クマラのファイル集   トロピカルフルーツ.6

サポラジ  SAWO  サウォー


  サウォーの弟はガムだった

大きめの卵を茶色に塗ったような、キーウィフルーツの毛を取ったような、どちらかといえば目立たない存在のフルーツです。以前名古屋のホテルで開かれた東南アジア系のパーティー会場で冷凍の物を食べたことがありますがそれほどおいしいとは思いませんでした。

2回目はバンドンの友人宅で御馳走になりましたが、この時もこれがサウォーか、というぐらいであまりこれは、というものはありませんでした。冷凍は別として、果肉はリンゴのようにシャキッとするでもなく、果汁たっぷりでもなし、どちらかといえば少々傷んだナシのような、グサグサした感じ。しかし種だけは柿のようにすぐ離れる。

その後スーパーやパサールで見かけることも無く縁がありませんでした。今回本を広げてビックリ!サポラジというそうで、中南米はカリブ海沿岸が原産地。果物を取る一方、何とチューインガムの原料として樹液からゴム物質を採る目的の栽培もあるそうです。以前LガムのCMだったと思いますが、天然チクルを採って云々という木が、種類が違うかもしれませんがサウォーなのです。コロンブスが新大陸発見した時、土地の人々がこの木から採ったゴムを好んで噛んでいるのを見たといいます。

 サウォーはロマン派

当時すでに果物として栽培も始まっていて、行政官として西インド諸島に駐在したスペイン人オビエドはサポラジ(サウォー)はあらゆる果物中最も優れているとして推奨。また、フランスの植物学者で、詩人であったデスコティルは、「あたかも舌にとろけるがごとく、その香りはハチミツ、ジャスミン、および谷間のユリに似たり」と紹介している。在インドのイギリス人であった園芸家は「この果実ほど甘美、かつ適度に冷ややかで、我が意にかなうかなうものは、おそらく他にないだろう」と記している。

1570年スペインがフィリピンを占領して後、東南アジアへも伝播。インドネシアではジャワ島からマドゥーラ島にかけて、海抜1200mの高地まで見られるが、ジャカルタからボゴールの間が名産地となっていて、その品質は東南アジア産のうち最良との定評がある。

 外見よりも中身で勝負

果実は丸型と卵円型があり、インドネシアは後者のほうで、果皮は薄く、さび茶色で、ふけ様を呈し、一見ジャガイモに似ている。内部は充実していて、果肉は赤褐色、肉質は洋ナシに似て多少ざらつき、香りと味は干し柿に似るが、黒砂糖的な強い甘みがある。種子は6個までで、柿の種子に似てやや肥大し、黒色である。果実は熟しても果皮は変わらないので、果皮を少しつめではいでみて、内面が緑色なら未熟、茶色になっていれば成熟したものとして判断する。もし果実が未熟であると、タンニンやゴム物質が多く残っていて不美であるから追熟させたほうが良い。キューバやブラジルではシャーベットの原料にもなるそうです。以前ホテルで食べた冷凍物は、ブラジル風だったのかな?

 サウォーの妹は薬剤師

樹皮はマレーシアのペラ州で住民が下痢止めに、カンボジアでは解熱剤として。またジャワでは産後の母体回復の塗り薬として用いる。種子には、サポニン、ケルセチンのほか青酸カリを含み有毒であるといわれ、樹皮のタンニンは、フィリピンで網や帆の塗料に、樹液は接着剤として利用されている。

次回インドネシアへ行ったらあなたも是非一度サウォーを食べて見て下さい。そして木に傷をつけてゴムが採れるかどうか挑戦して見て下さい。果物以外にどのような使い道があるかたずねて見て下さい。最後に、味の詩的評価もお忘れなく。

参考文献:熱帯の果物誌 岩佐俊吉著  古今書院

       


   

5.クマラのファイル集 02/09/20  

 


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