四大学教員の声明

都立新大学設立のための開かれた協議体制の速やかな確立を求める

  東京都立の4大学は、50年を超える歴史と伝統を培ってきた都立大学をはじめとして、都立科学技術大学、都立保健科学大学、都立短期大学のいずれも、公立大学として、首都の教育と研究を支える貴重な貢献をしてきた。しかしながら、3年前、東京都は改革によりめざす大学像として、「知の創造拠点、都市の活力生成拠点、学術・教育・文化等の交流拠点」を挙げて、都立の4大学の統合・改革を提起した。これに対して、4大学は多くの問題を抱えながらも当時の管理本部と共同して、新たな枠組みによる大学の設置作業に取り組んできた。特に、教育を受ける現在と未来の学生達に不利益が生じないことを常に念頭に置き、教育・研究に携わる機関として社会的責務を今まで以上に間断なく果たすことを目標として、平成17年度の新たな枠組みによる大学の発足に向けて長時間にわたる検討を進めてきた。ところが、昨年8月1日に現大学管理本部が唐突に提出してきた「新大学構想案」は、これまでの検討内容を一方的に破棄したものであった。以来、大学の「現場の声」を無視して進められる「新大学構想」に対し、昨年10月7日の都立大学総長声明(「新大学設立準備体制の速やかな再構築を求める」)をはじめ、教職員・学生・大学院生などからの多くの声明や抗議が出されているにもかかわらず、大学管理本部は全くこれらを無視し、その後も河合塾へ都市教養学部の教育課程の設計作業を外注したり、教員の任期制や年俸制を一方的に公表したりするなど、大学運営の基本に関わる事項を大学との協議の姿勢を示すことなく押し進めている。
大学の改革は時の行政が一方的に進めるべきではなく、「大学側と十分に協議しながら双方の協働作業として進めていくという姿勢が何よりも必要」という公立大学協会(西澤潤一会長)の昨年10月2日の見解に沿って、大学を運営する大学の正規の代表者と行政とが手を携えて進めるべきものである。この基本が守られないやり方で「大学改革」を進めることは、現大学で学ぶ学生・大学院生のみならず、大学の新たな出発を期待する高校生、受験生をはじめとする東京都民、国民に対する責務を大学自身が放棄することになりかねない。したがって、現在都立の大学で教育・研究に従事し、大学の運営に責任を持つ大学人として、これを黙って見過ごすことは出来ない。
私たちは、昨年10月7日の都立大学総長の声明で指摘されている内容を支持するとともに、現在進められている一方的で独断的な「新大学設立」準備を直ちに見直し、教授会、評議会に立脚し、開かれた協議体制のもとでしっかりとした改革の方向を検討し、新しい大学を作っていくための取り組みを進めることを強く求める。

2004年1月21日

  東京都立大学、東京都立科学技術大学、東京都立保健科学大学、東京都立短期大学 賛同教員432名
(2004年1月21日10時現在)                                   
    
呼びかけ人(五十音順)
東京都立大学人文学部:飯田勇、大塚和夫、川合康、小林良二、西川直子
東京都立大学法学部:米津孝司
東京都立大学経済学部:戸田裕之、浅野皙
東京都立大学理学研究科:甲斐荘正恒、神木正史、*小柴共一、三宅克哉
東京都立大学工学研究科:生田茂、渡辺恒雄
東京都立科学技術大学:山田雅弘,湯浅三郎
東京都立短期大学:前田庸介
                       *代表: 小柴共一 (koshiba-tomokazu@c.metro-u.ac.jp)