときつかったです。宿題も
 多かったので。
・実習以外は振替可で、入校もいつでも出来ます。
・振り替えができるので(実習はだめ)非常に効率よかったです。平日仕事が終わった後
 でも参加できたりするので。
・あまりに大量の生徒で、(中略)失敗した。 講座のたびに何千円もするテキストを
 買わされて、1回こっきりで使わないものばかり。
・教材費がもったいない。買ったのなら使いたいが、使わないほうが多い。

*実習
・実習時間が少ないので,みなさんvolunteerをしておられます  
・計2回の教壇実習でしたので、30分ずつ1時間。(対象は)アメリカ人と中国人。
90分授業が4回。3-4人のチームで一人30分の授業を2回担当しました。
 (対象は)中国人・ベトナム人・インドネシア人でした。
・実習の場は ボランティアや、アルバイトで 確保しました。  
・実習は計で三十時間。一人あたり、一時間前後です。併設の日本語学校があるのに、
 ほとんどが同級生相手の模擬授業。

*ネットワーク
・卒業生間というか、教育実習で一緒だった友達とは連絡をとっていますが、学校を
 通じてというのはありません。
・実習で一緒だった人で仲良くなった人とは連絡とってます。
・(就職の斡旋は)残念ながらゼロに等しい..ただ、先輩方のお話を聞くことは出来ます。
・(就職に関して)卒業したからという特別な斡旋はありませんでした。母校で採用される
 場合には、規定の採用試験を受ける必要があります。
・(就職に関して)掲示板での案内があります。卒業生には書類が送られてくることも。
 英国、豪州に自校があります。卒業生は親しかった人同士が自主的に。
・カナダと韓国に提携校があるらしいです。
・提携している日本語学校:あり(中国・シンガポール1校ずつ)
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通信教育

  内容的にはほかの講座とそんなに差はありません。授業ではないので質問しにくい
こと、続けにくいことが違いでしょうか。
  検定合格を目指す場合なら、日本語教育を学ぶはっきりとした理由がある方、ちょっと堅い言葉の多い文章を抵抗なく読める方には問題ないのではないのでしょうか。ただ、
実際にどのような授業をしたらいいのか、イメージが沸きにくいと思います。これも、
近くにボランティア等があれば、補える範囲ではあると思いますが。
  値段は比較的安い(はず)です。就職サポートに関しては調査中です。
  全国(全世界?)どこでも受けられるのは大きな利点です。
  受講した方の体験談をお待ちしています。
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独学

  あまりお勧めできません。検定合格を目指すなら、やる気と能力です。
  ただ、実際教える場所までたどり着くには、取っ掛かりがなさそうな気がします。行動力も必要でしょうか。
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大学院

  高度で専門的な知識を得る場所です。国内外の高等教育機関で日本語を教える
際には修士号が必要な場合が多いです。
  本当にここで学ぶ必要があるのか、ここで何を研究し何を得るのか、しっかり考えてから道を選んだほうがよさそうです。
  が、実際のところはよくわかりません。ご存知でしたら教えてください。
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