傘亭
(高田馬場)



若造の入りこめない蕎麦通達のめざす最高峰。


JR高田馬場駅の北口を出て、学生・地元の人が行き交う早稲田通りをひたすら西に進む。セイユーを通りすぎ、ボウリング場を通りすぎ、人影がまばらになってきてなんとなく街が寂れたなと思うころ、右手にこじんまりと出している店がある。そこが傘亭。
昔から通に愛されてきた店らしいが、「蕎麦屋で憩う」できわめて有名になった。
中に入ると5,6席のカウンター席と壁にぺったりとくっついた小さなテーブル席があった・・がテーブル席はあまり使わないよう。かなり店内狭いです。
カウンターについてメニューをながめると「うちの蕎麦は2,3枚で1人前です」とある。なんか覚悟が決まりますな。
とりあえず「せいろ(800円)」を注文。鋭い目つきをしたご主人はカウンターの向うで蕎麦を茹で始める。・・・どこかびくびくしてしまいます。カウンターには、そば粉からうどん粉から、わさびから何から何まで使われている食材の入手先が書いてある。酒のつまみは驚くほど多く、また酒も全国に名だたる銘柄が名を連ねている。かなり気合の入った蕎麦屋です。

まず、蕎麦湯(というか、そば粉を湯で溶いたようなもの)にゆずが浮かべられて出された。お茶代わりと言った感じだろうか。それをちびちび舐めてると蕎麦。丸いせいろに乗せられて出てくるのであるが、これが・・これが・・・信じられないほど少ない(笑)。写真のせいろの直径が大体15cmほど。さすがメニューに「少ない」と宣言するだけのことはあるのである。

蕎麦はやや切りべらの細麺で、粘りのあるコシがある。風味もとてもいい・・・ような気がする。なぜ気がするかといえば、余りに少なくて味わいきれなかったのである。
つゆは「しょっぱい醤油」を使っている感じ。面白いです。薬味にはネギ・わさびは付かないで辛味大根のみ。蕎麦の味を壊すからだそうだ。

でー、この店の雰囲気に押された私は蕎麦の写真を取ろうと思ったんだけど、ご主人さんの威に怯えてしまって、シャッター押す手が震えぶれてしまいました(笑)
ああ、そうですよ、どうせ私みたいに腹空かせた若造が来るべきところじゃありませんよ。
(1999/11)





あんまりに恐ろしくて1年もご無沙汰してしまった。
で、とある休日の昼下がり再び出かけてみました。
おそるおそる・・。
今度は酒から入ってみる。酒は「神亀」の純米だ。これがまたつるりつるりと入っていく旨い酒。昼間酒の旨さも手伝って、くぴりくぴり。
肴にはまず生海苔(400円くらい)を頼んだ。ついで崩れ豆腐(500円くらい)を頼んだ・・・と崩れ豆腐に生海苔が載っていた(笑)。ご主人、私の修行が足りませんでしたっ。
崩れ豆腐よりも更に冷奴(700円)の方がおすすめだと言う。んじゃ、それも行きます、ということで出てきたのが、かなりがっしりした豆腐。羊羹くらいの硬さがある。でねぇ、これ豆の味の塊っていうんだろうか。いいねぇ酒に合うねぇ。次からは断然これである。
ええとですね、それから天ぷら頼んだ。蕎麦屋っぽくないさらさらの花衣を散らしたやつ。旨いよう。私の持論としては、天ぷら(特に塩で食うやつ)は日本酒に合わない。ビールの方が合うと思う。がー、ここならなんか許してしまう。ちゅうか、私が許す許さないなんてここでは全く関係ないのであった。
(ちなみに、あとで知ったのだが、ご主人はビールはポリシーで置かないのだそうだ。「とりあえずビール」は禁句らしい)

さて、蕎麦。
今日は「ケシ切り」を打っていたので、普通のとそれを頼む。
前回ちゃんと味わえなかったが、今回は比較的ゆったりと食えたよ。
結論→うまい。
むちゃくちゃうまい。香りも味も最高である。
確かに量は少ないのであるが、それを補ってのうまさ。蕎麦がコーヒーのような嗜好品であると感じさせる瞬間でした。

あれ?写真は?とおっしゃるんでしょうが、やっぱりまたご主人の気迫に押されたのか、滅多にない電池切れを起こし、撮ってこれなんだ。
私はこの店に絶対勝てないと思う。
(2000/10)


03-3364-5758
新宿区高田馬場3-33-5
12:00〜8:00PM(7:30PM(LO))(金休)

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1999/11 ちゃぶち