東京都大学管理本部長 殿



東京都立大学人文学部文学科 国文学専攻 
中国文学専攻
英文学専攻 
独文学専攻 
仏文学専攻 
            
2003年10月7日

  私たち東京都立大学人文学部文学科5専攻は、9月25日付、10月1日付の二度にわたり東京都大学管理本部長宛に質問状を送付しております。これに対していまだいかなるご返答もいただくことができておりません。
 すでに人文学部では、学部一年生に向けた学科・専攻決定ガイダンスが開始されています。この場において、学生に対し責任ある説明を教員側ができないというのが現状です。このような異常事態を招いているのは、もっぱら大学管理本部の失態と言わざるをえません。
 ここに改めて強く抗議をするとともに、再々度回答を求めるものです。10月14日正午までに書面にて、上記5専攻宛にご返答ください。なお、今回も質問状、回答とも一般に公開する点をあらかじめお断わりします。
 以下、質問事項を改めて挙げるとともに、それぞれについて補足をいたします。


1.本年7月31日まで、東京都大学管理本部と都立4大学の間では、「都立新大学設立準備委員会」のもとで都立の新大学に向けた構想を検討してきました。しかし、これまで相互信頼関係に基づき築き上げてきた構想は、8月1日の「都立の新しい大学の構想について」の発表によって、都側から一方的に破棄されました。
 管理本部側、大学側ともに膨大な勤務時間を費やし形づくった案をこのように唐突に破棄された根拠を、納税者に対して説明する義務があるかと存じます。具体的にご説明お願いします。

1.について;
 この点についていまだ説得力ある釈明はされていません。本年7月31日まで検討されていた構想が基づいている「東京都大学改革大綱」(2001年11月)冒頭頁には、石原都知事の署名が掲げられています。このように公式に承認されていた案を破棄した根拠を、旧構想の一点一点につき具体的にご提示ください。


2.「都立の新しい大学の構想について」では、現在の都立大学にかぎっても学部学科構成がおおきく変動することになるにもかかわらず、現行体制から新大学への移行がどのようになされるのか触れられていません。
 現在在学している学生たちの間では、自分たちの学習権がはたして保障されるのか、というおおきな不安がわき起こっています。また人文学部一年生は、進級にあたっての専攻選択という問題を眼前に控えとまどっています。
 この案を強行すると仮定して、現在在学している学生に対して、入学時に示されていた教育態勢が縮減されることなく卒業時まで保持されることを確約してください。またそれがどのように保証されるのか、具体的にお答えください。

2.について;
 まず、旧大学から新大学への移行形態については、計画が示されていません。移行期に在学する学生にとっては死活問題です。速やかにご提示ください。 次に、教育保障については確かに、9月29日の文教委員会質疑で「現行大学の学生が卒業するまでは、責任を持って現行大学のカリキュラムを提供する。」との答弁がされていると聞きます。10月1日付東京都立大学総長名で学生・大学院生に向けて出された文章にも「既に本学の学生・院生である皆さんについては、新大学設立後も卒業するまで、現行大学のカリキュラムにそった授業科目が当然に保障されます。このことは、設置者である東京都が都議会等で公式に表明しています。」との箇所が見受けられます。しかし、2005年度以降の年度ごとに現都立大学生に向けてどのようなカリキュラムが提供されるのか、具体的な案の提示がないかぎり、このような文言は空証文になりかねません。代替科目等によるのではない、入学時に約束された教育保障が学生に対してなされる具体案をお示しください。


3.新しい大学における大学院の構想は、いまだに発表されていません。
 現在ある大学院人文科学研究科・社会科学研究科が、新しい大学ではどのような扱いとなるのか、お答えください。
 またその際、現在在学する大学院生の処遇はどのようになるのでしょうか。現在修士課程在学中の大学院生が、課程博士号取得にいたるまで、入学時の態勢が十全に保たれることを確約してください。

3.について;
 大学院構想も相変わらず公表されていません。速やかにお示しください。
 また、大学院においても学部同様に、代替科目等によるのではない、入学時に約束された開講科目が用意され、図書・研究室利用等の研究環境が保持され、また教員も論文指導にこれまでと同じ時間を費やせるだけの態勢が維持される具体案をお示しください。


4.現在人文学部には文学科5専攻(国文学、中国文学、英文学、独文学、仏文学)があります。その、新しい大学における位置づけを示してください。

4.について;
 これについては、文学科5専攻は廃止、「国際文化コース」にそのうちの数名が配属される、という案であることが伝わっています。これまで存続し機能してきた専攻を廃止する、という重要な案件を密室のなかで取り決め、さらにそれを押し隠し続ける姿勢には不信感を禁じえません。
 まずは、現在大学管理本部が抱いている構想を公にしてください。そしてその構想が、新しい大学にとって本当にふさわしいものなのかどうか、広く学生、都民の声に耳を傾けてください。
 さらに、文学科から多数の教員が配属される、と伝わっている「基礎教育センター」・「エクステンションセンター」について、その設置理念、組織形態、教育・勤務内容等、具体的にご提示ください。ここに配属されるという教員に対しても、山口一久大学管理本部長は「同意書」なるものを提出するよう求めてきました。その「同意書」の文言は以下の通りです。「提示された新大学における配置案に同意した上で、新大学設立本部及び教学準備委員会の下で、新大学に関する今後の詳細設計に参加することに同意します。 」「また、教学準備委員会が必要と認めた場合を除き、詳細設計の内容を口外しないことに同意します。」しかし、内容をいっさい知らされていない勤務先へ配属されることに無条件に「同意」を要求するのも、あらかじめ議論の自由を奪おうとすることも、民主主義社会の常識を逸脱したものです。


5.新大学における言語教育(日本語および外国語)について、7月31日までに検討準備されてきた案も破棄されたのでしょうか。もしその場合、どのような対案が用意されているのか、具体的にご呈示ください。

5.について;
 国際性を主張するのなら、諸外国語教育を充実させることも、留学生のための日本語教育も、大学にとってきわめて重要になります。この点についても速やかにお答えください。

 以上。