都庁記者クラブ内マスコミ各社に対する声明

 去る12月16日には、私ども「開かれた大学改革を求める会」の会見にご参集下さり、誠にありがとうございました。
 石原都知事は12月24日に記者会見を行い、都立の新しい大学の問題に言及しました。その発言の中には私たちにとって看過できない点がありますので、ごく重要な点について取りあえず指摘させていただきます。

1. 都知事は人文科学系の教員のみが8月1日以降の新構想に反対しているかのように喧伝しています。これまで大学管理本部も同様の発言を繰り返してきました。しかし法学部内からも抗議の声が上がっていることはすでにご存じのとおりです。また、12月26日には都立大学理学研究科・工学研究科、科学技術大学工学研究科教員110名が、《管理本部主導による一方的な「新大学設立」準備の早急な見直しと開かれた大学改革準備組織の再構築を求める》声明を発表しています。なお、私どもの会の構成員75名について申しますと、教員の所属は人文学部のみならず、法学部、理学研究科に及んでおり、大学院生・学生の所属は全学部にわたっています。このように、8月1日以降、管理本部が進めている新構想に対する反対の声が、学部、大学の枠を越えて広がっているのが実状です。

2. 石原都知事は会見において様々な数値を示して人文学部不要論を展開しています。しかし、その数値の取捨選択は不正確かつ恣意的であり、データの捏造とすら呼び得るものです。教員一人当たりの学生数については、これまで大学管理本部が発表した4.6という数字に対して、大学側は9.9という数値を挙げて修正を要求しており、また、11月13日の文教委員会の質疑においても、4.6という数字の誤りが指摘されました。にもかかわらず、都知事は相変わらず誤ったデータを使用しています。また、学生数についても、「ほとんど希望者のない専攻科がある。独文は2人。仏文は0人。」と知事は発言していますが、各専攻への進級者がそのような数であったことはなく、現在、独文学専攻の学部生は30名、大学院生23名、仏文学専攻は学部生28名、大学院生26名を数えます。さらに、独文、仏文をはじめとする文学・語学担当の教員は、自専攻の学生のみならず、全学部の語学および一般教養科目を担当しており、教員一人当たりの学生数は、知事が示した数を大きく上回るものです。

3. 石原都知事は8月1日新構想に反対している教員が、自らの保身をはかっていると述べています。しかし、私ども「開かれた大学改革を求める会」が要求しているのは、よりよい大学改革を遂行するための開かれた協議体制の構築と、学習権の十全な保障であり、これは決して保守・保身にもとづく行動ではありません。大学改革を実りあるものにするためには、行政の独断ではなく、教育・研究の当事者である教職員、院生、学生と行政との不断の対話が不可欠であると主張しているのです。

 今後とも都立の大学の改革問題に関して、公正な視点から報道していただきたく、よろしくお願い申し上げます。

2003年12月27日
開かれた大学改革を求める会
代表 西川直子
(e-mail: bel_ange@ma.kitanet.ne.jp)