2003年度大学院ゼミ

前期

概要

  • テーマ:
    「グローバル化と貧困−国際資本移動と国際金融規制の側面から−」
    「The Procyclicality of the New Basel Capital Accord」
  • 日時:毎週火曜13:00〜14:30

テーマ

  • グローバル化の進展が、経済格差を拡大するのか、あるいは是正するのか、という問題意識が、世界的な広がりを見せている。例えば、昨年度の『通商白書2002』においても、グローバル化による世界各国の経済格差の拡大と収束というテーマを、「収束クラブ」への加入と退出という概念で分析していた。National Bureau of Economic Research(NBER)も、2001年5月に Globalization in Historical Perspectiveというコンファレンスを開催し、その中で、“Globalization and Convergence”や、“Does Globalization Make the World More Unequal?” といった報告に注目が集まった(全く同じタイトルで、IMFも2002年8月にセミナーを開催している)。また、Foreign Affairs誌上でも、2002年1月/2月号等で、グローバル化と貧富の格差を巡って論争が展開された。日本国際経済学会でも、2002年の第61回全国大会の共通論題において、同様のテーマでの報告*が行われ、出席者から大きな関心が寄せられた。

    *澤田康幸「グローバリゼーションと貧困−ミクロ計量経済学アプローチ−」


  • 本年度の大学院演習のもう一つのテーマは、The Procyclicality of the New Basel Capital Accordである。これは、2006年に実施予定の新BIS規制=通称BaselU(ミクロ的規制)が、マクロの景気循環に対して、中立的ないしはanti-cyclicalか、pro-cyclicalかという問題で、BISなどでは大きく取り上げられているものである。このテーマは、対象がBIS規制だけにとどまらない。かつてのオーソドックスなケインズ政策では、景気循環に対して必ずanti-cyclical(反循環的)なスタンスをとってきた。それがいつ頃からか、マクロ経済政策も含めて、pro-cyclical(順循環的)なものになってきた。昨年の「スティグリッツvs. IMF論争」も、景気が悪化しているのにコンディショナリティーを課すというpro-cyclicalな政策に対する是非を問うものと位置づけてもよいかもしれない。日本の失われた10年も、この文脈でとらえることが可能で、言うまでもなく小泉政権の構造改革というスローガンも、pro-cyclicalな政策に属す。いわゆるグローバル・デフレも、中国を含めた新興諸国の市場参入も大きな原因だろうが、先進国で主流となったミクロのサプライ・サイド重視のpro-cyclical policiesも一因ではないかと考えられる。BIS規制とかIMFコンディショナリティーというミクロ的には正しいかもしれない政策を、マクロ的には正しいはずのanti-cyclicalな政策とどのように調和させるかが、さしあたり私が関心を持っているテーマの一つである。 ではないかと考えられる。BIS規制とかIMFコンディショナリティーというミクロ的には正しいかもしれない政策を、マクロ的には正しいはずのanti-cyclicalな政策とどのように調和させるかが、さしあたり私が関心を持っているテーマの一つである。

テキスト

[A] グローバル化と貧困 [B] 国際資本移動と国際資金フロー [C] 国際金融規制とバーゼルII

参考

1.Conference 2. 国際資本移動に関する最近の重要著作
  • Griffith-Jones,S., Montes, M.F. and Nasttion,A,eds.(2001), Short-Term Capital Flows, Oxford University Press.
  • Eichengreen, B.(2003), Capital Flows and Crises, The MIT Press.
  • Eatwell, J. and Taylor L., eds. (2002), International Capital Markets, Oxford University Press.
  • Singer,H., Hatti,N. and Tandon, R. eds.(2000), International Capital Movements, 2 vols., B.R. Publishing Corporation.
  • Feldstein,M.,ed.(1999), International Capital Flows, The University of Chicago Press.
3. 国際資金フローおよび国際資本移動に関するデータ 4. BaselU(新BIS規制)に関する資料・文献

後期

概要

  • テーマ:「Financial Globalization in Historical Perspective : Capital Account Liberalization vs. Capital Controls」
  • 日時:毎週火曜13:00〜14:30

テキスト


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