クマラのファイル集    8

Pineapple Nanas(ナナス)  パイナップル

  

   パイナップル科の常緑多年草で、果実の形が松かさに似ており、味はりんごに似ているのでパインpineアップルappleと名づけられた。原産地はブラジル、パラナ川とパラグアイ川の流域地方において、ツーピー蔟の一派であるグアラニー・インディアンにより、果物として育成されたものである。15世紀末、ヨーロッパ人が新大陸へ到達した時は、既に新世界の各地に分布、栽培されていた。

コロンブスの第2次探検隊1493年11月4日西インド諸島のグアデループ島で発見されてからは急速に他の大陸に伝わった。パイナップルは植物体の各部から発生する芽によって繁殖するが、この芽は乾燥に耐えてよく活着する。したがって1513年にははやくもスペインにもたらされ、次いで当時発見された東洋航路に乗り、たちまちアフリカ、アジアの熱帯地方へ伝わった。当時海外の布教に力を注いでいたイエズス会の僧たちは、この新しい果物を、時のインド皇帝アクバルへの貢物として贈り、機嫌を伺ったと言う。

次いでフィリッピンへは1558年、ジャワでは1599年にはいり広く普及して行った。そして1605年にはマカオに伝わり、福建を経て、1650年ごろ台湾に導入された。わが国では1830年小笠原の父島に初めて植えられたが、1845年にオランダ船が長崎へもたらした記録もある。

パイナップルの果実といわれる食用部分は伸長した茎の周りに排列した小果実の付け根の部分が融合肥大し、多量の汁を含むようになったもので、真の果実は表面へ螺旋状に並び、硬化して食べられない。

茎は肥大部の中心を突き抜けて、その頂部に多数の葉をつけた芽、すなわち子株状になっていて、これを冠芽といい、また肥大部の直下から裔芽、肥大部をになう茎の途中から吸芽、下部の地際から塊茎芽など、各種の子株を発生する。

一度果実を結んだ親株は用をなさないので、通常根際から発生する子株を更新し、これを3回繰り返し収穫した後、全株を各種の子株によって新しく植え替えるのがこれまでの一般的栽培法である。例えばパイナップルの頂部の葉を捨てないで植えれば活着します。ただし日本では温度がある程度高くなければいけないので6月から8月が可能です。当然涼しくなったら部屋に取り込む必要があります。アナナスの仲間ですので、観葉植物として一度挑戦して見て下さい。実る保証はあなたの腕次第。

      

栽培適地は年平均気温20度C以上で年降水量1300ミリ内外の熱帯の平地から海抜800mくらいまでの排水の良い肥沃な砂土壌である。

植付け後15〜18ヶ月で収穫が始まる。自然下の主収穫期は、たとえば沖縄では7〜9月と11〜翌年の2月である。1年を通した生産面の労働力の分配や缶詰工場の平準化を図り、カーバイド、エスレル、αーナフタレン酢酸などの処理により、計画的に花芽形成を促し、収穫調節を行っている。1985年の世界総生産は923万トンで、主産地はタイ、フィリピン、ブラジル、インド、アメリカ、ベトナムなどである。日本では沖縄が主産地で4万トンである。

 

果実は芳香があり、多汁でさわやかな酸味と甘みに富み、生果肉100g中全糖分として10〜15%、クエン酸やリンゴ酸など酸類を0.8〜1.2%、アミン酸窒素22〜35mmg、カルシウム17mmgカリウム100mmgを含み、ビタミンではCを5〜14mmgのほかカロチンやBもふくんでいる。果汁中にはタンパク質分解酵素ブロメリンを含み、肉類の消化を助ける。従って肉類と一緒に炒めたり、ステーキやハンバーグのデザートとして食べることをおすすめします。

未熟果や追熟不十分の果実には多量の酸の他、シュウ酸石灰などを含むため、食べ過ぎると口内は荒れ、出血することがある。

果実は生食の他、ピクルス、ジャムなどであるが、何といっても缶詰とジュースが主である。完熟した果実はせいぜい5日間で傷んでしまうため大産地はいずれも加工を伴って発展してきた。パイナップル缶詰がはじめて作られたのは、1844年シンガポールにおいてフランス人が工場を建設、1888年にはイギリス人が建設したが、それら白人の工場はその後2〜3年で中国人の手に渡り今日に至っている。原料はマレーシアから入手しているが、マレーシアの栽培は、当時急騰したパラゴム植林の間作として発展したものである。

缶詰は花柄にあたる芯を抜き、皮をはいで円筒状にしたものを適当に切り、砂糖シロップを加えて加熱殺菌して造られる。

パインジュースは缶詰製造過程の廃棄部分である果実表皮、果芯部、切片や破損果などを原材料にする場合もあるが、缶詰に向かない低温期の果実はこれにあてる。ジュースは無濃縮と濃縮とがあり、前者はパルプ含有率を3%以下、後者は2%以下とし、最高6分の1まで濃縮され、氷点下30℃に保管される。その他パイン酢、アルコール、クエン酸石灰などもできる。加工時の廃棄物は乾燥して飼料になる。

また熱帯では果実のみならず、葉から繊維を採って利用することがある。この繊維は白色強靭、絹糸状で長さ38cm〜90cm、採取率は通常2〜3%に過ぎないが、この繊維で織った布は手触りが麻に似て紗のように薄く、フィリピンや太平洋のマリアナ諸島ではピンヤ・クローズといって、これで礼服を仕立てる習慣がある。繊維を採る目的でパイナップルを栽培するときは、日光を制限して密植し、果実は若い間に取り去ってしまう。

 

参考文献:熱帯の果物誌 岩佐俊吉著  古今書院

       日本大百科全書   小学館

 

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02/09/20