茶無庵の酒肴
そばもやしの栽培


ああ、こういう栽培日記って
小学校のアサガオ以来だなぁ

玄蕎麦の入手


「そばもやし」が食いたくなった。
私の食欲はいつも唐突である。最近はコンビニなどという便利なものがあって、これが私の突発性食欲をさらに贅沢にしているのであるが、さすがに「そばもやし」は売っていない。今この瞬間にそばもやしを食いたいと思っている人間は、日本人1億人の中でも、多分私を入れて10人いないのではあるまいか?

ものの資料によれば、そばもやしは、蕎麦の実(玄蕎麦)を水につけておけば簡単にできるものであるらしい。ふむふむ、それでは早速・・・。

ところが町の植木屋等を巡ってみたのだけれど、意外に蕎麦の実を持っているところは無かった。売ってないのです。種屋さんに問い合わせてもらうと、1kg単位でならあるという・・。1kgももやしは食いたくない。
そこで頼るは、やっぱり蕎麦屋さん。餅は餅屋、蕎麦のことは蕎麦屋である。
残念ながら、私のうちの近所には、玄蕎麦から挽いている店は無かった。が、インターネットとは便利なもので、
築地さらしな乃里で修行した方々が作る里会のページにて、 もの欲しそうな顔をしたら、「船橋更科」の蕪木さんが分けてくださるということになった。ありがとうございます〜〜。

こうして届いた玄蕎麦。
キタワセという種類らしい。かなり菱のとんがった印象の実ですね。

(※情報によれば、東急ハンズにも売っているらしいです)


0日目 - 栽培開始


なんか深めの適当な容器を用意する。
ペットボトルを切ったやつとか、牛乳パックを切ったのとか、カップラーメンの容器とか、なんでも良いらしいです。


まず容器に熱湯をかけて殺菌する。気休めかもしれないけど、やっぱりカビたり腐ったりしにくいに違いないから。
で、容器の底に穴を開けて(私は小さな植木鉢を使った)、脱脂綿を引く。脱脂綿の表面は平らに。

その上に玄蕎麦をパラパラと播く。
普通のモヤシは、2重ねほどするというのでそれにしたがって、玄蕎麦同士がちょっと重なる程度に播くことにした。
それでもって、玄蕎麦が動かないように水をまんべん無く振りかける。水にどっぷりと漬かってしまうとどうやら発芽しないらしい(酸素がないから)。あ、容器の底に水受け皿は置いておきましょう。脱脂綿が十分に水を含み、玄蕎麦がしっとりとぬれた状態にする。黒い布をかけて暗くしておいて、スタート(15:00)。


発芽のポイントは、まず気温が25度程度あるということ。水分が周りに十分あるということ。あと暗いということ(暗発芽種子)。
つまり、春になって土の中で水があるときに発芽する、というわけですな。この条件さえ整えれば、1年中もやしは栽培可能であるらしい。

さて、どうなるでしょう。楽しみ、楽しみ。パン、パン(←拍手を打つ音)

(※発芽のスイッチを確実に入れるには、最初に水に半日ほどつけておくと良いそうだ。また水はため水でも育つことは育つが、途中で水がくさくなるので、やはり今回のように、容器に穴をあけて水が替わる様にしたほうが良い。)

1日目 - 早速発芽


種まきから、30時間後
3mmくらいの芽が、5,6粒に出て来た!
早いなぁ。たくましい生命だねぇ。
重力を感じているのか、あるいは水のある方を感じているのか、一様に下側の脱脂綿めがけて芽を伸ばし始めている。
なんか1つ毛が生えたようなものがあった。カビ?と思ってとりあえずそいつだけをはじいておく。


2日目 - おお、芽が伸びてきた


種まきから、40時間後
4割程度の種が発芽。
長い根は大体7mmくらいになってる。
根をよーく見ると、細かい毛が生えているのがある。すね毛状(笑)。
どうやらこれが根毛(毛根ではない)ってやつらしいですね。昨日カビだと思って捨てたのはこれだったのかなぁ。

脱脂綿はいつも湿っているが、種の表面は半日もたつと乾いてしまう。ということで、1日2回くらい水をやるのが適当なんでしょう。

50時間後。
8割程度の種が発芽。
長い根は大体1cmを越えている。
脱脂綿に根の先を突き刺して、えいやっと鎌首をもたげつつあるやつもいる。
写真は大体同じ場所を写しているけど、勝手に移動しているみたい。
なかなかかわいくて、情が移っちゃいそうです(笑)。

3日目 - 玄蕎麦が浮いた


60時間後。
大体発芽しそろったかな。根の長さは2cm。鎌首をもたげて、玄蕎麦がだいぶ浮き上がって見えるようになった(よって写真のアングル変更)。
育つ速度が上がったような気もする。最初の頃、伸びるのをためらっていたが、ここは大丈夫だと思うにあたって、後ろを振り返らず必死に太陽目指して伸びていくという感じ。ああ、けなげですね。

ところで、今のところ水をやるとき以外は、黒い布をかけてあります。真っ白けなもやしを狙ってます。

75時間後。
芽の高さは3〜5cmほど。4cmくらいが平均かな。鎌首部分が1cmくらい下に屈曲しているので全長は5cm程度ということになる。ちょっと長さがばらついているのは、発芽時期のずれによるものか。多分最初に水につけて、発芽時期を一致させれば綺麗にそろうのではないかな。
そばもやし特有の赤い色は全く出ていない。やはり日に当てるかどうかが問題なのかな。植木鉢に微妙に光が入っていたらしく、放射状に鉢の隅へ向かって伸びている。
殻は取れかかってます(一部落ちたのあり)。

光の漏れがないように深めに覆いをかけることにした。まっすぐに戻るかな? (その後更に伸びて植木鉢のヘリを越えたので、真っ暗に出来る戸棚に移動)

4日目 - 植木鉢浅過ぎたね


90時間後。
ずんずん〜と伸びて、植木鉢のヘリを越えるものが10本程度。その全長10cm(高さ9cm)短いものは相変わらず5cmだから、大体平均全長で8cm(全長7cm)というところかな。
戸棚の微妙なすき間の光を感じているらしく、微妙に全体が傾いている。ただ前日の放射状は全部なおって整列。気持ち良い。
まだ殻はなんとかくっついています。これが自然に取れるくらいまで育てたいんだけど、日に当てないととれないのかなぁ。

100時間後。
おお、だいぶ伸びた伸びた。5〜12cm(平均全長10cm)。既に植木鉢には納まりきらない。やっぱり容器が浅すぎたね。でも、こんなに勢い良く伸びるものとは思わなかったしねぇ。色々考えたが、やはり戸棚の中のように真っ暗なところに入れるか、あるいは大き目の覆いをかぶせるかしたほうが楽ですね。ただ戸棚の中は湿気が高いので、カビ等には注意しなければならないけど。

明日の夜には食べごろになるんでないでしょうか。楽しみである。
まだ、食べ方決まってないんだけど(笑)。

ところで、昨晩から1つ実験をやってみた。
昨晩外に出したものとの対照実験である。つまり今日の昼間一日太陽の下にあったわけであるが(ただし直射日光が当ったのは2時間程度)、これだけの違いがでる。今日は5月終わりにしては暖かく、天気は良かった。
料理の仕方にもよるだろうが、いわゆる「もやし」としては、Aの方が美味しい。

5日目 - こんなもんでどっかな?


110時間後。
まだ伸びるか、こいつら(^^;
14〜6cm (全長平均12cm)長い。ただ細いので普通のモヤシとは違った感じで、エノキダケなんかを思い起こさせる。ひょろひょろ長いので、自重で倒れてしまいそうである。考えてみると、彼らがこれだけ長く伸びるのは、地中深く埋まってしまった時であろうから、長く伸びても土が支えてくれる。このように空間に向かって伸びるという状況は少ないはずだ。だから余りに長いと自分を支えられないのもうなづける。

さて、今日の夜当り食べようかね。底をみると、脱脂綿にかなり根っこが絡まっている。数本だけ収穫、というわけにはいかず、食べるなら根こそぎ、だ。

120時間後。つまり、丸5日ということになります。
もーいいだろう。
現在17〜9cm 平均は14cmくらいかなぁ。一応まだ伸びているが、自分で支えられなくなって、ぱぁっと広がってます。オッケー。出来た。もう我慢できない、食ってやる。

収穫。
植木鉢から、脱脂綿ごと取り出すと、すごいですねぇ、根がぎっちりと生えている。まだ伸びそうな気もするので、1/5くらいだけ残しておくことにする。
さて、料理だ。

さて料理〜♪


『そばもやし料理篇』へGo!


まとめ - 大体20cm位までは伸びるみたい



「もやしの平均の長さ」を「種まきからの時間」についてプロットしてみるとこんな感じ。
ちなみに一番長いもやしは20cmであった。
発芽してからしばらくは様子をみるようにして伸びているが、60時間くらいからは伸び方が急速になる。これは大体根っこが脱脂綿にちゃんと食いこんで、子葉(まだこのころは殻に覆われている)が持ちあがったころに一致する。そこから先は大体同じ速度。130時間(6日目)を越えたあたりから伸び方が鈍くなる。

気温は東京における1日の最高気温を示している(朝日新聞より)。栽培中は5月にしては暖かく25℃を越えることが多かった。栽培場所はマンションの一室であり、最高気温の温度を比較的長く持続するため、もやしの生育には良い環境であったようだ。

んー、でも、このデータは一体なんの役に立つのだろう?


茶無庵メニューへ戻る
2000/5/21〜 ちゃぶち