「都立の新しい大学の構想について」に対する要望

東京都大学管理本部長 山口一久 殿

本年8月1日付けで「都立の新しい大学の構想について」が発表されましたが、私たちはその内容対しおおいに不満を持っています。よって、東京都立大学人文学部独文学専攻の学生・院生の立場から以下の3点を要望します。

1. 新大学における文学専攻の存続を私たちは強く望みます。

 「新」大学構想では、他の文学系専攻ともども、独文学専攻は設置されないものとされています。しかし、これまで都立大学の独文学専攻は、中世・近現代の文学、美術、芸術、文化、思想、言語等々、様々な領域において多くの業績を残してきています。今回の「新」大学構想はこの流れを途絶えさせてしまうものです。
 現在の都立大学は、様々な学問を研究できる場であります。学問に対する思いや欲求は人それぞれです。そうであるからこそ、私たち学生・院生にとって、学問の多様性はかけがえのないものです。その多様性を維持するために、文学専攻の存続は必要であると考えます。
 以上の理由から、新大学において「独文学専攻」を含む他の文学専攻が存続されること強く望みます。

2. 学習・研究環境の保障を私たちは強く望みます。

 学習・研究に際し、私たち学生・院生が必要とするのは、教員と学術専門書です。現在、独文学専攻には様々な領域にわたり、指導・教育するに十分な教員数と、数多くの専門書が提供されています。非常に充実した環境が整っています。しかし、「新」大学構想では、多くの教員がばらばらに配置されることが予想され、同時に、現在一括して管理されている書籍も分散する恐れがあります。そうした学習環境の質の低下は私たちの学習・研究に多大な悪影響を及ぼします。
 したがって、私たちは、現在維持されている学習・研究環境の保障を強く望みます。

3. 現行の留学制度の継続・発展を私たちは強く望みます。

 都立大学にはウィーン大学との交換留学制度があります。この制度を利用して今までにも学生・院生がウィーン大学で学んできました。また、ウィーン大学からの留学生も都立大学で各自のテーマに沿って研究し有意義な時間を過ごしてきました。その留学生のなかには、日本で就職し日墺の文化交流に貢献している者もいます。
 「新」大学が、「国際性」を謳うものであるならば、現在の制度こそが、ドイツ文学・語学を学ぶ学生・院生にとって理想的な学習環境を提供しているといえます。そして現在都立大学にある全ての留学制度が「新」大学でも継続されるべきだと考えます。
 以上の点を踏まえ、留学制度の継続・発展を私たちは強く望みます。

以上、都立大学に学ぶ学生・院生として私たちは、現在提示されている「新」大学構想には、賛同できません。私たちは、学生・院生からの意見をとりいれた、開かれた大学構想を切に望みます。    

2003年12月3日  東京都立大学独文学専攻 学生・院生(有志)