今の大学では、学問の自由は保証されない
2月19日文教委員傍聴録

最終更新日:2004年2月25日

Contents

 さる2月19日に文教委員会が行われました。

 今回の質疑応答で主に取り上げられた点は、

 などです。

 都民の会としても「都立の四大学の改革に関する陳情」(15第93号)を行い、2月19日の段階で8189筆の署名を集めることができました(都議会提出の正式署名簿の段階では4905筆)。この陳情は、文教委員会での審査の結果、「不了承」(否決)という結果になりました。署名に参加していただいたみなさまに対して、こうした結果をご報告しなければならないことが残念でなりません。また、「開かれた大学改革を求める会」の請願(15第87号)1件は「不採択」をまぬかれ、「保留」となりましたが、残る二件の陳情は残念ながら「不了承」となりました。

 本陳情に対して大学管理本部の要求項目への返答は、いずれも項目そのものへの異論があるとするものではなく、その意義を認めた上で、その趣旨を主観的にすでに実施ないし織り込み済みと答えるものです。ですが、そこに問題があるからこそ、我々は陳情という形で意見表明をしたのです。
 都民の会としては、今後も活動を続けていくことにより、開かれた大学改革が進められるように努力したいと考えております。是非とも、みなさんのご協力をお願いします。

 また、開かれた大学改革を求める会のホームページへのリンク開かれた大学改革を求める会の声明もご参考下さい。

 大学管理本部は、文教委員会の中で「新しい大学では、学問の自由と大学の自治は最大限保障するつもりである」と答弁しています。それでは、現大学での学問の自由と大学の自治は保証されないのでしょうか? そもそも、「つもり」とはどういうことでしょうか?

◎大学管理本部関係(14:00〜)

●飯塚(管理部長)
 第1回定例会提出予定案件についての説明。平成16年東京都一般会計予算中大学管理本部所管分の歳出報告。平成15年東京都一般会計補正予算中大学管理本部所管分の歳出報告。
 首都大学東京の教育の特色及び学生支援構想についての説明。

○東委員長
 説明は終わりました。この際、資料要求のある方は発言を願います。

○石川委員(公明党)
 私の方から5点ほど資料をお願いする。
 1点目は、都立大学における中退者・満期退学者の在学年数と人数を、博士課程と修士課程それぞれについて、過去5年間の資料。
 2点目は、今年の2月まで5回の教学準備委員会の資料と論議内容がわかるもの。
 3点目は、新しい大学名のアンケートの集計結果について。上位10位まで。
 4点目は、平成17年4月採用人事の公募状況について。
 5点目は、4大学寄宿舎の定員と寄宿舎数、東京塾の設置計画について。
 以上5点について、資料をお願いしたい。

○曽根委員(共産党)
 大学改革のこの間の経緯について、あらためて総括をお願いしたい。管理本部自身の取り組みはどうであったか、大学の取り組みはどうであったか、さらに、教員学生の動き、教職員組合、学生諸団体の動きを盛り込んだ内容で、当局から見えている部分の全体像がわかるようなものをお願いする。
 それから、これまで文科省と行ってきたやりとり、文書を含めたもの。そして、2月13日に経営準備室の運営会議に提出された資料と論議の内容がわかるものをお願いする。

○東委員長
 ほかにありませんか。−−−−それでは、以上の資料請求を委員会の資料要求とすることに異議はありませんか。
     〔「異議なし」の声あり〕
 異議なしと認めます。続いて、請願・陳情の審査に入ります。理事者の説明を求めます。

●飯塚管理部長
 15第87号、落合氏により提出、「東京都大学管理本部が平成15年8月1日以降に発表した新大学構想に関する請願」について説明。この請願の要旨は、「これまでに培われた都立4大学の教育研究上の蓄積は、都民の共有財産であるので、都は、これらをいかした大学づくりをしていただきたい」というもの。現在の状況を申し上げると、これからの都立の新しい大学は、学際的な教育が必要であり、単に活かすのみでなく、経営的視点を盛り込んで再構成することが必要。社会からの要請に積極的に取り込み、新しい分野を盛り込んで行く。

 次に、15第88号、荻野氏により提出、「東京都大学管理本部が平成15年8月1日以降に発表した新大学構想に関する陳情」について説明。この陳情は2項目で、まず1点目の要旨は、「都立新大学の構想について、現在都立4大学とその大学院に在籍、在職する学生・大学院生及び教職員に対し、大学管理本部が各大学において直接説明する場を設けること」というもの。現状を申し上げると、新大学の構想については、設置者として決定したもの。学生への説明は、学生に責任を負っている各大学が行うべき。管理本部としては、HPを立ち上げ側面的にバックアップを行っている。
 2点目の要旨は、「東京都の新大学構想の中身を検討する教学準備委員会等の議事録を作成し、関係者に公表すること」というもの。現状を申し上げると、大学改革については、賛否を含め、さまざまな意見がある。教学準備委員会の委員が、立場に捕らわれず自由に意見を言えるように公表をしていない。また、議事録はあえて作っていない。決定をしたものについては、随時公表している。

 15第89号、西川直子氏により提出、「東京都大学管理本部が平成15年8月1日以降に発表した新大学構想に関する陳情」について説明。この陳情は2項目で、まず1点目の要旨は、「新大学に関して、大学管理本部が平成15年8月1日以降に発表した構想を見直し、その非民主的な準備体制を改めた上で、都立4大学のすべての構成員と開かれた協議を行うこと」というもの。現状を申し上げると、新大学設立準備室の下で、教学準備委員会を設置し、教学面についての準備・検討をしている。教学準備委員会には、現大学の教員に参加してもらい、開かれた体制で準備を進めている。
 2点目の要旨は、「新大学への移行に先立ち、新大学設立以前に都立4大学に在籍する全学生の学習権を十全に保障することを確約し、その具体的な方策を提示すること」というもの。現状を申し上げると、設置者として、現大学の学生については学習権を保障する。現大学は、平成22年に廃止するので、平成23年度を越えて在籍している学生は新しい大学に編入させて、新大学の教育課程の中で該当する科目などを履修していく方針を出している。各大学では、できるだけ早く学生が卒業できるように、きめ細やかな指導をして行くことをお願いしている。

 15第93号、清水誠氏により提出、「都立の4大学の改革に関する陳情」について説明。この陳情は4項目で、まず1点目の要旨は、「都民の税金によって支えられてきた歴史的財産である4大学の研究と教育の蓄積がいかされるようにすること」というもの。これについては、15第87号と同様。
 2点目の要旨は、「在籍する学生・大学院生の学習・研究条件が損なわれないようにすること」というもの。これは、15第89号の2項と同様。
 3点目の要旨は、「新大学の発足に当たっては、都民や入学者の期待にこたえられるよう、十分な準備体制を整えること」というもの。現状を申し上げると、新大学設立準備にあたっては、教学準備委員会および経営準備室を設置し、ここには外部委員も参加しており、広く外部の意見も取り入れながら準備を進めている。
 4点目の要旨は、「衆参両院の総務委員会が『地方独立行政法人法』採決に当たり付した、附帯決議のとおり、憲法が保障する学問の自由と大学の自治を侵すことがないよう、大学の自主性・自律性を最大限発揮し得るための必要な措置を講ずること」というもの。この国会付帯決議は、国立大学法人化に関するもので、国立大学が法人に移行する際の問題。新しい大学の設置に際して、教授会等での審議をふまえるべきことを言っているのではない。新しい大学では、学問の自由と大学の自治は最大限保障するつもりである。

〇東委員長
 説明は終わりました。 本件について発言を願います。

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(1)臼井議員(自民党)の質問

○臼井委員(自民党)
 法科大学院の状況について聞きたい。法科大学院の入試延期が決まり驚いた。4人の教員が就任承諾書提出後に辞表を提出し、入試を延期することとなった。これは社会的に大きな影響を与えた。社会的責任が欠如している。法科大学院のその後の状況はどうか。

●宮下参事
 受験生に迷惑をかけた。先生方にも心配をかけて申し訳ない。入試延期を発表し、教員の補充手続きを行って、1月19日、文科省の設置審に説明をした。1月23日の設置審で了承されたので、2月16日から学生の願書受付を再開した。2月12日に出願を締め切ったが、65名の定員に対して、出願数は1300名で、20倍以上の出願があった。2月28日、29日には第二次選抜を行う。4月には開校する。

○臼井委員(自民党)
 我々も心配していた。教員を補充できて事なきをえた。応募が20倍とは、評価できる。今回はどうにかなったが、首都大学は規模が大きいので、影響は非常に大きい。法科大学院のようなことを繰り返さないために、どのような対策をしているのか。

●大村参事
 新しい大学の設置申請にあたっては、教員の確保が重要であると認識している。現在、就任の意思確認を行っており、万全につとめている。

○臼井委員(自民党)
 今日の段階で、意思確認書は何通届いているのか。

●大村参事
 郵便の状態がよくなかったので遅れたが、19日午前の段階で、505名のうち285通で、56.4%が提出している。

○臼井委員(自民党)
 意思確認書を出していない教員は、首都大学には行けないのか。

●大村参事
 現在、具体的に教育課程を確定する作業をし、教員を固める手順を踏んでいる。必要であれば公募と非常勤で補充しなければならない。4月の本申請に向けて準備をしているが、時間的余裕がないので、意思確認書を提出した教員を中心にあてていく。

○臼井委員(自民党)
 都立の大学は移行型独立法人だから教員の身分は保障されるとか、意思確認書に法的拘束力はないとか、いろいろ言われているが、意思確認書は出さなくても良いのか。

●大村参事
 首都大学の教員になるには、今回の意思確認書の提出が必要。提出しない場合には、法人には行くことになるが、これは平成22年までの大学であり、新大学には行くことは出来ない。意思確認書は、設置者として出したもの。これには法的拘束力はないというのはその通り。意思確認書は設置者としての判断。

○臼井委員(自民党)
 大学設置に非協力的な教員がいるということ。学長予定者も決定し、現在新大学作りを進めて行かなくてはいけない。新大学作りに、教員はどのように関わっているのか。

●大村参事
 都立の大学の先生には、教学面については、教学準備委員会で検討してもらっている。そこには5学部長、科学技術大、保健科学大の学長が加わっている。その下で、研究課題を検討するグループなど作業グループに分かれて、新大学にかかわる全ての先生に参加してもらって進めている。経営面では、本年2月以降経営準備室での話し合いが始まり、都立4大学の総長・学長が参加している。

○臼井委員(自民党)
 全員体制で取り組んでいるとのこと。都立の大学の先生がみんなで取り組んで、良い大学にしてもらいたい。今後のスケジュールはどうなっているのか。

●大村参事
 3月の設置審運営委員会に教員審査の省略をはかっている。そして4月に設置申請を行う。

○臼井委員(自民党)
 大学管理本部は、先生の話を聞いていないような話を聞く。この質疑から見ると、どうも違う。これは自分たちに都合の良いことしか耳に入っていないのだろう。改革には痛みが伴うものである。現在、正念場を迎えている。新しい大学の設置に向けて本部長の強い決意を聞きたい。

○山口管理本部長
 現在、18歳人口は減少している。今後大学間の競争は激しくなる。産業界では即戦力が求められている。社会、学生にとって魅力的な学校にならなくてはいけない。新大学では、ニーズの少ないところを切るなど、今までの非効率なあり方を見直して経営的視点を導入している。今の改革は、社会一般からは評価されていると自負している。

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(2)野上議員(公明党)の質問

○野上委員(公明党)
 首都大学の準備状況はどうなっているか。

●大村参事
 首都大学の教学面では、教学準備委員会を設置。準備状況については、各作業チームで詳細がかなり決まりつつある。具体的な科目を考え、それをもとに担当する教員を決定している。多少、作業チームによってスピードが異なっている。

○野上委員(公明党)
 今朝の新聞で、意思確認書は518人のうち282人 56.4%が提出していると報道された。4大学のうち、保健科学大学・都立短大は全員提出し、科学技術大はほとんどが提出し、未提出者の大半は都立大教員であるとのこと。今回の意思確認書の提出は、最終とのことか。

●大村参事
 現在、科目を設定し、担当教官を設定している。意思確認書を提出した教員を中心に固め、必要な教員の補充などが必要となる。4月に本申請なので時間の余裕がない。それまでに教員体制を固めたい。そのため、最終の意思確認としている。

○野上委員(公明党)
 大学の教員にも生活がある。本来ならば首都大学に残りたいが、仲間を裏切ることになるので、そういう思いで提出していないという先生もいるのではないか。最終的に首都大学の教員になりたいということであれば、就任をしても良いのではないか。

●大村参事
 今出してもらっている先生を中心に体制を固める。首都大学の先生になるのであれば、意思確認書を出してもらう必要がある。提出が自分の意思でできるように、個々の教員の自宅に配達記録で郵送した。それに対し、教員は個々に対応している。

○野上委員(公明党)
 文科省への申請に際して、教員審査の省略できるのは、一定の要件を満たす必要があるとのこと。教員審査を省略できる一定の要件とは。

●大村参事
 通常は個々の審査が必要となるが、すでに大学を設置している者が大学を設置しようとする場合は、教員審査が省略できる。この手続きができるかどうか、設置審運営委員会に審議してもらう必要がある。そのためには、どの先生が行くかを知る必要がある。

○野上委員(公明党)
 気持ちが変わった場合の、タイムリミットはいつか。

●大村参事
 設置審運営委員会に審議してもらうためには、10日前までに書類を作成して提出しなくてはならないので、来週月曜には提出する予定。もう時間的余裕はない。

○野上委員(公明党)
 23日がギリギリと言うことか。組織の中では意思表明できないこともある。温情をかけてあげるべきではないか。<「そんなやつらほっとけや!」と野次が飛ぶ。>

●大村参事
 書類には、科目を設定して、それに教員を配置。作成時間を考えて16日に設定し、配達記録郵便とした。バーコードによって届いたかどうかがわかるようになっている。ただし、配達記録であったため、本人が不在の場合届かないことがあって、郵便を受け取るのが遅れた者もおり、その人たちについては幾分配慮している。

○野上委員(公明党)
 できるかぎり配慮していただくようお願いしておく。  次に学生について。平成22年まで保障するといっていたが、現在の学生の学習保障はどうなっているのか。

●大村参事
 現行大学のカリキュラムを保障する。各大学では、学生が早く卒業できるようきめ細かく履修指導をして行くことをお願いしている。23年以降に残っている学生については、新大学に籍を移し、新大学において現大学の教育課程を履修することになる。

○野上委員(公明党)
 12月12日の文教委員会で質問した時と、今回では、どこが違うのか。

●大村参事
 学生の在学期間を平成22年までとし、その後は個別に対応するとしていた。今回は、新大学との教育課程の違い等を考慮して、平成23年以降は全ての学生を編入させることとした。

○野上委員(公明党)
 大学の卒業名は、都立大学か、首都大学か。

●大村参事
 平成22年までは都立大学。平成23年以降は、卒業証書の中に修了した内容として都立大学の名前は出るが、証明印は首都大学。

○野上委員(公明党)
 情報が足りないと聞く。教学準備委員会では、学長や学部長が出席しているが、教員と学生との情報の共有化は、難しいと思われる。現在の学生に対して直接説明しないのは何故か。

●大村参事
 今いる学生の状況をよく知っている先生が説明した方が良い。個々学生の個別の事情をよく知っているのだから。何か質問があれば、管理本部に戻してもらったら、こちらは対応する。こちらは方針のみを決定し、その方針は各大学で説明してもらっているし、HPにも掲載して、情報公開に務めている。 

○野上委員(公明党)
 都立の大学については、数億円の予算を使っている。都立の大学で得た知的財産を都民に還元してもらう。これから様々な問題を乗り越えて、民衆のために役たつ、都民のために役たつ大学を作って欲しい。大学管理本部にはがんばってもらいたい。

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(3)曽根議員(共産党)の質問

○曽根委員(共産党)
 意思確認書について事実確認をしたい。文科省から示唆があったと文書の中にあるが、教職員組合や新聞の情報では、文科省に確認した所、そんなことは言っていないと、訂正するよう求めていると。教職員組合では、文科省の見解を担当者の名前をあげて載せているが、管理本部としては、文科省の意向を解釈として載せたのか。それともやり取りのなかで文科省から(直に)言われたことなのか。文科省からこのことについて再確認をしたのか。

●大村参事
 法科大学院の問題があり、迷惑をかけたので、二度とおこらないよう、都が責任をもって出したもの。また文科省とのやりとりについては、組織と組織とのやりとりなので、明らかにすることはできないが、HPでも意思確認書の趣旨を説明しており、文科省とこの件で問題は起こっていない。

○曽根委員(共産党)
 教員への文書は管理本部の責任で出したことを確認する。HPを載せた後、文科省とやりとりはしていないのか。

●大村参事
 組織と組織とのやりとりなので、つまびらかにはできないが、文科省との間で、問題は起こっていない。

○曽根委員(共産党)
 教員に文書を出したのは管理本部の責任とのこと。これは重要。教員は、これまでの改革の経緯を管理本部の横暴と認識し、これを止めてくれるのは文科省だと考えている。それが、文科省の示唆とした場合の影響は大きい。これが違っていたとなれば、文書の訂正が必要ではないか。

●大村参事
 文科省から意思確認書を出すよう指示されたとは書いていないので、訂正する必要はない。

○曽根委員(共産党)
 意思確認書は、教員を欺くものだ。眠れない夜を過ごした人もいるだろう。10日発送で、締め切りは16日、即断を迫られるものだった。意思確認書は、教員を欺き、速断速決を迫るもの。これだけの要求をしておいて、「時間が無い」とは。
 あまりにやり方が異常なので、理事長予定者の高橋氏は茂木総長と会って、意思確認書は出してもらいたいが、出さないからと言って、新大学に行かせないようなことはないようにしたいと。見込み数が求められているのだから、それを出せば良いと言うことを話したとのこと。茂木総長は、高橋氏の話し合いの結果を、教員にメールで伝えている。一緒に行った宮下さんに確認したい。

●宮下参事
 2月17日に高橋氏が都立大に出向いたが、これは13日に経営準備室の会議で、総長の方から都立大に来て説明してほしいという話があり、高橋氏が都立大に行った。これは、表敬訪問をかねてのようなもの。意思確認書の問題についても話が出たが、これは、教学に関する問題なので、理事長予定者は詳細を知らない。いろいろ出た意見の中で、そういうことであれば伝えようと言った。茂木総長が送ったメールについては、ニュアンスが違うと認識している。

○曽根委員(共産党)
 茂木総長はメールを送信するに際して、高橋氏に確認し、高橋氏は間違いないと認めたという。
 意思確認書には法的な力はない、管理本部の責任で大学を作るために、この期限を設定したとのこと。これは平成17年4月開学のスケジュールから出ている。しかし、本当に開学ができるかは疑問だ。これが延期になった場合、話し合いの場を開くことができる。就任承諾書の提出は、7月でいいと聞いている。意見対立のために、出せなかったが、7月に出したいとなった場合、どうするのか。

●宮下参事
 手続きとしては7月だが、4月には詳細な数が必要。法科大学院の件もあるので、ただ数だけでなく、教員の具体的な名前の確定が必要。来ない場合には穴埋め人事が必要となるので、そういう事情から4月までに固めたものを出したい。法的根拠はないが、今出すことが不可欠。

○曽根委員(共産党)
 話の前提に、何事もなく大学が作られるのならば7月で良いと言っている。4月に意思確認書をとらなくてはならないのは、管理本部が生み出した異常な状態のせいではないか。最終的には文科省の認定にかかわるのか。

●大村参事
 4月の本申請は数字だが、見込みの数では責任が持てない。正式な申請には、ちゃんとした裏付けが必要。

○曽根委員(共産党)
 手続きとして、最終的に認めるのは文科省か。

●大村参事
 文科省だが、その前に申請書の提出があり、数字を示す必要がある。これは設置者である管理本部の責任のもとで作成する。

○曽根委員(共産党)
 (請願・陳情で)出された要望項目を見ると、良識的に納得のいく形で解決して欲しいというもの。大学管理本部の聞く耳を持たない姿勢に、こういう形で出さざるを得ない原因がある。請願では、教育研究上の蓄積を継承して欲しいといっている。管理本部は、現都立大のどういう点を保存し、どこを新しくして行くのか。

●大村参事
 新しい理念の下で進めていくので、これまでの資産を活かしつつ、学際化・産業との連携を強化する方向で、ナノテクノロジーセンターなどを設置し、語学教育などは見直す。

○曽根委員(共産党)
 今までの大学の4大学教員の個々の研究成果は継承し、新たに付け加えるものとして、実践英語を中心とした語学教育をあげている。一部マスコミから、NOVAにするのかとの疑問も出ている。言語研究については、歴史・文化、それを使ってもっとも高いレベルで研究するのが文学で、都立大学は優れた業績をもっているが、厳しい切り込みでこれが解体される。請願の意向をくんで、良い点を継承するのであれば、人文学部こそ継承し発展させるべきではないか。
 学生の学習環境の保障について。平成23年以降、現都立大の教育課程を保障するというが、教育課程とは、人と科目と研究システム、すべてが保障されるのか。

●大村参事
 現大学の学生に対して、新大学の講義のよみかえたり、別に設定したりして、現大学のカリキュラムを保障するが、現教員を保証する訳ではない。教員は通常でも入れ替わりがあるもの。

○曽根委員(共産党)
 23年以降の扱いが、新大学の講義のよみかえであるのならば、教育課程の保障とは言えない。これまでも退官・転学など通常でも教員の入れ替わりはあったが、その際には研究室の水準を保つために、研究室で調整をおこない、候補者を決定してきた。手間をかけて、研究レベルの維持に務めている。今の話を聞くと、それが維持されるとは思えない。教育システムあってこそレベルが維持される。そうしたシステムを守るよう要請する。
 管理本部に対して、学生・院生・教員は意見を聞いてもらえないと言う。管理本部に意思を反映させる道がない。学生には直接説明すべきではないか。

●大村参事
 現大学については、すぐに廃止する訳ではない。現大学のカリキュラムを保障する。現大学の学生には、大学を通じて説明すべき。問題があれば、あげてもらって、フィードバックしていきたい。私たちは、新しい大学に関しては責任を持っているので、新しく受験する人たちには直接説明をしている。

○曽根委員(共産党)
 現学生への勉学諸条件の説明については現大学でやって欲しいというが、予算などは管理本部が握っている。学生・院生が管理本部に聞きに行くのは当然のこと。新しい大学を作るに際して、学生・院生の意見を管理本部が聞くことはないのか。

●大村参事
 現学生は、現大学で対応してもらいたい。新しい大学は新しい学生のための大学なので、現大学の学生に意見を聞くつもりはない。

○曽根委員(共産党)
 学生から大学へ言っても、大学から管理本部へきちんと伝わるという保証がないから、学生は管理本部に聞いている。説明して欲しいという学生を断る理由はないのではないか。

●大村参事
 個々の事情はわからないので、来てもらっても対応できない。個々の事情は、現行の大学が承知している。

○曽根委員(共産党)
 大学は学生がいなくては大学ではない。当事者である学生の声をきかない大学管理本部は学生を排除するために作られたのか。学生の意見を聞かない改革とは何か。
 法人化について聞きたい。大学の自治は、新しい大学の構成員で実現されるべきもので、現大学とは違うと言った。現大学の構成メンバーにおいて、大学の自治はどこで保障されるのか。

●宮下参事
 新しい大学の教育問題は教学準備委員会で、経営問題は経営準備室で検討。独法化にともなう人事・給与体制については、組合と折衝しながら進めている。今後、各大学に出向いて教員に会って、制度を説明して、提案があれば取り入れて行くつもり。

○曽根委員(共産党)
 各大学に行き、教員と検討する予定なのか。

●宮下参事
 先日、都立大学に出向いた。今後、3大学に出向く予定。

○曽根委員(共産党)
 教員と話し合うと言うことは、良い方向に向かっていると思う。だが、これがもう少し早くやっていれば、このような事態にならなかったと思う。現在の自治を担っているのは教授会であり評議会、学生自治会、院生会、助手会というもの。胸襟を開いて話し合うことを求めたい。
 新大学設立前に、給与水準・昇進制度などを早急に準備して欲しい。今の話し合いの状況からすると、平成17年開学できるか疑問。段取りをきちんと踏んで欲しい。状況は、国鉄民営化に似ている。彼らは17年間闘っている。まだ解決していない。都立大でそうした事態を招く危険がある。新大学にとってもダメージとなるこうしたこと絶対にさけるべき。
 請願・陳情について。これらは、まっとうな請願・陳情が出ている。これまで都立高校の統廃合にかかわる陳情・請願は、200以上出ているが、一つとして不採択になっていない。文教委員会では、保留として対応してきた。教育は多数決で裁断してはいけないという判断だと思う。これは良識的な判断だった。その良き伝統を守ってもらいたい。

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(4)山口議員(生活者ネットワーク)の質問

○山口委員(生活者ネットワーク)
 構想発表以後、これまで、抗議などの文書はどれくらい来ているのか。集約はされているか。

●大村参事
 8月以降、400件ほどになる。内容としては、在学生の学習環境の保障、開かれた協議体制の構築、説明会を開催してほしい、など。ただ、最近は積極的に改革を進めて欲しいといったものも来ている。

○山口委員(生活者ネットワーク)
 要望の多くの事項が、請願・陳情の趣旨になっている。開かれた協議の場が求められている。それでもこれまでの体制を変えないのか。

●大村参事
 教学準備委員会では、自由闊達な論議を行うために議事録はない。現学生については、平成22年まで学習環境を保障すると言っている。個々具体的な要求・要望・意見は、大学で集約してもらい、まとめてもらいたい。情報公開はHPで提供している。

○山口委員(生活者ネットワーク)
 これまでの情報は、決まったことを出してきたもの。求められているのは、決定に至る経緯。会議が非公開という形は、密室といわれても仕方がない。もう少し、決定内容の経緯がわかる情報が必要ではないか。会議の内容がわかる報告書があってもいい。
 学校教育法では、教授会を置くことが決められ、都立大学条例では重要なことは評議会で審議されることとなっている。ところが、今回の改革は、大学管理本部の設置者権限で行うとして、それらを無視している。そのような強大な権限を持ちながら、なぜ学生に説明もできないのか。

●大村参事
 新設・廃止の責任は設置者。条例にある「重要事項」を、はるかに超えた「重要事項」なので、評議会にかける必要はなく、設置者として決める。これは弁護士に確認した。
 すぐ廃止の場合は説明の責任があるが、平成22年まで、現行の大学は残る。現大学には在籍する学生に大学は責任がある。現大学が説明すべき。大学とこちらで調整する。

○山口委員(生活者ネットワーク)
 説明解釈はそれぞれ。学生に対する説明は大学側と言うなら、大学側との協議体制を再構築する必要があるのではないか。

●大村参事
 教学面は、都立大学では教学準備委員会を設置し、具体的作業には全教員に呼びかけて、全くやっていないということではなく、かなり多くの先生方と一緒にやってきている。今のこの制度の中に、開かれた協議は保障されている。現状で、すでに開かれた体制ができているのだから、再構築する必要はない。

○山口委員(生活者ネットワーク)
 開かれた体制でも、行っていることが伝わらないのが問題となっている。
 具体的な学習環境について、説明ができるのはいつになるのか。

●大村参事
 それぞれの大学で説明してもらいたい。

○山口委員(生活者ネットワーク)
 カリキュラムだけでなく、施設・サービス等についても保障されるのか。

●大村参事
 教室・図書館などの施設の使用は問題ないが、クラブ活動などはこれから検討していく。サービスについては、新しい大学で良いものがあれば、旧大学の学生も使えるということがあるかもしれない。検討が進んでから。

○山口委員(生活者ネットワーク)
 クラブ活動については、現在の学生の意見も聞くべき。
 付帯決議について。ここでは、学問の自由、大学の自治が言われている。解釈の違いがあるが、(管理本部は、)もう少し柔軟な対応をすべきではないか。

●宮下参事
 この附帯決議は定款の策定に関わるもので、法人化するに当たって、新しく定款を作成するには、新大学の学問の自由を守るべきという趣旨。これは、現行の大学の教授会の自治を介してという意味ではなく、新大学での学問の自由、大学の自治の保障という意味。新しい大学では、学問の自由、大学の自治は、保障する。

○山口委員(生活者ネットワーク)
 最初のボタンの掛け違いが今に至っている。なぜ、こんなに急いで改革が必要なのか。知事の公約ということもあるだろうが、一日も早く、現場の声を聞いて、しっかり取り組んでもらいたい。

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(5)福士議員(自治市民)の質問

○福士委員(自治市民)
 意思確認書について。文科省の言明しなかった言葉を入れたのは何故か確認したい。

●大村参事
 これについては、組織と組織とのやりとりの中であったもので、法科大学院のことがあったので、こういうことを二度とおきないように、こうした措置をとった。

○福士委員(自治市民)
 国の威を借りるつもりが却って(文科省から)否定されてしまって、教育に携わる立場としては、もっと冷静に事を進めて欲しい。意思確認書については、今どうしても必要ならば、高橋氏が大学と懇談したとのことなので、新学長も含めて、しっかり検討して欲しい。
 単位バンクについて。前回の委員会で、すべての単位を学外で取得するようなことがあった場合、どのように判定するかを聞いた。カリキュラム評価委員会を作るといったが、どうなったか。また、このような制度はかえって複雑でわかりにくいのではないか。

●大村参事
 単位バンクについては、部会で検討中。単位バンクの趣旨としては、学生の将来設計にあわせた多様な選択を可能にし、授業内容の公開による質的内容の向上というもの。科目登録委員会を設定して判定する。ここでは、学外履修のみでなく学内の科目に関しても一括して審査する。全科目を学外で取得というのは、理念上の問題などもあるので、そういう歯止めについてはこれから検討する。

○福士委員(自治市民)
 大学と大学院の設置年度がずれているが、専攻系列の整理はできているのか。

●大村参事
 平成17年の大学院は、現大学の構成に基づくもの。現在は、学部構成を中心に検討している。できるだけ早く大学院の内容も検討して行きたい。

○福士委員(自治市民)
 大学に入学する際に、大学院もセットで考える学生もいるので、早急に検討をお願いしたい。大学院は学部との関係にこだわらないものを考えているのか。新聞に新大学に確保したい人数が430人となっているが、かなり狭まってしまうと懸念があるがどうか。

●大村参事
 今後、詰めて行く。

○福士委員(自治市民)
 いつ頃か。

●大村参事
 平成17年4月に申請するので。その後に結論をだす。

○福士委員(自治市民)
 教員の任期制について。理工は助手が重要。研究補助、これが継続的に可能か、支障があるのではないか。

●宮下参事
 教育保障については、組織的に対応できる体制をつくる。研究員は研究と研究補助を職務とするので、差し障りがない。若いうちに競争的な環境の中で、それに耐えうる力を養うことができる。

○福士委員(自治市民)
 メリットもデメリットもある。落ち着いて研究出来ない、地味な研究ができないとすれば問題があるだろう。
 新大学の独法化では、大学の自治・自立を保障すべきだが、情報を公開しないままおしつけもあり、大学だけでなく文科省とも摩擦を起こしていると聞くが。

●大村参事
 9月に教学準備委員会を設置し、全員体制で取り組んでいる。開かれた体制で進めている。むしろ、混乱を招かないように、意思確認書を取っている。

○福士委員(自治市民)
 附帯決議の解釈が分かりにくい。

●宮下参事
 法人化後の新大学において、大学の自治を保障するということ。教育審議機関などを設置することとされている。

○福士委員(自治市民)
 状況打開には情報公開をすべき。対話の場をもつことが必要。なぜそこまで否定するのか。対話を持つことはマイナスにならない。

●大村参事
 給与体制については、労働組合と協議中。学生には大学が説明すべき。教学・経営の問題は、教学準備委員会、経営準備室を含めて体制を取り、手続きを行っていく。

○福士委員(自治市民)
 管理本部が応えられないのは分かるのが、「この方向でする」という状況報告をする必要があるのではないか。話し合いの場が必要。都立大の教員の多くが意思確認書を出していないと言うが、都立大が最も大きく変わるのに、どうなるかを示さずに、意思確認書は出せないと思う。

●大村参事
 都立大が最も変わる訳ではない。都立短大は廃止になる。いろんな分野にバラバラになる。だが、この先生方は100%提出し、新しい大学で良い大学を作っていこうとされている。

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(6)村上議員(自民党)の質問

○村上委員(自民党)
 大学改革の必要性について確認したい。新しい大学で目的とするのは何か。明確にしてもらいたい。

●大村参事
 大学改革は、都が進めてきた教育改革の集大成。都市における人材育成がどうあるべきか、大都市における大学の持つべき使命を果たせる大学を実現する。

○村上委員(自民党)
 これまで培われた、都立の大学の蓄積についてはどう考えるか。

●大村参事
 首都大学では、個別的縦割りの学問体系にとらわれない学際的な研究の在り方を追求して行く。

○村上委員(自民党)
 これからの大学は生き残りをかけた競争。都立大学はどうするつもりか。

●山口管理本部長
 18才人口の減少により、大学間の競争は激化。全員入学の時代が来る。平成15年度、私学の28%が、定員割れを起こしている。そのために経営的視点を取り入れ、競争できる大学にして行こうと考える。

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 陳情採決

〇東委員長
 ほかに発言はありませんか。

●大塚(民主党)
 委員長。請願に関してですが、旧態依然の大学で良いとは思わない。経営的視点を取り入れて改革すべきである。しかし、改革の進め方には問題があるように思う。本日結論を出すのではなく、保留という形にしたい。

○東委員長
 本件は、保留とすることにご異議はありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 異議なしと認めます。よって、請願15第87号は保留とします。
 これより採決を行います。
 陳情15第88号を、趣旨採択とすることに賛成の方は起立願います。
     〔賛成者起立 共産党・自治市民・生活者ネット 計3名〕
 起立少数と認めます。よって、陳情15第88号は不採択と決定しました。
 陳情15第89号を、趣旨採択とすることに賛成の方は起立願います。
     〔賛成者起立 共産党・自治市民・生活者ネット 計3名〕
 起立少数と認めます。よって、陳情15第89号は不採択と決定しました。
 陳情15第93号を、趣旨採択とすることに賛成の方は起立願います。
     〔賛成者起立 共産党・自治市民・生活者ネット 計3名〕
 起立少数と認めます。よって、陳情15第93号は不採択と決定しました。

 以上で、審査を終わります。

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