さらしな乃里
(築地)



新鮮で絶妙な天ぷらに、
洗練された正統派更科蕎麦を。


もうちょっと白い 築地市場という東京の隠れた魅惑スポット。何も魚を買う必要はなくてふらふら歩いているだけで、寿司だの天ぷらだの新鮮な魚介を一杯につかってしかも安いという食い物屋が並ぶ。この空間を何も食わずに通りぬけることは不可能に近い(何か食いにいくからなんだけどね)。さて、築地の外れのほう、新富町駅の近く。この辺りは魚屋的なものはそれほど多くない辺りだが、かなり立派な構えの蕎麦屋がある。入り口から正面のガラス張りを除くと、客席がない。これがどれほど私のような若い客をおびえさせることか。かろうじて表にメニューが出ているのが救いで、これがなかったら、すみません私負けましたと引き返すところである。さて、一歩店内に入ると正面に蕎麦の打ち場で、右手に地下に伸びる階段がある。下からする出汁と天ぷらの香りに導かれて降りれば、ゆったりとした客席。中には坪庭なんかしつらえてあるんですな(地下なのに)。一転ゆったりとした気分になってしまう。
この店は、「さらしな」「普通のそば」「変わり」を打ち分ける。店名の通りやはり「さらしな(単品700)」を頼む。それから天ぷらが安めで、えび天せいろが1300円。ああ、これにしよう。他に穴子やホタテなど天ぷらのラインナップはなかなかのものです。(このほか会席や刺身なんかもそろってまして、さすが築地である)。
出てきたさらしなは、当たり前であるが白い。そしてきめが極めて細かい。で、この普通の細さの蕎麦はかなりの弾力を秘めており、きりっと冷やしたそばはかすかにさわやかに甘い。いい感じです。つゆは天ぷらに合わせてあるんだろうか、やや甘めに仕上げてある。えび天は、ふわっとした衣(花は咲かせない)に太身の甘いエビが包まれる。かぼちゃ天もうまうま。これにショウガと大根のおろしをつけて食うのです。あー、がつがつとあっという間に食べてしまった。
築地散策のシメにぴったりの店です。

(追記:布屋善次郎氏(創業者)は明治32年に麻布永坂更科(現・更科堀井)から暖簾分けし、神楽坂に「牛込更科」を開業。戦時中一時休んで、築地に移動して「さらしなの里」再開。そこで修行した方達のページがこちら「里会」
(2000/2)

03-3541-7343
東京都中央区築地2-2-7
11:30〜20:30 (土11:30〜14:30) (日祝休)

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2000/2 ちゃぶち