"Build To Last - Successful Habits of Visionary Companies"

James C. Collins & Jerry I. Porras, Harper Business, 1994

参照:「ビジョナリーカンパニー−時代を超える生存の法則」 山岡洋一訳 日経BP出版センター・・・おいおい、アンチョコ使うのかよ・・・

 

ここでは、Entrepreneurship and Corporate Ventureという授業で使われてた教科書「Build To Last」の要旨をまとめて置こうと思います。この本には、MBAの常識に対するアンチテーゼとも取れるような刺激的な考え方も多く出てくるので、MBA的なビジネスの見方とこの本によるビジネスの見方の両方を身につける事で、バランスの取れたビジネスに対する見方を養えるんじゃないかと思います。でははじまりはじまり・・・


 Visionary Companyとは、ビジョンを持っている企業、未来志向の企業、先見的な企業、業界で卓越した企業、同業他社のあいだで広く尊敬を集め、大きなインパクトを世界に与えつづけている企業、我々の生活になくてはならない企業のことだ。重要な点は、ビジョナリーカンパニーが個人ではなく「組織である」という事だ。個人としてのリーダーは、いかに優れたビジョンや能力を持っていてカリスマ性があっても、いつかはこの世を去る。しかしビジョナリーカンパニーは違う。商品のライフサイクルなんか飛び越えちゃって、優れた指導者が活躍できる期間も飛び越えちゃって、ずーっと繁栄しつづけるのだぁ!!!
 Visionary Companyには、ずば抜けた回復力がある。いくら逆境にぶち当たっても、立ち直る能力を備えているんだ。

さて、誰もが知りたがってる『Visionary CompanyがVisionary Comapnyである理由』を、どどーんとここに、お重も泣く、もとい、惜しげもなく(お重も泣くってすごい変換だったな・・・)ここに12個列挙しちゃおう。
 

  1. 時を告げる人よりも、時計を作る人の方が重要。
    もし時を正確に言える能力をもっていたとすれば確かにすごいが、時計を作る事ができれば、誰でもがその能力を発揮できる。会社もそれと同じ。会社は製品の手段ではなく、製品が会社の手段なのであって、製品なんぞいくら諦めても会社は絶対諦めない。
     
  2. Visionを持った偉大な、自分自身ががかっちょいいカリスマ的リーダーより、かっちょいい企業を作るリーダーが必要!
    全知全能なリーダーに引き寄せられるんじゃなくて、かっちょいい企業に有能な社員は引き寄せられてくる。成長する企業に貢献する人であるべき。有能な人を育てたり引き寄せるかっちょいい組織を作れ!
     
  3. 利益の追求はその最大目的なんかではない。
    利益の追求なんぞ基本理念追求の手段でしかないのだ! ビジョナリーカンパニーの要素の一つとして、時を越える基本的理念、基本的価値観そして目的意識がある。つまり「我々は何者で、何のために存在し、何をしでかすのか?」という理念がちゃんとあるのだ。
     
  4. ビジョナリーカンパニーには共通した正しい基本的価値なんぞない
    それはそれぞれの企業によって違うから、自分の会社に並行輸入しようたってそうはいかんぜお嬢さん。問題は、その基本的価値観が会社内にどこまで深く浸透し貫き通されているか、だぜお嬢さん。内容に共通なものがあるんじゃないんだぜ、お嬢さん!
     
  5. 変わらない点は、変わりつづける事だけだ!
    基本理念を体現し実現する手段は変わってもよいし、変わりつづけるべきだ。基本理念以外のすべての分野で変化と前進を強く促せ!基本理念が維持されるためには変わらざるを得ない、というがむしろ現実なんだぁ!
     
  6. 社運を賭けた大胆な目標を持てえ!
    BHAG(Big Hairy Audacious Goal)を持つ。明確で、説得力があり、心沸き立たち、血沸き、肉躍らせ、集団を結集する、そんな恐ろしい目標だぁ!この目標はしかし、無謀なんかじゃないんだ。ロッククライミングをしてる人を下から眺めると単なるあほにしか見えないが、本人は周到な用意をしており、無事生還する。下から口を開けて眺めている奴の方がよっぽどあほずらしてる。そして、企業にはBHAGを持つだけじゃなく、継続して作りつづける能力も必要。目標とする山に登ったら、燃え尽き症候群で腑抜けになっちゃった、なんてかっちょ悪い事にならないように。
     
  7. Visionary Companyは誰にとっても働きやすい良い職場である、というわけではなさそうだ・・・
    Visionary Companyは自分たちの性格、存在意義、達成すべき事を明確にしてるから、自社の基準に合わないあるいはあわせようとしないふとどきな社員が働ける余地なんぞなーい!それはあたかもカルト集団のようなもの・・・理念への熱狂、教化への飽くなき努力、同質性への追求、エリート主義、そして洗脳・・・おいおい、カルトそのものやないか・・・
     
  8. V.C.はいっつも綿密で複雑な戦略を立て、最善の動きをたえずとってる天才的な企業、なわけじゃない・・・
    大量のものを試し、たくさん失敗し、うまくいったものを残す。これがこつ。おおぉ!コリャおれ達にでもできそうやん!しかし失敗を恐れず、失敗から学び、失敗を許容し、失敗させるだけの権限を社員に与える事のいかに難しい事よ!
    VCの成功談は、後世から見りゃ綿密な計画が見事に成功したように見えちゃうんだけれども、そんなことはまれなんだ。むしろ進化論の進化のように多くの物を自然淘汰の波に洗わせる。枝分かれと剪定のように、芽を大いに出させ、芽の状態で摘まず、枝にまで育ててみる。十分育ったら、いいものを残して剪定。理想的な木を形作っていくのだぁ!
     
  9. 社外CEOなんか、いらないもーん!
    基本理念をかたーく信じた経営陣が継続して会社をリードしていく事がヒジョーに大事なんやね、これが。逆に社外CEOが必要になっちゃってる時点で、社員教育が甘く、強い文化を形成できてないって事で、Visionary Companyには程遠いともいえる。
     
  10. 競争に勝つ事は第1目標じゃないんだ。
    それではトップになってふんぞり返って、高笑いをして、のけぞりすぎて後ろに倒れちゃう、なんてことがおこりかねないもんね。または燃え尽き症候群の恐れもある。自分自身に打ち勝つ、つまり自己満足を戒め、絶えず向上する事が大事なのだぁ!
     
  11. 二つの相反する事を同時に手に入れようとするのだ!
    「 」
    「 」
    なんていう欲深さとは次元が違うだろうが、とにかく相反する事を同時に達成しようとする欲深さが必要なんだ!ちょっとここに列挙してみよっか?

    利益を超えた目的

    −現実的な利益の追求

    社運を賭けた大胆な目標

    −進化による進歩

    環境に適応する組織

    −基本理念に忠実な組織

    臨機応変の模索と実験

    −明確なビジョンと方向性

    ゆるぎない基本理念

    −力強い変化・前進

    基本理念に忠実なリーダー

    −変化を起こすリーダー

    理念の管理

    −自主性の発揮

    長期的視野に立った投資

    −短気的成果の要求

    基本理念を核とする保守主義

    −リスクの大きい試みへの大胆な挑戦

    カルトに近い同質的文化

    −変化し前進し、適応する能力

    哲学的で先見的で未来志向

    −日常業務での基本の徹底

     
  12. 一貫性の追求
    基本理念と変化の追求を最大限に実行できるような組織作りをめざせ!組織と理念に一貫性・整合性がなくちゃだめだぞ!目標、戦略、方針、過程、企業文化、経営陣の行動、オフィスレイアウト、給与体系、会計システム、人事システム、職務計画などあらゆる物が基本理念と文化に整合性を持つようにしなくっちゃあ!!

 


ってな感じで、要点のまとめを終わらせていただきたいと思います。ご静聴、ありがとうございました。興味があれば、読んでみてください。