堺にはハワイの町ハレイワをイメージしたカフェがあると、堺在住のマンマンデーさんから教えていただいて以来、大阪に行ったら必ずラニカフェ・ハレダイナーを訪れようと心に決めていました。
旅行好きの人々の中には北国ばかり旅する傾向の人と、南方ばかり旅する傾向の人がいるようですが、かつてヨーロッパ一辺倒だった私は、なぜか30歳を過ぎてから強烈に南に惹かれるようになり、このところ沖縄とハワイにばかり行っています。本島。離島。ぬるい空気。濃い陰。早朝の通り雨と虹。
<南>の何がそんなにも自分を呼ぶのかわからないけれど、たとえばハワイのさびれた田舎町の建物の、日光にさらされて褪色したブルー、褪せたピンク、もとは鮮やかだったであろう原色が薄れた色に、たまらなく惹きつけられるのです。沖縄の場合は食べ物にぞっこんであることも大きな理由ですが。
ワイキキはアメリカ人の<南の島の楽園>幻想を結晶させた人工の海岸。大規模なショッピングセンターが並ぶ観光天国として整備されたエリアです。東京から行ってもカルチャーショックはありません。お買い物、食べ歩き、五つ星ホテル、夕日を見ながらクルージング、ビーチでお昼寝、エステ、水族館、便利なコンビニ。ワイキキですることと東京ですること、どこが違うのでしょう?
一方、ゆるやかで大雑把な時間が流れているのがノースショアのハレイワ。ワイキキから東海岸づたいにハレイワまで車で走ると観光客の来ないビーチが点在し、ああ、やっとハワイに来た!という実感をかみしめることができます。
ハレイワは明るくいなたい町で、ショッピング好きの人々には「なんにもないところ」と通過されてしまうような場所ですが、海岸にうち寄せる豪快なビッグ・ウェイブが素晴らしく、サーフィンを愛する人々にとっては聖地のひとつです。
そんなのどかなハレイワでさえ、時代の変遷と無縁でいることはできないのですが…。
なんば駅から南海本線に乗って急行で2駅、堺に降り立って、お店の人から「歩けないことはないんですが、途中にお店とか何もないので、タクシーの方がいいですよ」と教えられた通りタクシーで大浜中町の交差点をめざします。
交差点の角に、もとはサーフショップだったという白い一軒家が建っていました。お店の前には椰子の木と赤い椅子。なんだかもうハワイです。1階は大ぶりのソファや中古家具が並ぶハワイ空間、2階はロッキングチェアや長いベンチ、オーナーお手製のテーブルを配したバリ空間で、小さなテラスも設けられていました。
1階の大きな窓辺のソファでは女の子2人が本当に気持ちよさそうに和んでいたので、2階でハワイ島の地ビール・tsunamiビール(\600)と、グレイビーソースをかけたロコモコ(ハンバーガー+目玉焼き+ごはん\750)をいただきながらMother
Moon Cafeで働いていたという若いオーナーにお話をうかがいました。
もはや心の中にしか存在しない、70年代ののんびりしたハレイワの町。その姿を再現したのがLANI
CAFE HALE DINERなのだそうです。オーナーはサーファーとして年に二度はオアフ島ノースショアを訪れていたそう。
LANIとはハワイ語で天国、HALEとは家、家族を意味します。
「大浜ハワイ化計画があるんですよ」とオーナーは笑います。「このカフェの前の道路が海岸通り。大浜は堺の北に位置するので、まさにノースショア」
オープンの15時から18時まではLani Cafeとして、18時から24時まではHale Dinerとして、記憶の中の街の空気を楽しませてくれます。カフェタイムののんびり具合とダイナータイムの活気、どちらも魅力ですが、一人で訪れるならきっとカフェ時間が最高なのでしょう。
18時からのダイナータイムには、ハワイ料理はもちろん多彩なエスニック料理も登場し、従来は堺を通過するだけだった人々が仕事帰りに立ち寄ってくつろぎながら夕食を楽しんでいるのだそう。メニューはパシフィック・リムをベースに、リゾートで食べた記憶のある「ロコフード」で構成。ハワイ名物スパムと目玉焼きをはさんだサニーサイドアップ・ベーグル(\750)、ふわふわのパンケーキ(\550)、海老だしのハワイ風ラーメン"サイミン"(\650)ベトナム風生春巻き(\700)、バリ風のYakitoriサテ(\700)など。
いささか殺風景な町で暮らしていても、遠いハレイワに寄せる輝く波を知っていること、魂の一部がいつもハレイワの空気を感じていることで、こんなにもピースな気持ちを保っていられるのだと、2階のテラスに出て大浜ノースショアを眺めながら思いました。おそらくオーナーも同じようなことを考えているから、古き良きハレイワの気配に満ちたお店を造ったのでしょう。帰り道は海岸に出て散歩しながら駅に向かいました。
(2003年10月)
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ハワイ料理の定番といえば
ロコモコ。
ロコモコ発祥の地は
ハワイ島の「100 CAFE」
ということになっています。

2階には小さなテラスもありました。

2階バリ空間。

ロッキングチェアのある一角。

オーナーはカフェを始めてから
ハワイに行くだけの休暇が
取れなくなってしまったとか。
▼Lani Cafe Hale Dinerのホームページ
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