都立四大学の統廃合について民主的改革と教育環境の保障を要望する声明


 現在、東京都立四大学を廃止し新大学を設立するという「改革」が行政当局によって強権的に行われようとしている。その手法は憲法や教育関連諸法規の認める学問の自由、大学の自治を否定するきわめて非民主的なものである。

 東京都は都立四大学と大学管理本部の協議で検討・準備を進めてきた「大学改革大綱」を突然覆し、大学管理本部が秘密裡に作成した新大学構想を押しつけようとしている。この構想は、人文学部や理学部のいくつかの学科・専攻を消滅または大幅に縮小し、教員定数を極端に圧縮するなど、これまでに築きあげられてきた都立大学の研究や教育を無に帰しかねないものである。また、現在の院生や学生の研究・学習条件が大きく悪化することも懸念される。さらに、新大学の設立準備作業においては、教職員、院生、学生は協議過程から排除され、情報も正確に伝えられず、意見を述べ交換する自由も制約されている。

 七月一日に地方独立行政法人法案の可決に際して採択された付帯決議は、「公立大学法人の設立に関しては、地方公共団体による定款の作成、総務大臣及び文部科学省の認可に際し、憲法が保障する学問の自由と大学の自治を侵すことがないよう、大学の自主性、自律性を最大限発揮しうるための必要な措置を講ずること」と規定している。現在の東京都の手続きはこの付帯決議を全く無視しており、設置者権限を濫用するものである。行政による強権的な大学再編がこのまま見過ごされるならば、他の公立大学はいうまでもなく日本の大学のあり方そのものに甚大な悪影響を与え、学術研究の非民主的な抑圧をもたらすことになる。本会は強圧的・強権的な大学の破壊に強く抗議し、以下のことを東京都に要望する。

一、 都立四大学の構成員と開かれた協議を行い、合意形成をはかりつつ民主的な改革を進めること
一、 都立四大学に在籍する院生・学生の研究・学習権を十全に保障すること
一、 学問の自由と大学の自治を侵すことがないよう、都立四大学の教職員の地位を保全すること



   二〇〇三年一二月一日
                                日本史研究会