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京都カフェ >> 7.その他のエリア
京都のカフェ・サラサ西陣
サラサ西陣外観
京都市北区紫野東藤ノ森町11-1 離楽庵1F
tel. 075-432-5075
open 12:00〜22:00 水休
市バス1,12,92,204,205,206 大徳寺前より徒歩7分

築80年、大正時代の見事な銭湯建築様式が残る「藤森湯」の内部を改造した「離楽庵」は、ギャラリー、カフェ、洋服のショップなどの集合体。

茶道にゆかりが深いと言われる大徳寺の伽藍群を幾つか見て回ったあと、北大路通りのバス停「大徳寺前」からお店に電話。お店の人に丁寧に教えてもらった通り、ビデオショップと薬局の間の細道を進みます。4筋目、と教わったのだけれど、細道がたくさん交差していてどれをひとすじと数えていいのかわからなくなり、途中で数えるのを放棄。もう一度電話しようかしらと思い始めた頃、左手に銭湯建築が現れました。

この入り口を子供の目線で見上げたら、『千と千尋の神隠し』の豪奢な湯殿の入り口に見えるかもしれないと思いつつ、引き戸を開けて中へ。
カウンターの奥にひろがる空間はまさしく元・銭湯! 二つのエリアに分かれた店内は男湯/女湯の仕切りの名残をとどめ、高い天井に設けられた大窓から夕空が見えています。 壁のつややかな花柄タイルはマジョルカ風。足もとの古いタイルには、蛇口か何かが取り付けられていたらしい痕跡が並んでいました。

ディナータイムにはまだ早く、オーダーできるのは何種類もあるラッシーなどのドリンクと、「りえこさんの日替わりケーキ」などカフェメニューだけです、と言われたのですが、軽い食事はできませんかと尋ねたところ、可愛い女性スタッフが厨房に聞きに行ってくれました。朝からスイーツを食べ続けた私のおなかと舌が、甘いものを拒否していたのです。

笑顔で「できるそうです!」と言いにきてくれた女性スタッフが天使に見えたことは言うまでもありません。すかさずエビスビール(\500)と塩チャンプルー(\790)を注文して、至福のおやじ晩酌タイムに入りました。塩チャンプルーは豆腐や野菜をざっくり炒め、紅しょうがをのせた沖縄家庭料理。このほか、タイカレーやナポリタンライス(懐かしいスパゲティーをケチャップ味のライスに変身させたもの)など、フードメニューは豊富に揃っていました。

並んでいる家具は、銭湯建築やタイルによく合う木製アンティーク風。背もたれに聖書入れのついた教会用の椅子には、メニューが差してありました。同じ椅子をどこかで見た…と思ったら、一乗寺のギャラリーカフェ、きさら堂で座ったのでした。

若手作家のものらしい陶器が並んだ棚には、フライヤーも多数。その中に、カワグチタケシさんたちのポエトリー・リーディングのフライヤーがありました。以前ハートランドで彼の自費出版の詩集をめくったときに、ページに「東京タワー」の文字を見つけて購入したことがあったのです。スタッフの一人が彼の知り合いで、このイベントのために京都に呼ぶとのこと。イベントの日付を見る限り、私が聞きに来られる可能性はないけれど、銭湯の天井に詩人の声が響く光景を想像して楽しみました。

かつては地元の老若男女が裸でくつろいでいた空間が、本来の役割を終えたあとで無惨に取り壊されたりせず、カフェに生まれ変わって町の人々や観光客にひとときのくつろぎを与えているのを見るのは嬉しいものです。お風呂の湯気のかわりに、コーヒーやごはんの湯気がふうわりと。
(2003年10月)
離楽庵WOOD-INサラサ西陣店内サラサ西陣店内塩ちゃんぷるー
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