竹邑庵太郎敦盛
[ちくゆうあんたろうのあつもり]
(新橋)



ヘンだぞ。ぜったい、ヘンです。ここは。


本店は京都御所の近くにある店らしい。長い名前の最後の「敦盛」は、この店の名物の「熱盛り」にかけたもの。「熱盛」というのは、茹で上げて一度水でしめたものを熱湯にくぐらせ、暖めたつゆで食べるのが一般的。一般的とは言え、近頃はメニューには乗っておらず冬の時期に蕎麦通が頼む裏メニューとなっている。この店では茹でた蕎麦を、蒸篭(せいろ)に載せて蒸すという形をとっているらしい。蕎麦屋で「もり」を供するときに使われる蒸篭は、蕎麦黎明期に蒸した蕎麦が主だった頃の名残であるが、この店では蒸篭を本来の使い方なわけですな。
以上、うんちく終わり(笑)
さて、新橋のほうのお店について。JR新橋駅を西側に出て新橋ビルを右手に見ながら最初の信号を左折。 この辺り飲食店集中地帯で、昼も夜もオフィスからあふれ出たサラリーマンであふれかえる。次の信号を右折すると右手に「黒そば」と書いた店がある。表には「まずい蕎麦」とか「体に良い」とかうんちくがべたべた貼ってあるので比較的分かりやすい。で、戸を引いて中を覗くと・・・怪しい空間が(笑)。入ってすぐで靴を脱ぐようになっており、畳敷き。小上がりになっておらず地べたと同じ高さなのがちょっと違和感がある。畳の上には赤い座布団と民芸調のテーブルがバラバラと置かれている。店内のあちこちにある有田の大皿が目立って、どこか長崎風(?)な雰囲気。しかも店内に流れているのは演歌の有線。女将さんらしい恰幅の良い髪を結ったおばさんが関西弁で何か言っている・・。
基本的に夜は酒を飲むところらしく肴も充実している。で、蕎麦は名物の「あつもり(900円)」と「おっかけ皿そば(900円)」。
「熱盛」を頼むと、店員さんが「食べにくいけどいいですか?」と聞いてくる。いいです。それ持ってきて下さい、ってなわけでやってきました敦盛蕎麦。四角い分厚い蒸篭箱の蓋を取ると中から湯気立つ黒いせいろそば。甘皮まで引き込んだ十割そばであるらしい。太さは普通。で、つゆがまた特殊で、赤い椀に山ほどのねぎと生卵が割られて出てくるが、これに砂糖で甘くした濃い目のつゆを入れてかき混ぜて、さらにそこにそばを混ぜて食べる。蒸されたそばは、むっちりと粘るのでそのままではすすれないが、そこにこの卵でとろみがついたつゆに混ぜて食えば、結構滑らかになるのである。量も多いので、腹ももっちりと膨れる。挽きぐるみであることで、かみ締めたときに若干のざらつきを感じる。香りは大して無い。そばのコシは無く餅化しておりご飯食べてるみたい・・・まぁ、こういうものと思えば・・いいかな、という感じ。めずらしいし。
(ところで「おっかけ皿そば」は雰囲気としては兵庫の出石蕎麦で、熱盛と同じ黒いそばが、5つに分けて小皿に盛られて出てくる。つゆは同様のものに、とろろが入っているらしい。)
(2000/4)


03-5473-8803
東京都港区新橋3-15-6
11:00〜?、17:00〜22:00(日祝休)

[本店] 075-256-2665
京都市椹木町烏丸西入ル下ル(楠小路内)
11:00〜15:00(日祝休)

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2000/4 ちゃぶち