
| . | 水とパスタ | . |
| まず水を語る前に・・・ |
ええと、水を語るっていうと、軟水だの硬水だの大演説しようと身構えてしまうわけですが、今の日本ってそんなことよりもっと大問題が転がってるわけである。
特に私は東京在住である。
出身は一応水がおいしい栃木です。
帰省して、玄関をくぐると、誰にでもなつく犬におやつをやり、どかどかと廊下を歩いて台所までいって水をコップにジャーっととり、ごくごくと飲む。
ほんのりと甘めな、匂いのない水である。
私はこの水で育ってきたわけで、この水を飲むと非常に落ちつくわけである。
改めて考えてみると、帰省するたびに水をがぱがぱ飲んでいる。
ここの水の味に飢えているわけですね。
体の隅々まで行き渡ってしまい、もうあなたなしでは生きられない、ってことになってるわけです。
で、東京に数年前に出て来て以来、東京の水に浮気をしているわけであるが、これがどうにもこうにも頂けない。
だったら浮気するなと言われそうであるが、男だからしょうがないのである。
違った。
人間たるもの水飲まずに生きていけないからしょうがないのです。
何がまずいのか?
まずその匂い。これがやはり一番酷い。
子供の頃アメリカザリガニを追い回した沼の匂いがする。
そして味。味がちゃんとついてるんですね。味付け水道。
世の中では味付き卵は昔からのベストセラーだが、味付き水道はあまり流行らない。
とにかく夏の暑い日に帰ってきて、喉乾いてるから、たっぷり飲みたいところだけど、この匂いと味がたまらず、鼻をつまんで一気に飲み下すってのも都会の人間なら洒落にはならないわけです。
話しに聞いたところだと、東京なんかまだましな方で、大阪の人達は更にすごいらしいですね。
「滋賀の人→京都の人→大阪の人」という冗談とも本気とも取れる話を聞いたことがある。
お悔やみ申し上げます。
もっとも私は東京都水道局に文句を言ってるわけでなく、まずいから金払わないとか思ってるわけでもなく、むしろ水道局の皆様には感謝していますですよ。
一度水源なるものを見に行ったことがありますが、あの状態から飲めるようにしてくださってる東京都水道局の方はえらい。
素材が悪い中を不屈の努力でがんばって、なんとか人様に出せるものにしてらっしゃるわけで、その努力たるや大変なものと思う。
どうしてもこうなってくると、浄水機をつけるであるとか、あるいは水を買うであるとか、ユーザー側の対応が必要になってくるわけである。
しかし私には金がない。
よってこれらを語る資格を持たず、まずいまずい言いながら我慢して日々飲み、パスタを茹でているわけです。
金いっぱい稼げるようになったら、浄水機を買って飲みまくろうと野望を抱く日々。
| 水の種類 |
いかん、たわごとモードになってしまった。つまり硬水だ軟水だとがたがた言う前に、日本の場合は綺麗な水を確保する必要がある、ってことをまず押さえておきたかったわけです。
さて、「水」というのは、言うまでもなく分子式H2Oで表される分子の液体の状態である。
水素(H)と酸素(O)が結合することで出来ている、というのはかの有名なラボアジエさんが発見したこと。
実に単純な化学物質である。
けれどその性質は、他の物質と比べれば「異常」とも言えるもので、常温で液体という「変」な性質とか、なんでも溶かせるというやはり「変」な性質は、原子のイオン化傾向がどーのとか水素結合がどーのということをしゃべれば説明がつくらしいけど、ボロがすでに出まくりなのでやめておく(笑)。
化学的に「水」と言った時には、H2Oが純粋な状態(純水)であるが、自然界にはなかなか存在はしない。
大抵の場合、多かれ少なかれモノを溶かしこんでおり、これによって分類がなされる。
例えば海水はNa(ナトリウム)やMg(マグネシウム)やCl(塩素原子)が溶け込んで、あのようにしょっぱくなっているわけである。これは多く溶かし込んだ例。
普段飲み水として飲むものにはそんなに多くのものは溶けこんではいないわけであるが、その少ない中で量についていくつかに分類する、ということをしている。
先ほどから出てきている「軟水」と「硬水」という言葉を一度は聞いたことがあるに違いない。
これは水の中に含まれているCa(カルシウム)とMg(マグネシウム)の量を炭酸塩( (Ca,Mg)CO3 )の形に換算した重さで分類されている(硬度=(カルシウム量×2.5)+(マグネシウム量×4.1))。厳密な分類ではないけれど(厳密な分類はWHOなどが出してます)、大体
| 軟水 | 100mg/リットル以下 |
| 硬水 | 100mg/リットル以上 |
ところで、水にはもっと他のものは溶けこんでいないのかといいますと、他にも様々な無機物があり、例えばFe(鉄)なんかは比較的多く溶けこんでいることがある。
これが入っていると鉄臭くなって水自体はうまくなくなりますが、お茶を入れるときなどは意外に旨味になったりもします。K(カリウム)やMg(マグネシウム)なども入っている。
あるいは炭酸ガス。これも多少含まれていた方が旨味に感じる。ヨーロッパなんかでは炭酸になっちゃってるのもありますね。
また有機物も含まれており、例えば人間が汚くした水に雑味があるのも多くの場合こっちが悪さをしている。
これら様々ある水をどう分類するか、ということなのであるが、農林水産省の「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」では次の4つにわけているようだ。これは硬水・軟水などの「味」の区別というよりは、むしろ製法・材料について言及しているものですな。
でもねぇ、出まわってる水のほとんどが「ナチュラルミネラル」であることを考えると、あんまり役に立たない分類のような気もする。「ミネラル」の冠をつけるかどうかも明確な基準がないようです。
この他原料として何を使ってるかってんで、浅井戸水・深井戸水・湧水・鉱泉水・温泉水・伏流水・鉱水なんて分け方もある。ただこれも味とは関係ないし。
とすると、味を分類するためには、やはり成分表を載せて欲しいなぁ。
| 「うまい水」とは? |
「うまい水」ってよく言います。あれは一体なんなのだろう?
旅行をしていると山裾なんかで、ポリタンク抱えた人が行列してるのに出合いますね。
何も山まで来て行列しなくてもと思うんだけど、どうしても汲みたいらしい。
私も飲みたいもんで並ぶんですが、ええい、前のおばちゃん20リットル40リットルと汲んでいるので列が進まない。
風呂でもいれるつもりだろうか。
水を汲むのにポリタン使ったら、雑味がつくじゃないか。せめてガラス瓶を用意せんかい。
ポリタンおばちゃん達の会話に耳を傾けると「ここの水冷たくていいのよね」
・・・冷蔵庫使ってください。
ただ日本にある名水と呼ばれるものは(例えば名水大全あたりが詳しい)、涌き水であることが多い。
1つには非常に重要なことで「飲める」ということ。
川の水や溜まり水は細菌が繁殖しており、決して安全とは言えない。腹壊します。
その点ある程度地下を通ってきた湧水は細菌も死滅し濾過され、安全な状態にあることが多い。
また、地下を通ってくるため一年を通して温度が変りにくいというのもポイントである。
山歩いて喉の渇きを癒し、涼を取らせてくれる安全な水、これこそが「うまい水」の原点であると思うのです。
ただここでは「味」について考えたい。
持って帰ってもぬるくなっても「うまい」水。
水には確かに味がある。
「まろやか」とか「甘い」とか「キレがある」とか、こんな表現が良く使わている。
あれは一体何かというと、水に溶け込んでいる微量成分のせいであることは容易に想像がつく。
が、ものの本を紐解いていたら、水分子の水素結合はいくつかの分子を集合させクラスターを作るそうで、このクラスターの大きさがそろっているのが旨いんだそうだ。・・・難しいですな。とにかくこういう味の差もあるらしく、「まろやか」と表現されるような水に関してはこのような傾向があるそうです。むにゃむにゃ。よくわかりません。
でもまぁ、微量成分の効果の方が大きい。(ということにしないと、話しが進まない(笑))
それが上に上げたような、「硬水」「軟水」の区別であったり、その他の成分の効果である。
効果の強そうなものを順にあげると、まず「硬水」「軟水」を決めている、Ca,Mg。次いでNaCl(つまり塩分)。それから国産ではあまりないがCO2(炭酸)。後は、Si(珪素)やK(カリウム)という感じですな。
今や世の中には水があふれ、南アルプスででんでん〜♪という音にのって、南アルプスからペットボトルが運ばれてきているらしい。あるいは、ぼ〜るび〜っく♪という音にのって、フランスあたりから水が空を飛んでくる時代である。
ということで、近所のスーパーで手に入るものをざっと飲み比べてみることにする。
で、成分表示のないものもあったので、そこらのサイトをかけずり回って、「硬度」集めてきました。ついでにpH(酸性アルカリ性指標7.0で中性)と国名ものっけときます。
| 硬度0-100 | SPA(13.9,ベルギー), Luso(8.4,ポルトガル,pH5.6), 南アルプスの天然水(30,pH7.1), 大清水源水(30.7,pH7.20), volvic(50.0,フランス,pH7.0), 六甲のおいしい水(83.0,pH7.4), 龍泉洞の地底湖の水(81.0,pH7.6), Crystal Geyser(92.5,pH8.0) |
| 硬度100-300 | HIGHLAND SPRING(175.0,イギリス,7.80), VALVERT(176.5,ベルギー,pH7.7), evian(297.5,フランス,pH7.2) |
| 硬度300- | Vittel(307.1,フランス,pH7.5), Perrier(364.5,フランス,pH4.99), S.Pellegrino(733.6,イタリア,pH7.1), Tonissteiner(969.5,ドイツ), Contrex(1503.5!,フランス,7.45) |
上の感想と下の成分を見比べると、私が好きなのは軟水でpHは7くらい、という感じに大体なってますが、どうやらそれだけじゃないみたい。まぁ味の数値化は難しいですね。こんなとこで勘弁してやってください(笑)
ということで、次回(いつ?)はいよいよ、料理に合わせた水の話しです。。