「弥勒」 篠田 節子

Book

作家の篠田 節子さんの本は今までに「女たちのジハード」を読んでいます。
「女たちのジハード」はOLさんが主人公で自分に近いものがあったりでこれも、とても
共感した本なのですが、今回の「弥勒」は、読んでいてとても引き込まれてしまいました。

と、いうのは...夜中の2時過ぎから読み始めて 途中で止められなくって読み終わったの
朝の6時ごろだったという...。(もう、夜は明けていた。土曜日の夜でよかったわ...)
本の厚みが4cmほどあるハードカバー...。

美術展を企画する仕事をしている永岡英彰が主人公で5年前に仏教展覧会を企画して
その際にチベットとインドの境にある「パスキム」という国を観光に訪れます。
(実在の国ではありません)
パスキムという国は観光地化されてなく、貴重な仏像があり、町全体が遺跡のような所として描かれ
ています。
その後、その貴重な仏像の一部が外に流出している事を知り パスキムを再び、密かに訪れます。
そこで、彼が見たものは...。

王の元側近のゲルツェンがクーデターを起こし、宗教や美術を含む文化すべてを否定し、神仏や「救い」さえもまやかしとする合理的理想社会を追求していることを知ります。
仏像を燃やし、谷に捨て、聖職者を皆殺しにしてしまう...。

永岡は軍につかまり、強制的に村で労働させられます。
それから強制的に妻をめとり...そして...国全体で食料を自活しようとしたが為に
また、魂の救い(神に祈るという事)をなくさせた事により、理想が壊れていくのですが。
このあたりから、中国の文化大革命に近い感じだと、思います。
(文化大革命について、私には知識不足なのですが...また、山崎豊子の「大地の子」にも近い)

人間にとって、宗教とは?救いとは??というものを考えさせられます。
そして、資本主義の世の中、共産主義の世の中...。

私自身は無宗教なので神に祈るとか神に救いを求めるというのがよく、わかりません。
ただ...昔からある お天道さんに顔向けできない...。というのは分かります。
また、苦しい時には神頼みもします。
宗教については無知な事が多く、何もいえないのですが...。
ただ、なにかあった時の救いというのは 人間にとって必要な事だと感じますが。

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