尼港事件殉難者記念碑


尼港事件殉難者記念碑(全景)

 茨城県水戸市にある某地方国立大学から南に500mほどいくと小さな公園がある。傍らの道から見ると、何の変哲もない公園である。多少異なるとすれば、非常に樹木が生ひ茂つてゐるといふ点であらう。公園に入り、右手奥に進むと巨大な石碑を発見することが出来る。

 その7・8mはあらうかといふその石碑には「尼港殉難者記念碑」と大書され、揮毫者の部分には「陸軍大臣山梨半造書」と添へられてゐる。

 これが、国家神道ヒエラルヒーの底辺をしめる「村のヤスクニ」としての忠魂碑である。

 殉難者記念碑(拡大)

 尼港事件はシベリア出兵中の1920(大正9)年3〜5月、ロシアのパルチザンによつてニコライエフスク港の日本守備隊及び居留民約700名が殺害された事件である。

 「尼港殉難者記念碑」の傍らには「尼港陣没将士銘」なる2mばかりの碑が建てられてゐる。この碑に記載されてゐる人々が、具体的に祀られてゐるわけである。上は「歩兵中佐 石川正雅」(第二連隊第三大隊大隊長)から下は「馬丁 植木茂右衛門」まで305名の名が記されてゐるが、一人の民間人もそこには存在しない。


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