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クマラのファイル集    5

Mangga(マンガ) マンゴ

        

初対面にインドネシア人との会話で、比較的早く登場するのがフルーツ談義です。日本の果物そっちのけで、「インドネシアには一年中おいしい果物がいっぱいあります。」に始まって、あれもあるし、これもあるし。ドリアン、パパヤ、マンギース‥‥‥徐々に白熱するや、いつも舌なめずりで登場するのが“マンガ”です。

漫画でもなければスンダ地方のありがとうの「マンガ〜ァ」でもなく、マンゴのことです。話しがマンゴに落ち着いてからも、その味がとってもおいしいとか、甘いとか、香りが良いの連発に続いて今度はその種類の多さを聞かされます。マンガゴレ、マンガグドン‥‥‥最後に真打格のマンガハルマニス。この段に至っては垂涎物です。どこで買ったらおいしいとか、どこで採れるのがおいしいとか、1キロいくらするとか、その場にインドネシア人が多ければそのボルテージはどんどん上がっていきます。身振り、手振り、ついでに舌振りと、その会話の真剣さには圧倒されます。

特にインドネシアのマンゴを食べたことがなければ、その会話にものすごいエネルギーを感ぜずにはいられません。ただひねくれ者の私には、あまりのエネルギッシュな会話に、どの程度の信憑性があるのだろうか。彼らが言うほどに本当においしいのだろうか。彼らは日本のおいしいフルーツを食べたことがあるのだろうか。いちご、もも、ぶどう、かき、りんご、みかん、マスクメロン、にマスカット。そしてフィリピンのマンゴを食べたことがあるのだろうか。ずいぶん長い間、私には信じることができませんでした。というのも、例えばドリアン.インドネシアのよりも、日本で買うバンコックからのドリアンのほうが、値段は別として、中身が多くて種がほとんどなく、品質、味など比べ様もなくおいしいのです。

その他のフルーツでもそうだが、インドネシアのフルーツでおいしいのは、パイナップルとバナナとナンカだと決めている。マンゴに関しては、何度も食べようとしたのだけれど、中々チャンスにめぐり合えなかったのだ。最近日本のスーパーマーケットにはフィリピン、タイ、フィジー、メキシコと、一年中並ぶようになりました。私が食べておいしかったマンゴは、フィリピンとメキシコ産。当然インドネシアにも一年中出回っていると思いきや、マンゴにも季節があるのです。それも意外と短いようです。

やっとのことでマンゴに出会うことができました。ジャカルタはクバヨランバルーのブロックM。篭を担いだマンゴやさん。一人1種類から2種類程度の果物売りがたくさんいましたが、マンゴを担いでいるのはこの人だけでした。値段は忘れましたが、さっそく味見、種類はあの垂涎の的のマンゴハルマニスです。色は濃い緑色、厚い皮を剥けばみかん色。黄色とか赤いマンゴしか知らないと、この緑色のマンゴは未熟としか思えません。それでもインドネシア人が何も言わないところを見るとこれが普通のようです。すすめられるままにまず一口。

揮発油性の香りとともに、独特の甘味が口中に広がります。フィリピンマンゴのような軟弱な果肉でなく、しっかりしていて、確かに う ま い 

しかしこの揮発油性の香りが魔物のように思えます。新聞で報道されたように、マンゴのアレルギー(マンゴはうるし科の植物で、人によっては食べた後に、口の周り、ひどい人は顔中にアレルギー反応が出る)が頭をよぎり、食欲にブレーキをかけてきます。おいしいのだけれど、もしインドネシアでアレルギーが出たら。まるでフルーツのフグです。

 

マンゴ4000年の歴史

マンゴの歴史は古く、インド東北部やミャンマー奥地の森林に野生していたが、紀元前2000年以上の古代に、栽培に移されてまずインド領域に広まり、つづいて紀元前5〜4世紀にインド移住者によってマライ半島、その他東南アジアへ伝わったと考えられる。マンゴの種子は非常に大きく、これが鳥やほかの動物によって般布されたとは考えられないから、おそらくその伝播は専ら人の手によって徐々に行われたものであろう。

 

A&M

早くから北インドに分布したマンゴは種子が単胚性で、実生では品種の特性を維持できないため、インドでは古くから呼び接ぎで繁殖する技術が発達した。一方マライ半島方面へ南下したマンゴは多胚性で、実生の変異が少なく、東南アジア一帯では、種子によってたやすく伝播された。これら2種のマンゴは外見状差がないが、発芽すると実生が単胚性では1本、多胚性では2〜3本立つといった違いがみられる。

インド地方でのマンゴの呼び名を調べて見ると、南北で差があり、北部のアーリア系民族の呼び名が、サンスクリットのアムラ、ヒンズーのアムをはじめすべてAの発音で始まるのに対し、南部のドラビダ系民族の地方名は東南アジア名のマンゴの筋を引くMではじまる呼び名になっていて、これは単胚、多胚マンゴの分布と一致する。ただ、スリランカのマンゴは多胚性であるが、同島のシンハリ名はアムバであって北インド系の名である。シンハリは2500年前、北インドから移動した民族で、北インド名をそのまま伝えていると考えれば説明がつく。なお同島のタミル蔟は、後に南インドから移住したから、南インドと同じマンガの名で呼んでいる。しかしインドにおけるマンゴは、北インドのガンジス流域に栽培されているものが主流で、アムまたはその系列名の単胚マンゴを中心に発達したものである。

以前我が家でもマンゴの種を植えたところ、一つの種から3本の芽が出てきました。フィリピン産だったかメキシコ産だったかは忘れましたが、これは多胚性ですから「マンガ」ということになります。芽を出させるのは非常に簡単。時期はやはりマンゴの故郷のように十分暖かくなってから。長さ10cm幅5cmくらいのマンゴの種の一部をナイフで削ってから土に埋めること。というのも自分で芽が出せないほど殻が硬いのです。そして冬のことも考えて、最初から容器に植えた方が良いと思います。我が家のマンゴの木も2mほどになり、クリスマスツリーになったこともあります。ただし数年で栽培をあきらめました。というのも、一つには「かぶれ」が心配でしたし、もう一つにはマンゴの木が大きな大きな木になることをしったからです。

マンゴは樹高20〜30mの常緑高木で、成樹の樹冠は球形となる。葉は暗緑、皮質で長披針形で、長さ15〜30cm、新葉は赤みを帯びて、枝先から垂下する特性がある。樹冠からピラミッド形の花序を多数超出し、一花序に数百個の花をつけるが、完全花が少なく、結実するものは2〜3個に過ぎない。花は白ないし緑黄色で小さく、上向きの花序についているが、結実して果実が大きくなるにつれ、重みで下垂するようになる。

果実は一般に豊満な曲玉状で、やや扁平、頂端近くにくちばし状の突起がある。果実は大小様々で、通常250gから、大きいものは1.4kgまたはそれ以上のものもある。果皮はなめし皮に似て、黄、緑、あるいは赤色を呈するものなどがある。果中に一個の大きい扁平な種子があり、種子の表面は銀白色の、細く硬い繊維で覆われているが、繊維の短いものほど品質優良である。

優良品種は甘酸適度で果汁多く、黄肉であるが、多くはややテレピン臭がある。実生の放任樹では、通常種子繊維が長くて果肉内を走り、テレピン臭も強く、また未熟果の汁はかぶれをおこすので注意が必要である。インドネシアで食べたマンガハルマニスもまさにこの優良種というやつだった。にほんでも、ちょっと珍しいと買った長いマンゴは、果肉の中を強い繊維が走り、まるでロープの端を噛んでいるようだった。

 

魚と同じく三枚おろし

マンゴは通常皮をはいで生食するが、果汁が垂れて手や衣服を汚す。それでスリランカでは古くから、マンゴは湯殿で食えとか、淑女もマンゴを食べるときだけは、行儀が悪くても構わないと言われている。しかし上手に食べるには、扁平な種子の両側に沿って三枚におろし、側片はさじですくい、中央は種子をつまんで周囲をしゃぶり取るのである。現在ではナイフで皮を剥くのだから簡単ですが、これにも上手な剥きかたがあるのです。ナイフで突起の方から皮を剥いて行き、三枚におろすのも突起の方からナイフを入れていくと、繊維に逆らわずに皮が薄く、そして種子からも多くの果肉を切り離すことができます。一度試していただくと良いのですが、反対からナイフを入れると、果肉の切り口も汚くなります。ただし、中央の種子の部分だけは、こっそりと、大きな口を開けてしゃぶりつくより方法がないようです。ここがマンゴの一番おいしいところだといわれています。

 

若葉は野菜

インドではチャツネとしてカレーに使います。マンゴの缶詰はシロップ漬けになっているが、製品は黄桃に劣らず品質良好である。未熟果もまた惣菜として煮て食べる。マンゴの果汁を何回も塗り重ねながら日乾すると、アムパパッド(マンゴせんべい)というものができる。これは甘酸味のある薄板状の貯蔵食品であるが、多くは土製の丸い押し型をあてて模様をつける。この押し型は素朴な芸術的作品として、好事家の関心を集めている。またマンゴの果肉にミルク、砂糖を混ぜ、マンゴフールといわれる一種の清涼飲料を作る。種子中の胚は焼き、あるいは乾燥後粉末とし、粥に入れて食べる。これは8%以上のタンパク質と、20%以上の可溶性固形分(糖分)を含む。なおタイでは花を、ジャワではまだ紫赤色を呈しているきわめて若い葉を野菜として食べる。

 

インドとの関係

インド古来の習慣や民間伝承の中には、マンゴに関するものがきわめて多い。マンゴの木はインドラの天国領土にある木の一つで、願い事をかなえてくれるとの伝説がある。マンゴの枝はヒンズーの聖日にあたり、これを歯ブラシにして葉を清め、また葬儀に当たって、火葬の燃料に加える。葉は結婚式その他の祝いごとに際してしめ飾りとし、部屋の入り口に張り巡らす他、神酒を器から地面に注ぎときのさじとして使われる。花はサラスワティー神や、マダン(インドのキューピッド)に捧げられ、またマーハというヒンズーの祭りに際し、その二日目にこれを月に供える。たとえばペイズリ織りといわれるインド手染めの毛織物は、マンゴ果実の図案でインドを象徴し、輸出されている。

 

薬にもなります

薬用には種子を駆虫、下痢、じ疾に用い、樹皮はリューマチに、樹皮の粘液は赤痢薬とする。インドでは不作の年に、マンゴの葉を飼料として牛に与えることがある。以前は葉を食わせた牛の尿から、ペオリ、一名インド黄という黄色染料を採ったが、永く食わせると死にいたらしめることがあるので、現在この染料採取方は法律で禁止されている。

マンゴの樹姿整った大木で、枝は太く弾力があって風に折れることが少なく、葉は密生して樹冠厚く、葉面平滑で強い光線をよく反射するので、樹下は常に涼しい緑陰を形成する。

 

参考文献:熱帯の果物誌  古今書院

 

5.クマラのファイル集 02/09/20  

 

 


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02/09/20