ウエスタンプロット法

 ウエスタンプロット法とは、無数にあるタンパク質の中から、ある特定のタンパク質だけを検出する方法である。

1.電気泳動によるタンパク質の分離  まず、無数のタンパク質を大きさ別で分離する。

これが、タンパク質を分離する装置。緑色の手でとめてあるのが、2枚のガラス板で、その間に透明のゲルが固められている。

溝の部分に、全タンパク質(細胞を溶かしたものや、動物なら組織の一部を溶かしたもの)を入れる。電気を流すと、タンパク質は下へ一直線にゲルの中を流れていく。

大きなタンパク質はゆっくりと、小さなタンパク質は先に下へと流れる。この原理で無数にあるタンパク質の種類を大きさ別に分離できるのである。
このチューブに入った青色の物が、タンパク質を溶かしたものである。青色をしているのは、タンパク質を電気に流しやすくするための試薬を入れているため。
これは、ゲルの溝にタンパク質を入れているところ。この装置は表・裏あり、最大で、だいたい10サンプル×2面の20サンプルぐらいまで、流すことができる。
電気を流すための溶液にゲルをつけ、電気を流しているところ。下まで流れるのに、45分ぐらい。
これは、流し終わったゲルを染色したもの。Mは分子量マーカーというもので、これを基準に検出したいタンパク質がだいたいどの位置にあるのかが予想できる。A〜Jは単に試料の種類。この写真は、同じ細胞を実験の処理ごとに流したもの。動物なら、一匹目〜10匹目というように流したりする。
しましまのラインで、タンパク質の分離されているのがわかる。


2.メンブレン(膜)への転写  次に、分離されたゲル中のタンパク質をメンブレンに写す。ゲルのままでは、まだ目的のタンパク質があるのか見れないのだ。   
この赤い装置が、ゲルにあるタンパク質をメンブレンに写す装置。メンプレンとは、ウエスタンプロットで用いる特別な紙のこと。これも、電気を流してタンパク質を移動させる。この操作は、1時間。
この白いものが、メンブレン。全ての分離されたタンパク質が、このメンブレンに移動している。ここで、このメンブレンを少し洗浄した後、さらに処理を続けて、いよいよ目的のタンパク質があるのかを見る。しかし、この状態で、一晩保管する必要もある。



3.抗体反応と写真撮影   いよいよ、目的のタンパク質を見る。と言っても、すぐに見られるわけではないのだ。
まず、メンブレンの抗体反応を行なう。抗体反応とは、目的のタンパク質に対する抗体で反応させること。抗体は、目的のタンパク質のある部分にだけにひっつく。その段階で、目的のタンパク質にのみ、抗体があることになる。次に、その抗体に対する抗体と反応させる。この抗体には、特別な処理をされており、発光するようになっている。

その結果、目的のタンパク質のあるところだけ、光るのだ。抗体反応は、抗体を2種類使い、それぞれ1時間必要。

黒い装置が、写真におさめるための特別なカメラ。フィルムはポラロイドで、暗闇の中でわずかな光でも写すことができる。メンブレンは、さらに蛍光試薬で処理して光らせている。
これが、結果の写真。点線の枠の内側に白く写っているのが、この実験での目的のタンパク質。白く光っているものが、目的のタンパク質が存在するということになる。逆に、光っていないものが、そのタンパク質は存在しないということになる。光の強さは、そのタンパク質の量をあらわしている。


同じタンパク質に対する抗体でも、メーカーによって感度が違うことが多々あるのが問題。

以上が、ウエスタンプロット法の簡単な説明です。
今、狂牛病騒ぎで検査方法であるウエスタンプロット法というものも、名前だけ報道されています。検査を十分に行なうと言われても、どのような検査なのかわからないままでは、と思い、説明を作ってみました。


ウェスタンプロットで検出されるタンパク質に関しては、信頼性はあります。ただ、検出されないから絶対にないと言い切ることもできません。


狂牛病に対しては、狂牛病の牛を見つけるための検査方法であり、安全な牛を見つけるための方法とは言えないでしょう。しかし、ウェスタンプロット法より感度が断然優れているのが、エライザ法です。エライザ法でも検出されないなら、もう安全と信用するしかないでしょう。ただ、ウエスタンプロット法とエライザ法では、一回の測定に必要な値段が全然違うのです。適当に計算すると、ウエスタンプロット法が一回で数千円に対し、エライザ法は数万円なんです。命に関わる問題なので、お金のことを言うのはよくないかも知れませんが、安く正確な検査のできる方法を確立することも大きな課題でしょう。


ここでは、専門の人ではない人に理解できるように解説したいと思っています。掲示板、メールにて疑問点や、改善点などをどしどしお申しつけください。