「奇跡の人」 真保 裕一

Book

奇跡の人。。。去年(1998年)かな、山崎まさよし主演でドラマ化されてましたね。
私は見ていませんでしたけど評判はとてもよかったようです。

この本、前から気にはなってたのです。
なにかの雑誌に、ドラマも良かったけど原作の方がとてもよい。
と言うことが書いてあったので。
往々にして、ドラマ化した場合、やっぱり本の方がいいのが多いです。
なので私は好きな本がドラマ化された場合はほとんど見ないです。
(映像として、見たいなあとは思うんだけど)

今までに、真保 祐一の本では「ホワイトアウト」と、いうのを読んでます。
この本は冬の山を舞台にしたアクションものでしたけど、この本も
かなり、読ませましたね。
それ以来、何冊か出ているようでしたけど機会がなくて読めず、
やっと図書館で借りることが出来ました。

さて、この本なんですけど 寝る時に読み始めて、おもしろくてそれでも
もう、遅いんだからと思って読むのをやめて、
次の日も、寝る前に続きを読み始めて...やめられない止らないかっぱえびせん♪
状態になってしまって、読み終わって寝たのは3時過ぎ..。
(こんなんだから体調をくずしたりするのかも...反省)
でもさー。
面白い本だと続きが気になってやめられないのよねえ。

この本は、交通事故を起こして植物状態になりそうになりながらも奇跡的に回復し、
社会生活に復帰しますが、自分の過去の事をまったく覚えていないのです。
その過去を知りたいために、自分がどういう人間であったのかを知りたいために
調べ、そしてその結果...つらい事になり元に戻ってしまいます。


最初は、ずっと看病してきた母から事故を起こした子供にあてる手紙から始まります。
また、その母が残した看病日記を織り交ぜて話が展開していきます。
そして、その母も病気で亡くなり、また不思議な事に過去の事がまったく
わからない状態になっていました。
そしてその過去が徐々に明らかになっていくわけです。

少しづつ、明らかになるたびにこれ以上は調べない方がいいよー。と、私自身
不安になるような展開でした。
(詳しい事はもし、読もうと言う人がいるといけないから 書けないけども)

自分の過去...消したい事実は沢山あるけども消えないです。
その、いろいろな事があって今の自分があるわけだし。
それが、まったくなくなってしまったら...考えると恐いです。

また、この本は奇跡的に回復した後、赤ちゃんの状態に戻ってしまうのですが
それから言葉を覚え、リハビリを経て歩けるようになっていくのですが
その経過はこちらにとって力強い物があります。
脳の障害には、様々なものがあって意識がなくなったり回復しても手や足が
不自由になったりします。
私は前に脳外科に入院していた事があって、その時に人の回復力というものを
見ました。

最初に、頭の中の血管に造影剤を入れて血管の位置ですとかを調べ、撮影する検査をしたのですが
(よく分らないですけど、お腹の方から点滴で入れるんだよ。割りとつらい検査で
多少の麻酔をかけます。痛い事はないんだけどね)
その時に同じ検査を受ける60歳代の女性がいて、いろいろと話をしたりしてまして。
(検査の前に他の検査とかをする為に4,5日ほど入院してます。)
しっかりした人で、ちゃきちゃきとしゃべる人でした。彼女も検査入院なので
どこにもなにも、症状はありませんし。
そして、彼女は私の検査の前の日に、その血管撮影をしたわけです。

それが...具合が悪くなったようでなかなか病室に帰ってきませんでした。
娘さんと仲良くなっていたので聞いた所、意識がなくなり集中治療室に
入ってしまったとの事でした...。

その後、私は手術の為に再入院して彼女に会ったわけですが
彼女は意識を取り戻しましたけど、記憶、手、足に障害が残って動けなく寝ている状態でした。
とても驚きましたし、悲しかったです。
またその後、私は再手術の為に半年後くらいに再入院したのですけどその時も
彼女は入院していました。
そして、その時には 起き上がり、言葉も少しづつですが戻って来ていました。
(その間、ちょくちょく病院にはいっていたのでお見舞いにいったりしてて、様子はみていたのですけど)
とてもうれしかった。
リハビリにいくのに一緒についていって、側にいたりもしましたし、こちらの事も覚えている
ようでした。その後、つえをついて歩けるようになりハビリ専門の病院に転院していったわけですが、
人間の回復力はすごいなあと思い、また家族のささえというのは強い物だなあと感じます。

今はきっと、ちゃきちゃき前のように話して、歩いている事を祈ってます。

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