本むら庵
(荻窪)



東京の石臼粗挽き蕎麦といったらここ。
関東中から客を集める観光地。


東京で蕎麦といったら、ここの名は必ず連なってくる有名店。荻窪駅からてくてくと西へ、途中なんちゃら寺の境内を通り抜け、しばらく行くと駐車場付きの大店がある。迷わなければ10分ちょっと。自動ドアをくぐると中も広い。座敷テーブル合わせて20テーブルはあるかな?それでも広々とするほどの間取り。信州辺りの駅からちょっと離れた流行ってる観光蕎麦屋という感じである。事実、車でやってきたような家族連れに蕎麦好き達がくつろいでるし、それは頼んでいる量が「せっかくだから」的にみんな多いことからもわかる(笑)。
じゃ、せっかくだから、色々頼んだ。全体的に量少なめだし。
まず「せいろ(650円)」。細めでちょっとホシ(黒い蕎麦の殻)が入っており、荒挽きなのか透明感が強く。クニクニとして軽く作ってあり、ちょっとつながりが悪いものの、食感というの悪くはないが、なんか表面がぬるぬるしている。これはあれだろうか?2時過ぎという時間帯のせいで茹で汁が濃縮しているのだろうか? あまりに不安になって他の人にも聞いてみたがやはり水切れが気になったという人は多い。が、だからと言ってこれがまずいか、と言われると、あーこういうのもいいかな、という気もする。大店だし、私ごときが文句言えない(言ってるって)。香りは弱めだが、それでも蕎麦独特の味は良し。
ついで「田舎(値段失念)」。かなり太くて、見た目からも、表面のでこぼこさが分かる。良く見ると中に入っているのは黒い粒に白い粒。黒は殻。白は挽ききれてない蕎麦の身。これがまた、食べるとジャリジャリするのです。これも旨いと言って良いのか分からないけど、めずらしいのは確かで、今まで沢山食べたけど、他にこんなの食わせるところはない。全体としてねっちりとした感じ。ねっちりじゃりじゃり。
さらに「よもぎ切り(1300円)」。これは良い感じに蓬の香りが生かされていた。同行の人は「餡子食べたくなる」とのこと。全くもって同感。細麺。
最後に「薬膳そば(1000円)」。これは韃靼(ダッタン)蕎麦で、ダッタン種の蕎麦を打ったモノ。めずらしい(池袋の「平安」にもあったのだが、黄色いだけで味が無かった)。ちょっと濃い目の黄土色をしていて、ここのはちゃんと味がある。つゆ無しで何口か食べると舌の脇辺りにじわわと苦味が来る。別名「苦蕎麦」に納得。細麺なのだが、ただいまいちつながりが悪かったことは否めない。調子悪かったのか、ダッタン種は難しいのか。
つゆはやや甘め。で、これを蕎麦湯で延ばすとめっぽううまい。とろっとした蕎麦湯に甘めのつゆ。これは蕎麦湯嫌いの人をこの道に引きずり込むのに十分な力がある。
あ、それから、書くの忘れるところだった。薬味にはおろしがねと本山葵が1本。ずりずり摩り下ろしながら待てる楽しさというのは、ガキと言われようとやっぱり楽しいのだ。
総評。名店の大店ということで、「平均的」蕎麦屋を想像していたのであるが見事に裏切られた。こんな蕎麦屋他にはありません。色々めずらしい体験させてくれるので、やはり一度は行っておくべきだと思う。

03-3390-0325 杉並区上荻2−7−11
11:00〜20:30(火第3月休)



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2000/3 ちゃぶち