クマラファイル集   
 

クマラ通信4号  99/9/16

  1. アカデミックに食す       

  2. ちょっとインドネシア語     

  3. クミリーはキャンドルナッツでした


1.アカデミックに食す

Krupuk udang(クルプックウダン)は皆様御存知のおいしいエビせんべい、クマラのメニューにはすぐ下にemping(ウンピン)があります。木の実のせんべい、ほろ苦くビールにピッタリとの説明付き。インドネシア人にとってクルプックウダンは大好物ですが、ウンピンも同様に好まれ、どちらかと言うとウンピンのほうが高級感があるようです。クマラでは、ガドガドの上に乗っているせんべいも、じつはウンピンなのです。

ある日大学の先生がいらっしゃって、学生に食べさせたいからウンピンをわけて欲しいとの事。良くある話ですが一般的にはクルプックウダンがご指名なのですがどうしてウンピン?。先生は実は木材の専門、だからエビではなく木の実なのですが、それだけではありませんでした。

「われわれ専門家からするとウンピンはとても特異な存在なのです。ヨーロッパの学者が日本へ来るといちょうの木が見たいそうです。だからついでに銀杏をすすめると、いちょうの実が食べられるのかとそれまた感動するそうです。そしてジャワに行けば同様にウンピンの木、つまりムリンジョウの木が見たいということになる。そしてこれまた食べられ皆感動するんですよ。」 

いちょうが生きた化石と言う話しは以前聞いたことがある。一般的にある種の植物にはそれを食性とする昆虫やら鳥類がいるのだがいちょうにはどうも無い様です。太古の昔には多分あの腐い銀杏を好んで食べた恐竜のような鳥がいたのではというのも耳にした事もある。

ムリンジョウの木ノ実から作ったせんべい状の物はemping:ウンピンと言いますが、実はムリンジョウと言います。葉はダウンムリンジョウ。ジャカルタの名物スープsayur asamサユールアッサムにはトウモロコシにピーナッツ、そしてムリンジョウとダウンムリンジョウが入っているのです。以前友人の家の裏でこれがムリンジョウだよと教えてもらったことがありますが、食べることにしか興味のない私は実と葉の部分、つまり枝先しか見なかったので、木全体がどんなだったかは全く覚えていません。ジャカルタから来たインドネシア人のリクエストに時々このサユールアッサムがありますが出来ないと断っています。ただしサユールアッサムもどきならできますが。つまりムリンジョウにダウンムリンジョウが手に入らないからです。(入手可能情報お持ちの方は御一報を)

先生からいただいた資料によれば、この場合木材資源となる植物の観点からの分類学上以下のように分けられる。(中学高校の生物を思い出してください)

@菌藻植物門:植物界で最も下等なグループ、藻類、菌類、細菌類など植物が地球上に最初に出現し陸上に移動する以前の形態・生活様式をとどめていると考えられる。

Aコケ植物門:菌藻植物にくらべるとかなり進んだグループであるとはいえ、比較的簡単な植物、まだ典型的な通導組織である維管束は全く見られない。

Bシダ植物門:維管束の分化が見られ、根・茎・葉の器官が完全に確立し、これらの器官は木部と師部によって構成される典型的な通導組織である維管束をもっている。しかし二次肥大成長をおこなわないものが多く、二次肥大成長をおこなう種類でも典型的な二次木部の蓄積はおこなわない。茎は一般に小型で多くは根茎となるが巨大な茎を持つ木生シダもある。現生の木生シダは非常に少ないが、古生代、とくに石炭紀には典型的な二次木部を蓄積した木生シダが全盛を極め、現在は絶滅した古い裸子植物とともに今日の石炭層の堆積に大きく貢献している。その後の地球表面の環境変化と裸子植物、被子植物の発展によってシダ植物はしだいに衰退。

C裸子植物:被子植物と共に花を咲かせ種子をつくるいわゆる種子植物としてシダ植物以下の植物郡と決定的な違いを示している。裸子植物は心皮が閉合して子房をつくることがないため、胚珠が裸出していることが特徴で古世代デボン紀にはじめて出現し中世代三畳紀に全盛を極めたが、その後被子植物に席を譲っている。現生の裸子植物はソテツ類、イチョウ類、針葉樹類、マオウ類の4つの目に分けられいずれも二次肥大成長をおこなう木本植物である。ソテツとイチョウは花粉が胚珠について発芽すると花粉管の中に精子が生ずることから裸子植物の中で最も原始的でシダ植物に近いものと考えられる。針葉樹類はすべて典型的な二次肥大成長をおこなうので重要な木材資源となっている。マオウ類は現生のものは3属約70種あるが、この類の二次木部は道菅をもっていることで被子植物のそれと似ており、マオウ類は裸子植物の中で最も進化したグループとされている。しかしながらいずれも低木あるいはつる性で木材としての利用価値はない。

D被子植物:心皮が閉合して子房をつくり、胚珠が子房の中に包まれることが特徴で、中世代ジュラ紀に出現し、新生代に入って現在に至るまで全盛を極めている。被子植物は双子葉類と単子葉類に分けられ、双子葉類でも肥大生長をおこなう木本植物と肥大生長しない草本植物が有り、木本植物は広葉樹と呼ばれ、重要な木材資源となっている。単子葉類は植物界の中で最も進化の進んだものと考えられている。大部分が草本植物であるが、ヤシ類や竹類のように高木状になる種類もある。

以上が植物の分類学上の説明です。

ウンピンつまりムリンジョウは植物学名Gunetum gunemonで針葉樹と広葉樹の間に位置します。今までは「木の実ってどんな?」と尋ねられれば「どんぐりのような」なんて答えていましたが、これで今日からはそんな質問があれば「良くぞ聞いてくれました、ウンピンの実はムリンジョウといって学名‥‥、分類学上‥‥」と説明に10分かかってしまいそう。つまり次の料理が出てくるまでに10分は余計にかかり、何やかやと遅れること必至、これを読んでからの質問は避けていただいて、ウンピンでも追加注文してほろ苦さをゆっくり噛み締め味わって下さい。

次回食べるジャカルタでのサユールアッサムの味わい方も微妙に変わるだろうし、ついでに銀杏を持参して銀杏とムリンジョウの競演による日本インドネシア食文化交流、豪華絢爛饗宴サユールアッサムなんてのはどうかな。

2. ちょっとインドネシア語 B NASI (ナシ)

[ナシ・ご飯] 人はオラン、魚はイカン、ご飯はナシ、クマラのテーブルマットにも書いてありますがおもしろインドネシア語の一部です。日本語でも稲、米とご飯が違うようにインドネシア語でもpadi(パディ/稲)、beras(ブラス/米)と nasi(ナシ/ご飯)になります。ご飯つまり白い飯はnasi putih(ナシプティ)となり、インドネシア料理の代表格ナシゴレンはnasi goreng、gorengは炒める、揚げるの意味です。バリ好きのあなたの定番メニューはnasi campur (ナシチャンプル)やnasi bungkus(ナシブンクース)、campurは混ざった、bungkusは包む、つまりまぜご飯に持ちかえり弁当となります。お祝いのときにはnasi kunung(ナシクニン/黄色いご飯)で三角錐の山を作り、周りにおかずをあしらったnasi tumpung(ナシトゥンプン)を作ります。Nasi uduku(ナシウドゥック)という炊き込み御飯もあります。ナシゴレンは朝ご飯、昼、夜はナシプティが基本です。

3. クミリーはキャンドルナッツでした。

インドネシア料理の数ある香辛料の中にクミリーというマカデミアンナッツのようなものがあります。クマラではソトアヤムやカリーアヤムのブンブ(調味料)に使っています。てっきりマカデミアンナッツだと思っていたのですがどうも別物だそうです。バリ島のトゥンガナン、バリの先住民、経緯絣で有名ですが、この織物は織るのも大変で、出来あがるのに10数年掛かるそうです。そんな織元を尋ねると家の前にいくつものつぼが置いてあり、この中に糸を漬けておくと染色しやすいそうです。そして中を覗くと見かけたことのあるクミリーと糸が入っていました。クミリーと一緒にしておくと染色しやすくなるのだそうです。そしてこの中に何年も入れておくのだそうです。10数年のほとんどがこのつぼの中というわけです。このクミリー、英語名がキャンドルナッツ、つまりロウソクの実になります。じつに脂肪分が多いわけです。どれぐらい多いかと言うとクミリーを圧搾して油を取り、絵画のニス、ローソクの材料、あるいは灯用として使用したり、整髪料としても使うそうです。だからこの直径2cm程の小さな実に直接火を付けると芯もないのにチロチロと10分ほど燃えています。ちょうどローソクのように。今度のクリスマスにはクミリーの灯で食事でもどうですか?


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